報酬の支払いの中には、所得税の源泉徴収が必要なものがあります。どの報酬・料金等が源泉徴収の対象となるかは、国税庁「源泉徴収が必要な報酬・料金等とは」から確認できます。
源泉徴収の対象となる支払があった場合は、その一部を源泉所得税として控除して預ったことを記帳します。
源泉徴収をした場合は、支払調書を作成する必要がありますが、それもfreee会計で作成できます。支払調書の作成手順は、「支払調書を作成する」をご参照ください。
なお、本ページは下記の例に沿って説明します。
例:
私はクライアントです。外部のデザイナー(個人事業主)へ仕事を依頼しました。
2024年4月1日に、550,000円(うち消費税 50,000円)の成果物及び請求書を受領しました。
デザイナーには、2024年5月31日に、源泉所得税 51,050円を控除した498,950円を支払いました。
※ 消費税を含めない金額に対して源泉所得税を計算しているケース
目次
未決済支出を既に計上していた場合
[取引]メニュー →[取引の一覧・登録]で、決済ステータスを「未決済」にした支出取引を登録することで、未決済支出が記帳されます。
例の場合は、下図のように取引を登録します。
上記の未決済取引を消し込む場合、以下のように登録します。
「自動で経理」を利用する場合
「自動で経理」では、源泉所得税の控除を自動推測する機能が搭載されています。
もしその内容が正しくなかった場合は、推測内容を削除してから以下の手順で登録します。
- [未決済取引の消込]タブを選択し、「未決済取引を探す」項目から、消し込みの対象となる未決済取引にチェックを入れ、「選択した未決済取引」項目へ移動します。
※ 消し込みの対象となる未決済取引が表示されない場合は、絞り込み条件を追加・削除してください。
- [差額を調整]ボタンをクリックします。
- 「差額の調整」項目にて、控除された源泉所得税の情報を以下のように入力します。
- 勘定科目:「預り金」
- 品目(任意):「源泉所得税(預り分)」
- 金額:源泉所得税の金額(本例の場合は「51,050」)
- 必要事項を入力後、明細の金額(出金の合計)と「選択した明細の合計」「差額取引」の合計金額が一致していることを確認し、画面左下の[登録(Ctrl + Enter)]ボタンをクリックします。
手動で取引を登録する場合
「自動で経理」を使わない場合、未決済支出の消し込みと源泉所得税の控除を分けて登録します。
- [取引]メニュー →[取引の一覧・登録]を開き、消し込みたい取引の行をクリックします。
- [+決済を登録]ボタンをクリックします。
- 「出金額」欄に未決済支出の全額(源泉所得税差引前)を入力し、[登録]ボタンをクリックします。
- 取引の一覧画面の上部にある新規登録欄より、源泉所得税の預り分を決済済み収入取引として登録します。
事前に未決済の支出を登録していない場合
サービスの提供完了時に支払いが行われた場合は、出金時に取引を登録することになります。
「自動で経理」を利用する場合
- [取引]メニュー →[自動で経理]を開き、該当の取引行をクリックします。
- 本来の取引発生日を「発生日」に入力します(例:2024-04-01)。
※ 実際の明細日付よりも前の日付で「発生日」を入力することで、本来登録するべきであった未決済取引も同時に登録されます。
- [控除・マイナス行を追加]をクリックして、控除分を入力するための行(金額の左に▲が付いている行)を追加します。
- 取引本体と源泉所得税控除の取引を以下のように入力します。
- 1行目(通常行)
- 勘定科目:支払内容に応じたもの(例:外注費など)
- 金額:取引本体の金額(例:550,000)
- 2行目(控除・マイナス行)
- 勘定科目:預り金
- 金額:源泉所得税の金額(例:51,050)
- 品目:源泉所得税(預り分) ※ 品目で管理したい場合は入力
[適格]チェックボックスについて
[適格]にチェックを入れることで、入力している取引がインボイスの要件を満たしたと見なされます。
そのため課税方式で一般課税を選択している方の場合、取引先が適格請求書発行事業者である場合は[適格]にチェックを入れてください。
詳しくは「一般課税を選択している場合の取引登録方法 - 支出取引の登録」をご確認ください。
- 1行目(通常行)
- 登録内容に問題がないことを確認し[登録(Ctrl + Enter)]ボタンをクリックします。
※ 実際に登録される仕訳を確認したい場合は[仕訳プレビュー ]ボタンをクリックします。
手動で取引を登録する場合
- [取引]メニュー →[取引の一覧・登録]より、[詳細登録]ボタンをクリックします。
- [控除・マイナス行を追加]ボタンをクリックして控除分を入力するための行を追加し、取引本体と源泉徴収税の情報を分けて入力して登録します。
※ この場合、決済は「完了」、取引日は支払日となります。
参考:源泉所得税を徴収した場合は支払調書を交付しましょう
専門家(弁護士や税理士など)やフリーランスの方などに報酬を支払った場合は、「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」を発行して交付する必要があります。交付は、支払い時でも、年度末でもかまいません。
支払調書の詳細および作成方法については、「支払調書を作成する」をご参照下さい。