事業者が備品等を購⼊する際にポイントを使⽤した場合の経理処理は、値引処理、両建処理のいずれかの⽅法が考えられます。考え方の詳細は「事業者が商品購入時にポイントを使用した場合の消費税の仕入税額控除の考え方」をご参考ください。
具体的な処理方法は下記のとおりです。
値引処理(ポイント使⽤後の⽀払⾦額を経費算⼊する処理)
【ポイント値引きの場合】
ポイント使用が「対価の値引き」である場合には、商品対価の合計額からポイント使用相当分の金額を差し引いた金額(値引後の金額)で支出取引を登録します。
例:
2,000円の事務用品購入時に、300円分のポイント値引きが発生し、1,700円を現金で支払った。
文房具 2,000円 |
ポイント値引き ▲300円 |
合計金額 1,700円 |
現金支払 1,700円 |
[取引]→[取引の一覧・登録]にて登録します。 「金額」項目では値引き後の金額(1,700円)を入力します。
これにより登録される仕訳は次のとおりです。
借方 |
貸方 |
||
---|---|---|---|
勘定科目 |
金額 |
勘定科目 |
金額 |
事務用品費 |
1,700 |
現金 |
1,700 |
両建処理(ポイント使⽤前の⽀払⾦額を経費算⼊するとともに、ポイント使⽤額を雑収⼊に計上する処理)
【ポイント支払の場合】
ポイント使用が「対価の値引きでない」場合には、商品対価の合計額(全額)部分とポイント支払部分に分けた支出取引を登録します。
例:
2,000円の事務用品購入時に、300円分のポイント支払が発生し、1,700円を現金で支払った。
文房具 2,000円 |
合計金額 2,000円 |
ポイント支払 ▲300円 |
現金支払 1,700円 |
両建処理の場合は[取引]→[取引の一覧・登録]→「詳細登録」画面から支出取引を登録します。
取引の明細行は次のとおり入力し保存します。
- 通常行:商品対価部分を勘定科目ごとに入力します。
上記の例では「事務用品費」として2,000円を入力しています。 - 控除・マイナス行:ポイント支払部分を入力します。
上記の例では「雑収入」として300円を入力しています。
これにより登録される仕訳は次のとおりです。
借方 |
貸方 |
||
---|---|---|---|
勘定科目 |
金額 |
勘定科目 |
金額 |
事務用品費 |
2,000 |
現金 |
1,700 |
|
|
雑収入 |
300 |
主にプライベート利用で利用しているカードなどでためたポイントは、事業外からの収入と考えられるので、その場合は「事業主借」が適切な場合があります。
※事業とプライベート兼用のカードで貯まったポイントを使う場合は、「事業主借」または「雑収入」の判断が難しくなるため、事業とプライベートのカードは明確に分けることをお勧めします。
これにより登録される仕訳は次のとおりです。
借方 |
貸方 |
||
---|---|---|---|
勘定科目 |
金額 |
勘定科目 |
金額 |
事務用品費 |
2,000 |
現金 |
1,700 |
|
|
事業主借 |
300 |