目次
口座残高のチェックと合わせ方
月次推移や試算表で貸借対照表を見たとき、現金や銀行口座の期末残高が実際の残高と違っていたら、その口座の残高の推移を「現預金レポート」でチェックしましょう。
また、インターネットバンキングと同期している銀行口座の残高ズレについては、口座の「タイムライン」でチェックしてみましょう。
口座残高が正しくないということは、これまでに行った設定や登録のどこかにミスがあることを意味します。
また、決算にあたっては、残高が合っていない状態で今期を終えてしまうと翌期もその正しくない残高からスタートすることになります。
月末には口座残高をチェックして、正しい残高に合わせる習慣をつけましょう。
本ページでは、現預金レポートや口座のタイムラインの見方、口座残高の合わせ方についてご案内します。
現預金レポートで残高ズレをチェックする
現預金レポートは、現金や銀行口座について、freeeに登録された1件1件の入出金とその時点の残高を時系列で確認できるレポートです。
ホーム画面や試算表に表示されている口座の残高が正しくないときは、まず現預金レポートを確認しましょう。
①レポートの見方
[レポート]メニュー →[現預金レポート]を開きます。
上部で口座と期間の絞り込みができますので、確認したい口座を選択して絞り込みます。
ここでは例として「現金」口座で絞り込んでおり、現金の入出金だけが下の一覧部分に表示されています。
画面右側の「入出金額」列では、プラスの数字が口座への入金を、マイナスの数字が口座からの出金を表しています。
「現金」口座の場合、入金とは現金を受け取ったり銀行口座から引き出したりすること、出金とは現金で支払ったり銀行口座へ預け入れたりすることを意味します。
「登録残高」列は、その入出金後の帳簿上の残高を示しています。
一覧の右上にある[エクスポート]ボタンからは、CSVまたはPDF形式でデータの出力が可能です。
現金出納帳や預金出納帳が必要な場合にご利用ください。
気になる行はクリックすると詳細を確認でき、その場で修正や削除も可能です。
開始残高の設定漏れや入出金の抜け・間違いがあった場合には、必要な設定や取引・口座振替の追加をそれぞれの画面で行い、再び現預金レポートに戻って確認します。
②チェックポイント
-
銀行口座
銀行の預金通帳と見比べながら、入出金額と登録残高を確認していきます。
まず、今期最初の月の末日で登録残高を通帳と照合してみましょう。合っていたら、次の月の末日を見ます。
合っていない月を見つけたら、何日から通帳と合わなくなったのか詳しく確認しましょう。
-
現金・その他の口座
通帳のような確かな記録がない口座では、照合が難しいかもしれません。
登録残高がマイナスになるなど実際の残高と乖離している場合は、まず、期首の時点で合っていたのか確認しましょう。
次に、今期最初の月から順に月末の登録残高を確認して、実際の残高から徐々にズレていっているのか、特定箇所で大きなズレが生じているのかを判断しましょう。
徐々にズレている場合は、最初の月から入金と出金のバランスに注意して詳しく見直す必要があります。
特定の月でのみズレが生じている場合は、その月の中で同額の入出金が重複していたり、おぼえのない金額や別の口座の入出金が混じっていたりしないか、よく見直してみましょう。あったはずの入出金の登録が抜けている可能性もあります。
銀行口座のタイムラインで残高ズレをチェックする
インターネットバンキングと同期している口座では、「タイムライン」が残高ズレの原因箇所を特定するのに便利です。
タイムラインの画面では、口座の実残高と帳簿上の残高を自動的に比較チェックできます。
①レポートの見方
ホーム画面で銀行口座の名称部分をクリックすると、口座の詳細画面が開きます。
口座の詳細画面が表示されたら、上部のタブから[タイムライン]を開いてみましょう。
[タイムライン]タブでは、画面左側に「同期残高」、右側に「登録残高」が表示されています。
「同期残高」とは、銀行口座と同期した際に取得した、その時点の口座の実残高です。
「登録残高」とは、freee上での取引・口座振替などの登録にもとづく帳簿上の残高です。
左右で残高が一致していない箇所があると、「◯円不足しています」「◯円超過しています」というアラートが表示されます。
