このヘルプでは所得税申告で総合課税の所得の申告時に作成する第一表と第二表について、簡単な例をもとに作成手順と機能について説明します。
書類の部分ごとに入力箇所がことなるため、代表的な例を基に入力手順を紹介します。
目次
- 申告書の作成手順と方法
- 具体的な作成手順
- 会計freeeのステップUIで入力をする
- 基本情報を入力する
- 家族情報を入力する
- 決算書を入力する
- 事業専従者を入力する
- その他の所得(総合課税)を入力する
- 医療費の控除明細書を作成する
- 保険料や寄付金等の情報を入力する
- 第三者作成書類に関する記載事項を入力する
- 繰越損失を入力する
- 内部通算を入力する
- 住民税・事業税に関する事項を入力する
- 入力項目別の入力箇所のまとめ - 注意事項
- 帳票選択について
- 有利判定について
申告書の作成手順と方法
総合課税の所得について所得が生じている場合には、第一表と二表を作成する必要がありますが、その場合には以下の順に進めます。
1. 会計freeeのステップUIで入力する
2. 申告freeeで申告データを作成開始する
3. 基本情報を入力する
4. 家族情報を入力する
5. 決算書・明細書を作成する
6. 所得情報で所得を入力する
7. 保険料等の情報を入力する
8. 住民税・事業税の情報を入力する
具体的な作成手順
会計freeeのステップUIで入力をする
会計freeeの確定申告機能(ステップUI)で必要な入力をします。
この動作は必要に応じて、顧問先の方やスタッフに入力してもらうことで作業を効率よく進めることができます。会計freeeでの入力を省略して申告freeeで申告書作成を開始することも可能です。
ここで入力した情報は申告freeeに引き継がれる形で申告書作成を開始し、残りの業務を申告freeeで進めます。
[基本情報を入力する]
会計freeeでの入力を終え申告freeeでの申告書作成を開始したら、まずは申告に必要な「基本情報」を入力します。ここで入力された情報をもとに申告書の各項目の情報が自動補完されるため、必須の項目となります。
基本情報にはそれぞれ「基本情報」「申告情報」「税理士情報」があります。
このうち税理士情報については、顧問先管理freeeで税理士として登録したメンバーの情報と、アドバイザー事業所自体の情報をマスタとして連携して活用することができます。
申告freeeでは基本情報に税目をまたいで共通している項目があります。(詳細はこちら)。
以下では所得税に固有の項目のみ詳細説明します。
1. 「所得税」において、「基本情報」をクリックします。基本情報は申告する対象の事業者の基本情報です。
納税者情報
項目名 | 内容 |
---|---|
性別 | 納税者の性別を入力します。 |
生年月日 | 納税者の生年月日を入力します。 |
職業 | 納税者の職業を入力します。 |
世帯主 | 納税者の世帯主を入力します。 |
(続柄) | 納税者の世帯主との続柄を入力します。 |
住所等
項目名 | 内容 |
---|---|
郵便番号 | 納税者の郵便番号を入力します。 |
住所フリガナ | 納税者の住所のフリガナを入力します。 |
住所 | 納税者の住所を入力します。 |
申告する年の1月1日時点の住所 | 納税者の申告する年の1月1日住所を入力します。 入力しない場合「同上」となります。 |
電話番号 | 納税者の電話番号を入力します。 |
事業所等
項目名 | 内容 |
---|---|
フリガナ | 納税者の屋号・雅号フリガナを入力します。 |
屋号・雅号 | 納税者の屋号・雅号を入力します。 |
郵便番号 | 納税者の事業所所在地の郵便番号を入力します。 |
所在地フリガナ | 納税者の事業所所在地のフリガナを入力します。 |
所在地 | 納税者の事業所所在地を入力します。 |
電話番号 | 納税者の事業所所在地の電話番号を入力します。 |
2. 申告情報タブを入力します。
項目名 | 内容 |
---|---|
氏名フリガナ | 納税者の氏名のフリガナを入力します。 |
氏名 | 納税者の氏名を入力します。 |
