freeeでは、摘要や補助科目のかわりに、「取引先」「品目」「部門」「メモタグ」「セグメント」「備考」などの摘要(情報)を取引につけることができます。
これらの摘要をつけると、売掛金・買掛金の管理や、請求書の作成、レポートの抽出時に便利です。
目次
freeeの取引に付与できる摘要
摘要の種類
摘要は、取引の必須項目ではありません。
最低限、勘定科目だけで入力は可能です。
摘要の種類 | 入力する内容 | 入力例 |
---|---|---|
取引先 |
事業上の取引(商品の仕入れや販売など)を行なった相手 |
ABC株式会社 |
品目 |
どのような商品・サービスか どのような内容か |
商品X 源泉所得税 |
部門 | 事業部門や支店 | 東京本店 |
メモタグ |
目印を付けたいメモ ※ 1行に複数つけることができます。ただし一部の集計には非対応です。(試算表の内訳表示など) |
要確認 |
セグメント |
上記以外の項目で検索・分析したい場合に、任意の集計軸およびタグを追加可能 ※セグメント1~3はアドバンスプラン以上(または旧エンタープライズプラン)で利用可。旧プロフェッショナルプランはセグメント1まで利用可。 |
プロジェクト:◯◯案件 エリア:関東地域 販売チャネル:EC など |
備考 | 自由入力欄 | 2回分割で入金予定 |
摘要の取引への付与イメージ
【例:広告・宣伝用の商材制作を行っている法人の場合】
① 10月1日にCFO株式会社からポスターを発注されました。売上は50万円で、毎月10万円ずつ、5回に渡って入金がされる予定です。
- 取引先:CFO株式会社
- 品目:ポスター代
- 備考:5回に分けて部分決済
② 10月3日に先方とデザイン打ち合わせのため、制作部が出張に行きました。経費は新幹線代3万円です。
- 部門:制作部
- メモタグ:新幹線代
- 備考:ポスターデザインの打ち合わせのため
③ 10月20日に、ABCスーパーマーケットで社内懇親会用に10万円分の食品を購入し、経費としました。
- 備考:社内懇親会のため
※ ABCスーパーマーケットは、商品を購入しただけで、事業として取引を行っているわけではありません。よって、ABCスーパーマーケットを「取引先」として登録する必要はありません。
共通の活用例
取引先・品目を補助科目のように勘定科目に紐つける
取引先・品目を補助科目のようにある勘定科目の内訳として用いたい場合、勘定科目の内訳管理用の取引先・品目を設定することで対応できます。詳しくは「勘定科目の設定・追加を行う - 参考:勘定科目の内訳管理用の取引先・品目(補助科目)を設定する」のヘルプページをご確認ください。
レポート上での絞込み
レポート機能の一部で摘要(取引先、品目、部門、メモタグ、セグメント)によるデータの絞り込みを行うことができます。レポートは、その月の集計や総額の確認に便利です。
詳細は、各種レポートのヘルプページをご覧ください。
取引先の活用例
取引先を使った売掛/買掛残高の管理
freeeでは「取引先」を付けて未決済の取引を登録することで、相手先別の売掛金・買掛金(債権・債務)を管理することができます。
特定の取引の決済状況の確認や決済を行うには、取引の一覧から確認すると便利です。
例:
7月31日が支払期日の10万円の備品請求書を6月30日に受領し、取引先のフリー株式会社への支払いを忘れないように未決済取引として登録した。
- [取引]メニュー→[取引の登録]から、決済を「未決済」、取引先を「フリー株式会社」にして取引を登録します。
- 登録すると、「取引の一覧」で取引先への送金(支払)予定が確認できます。
取引先を使った従業員ごとの経費精算の状況確認
freeeで経費精算をすると、経費精算の時に記載した取引先(従業員)と備考(何に使ったか)は、自動で会計データに登録されます。
また、経費精算では、取引先ごとに合計金額と決済残高を確認することができます。
取引先の請求書への印字
取引先に得意先の詳細情報を入力すると、請求書に印字する事が可能です。
請求書の「取引先」の内容が取引の「取引先」に、請求書の「摘要」に記載した内容が取引の「備考」として、会計データに自動登録されます。
【請求書作成画面】
【請求書画面】
【取引画面】
取引先の登録については、「取引先を登録する」のヘルプページをご覧ください。
品目の活用例
品目を使った勘定科目ごとの内訳管理
freeeでは各勘定科目の摘要欄に「品目」を付けて取引を登録することで、各勘定科目の内訳を管理する事ができます。
品目を使った家事按分の登録(個人事業主向け機能)