参考
[タイムライン]タブの左に[現預金レポート]がありますが、ここで確認できる内容は前項の現預金レポートをこの口座で絞り込んだときの内容と同じです。
②チェックポイント
取引・口座振替などの登録漏れや重複登録があった場合、その箇所で残高ズレが生じ、その後の期間も同じ金額だけズレた状態になります。
そのため、日付の古い方から順番に確認して修正していきましょう。
例えば次図の例では、まず開始残高が設定されておらず0円になっていたために、登録残高(帳簿上の残高)が最初から不足しています。
続いてアラートが表示されている月をクリックし、日付単位で表示されたその月の入出金を確認します。
さらに日付単位の入出金部分をクリックして、個別に表示されたその日の入出金の内容を確認します。
このように確認していくことで、残高ズレの原因箇所を簡単に発見できます。
上図では、不足額が変化している「3月末」をクリックしたところ、開始残高の未設定以外にも3月4日に新たなマイナス方向のズレが生じていることがわかります。
ズレの原因が特定できたら、時系列順に修正してズレを解消していきます。
今回の例であれば、開始残高を正しく設定した上で、ズレが生じた日の取引や口座振替を修正または追加します。
3月4日のズレについては、右側にのみ表示されている「4,550円」の出金が登録ミスで、実際の口座上にはない入出金でした。この取引を削除するか、決済口座を変更することで、この日の残高ズレは解消されます。
なお原因箇所の特定は[タイムライン]で行い、修正は前後の入出金を見渡しやすい[現預金レポート]を見ながら行うのもおすすめです。
インターネットバンキングと同期して明細を取得できる期間は金融機関側のシステムによって異なり、過去の明細すべてを取り込めるわけではありません。
取得可能な期間より前には同期残高のデータが存在しないため、タイムラインでの比較はできません。
明細が存在しない期間については、現預金レポートを通帳と見比べてチェックしましょう。
現金の残高ズレのよくある原因
口座の残高が実際と異なっているときは、上記のように現預金レポートやタイムラインを活用して過去の帳簿付けを修正するのが基本です。
ここでは、現金の残高ズレのよくある原因を3つご紹介します。
よくある原因1:「手元の現金を銀行口座に入金した」「銀行口座から現金を引き出した」というお金の動きを口座振替として登録していなかった
- 修正方法:現金と銀行口座の間の口座振替を正しく登録しましょう。
よくある原因2:銀行口座と同期している場合、手元の現金を入金したときの明細を誤って「売上高」の取引として登録したり、現金を引き出したときの明細を「◯◯費」「仮払金」などの取引として登録したりしていた
- 修正方法:取引ではなく口座振替として登録し、売上や費用の計上も再度確認しましょう。
よくある原因3:小規模の法人で、実際には役員が個人のお金で支払っていたものを現金の支出取引として登録してしまい、現金の残高がマイナスになっている
- 修正方法(自社の状況に合わせてお選びください)
- 1. 実態に合わせる形で、支出取引の決済口座を「現金」から「役員資金」に変更します。こうすると、役員借入金の残高が増えるとともに、現金のマイナスが解消されます。
- 2. (もともと社内に現金がなく、すべて役員個人のお金で支払っていた場合)支出取引を個別に編集するかわりに、残高だけ修正します。手順としては、先にマイナスとなっている残高を確認しておき、「役員借入金」の勘定科目で「現金」口座の収入取引を登録します。
※ ただし、それまでの入出金を精査しないまま、この方法で口座残高だけを合わせてしまうのは適切な方法とはいえません。なぜ残高ズレが生じたのかよく確認して、記帳漏れやミスがあれば修正し、実態とルールに沿って適切な処理をすることが重要です。
関連機能とヘルプページ
現金や銀行口座の残高がマイナスになっている場合、「修正待ちリスト」機能により検知され、ホーム画面の「やること」項目の中に「修正待ち」として表示されます。
残高の修正方法は基本的に本ページでご案内した内容と同じですが、「修正待ちリスト」の案内に沿って修正作業を進めてもよいでしょう。
残高ズレの修正方法や「修正待ちリスト」について、詳しくは以下のヘルプページをご参照ください。