事業主アカウント | 納税者の事業主アカウント(その事業所のIDのどれが事業主のアカウントであるのか)を選択します。マイナンバーはこのアカウントに紐づきます。 ※事業主がIDを保有していない場合には、IDに紐付けることなく、マイナンバー管理freeeで直接事業主のマイナンバーを設定することができます。その場合には、IDにを未選択とします。 |
申告種別 | 確定申告Aか確定申告Bかを選択します。 |
青色区分 | 青色か白色かを選択します。 |
簿記の方法 | 10万円控除の簡易簿記の場合にはこちらをチェックします。 |
青色申告決算書 | 利用する決算書(一般用(営業所得)、不動産所得用、農業所得用)を選択します。 |
貸倒引当金繰入限度額 | 決算書の一般用(営業所得)の貸倒引当金繰入額の計算の繰入率(5.5%/金融向け3.3%)を選択します。 |
郵便番号 | 納税地の郵便番号を入力します。 |
納税地 | 納税地の住所を入力します。 |
提出税務署 | 提出税務署を指定し、どこの管轄なのかの区分(住所/事業所/事務所/居所など)を選択します。 |
還付を受けようとする金融機関等 | 還付を受ける金額がある場合に、金融機関の情報を入力します。 |
整理番号 | 納税者の整理番号を入力します。 |
予定納税額 | 納税者が予定納税で納税した金額を入力します。 |
利用者識別番号(e-Tax) | 納税者のe-Taxの利用者識別番号を入力します。 |
3. 税理士情報タブを入力します。
個別に手入力もできますが、「顧問先管理freeeと連携する」ボタンで顧問先管理のアドバイザー事務所設定に登録されている内容を連携することができます。
顧問先管理freeeで必要な設定はこちら
項目名 | 内容 |
---|---|
税理士法人/税理士事務所名 | 税理士法人/税理士事務所名を入力します。 |
税理士法人/税理士事務所名フリガナ | 税理士法人/税理士事務所名フリガナを入力します。 |
税理士名 | 税理士名を入力します。 |
税理士名フリガナ | 税理士名フリガナを入力します。 |
税理士電話番号 | 税理士の電話番号を入力します。 |
郵便番号 | 税理士事務所の郵便番号を入力します。 |
事務所所在地 | 税理士事務所の所在地住所を入力します。 |
所属税理士会 | 税理士の所属している税理士会を入力します。 |
税理士会 | 税理士の所属している税理士会支部を入力します。 |
税理士会登録番号 | 税理士の税理士会登録番号を入力します。 |
利用者識別番号(e-Tax) | 代理送信する税理士の利用者識別番号を入力します。 |
[家族情報を入力する]
「家族情報」メニューで家族情報を入力します。
ここで入力した家族の情報を基に、第二表の家族情報の欄(障害者控除、配偶者控除等、扶養控除など)及び住民税の16歳未満の扶養親族の欄が自動的に入力されます。
また、ここで入力された情報を基に、配偶者控除や障害者控除の金額の人的控除額が自動的に算定され、控除詳細情報に金額が表示されます(こちらの金額を直接編集することもできます)。その結果が第一表の控除金額の欄に自動転記されます。
なお、これらの情報は会計freeeのステップUIを活用して入力した場合には、申告書作成時に連携されて入力された状態になっています。
(会計freeeでは扶養情報は3名までですが、こちらでは3名を超える入力もできます。)
入力区分名 | 処理概要 |
---|---|
本人情報 | 本人の情報(障害区分/寡婦(寡夫)/勤労学生)を入力します。 |
配偶者情報 | 人的控除のための配偶者情報(配偶者の氏名/生年月日/所得/障害区分・同居別居/国外移住/控除計算対象区分)を入力します。配偶者のマイナンバーはこちらから登録を行います。マイナンバー管理についてはこちら。 |
扶養家族情報 | 人的控除のための扶養家族情報(扶養家族の氏名/本人との続柄/生年月日/扶養区分(特定、一般、16才未満、同居老親、老人、対象外)/障害区分・同居別居/国外移住)を入力します。扶養家族のマイナンバーはこちらから登録を行います。マイナンバー管理についてはこちら。 |
