発生主義と未決済の取引
会計では、単純にお金が動いたときに記録するのではなく、取引が発生したときに費用や売上を計上するという基本的なルールがあります。これを「発生主義」といいます。
「発生」とは、その取引によって会社が将来お金を支払ったり受け取ったりする可能性が高い状態になることです。
売上についてはより厳密に、受注しただけでまだ納品していないといった未確定の段階ではなく、実現して確定した段階、つまり、商品やサービスの提供が完了したときに計上することとされています。
例A:お金を後日支払うケース
「8月20日に取引先から材料を仕入れて、その代金は9月30日に支払った」とします。
この場合、次のように2回に分けて処理します。
- 8月20日:未決済取引(支出)を登録
=「仕入高」を計上し代金は未払いであることを記録 - 9月30日:未決済取引(支出)の消込を登録
=未払分を支払った(決済された)ことを記録
例B:お金を後日受け取るケース
「8月中に納品した商品の合計金額を取引先に請求し、10月10日に代金を受け取った」とします。
この場合も同様に、次のように2回に分けて記録します。
- 8月末日:未決済取引(収入)を登録
=「売上高」を計上し代金は未収であることを記録 - 10月10日:未決済取引(収入)の消込
=未収分を受け取った(決済された)ことを記録
freeeでは、上記の例のように、取引が発生した1の日付で「未決済の取引」を登録し、決済された2の日付で未決済取引の「消込」を登録することで、お金の動きを適切に記録できます。
次のページからは、収入や支出等の取引の発生が先、お金の動きが後日となる取引に関する一連の登録について説明します。
- 4.4.1 後日払いの収入・支出の発生(未決済取引)を登録する
- 4.4.2 未決済取引を入金管理・支払管理レポートで管理する/一括振込ファイルを作成する
- 4.4.3 未決済取引の消込をする(自動で経理)
- 4.4.4 未決済取引の消込でのよくあるお困りごとと対処法