勘定科目と品目、事業利用率の組合せを設定し、そのルールに則り登録した取引は家事按分の振替伝票を期末に自動で登録を行うことができます。
詳しくは「家事按分を登録する」のヘルプページをご覧ください。
品目を使った支払調書の作成
源泉徴収した支出取引を、支払内容+源泉徴収の2行の取引として登録しつつ、それぞれに品目を付与すれば、後から該当する取引を元に支払調書を一括作成できます。
詳しくは「支払調書を作成する」のヘルプページをご覧ください。
なお、品目の登録については「品目を登録する」のヘルプページをご覧ください。
部門の活用例
取引に「部門」を付与することで、部門別会計が可能になります。
例えば、以下のようなケースで活用できます。
- 複数の店舗・支社を持つ場合
- 複数の事業を営む場合
- 部門別の収益を見たい場合
詳しくは、以下のヘルプページをご参照ください。
メモタグの活用例
「メモタグ」は、文字通り取引に何らかのメモを残すためのタグです。
例えば、以下のようなケースで活用できます。
- 「あとで直す」「要確認」などのメモを残し、後から検索できるようにするために付与
なお、メモタグは1行に複数つけることができますが、その代わり以下の集計には対応していません。
- 試算表・月次推移の内訳表示
- カスタムレポートの集計軸
- など
取引先・品目・部門と別の集計軸をもたせたい場合、次に紹介する「セグメント」の活用を推奨します。
メモタグの登録については「メモタグを登録する」のヘルプページをご覧ください。
セグメントの活用例
取引に「セグメント」タグを付与することで、お客様独自の切り口から分析・集計することができます。
※ 「セグメント」タグは、法人のアドバンスプラン(または旧プロフェッショナルプラン)以上でご利用いただけます(アドバンスプラン / エンタープライズプラン:3種類まで、旧プロフェッショナルプラン:1種類まで)。
例えば、以下のようなケースで活用できます。
- プロジェクト別の損益計算をしたい場合
- キャンペーン別の損益計算をしたい場合
- 販売エリア別の損益計算をしたい場合
セグメントの登録については「セグメント(分析用タグ)を登録する」のヘルプページをご覧ください。
備考の活用例
備考は自由入力欄ですので、単にメモを残したい場合に活用できます。
タグではありませんので、表記に揺らぎが発生しやすくなるためメモタグより検索性は下がりますが、好きな内容をその場ですぐ書けるという点で、手軽なメモに適しています。
例えば、以下のようなケースで活用できます。
参考:銀行口座の補助科目は不要
freeeでは銀行やクレジットカード別に「口座」を作成し、その口座を勘定科目として残高管理をします。そのため、預金種別の下に銀行の補助科目を付けるような管理はしない設計になっています。
参考:摘要としての登録が不要なもの
例:
- 取引先:一般的な店舗の登録は不要です。
- 品目:全て入力する必要はなく、後から検索したいものがある場合、その内容を登録します。
- 部門:自社が部門に分かれていない場合は入力不要です。
取引先については、事業で取引のある会社や、(経費精算を利用している場合)自社の従業員を登録します。
基本的に、スーパーなどの店舗で物品を購入した際に、その店名を「取引先」として登録する必要はありません。支出金額等を管理する際に、購入先ごとに金額を管理する必要がないためです。
ただし、消費税の課税事業者である場合には、仕入先の店名は記載する必要があります(仕入税額控除に適用するための要件であるため)。この場合の取引先情報は「備考」欄や添付ファイルの「発行元」に記述しても問題ありません。
参考:取引の摘要は貸借のどちらに付く?
freeeの「取引」は、入力内容を自動で仕訳に変換しますが、その際、摘要の種類により貸借のどちらに付くかが異なります。
詳しくは下表のとおりです。
摘要 | 貸借のどちらに付くか | |
---|---|---|
収入の場合 | 支出の場合 | |
取引先 | 貸借両方 | 貸借両方 |
品目 | 貸方のみ | 借方のみ |
部門 |
貸方のみ(※) |
借方のみ(※) |
メモタグ | 貸方のみ | 借方のみ |
セグメント | 貸方のみ | 借方のみ |
備考 | 貸方のみ | 借方のみ |
※ ひとり法人プラン(または旧プロフェッショナルプラン)以上では、未決済取引のみ、設定により貸借両方に付与することも可能です。詳しくは、「未決済取引の相手勘定科目に部門を付与する」のヘルプページをご覧ください。