毎月一定に見えますが、構成する項目に変動があると、様々な項目へ影響があります。
ここでは人事労務freeeでの給与の計算式をご紹介します。
目次
- 設定の確認
- 1ヶ月の平均所定労働日数
- 1時間あたりの賃金 - 勤怠控除
- 欠勤控除
- 遅刻早退控除
- 勤怠控除計算例 - 残業手当
- 法定内残業・時間外労働・休日労働・深夜労働
- 固定割増手当・固定割増手当超過額
- 残業手当計算例 - 計算式一覧
設定の確認
給与計算に必要な設定と、設定から算出される額の確認をします。
1ヶ月の平均所定労働日数
[設定]画面の[勤務・賃金設定]から確認します。
[勤務・賃金設定]内より該当する勤務・賃金設定をクリック後、[出退勤時刻と労働時間]より確認します。
1時間あたりの賃金
勤怠控除や残業手当の計算に用いる、1時間あたりの賃金の確認方法です。
[給与明細]ページにて確認したい給与支給月を選択後、対象の従業員をクリックします。
画面下部「給与計算情報」の「割増賃金」にて、1時間あたりの賃金を確認できます。
1時間あたりの賃金単価の計算(給与形態別)は以下の通りです。
- 「月給」の場合
- 1時間あたりの賃金 = {基本給+手当金額(「割増・控除の計算に含める」設定の手当)}÷ 1ヶ月の平均所定労働日数 ÷ 1日の所定労働時間
- 「日給」の場合
- 1時間あたりの賃金 = [日給単価+{手当金額(「割増・控除の計算に含める」設定の手当)÷1ヶ月の平均所定労働日数}]÷1日の所定労働時間数
- 1時間あたりの賃金 = [日給単価+{手当金額(「割増・控除の計算に含める」設定の手当)÷1ヶ月の平均所定労働日数}]÷1日の所定労働時間数
- 「時給」の場合
- 1時間あたりの賃金=時給単価+{手当金額(「割増・控除の計算に含める」設定の手当)÷1ヶ月の平均所定労働日数÷1日の所定労働時間}
※初期設定では最終計算結果に1円未満の端数が生じた場合は四捨五入となります。勤務・賃金設定を新規に作成する際に端数処理方法を変更することができます。詳細はこちら。
※締め日より支払日が先の場合、基本給は「先月の月給」を用いて計算をします。これは該当月の給与へ算入される勤怠控除や残業手当が先月分であるためです。
勤怠控除
欠勤控除
欠勤控除 = 1時間あたりの賃金 × 1日の所定労働時間 × 欠勤日数
※最終計算結果に1円未満の端数が生じた場合は切り捨て
遅刻早退控除
遅刻早退控除 = 1時間あたりの賃金 × 遅刻早退時間
※最終計算結果に1円未満の端数が生じた場合は切り捨て
※分は時間あたりに換算して計算 (例)42分遅刻 = 0.7時間遅刻
勤怠控除計算例
1時間あたりの賃金が3,086円、1日の所定労働時間8時間の従業員に対して上記のような給与明細の表示があります。
遅刻早退控除時間は「◯時間△分」の表記です。00:38となっている場合、38分の遅刻早退があったこととなります。
計算式は以下の通りです。
欠勤控除 = 3,086円 × 8時間 × 1日 = 24,668円
遅刻早退控除 = 3,086円 × (38÷60)時間 = 1,954円
※最終計算結果に1円未満の端数が生じた場合は切り捨て
残業手当
残業手当の自動計算の設定についてはこちらをご覧ください。
法定内残業・時間外労働・休日労働・深夜労働
設定している割増率から計算する場合
1時間あたりの賃金×計上されているそれぞれの残業時間×設定しているそれぞれの割増率
※最終計算結果に1円未満の端数が生じた場合は四捨五入
※分は時間あたりに換算して計算 (例)42分遅刻 = 0.7時間遅刻
設定している割増単価から計算する場合
設定しているそれぞれの割増単価×計上されているそれぞれの残業時間
※分は時間あたりに換算して計算 (例)42分遅刻 = 0.7時間遅刻
固定割増手当・固定割増手当超過額
設定している固定割増手当金額を固定割増手当として反映
(法定内残業+時間外労働+休日労働+深夜労働金額)-固定割増手当=固定割増手当超過額として反映
残業手当計算例
1時間あたりの賃金が3,086円、1日の所定労働時間が8時間の従業員に対して上記のような給与明細の表示があります。
残業時間はそれぞれ「◯時間△分」の表記です。時間外労働時間17:28となっている場合、17時間28分の時間外労働があったこととなります。
上記のような割増率の設定がされており、固定割増手当金額は50,000円です。
残業手当計算式は以下の通りです。
法定内残業 = 3,086円 × 0時間 × 1 = 0円
時間外労働 = 3,086円 × (17時間28分=17.466…時間) × 1.25 = 67,378円
休日労働 = 3,086円 × 7時間 × 1.35 = 29,163円
深夜労働 = 3,086円 × 5時間 × 0.25 = 3,858円
※最終計算結果に1円未満の端数が生じた場合は四捨五入
※分は時間あたりに換算して計算 (例)28分残業 = 0.466…時間残業、計算結果より四捨五入)
※22時以降の深夜の時間外労働の割増率は150%ですが、時間外労働分で125%(1.25倍)の割増分を求めるため、深夜労働分では25%(0.25倍)の割増分を求めます。
残業手当合計 = 上記合計 100,399円
固定割増手当超過額 = 100,399円 - 固定割増手当50,000円 = 50,399円
計算式一覧
対象控除/手当 | 計算式 | 注意点 |
欠勤控除 |
1時間あたりの賃金 × 1日の所定労働時間 × 欠勤日数 | ※最終計算結果に1円未満の端数が生じた場合は切り捨て |
遅刻早退控除 | 1時間あたりの賃金 × 遅刻早退時間 | ※最終計算結果に1円未満の端数が生じた場合は切り捨て ※分は時間あたりに換算して計算 |
(支給対象の) |
1時間あたりの賃金×計上されているそれぞれの残業時間×設定しているそれぞれの割増率 または 設定しているそれぞれの割増単価×計上されているそれぞれの残業時間 |
※最終計算結果に1円未満の端数が生じた場合は四捨五入 ※分は時間あたりに換算して計算 |
固定割増手当 |
設定している固定割増手当金額 | |
固定割増手当超過額 |
(法定内残業+時間外労働+休日労働+深夜労働金額)-固定割増手当金額 |