控除詳細情報 | 本人情報、配偶者情報、扶養家族情報から計算される人的所得控除の金額を表示しています。控除額を直接編集のボタンで金額を手入力することもできます。 |
[決算書を入力する]
事業所得と不動産所得がある場合には決算書もしくは収支内訳書を作成する必要がありますが、申告freeeでこれらの決算書を作成すると、自動的に申告書の第一表に反映されます。
なお、決算書は一般事業用の決算書、不動産所得用の決算書、農業所得の決算書、医業用の付表に対応しています。これらの情報は会計freeeのステップUIを活用して入力した場合には、申告書作成時に連携されて入力された状態になっています。
なお、決算書は一般事業用の決算書、不動産所得用の決算書、農業所得の決算書、医業用の付表に対応しています。これらの情報は会計freeeのステップUIを活用して入力した場合には、申告書作成時に連携されて入力された状態になっています。
会計freeeからの初期連携時に選択されなかった帳票については、画面左上の「+申告書を追加する」をクリックし、帳票選択画面にて選択することで帳票作成画面に対象の帳票が表示され作成を進めることができます。
該当の書類の横のチェックボックスにチェックをいれると、以下の画面が表示されます。
追加する場合には、追加を押します。
該当の書類の横のチェックボックスにチェックを再度クリックすると、以下の画面が表示されます。削除しても良い場合には、削除を押します。
[事業専従者を入力する]
事業所得または不動産所得のための事業専従者がいる場合には、事業専従者を追加します。第二表の事業専従者の欄に、事業専従者の情報を追加するには、第二表の作成画面の上部の「事業専従者の設定」から追加します。
事業専従者の設定から事業専従者を追加すると、第二表に表示されます。
なお事業専従者のマイナンバーもこちらで入力することができます。
青色決算書に記載する事業専従者とその給与額の情報は、決算書で直接入力します。
[その他の所得(総合課税)を入力する]
総合課税の所得のうち、事業所得と不動産所得以外の所得については決算書を作成するのではなく、「所得情報」として入力することで申告書に反映されます。
第一表もしくは第二表の作成画面の上部に「所得の内訳を入力する」ボタンがありますので、そちらに入力していくことで所得として登録し、結果として第一・二表及び所得の内訳書に反映させることができます。なお、これらの情報は会計freeeのステップUIを活用して入力した場合には、申告書作成時に連携されて入力された状態になっています。
※上場株式について生じた配当について総合課税を選択する場合には、ここで入力する必要があります。
[医療費の控除明細書を作成する]
医療費控除の適用を受ける場合には、医療費の明細書もしくはセルフメディケーションを作成します。
医療費の明細書やセルフメディケーションの明細書を作成すると自動的に第二表へ医療費の額として転記され、その結果計算された医療費控除額が第一表へ反映されます。
なお、これらの情報は会計freeeのステップUIを活用して入力した場合には、申告書作成時に連携されて入力された状態になっています。
[保険料や寄付金等の情報を入力する]
生命保険料や寄付金などの物的控除に係る情報(医療費控除以外)は、第二表に直接入力することで控除額が算定され、第一表に自動転記されます。
社会保険料、生命保険料、小規模企業共済掛金等、寄付金控除、地震保険料が、第二表で直接入力する保険料等の金額です。
[第三者作成書類に関する記載事項を入力する]
電子申告で源泉徴収票などの原本の提出を省略したい場合には、これらの書類を作成して電子申告時にデータとして送信する必要があります。
freeeでは電子申告の際に送信する必要のある項目のみ入力でき、それ以外はグレーアウトしており入力の必要はありません。
これらの情報は会計freeeのステップUIで入力したものが申告書作成開始時に連携されていますが、必要に応じて情報を補足する必要があります。
※これらの書類は電子申告時に、原本書類の提出を省略したい場合に作成することになりますが、こちらで入力した内容が申告書に連携されて、反映されることはありません。
