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フレックスタイム制を設定すると、タイムカードに「フレックスタイム集計」欄が表示されます。こちらをどのように確認すればよいかを解説します。
フレックスタイム制の設定手順については、以下の記事をご参照ください。
目次
前提:フレックスタイム集計が表示される条件
以下がすべて設定されている場合に、タイムカードに「フレックスタイム集計」欄が表示されます。
- 設定 > その他 > オプション > 勤怠管理設定カテゴリ > 変形労働設定機能 > 「使用する」が選択されている。
- 設定 > 従業員 > 雇用区分設定 > 該当区分の[編集] > 働き方カテゴリ > 労働時間にて、「変形労働時間制」かつ「手動設定(フレックスその他)を選択 > [変形労働設定] > 月単位カテゴリ > 変形労働タイプにて、「フレックス」が選択されている。
- 設定 > 従業員 > 雇用区分設定 > 該当区分の[編集] > 働き方カテゴリ > 労働時間にて、「変形労働時間制」かつ「手動設定(フレックスその他)を選択 > [変形労働設定] > 月単位カテゴリ > [月別基準時間] > 「変形労働の基準時間」と「精算月数」が登録されている。
※ 「タイムカードカスタム」を表示した場合も、同じ項目が表示されます。
※ フレックスタイム集計欄は、一部を非表示にするなどの設定はできません。
フレックスタイム集計の各項目の解説
3ヶ月フレックスタイム制(精算期間:4~6月)を例に説明します。
【例:4月のフレックスタイム集計】
番号 |
項目名 |
集計値 |
---|---|---|
① |
元の基準時間 |
171.24 |
② |
前月までの繰越時間 |
-- |
③ |
月初の残基準時間 |
519.54 |
④ |
当月の基準時間 |
171.24 |
⑤ |
当月精算の基準時間 |
214.17 |
⑥ |
基準内労働時間 |
171.24 |
⑦ |
繰越時間 |
42.53 |
⑧ |
基準外労働時間 |
60.00 |
⑨ |
割増対象時間 |
0.13 |
【例:5月のフレックスタイム集計】
番号 |
項目名 |
集計値 |
---|---|---|
① |
元の基準時間 |
177.06 |
② |
前月までの繰越時間 |
-- |
③ |
月初の残基準時間 |
305.37 |
④ |
当月の基準時間 |
177.06 |
⑤ |
当月精算の基準時間 |
221.25 |
⑥ |
基準内労働時間 |
177.06 |
⑦ |
繰越時間 |
-10.06 |
⑧ |
基準外労働時間 |
|
⑨ |
割増対象時間 |
|
【例:6月のフレックスタイム集計】
番号 |
項目名 |
集計値 |
---|---|---|
① |
元の基準時間 |
171.24 |
② |
前月までの繰越時間 |
4月:42.53 5月:-10.06 |
③ |
月初の残基準時間 |
138.37 |
④ |
当月の基準時間 |
138.37 |
⑤ |
当月精算の基準時間 |
214.17 |
⑥ |
基準内労働時間 |
138.37 |
⑦ |
繰越時間 |
-- |
⑧ |
基準外労働時間 |
20.23 |
⑨ |
割増対象時間 |
|
(1)元の基準時間
雇用区分設定 > 該当区分の[編集] > 働き方カテゴリ > 労働時間 > [変形労働設定] > 月単位カテゴリ > [月別基準時間] > 「変形労働の基準時間」で登録された値が表示されます。
(2)前月までの繰越時間
※ 清算月(6月)のタイムカードだけに計上されます。
清算期間内で繰り越した時間が表示されます。
(3)月初の残基準時間
月初め時点の、残りの基準時間の合計です。
【4月】
各月の基準時間の合計が表示されます。
- 171時間24分(4月)+177時間6分(5月)+171時間24分(6月)= 519時間54分(a)
【5月】
(a)から、4月の「基準内労働時間」と「繰越時間」を減算した時間が表示されます。
- 519時間54分-(171時間24分+42時間53分)=305時間37分(b)
【6月】
(b)から、5月の「基準内労働時間」と「繰越時間」を減算した時間が表示されます。
-
305時間37分-(177時間6分-10時間6分)=138時間37分
(4)当月の基準時間
繰越後の基準時間です。清算期間の最終月は変動することがあります。
【4月】
変形労働の基準時間=171時間24分と表示されます。
【5月】
変形労働の基準時間=177時間6分と表示されます。
【6月(最終月)】
以下のように計算されます。
- 4~6月の基準時間の合計(171時間24分+177時間6分+171時間24分)=519時間54分(a)
- 4月の、基準時間(171時間24分) + 繰越時間(42時間53分) = 214時間17分(b)
- 5月の、基準時間(177時間6分) - 繰越時間(10時間6分) = 167時間(C)
-
4月と5月の、当月清算外の労働時間は、(b)+(c)=381時間17分(d)のため、最終月の6月の当月基準時間は、(a)-(d) = 138時間37分 となります。
(5)当月精算の基準時間
雇用区分設定 > 該当区分の[編集] > 働き方カテゴリ > 労働時間 > [変形労働設定] > 月単位カテゴリ > [月別基準時間] > 「当月精算する基準時間」が表示されます。
※ デフォルトは、週平均50時間超となる値が表示されています。
- 週平均50時間となる月間の労働時間数=50時間×各月の暦日数/7日
(6)基準内労働時間
「当月の基準時間」内の労働時間が計上されます。「当月の基準時間」より実労働時間が少ない場合、清算月以外の月は控除額の調整のために「労働したとみなした」時間を含みます。
(7)繰越時間
清算期間の最終月に繰り越せる時間が計上されます。
【4月】
基準内労働時間を超えて、当月精算の基準時間までの時間です。
214時間17分 - 171時間24分 = 42時間53分
【5月】
基準内労働時間の不足時間です。
177時間6分 - 167時間 = - 10時間6分
【6月】
清算期間の最終月(6月)は繰越時間は表示されません。
(8)基準外労働時間
雇用区分設定 > 該当区分の[編集] > 働き方カテゴリ > 労働時間 > [変形労働設定] > 月単位カテゴリ > [月別基準時間] > 「当月精算する基準時間」の値を超えた時間が表示されます。
(9)割増対象時間
※ 設定 > その他 > オプション > 勤怠管理設定カテゴリ > 割増残業集計機能が、「1段階の割増し残業を使用する」または「2段階の割増し残業を使用する」のいずれかに設定されている場合に表示されます。
当月精算する割増残業時間です。設定 > 従業員 > 雇用区分設定 > 該当区分の[編集] > 月の時間外集計カテゴリ > 割増残業で登録された値を元に計算します。
割増残業集計機能を使用している場合は、「割増し開始時間」が「基準外労働時間」の上限になります。「基準外労働時間」が、設定した割増残業時間を超えると「割増対象時間」に計上されます。
【表示される値に対応する時間の概念図】
補足:勤怠データ再計算するときのご注意
雇用区分設定を変更した場合や、勤務データを修正した場合は、必ず勤怠データ再計算を実施します。「清算月数」を設定している場合は、過去月から順番に再計算してください。
例1:3ヶ月のフレックスタイム制(精算期間:4月~6月)を設定しており、5月20日の勤怠データを修正する場合
→ 4月、5月、6月の順に、1ヶ月ずつ勤怠データ再計算します。
例2:1ヶ月のフレックスタイム制だが、不足分は翌月で繰り越す設定をしており、4月の勤怠データを修正する場合
→ 当月だけでなく、翌月の再計算が必要です。4月、5月の順に、1ヶ月ずつ勤怠データ再計算します。