報酬の中には、支払う際に所得税の源泉徴収が必要なものがあります。どの取引が源泉徴収対象取引になるかは、「No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは|国税庁」のページをご覧ください。
本ページでは、源泉徴収の対象となる売上について、源泉徴収された分が差し引かれて入金された際の登録についてご案内します。
目次
全体の流れ
ここでは以下の例に沿って、源泉徴収の対象となる収入取引の登録方法をご紹介していきます。
基本的には売上金額が確定した時点で売掛金を計上し、その上で決済を登録します。
例:
私は弁護士です。2023年6月30日に、報酬 500,000円+消費税 50,000円でクライアントにサービスを提供しました。
その後、2023年7月31日にクライアントから源泉所得税 51,050円が控除された498,950円が振り込まれました。
売掛金を計上する
[取引]メニュー →[取引の一覧・登録]で、決済ステータスを「未決済」にした収入取引を登録するか、「請求書を作成」から取引を登録することで、売掛金が記帳されます。
例の場合は、以下のように取引を登録します。
項目名 | 入力例 |
---|---|
収支 | 収入 |
決済 | 未決済 |
発生日 | 2023-06-30 |
取引先(任意) | フリー商事 |
期日(任意) | 2023-07-31 |
勘定科目 | 売上高 |
金額 |
550,000 ※税込の金額を入力します。 |
品目・部門・メモタグ・セグメント(任意) ※セグメントは法人のアドバンスプラン(旧プロフェッショナルプラン)以上で利用できます。 |
品目:弁護士報酬 |
備考(任意) | - |
入金と源泉所得税を登録する
売掛金が入金されたら、決済登録(消し込み)と源泉徴収された分の所得税の登録を行います。
「自動で経理」を利用する場合
「自動で経理」では、源泉所得税の控除を自動推測する機能がありますが、もしその内容が正しくなかった場合は、推測内容を削除してから以下の手順で登録します。
- [取引]メニュー →[自動で経理]を開きます。
- 登録する明細をクリックして詳細画面を開き、[未決済取引の消し込み]タブに切り替えます。
- 「未決済取引を探す」から消込対象の取引にチェックを入れ、[差額を調整]ボタンをクリックします。
- 源泉徴収部分の取引について、勘定科目が「支払手数料」になっているため行に次のとおり入力します。
- 勘定科目:「事業主貸」
- 金額:源泉所得税の金額(今回の例では「51,050」円)
- 品目(任意):「源泉所得税」
- 明細の金額と一致していることを確認し、[登録(Ctrl + Enter)]ボタンをクリックします。
手動で登録する場合
【決済日ベースで登録する場合】
「自動で経理」を使わない場合、売掛金の消し込みと源泉所得税を分けて登録します。
※ 「+更新」の方法にてご登録いただいた取引は、[確定申告書類の作成]→[収支]ステップ→[源泉徴収されている事業所得、不動産所得はありますか?]カードの[取引を取り込む]ボタンからは取り込めませんのでご留意ください。
- [取引]メニュー →[取引の一覧・登録]画面を開き、消し込みたい取引の行をクリックします。
- [+決済を登録]ボタンをクリックします。
- 決済残高を決済登録します。この時、「入金金額」には源泉所得税が引かれた後の実際の入金金額を入力します。差額を[支払手数料として登録する]のチェックは外します。
その後、[登録]ボタンをクリックします。
- 取引の一覧画面の[+更新]ボタンをクリックします。
[+更新]ボタンから源泉所得税の情報を入力します。
- 「更新する行を選択」画面で[+更新]ボタンをクリックします。
- 控除された源泉所得税の情報を次のように入力し、[保存]ボタンをクリックします。
- 更新日:2023-07-31
- 勘定科目:「事業主貸」
- 金額:源泉所得税の金額(今回の例では「51,050」円)
- 品目(任意):「源泉所得税」
【発生日ベースで登録する場合】
※ 複数行取引登録の方法にてご登録いただいた取引は、[確定申告書類の作成]→[収支]ステップ→[源泉徴収されている事業所得、不動産所得はありますか?]カードの[取引を取り込む]ボタンから取り込めます。
- [取引]メニュー →[取引の一覧・登録]を開き、[詳細登録]ボタンをクリックします。
- [行を追加](プラス金額の場合)と[控除・マイナス行を追加](マイナス金額の場合)のボタンから入力行を追加して取引内容を入力します。
- プラス金額に売上高の金額を入力
- マイナス金額に差し引かれる源泉所得税の金額を入力
- 入力内容を確認し問題がなければ、左上の[保存]ボタンをクリックして取引登録を完了します。
- 実際に売掛金が入金されたら決済登録を行います。
詳しくは「未決済の取引を登録する・消し込む(売掛金・買掛金など)」のヘルプページをご覧ください。
参考:手取契約の場合の源泉徴収税額の計算方法
国税庁「 手取契約の場合の源泉徴収税額の計算方法 」のページをご参考ください。
参考:【個人】請求書の作成画面で源泉徴収額を自動計算できます
個人事業主の方は、freee会計で請求書を作成すれば、請求額から源泉徴収額を自動計算できます。
詳しい操作手順や仕様については、請求書・納品書・見積書を作成する - 参考:一部の項目だけを源泉税の自動計算の対象にしたい場合 」のヘルプページをご覧ください。
参考:【個人】確定申告書類の作成画面で源泉徴収額を自動読み取りできます
個人事業主の方は、控除された源泉所得税の取引行に品目タグ「源泉所得税」を付与すると、確定申告書類の作成時に「源泉徴収されている事業所得、不動産所得はありますか?」カードで取引を自動的に読み取り、取り込みの候補として表示することができます。
※ 「+更新」の方法にてご登録いただいた取引は、同カードの[取引を取り込む]ボタンからは取り込めませんのでご留意ください。
詳しい操作手順や仕様については「 源泉徴収された所得・その他の所得を記入する - 事業所得、不動産所得の場合 」のヘルプページをご覧ください。