[繰越損失を入力する]
当期控除したい繰越損失額がある場合には、第一・第二表の作成画面上部の「繰越損失の入力」から入力を行います。
なお、今期でも控除しきれない繰越損失額を翌期以降へ繰り越す場合には、第四表を作成する必要がありますので、四表を追加して作成しますのでこちらでの入力は不要です。
ここで入力された繰越損失額と当期の所得金額をもとに第一表の所得金額⑨欄が自動計算されます。
[内部通算を入力する]
譲渡所得と一時所得との通算や、経常所得で生じた損失と他の所得との通算を行いたい場合には、帳票選択から「損益通算の計算書」を選択する必要があります。
※譲渡損失と一時所得との通算の場合には、第一表のみで完結することも考えられますが、現時点のfreeeの仕様では損益通算の計算書を作成する必要があります。
損益通算の計算書を追加することで、通算の計算が行われその結果の値が第一表へ反映されるようになります。
なお通算してもなお通算しきれない純損失の金額がある場合には、第四表を作成する場合に該当しますので、損益通算の計算書ではなく第四表を追加します。
[住民税・事業税に関する事項を入力する]
第二表の下部分の、住民税・事業税に関する事項のうち、16歳未満の親族の情報は「家族情報」で入力を行います。
それ以外の項目は帳票上で直接入力していきます。
入力項目別の入力箇所のまとめ
所得税の確定申告の各項目別に下記の通り入力箇所が決まっています。こちらからの連携先については編集することができませんので、入力箇所への入力をお願いします。
所得
所得種類 | 入力箇所 |
---|---|
利子 | 所得情報で入力します |
配当 | 所得情報で入力します |
不動産 |
決算書もしくは収支内訳書を作成します |
事業 | 決算書もしくは収支内訳書を作成します 会計freeeの会計情報を引き継ぎます |
給与 | 所得情報で入力します 会計freeeで入力した場合には、それが引き継がれます |
雑(年金) | 所得情報で入力します |
雑(その他) | 所得情報で入力します |
一時 | 所得情報で入力します |
退職 | 所得情報で入力します |
山林 | 所得情報で入力します |
所得控除(人的)
所得控除種類 | 入力箇所 |
---|---|
配偶者 | 家族情報の配偶者の情報 |
配偶者特別 | 家族情報の配偶者の情報 |
扶養 | 家族情報の親族の情報 |
障害者 | 家族情報の本人、配偶者、親族の情報 |
寡婦・寡夫 | 家族情報の本人情報 |
勤労学生 | 家族情報の本人情報 |
基礎 | 入力不要 |
所得控除(物的)
所得控除種類 | 入力箇所 |
---|---|
社会保険料 | 第二表へ直接入力 |
生命保険料 | 第二表へ直接入力 |
地震保険料 | 第二表へ直接入力 |
小規模企業共済等掛金 | 第二表へ直接入力 |
医療費 | 医療費の明細書 |
寄付金 | 第二表へ直接入力 |
雑損 | 第二表へ直接入力 |
税額控除
税額控除種類 | 入力箇所 |
---|---|
配当控除 | 第一表へ直接入力 |
外国税額控除 | 外国税額控除の明細書 |
政党等寄附金特別控除 | 政党等寄附金特別控除の明細書 |
認定NPO法人等寄附金特別控除 | 認定NPO法人等寄附金特別控除の明細書 |
公益社団法人等寄附金特別控除 | 公益社団法人等寄附金特別控除の明細書 |
(特定増改築等)住宅借入金等特別控除 | (特定増改築等)住宅借入金等特別控除の明細書 |
注意事項
帳票選択について
- 会計freeeからの情報引き継ぎにより作成した場合には、会計freeeの入力内容に応じて必要と考えられる帳票が選択されます。
- ただし、第三表を作成する場合でも繰り越してきた前年以前三年間の損失を会計freeeで入力している場合には、第四表が初期選択されます。
- 他に必要な帳票がある場合や帳票を選択しなおしたい場合には、帳票を選択して追加して作成する必要があります。
有利判定について
- 株式の配当や寄付金控除について有利判定して計算を変える機能はないため、試算を行った上で、入力箇所を変更するか作成する明細書を選択する必要があります。