目次
タグとは
freee会計では、一般的な会計ソフトで使われる「補助科目」のかわりに「取引先」「品目」「部門」「メモタグ」などの「タグ」を使って、勘定科目の内訳や詳細情報を補足します。
1つの取引に対して複数のタグを同時に付けることができ、多角的な集計・分析に活用できます。
タグとは別に「備考」という自由入力欄もあります。「備考」は覚え書きとして使うものであり、集計には使用できません。また、「備考」は何でも書き込めるがゆえに、表記が統一されにくい性質があります。
特定のキーワードで抽出することが想定される場合には、タグの利用をおすすめします。
【取引の詳細登録画面】
従来の補助科目とタグの違い
従来の補助科目
従来の補助科目は、たとえば「売上高」という勘定科目に「A社、B社、C社」という補助科目が紐づき、「仕入高」という勘定科目に「商材A、商材B、商材C」という補助科目が紐づくような構造となっており、勘定科目の内訳として機能します。
そのため、複数の勘定科目にまたがる集計には使用できず、勘定科目ごとに1つの軸でしか分析できません。
freeeのタグ
freeeでは補助科目の制限を解消するために、下表のように、取引の「行」に対しタグという「列」を複数追加できる構造をとっています。
そのため、試算表で部門別の損益を見られることはもちろん、部門ごとの売上の中でさらに品目別の内訳を確認するといった、クロス集計も可能です。
【freeeのタグ】
勘定科目 |
取引先 |
品目 |
部門 |
メモタグ |
|
---|---|---|---|---|---|
5/1 |
売掛金 / 売上高 |
A社 |
会計 |
東京 |
|
5/3 |
売掛金 / 売上高 |
B社 |
HR |
大阪 |
担当チームa |
5/8 |
通信費 / 銀行口座 |
C社 |
共通 |
担当チームb |
【部門別 売上商材分析の例】
東京 |
大阪 |
愛知 |
福岡 |
計 |
|
---|---|---|---|---|---|
会計 |
1,200万 |
800万 |
700万 |
1,100万 |
3,800万 |
HR |
820万 |
1,100万 |
900万 |
300万 |
3,120万 |
導入支援 |
220万 |
320万 |
180万 |
380万 |
1,100万 |
計 |
2,240万 |
2,220万 |
1,780万 |
1,780万 |
8,020万 |
タグの種類と用途
勘定科目は取引の名目を表すものですが、それだけでは取引の詳細がわかりません。次のような詳しい情報を補うものがタグです。
- 取引の相手が誰なのか:取引先
- 具体的な商品やサービスの種類:品目
- 社内のどの部署の費用なのか:部門
- 案件名や担当者名など:メモタグ
これらの4つのタグに加えて、アドバンスプラン(旧プロフェッショナルプラン)以上では「セグメント」も利用可能です。タグ自体の名称を含めて自由に設定できる分析用の集計軸となります。
タグは、取引を後で見返すときのために情報を補い、見やすく整理しておけるというほかに、レポート機能で次のような集計を見るためにも役立ちます。
- 売掛金や買掛金を取引先ごとに管理する
- 売上や費用について、取引先別・品目別・部門別の内訳を見る
- 部署ごと・事業ごとの損益を見たり、部署同士・事業同士で比較したりする(部門比較はひとり法人プランまたは旧ベーシックプラン以上で利用可能)
- 特定の担当者やプロジェクトに関する売上や費用だけを見る
- 預り金や前受金について、種類ごと・相手ごとの内訳を確認する
タグの種類と用途について、より詳しくまとめると下表のようになります。
タグの |
用途 |
取引に |
使用例 |
特有の活用箇所 |
---|---|---|---|---|
取引先 |
|
1取引に1個 |
|
|
品目 |
|
1行に1個 |
|
|
部門 |
|
1行に1個 |
|
|
メモタグ |
|
1行に複数 |
|
|
セグメント ※2 |
|
1行に1個 |
|
|
※1 振替伝票では借方・貸方の勘定科目に対してそれぞれ1個ずつ(メモタグは複数)付けることができます。
※2 旧プロフェッショナルプランでは1種類、アドバンスプラン以上では3種類作成できます。たとえば「地域」という名前のセグメントグループを作成し、取引に対して「関東」「中部」「近畿」などのセグメントラベルを付けます。
取引先と他のタグの違い
取引先は、1件の取引に対して1個だけ付けることができます。
取引単位で付与されるため、複数行の取引ではすべての行に、また、仕訳としては借方・貸方の両方に適用されます。
【取引の入力画面】
【仕訳帳での表示】
言い換えると、取引先は貸借対照表に属する相手勘定科目にも適用されるため、売掛金や買掛金はもちろん、役員借入金の内訳管理にも活用できます。
他のタグは、取引の登録時に入力する勘定科目の側にだけ適用されます。
※ 旧プロフェッショナルプラン以上、またはひとり法人プラン以上では、未決済取引の相手勘定科目に部門を付与することが可能です。
メモタグと他のタグの違い
メモタグは、品目や部門と違い1つの行に対して複数のメモタグを付けることができ、付箋を貼るような感覚で使えます。
その特性上、売上や費用などの内訳の形で集計を見ることはできませんが、たとえば損益計算書を特定の案件だけに絞って見たり、「要確認」と付けた取引を後からまとめてチェックしたりできます。
なお、「備考」に含まれる文字でも検索・絞り込みはできます。繰り返し発生することのない、そのときだけのメモであれば、メモタグでなく「備考」欄に入力しても良いでしょう。
以下の内容は、必要に応じてご確認ください。
そのまま次のページに進んでも問題ありません。
参考:取引先に一般的な店舗を登録するか?
取引先には、事業の取引相手である会社名や、経費精算を利用する際の従業員名を登録します。
基本的に、スーパーなどの店舗で物品を購入した際に、その店名を取引先として登録する必要はありません。費用として支払った合計金額を購入先ごとに細かく管理する必要がないためです。
購入先の店名などを記録として残す必要がある場合には、「備考」欄に記入するか、領収書の画像を添付すると良いでしょう。
参考:勘定科目に取引先・品目を紐づけてタグの付与漏れを防止する
あらかじめ登録した取引先・品目を勘定科目の内訳として用いたい場合、勘定科目の設定で「内訳管理に使用する取引先・品目」を指定できます。
この設定をすると、その勘定科目は指定以外の取引先・品目を付けて使用することができなくなりますので、設定には注意が必要です。
詳しくは、「 勘定科目の設定・追加を行う - 参考:勘定科目の内訳管理用の取引先・品目(補助科目)を設定する 」のヘルプページをご覧ください。
参考:各機能に対応するタグの表示箇所
機能によって、画面に表示されるタグの種類が異なります。機能別の対応表は次の通りです。
タグ |
取引一覧 |
請求書一覧 |
入金・支払 管理レポート |
試算表 月次推移 |
仕訳帳 総勘定元帳 |
カスタムレポート |
予実管理 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
取引先 |
◯ |
◯ |
◯ |
◯ |
◯ |
◯ |
✕ |
品目 |
◯ |
✕ |
◯ |
◯ |
◯ |
◯ |
✕ |
部門 |
◯ |
✕ |
◯ |
◯ |
◯ |
◯ |
◯ |
メモタグ |
◯ |
✕ |
◯ |
△ |
◯ |
△ |
✕ |
セグメント |
◯ |
✕ |
◯ |
◯ |
◯ |
◯ |
◯ |
備考 |
◯ |
✕ |
△ |
✕ |
◯ |
✕ |
✕ |