freeeで記帳を開始する際には、開始残高を設定します。開始残高とは、開業日や今期の期首日時点での資産・負債・資本の残高のことです。
前期末の貸借対照表のデータを用意すると、その情報を取り込むことで簡単に設定を行えます。
目次
概要
勘定科目や、補助科目の開始残高のデータをfreeeへインポートする方法について説明します。
他会計ソフトから出力するか、またはご自分で作成したデータをインポートします。
補助科目の開始残高を受け入れる場合は、 勘定科目の開始残高 のインポート後、 補助科目の開始残高 の順で2段階に分けてインポートします。
取り込む開始残高データを準備する
1行に勘定科目及び残高の情報を持つCSVファイルを用意します。
前期末の貸借対照表の試算表をそのまま出力したCSVファイルを利用するか、必要に応じて加工します。
データ内容のイメージを、勘定科目残高データと補助科目残高データ別にご紹介します。
勘定科目の開始残高
勘定科目の開始残高のデータは、以下の2パターン例のように作成可能です。
A. 残高が1列に入る形式
勘定科目 | 残高 |
---|---|
現金 | 100 |
普通預金 | 1,000 |
未払金 | 100 |
資本金 | 1,000 |
B. 残高の列が借方と貸方に分かれる形式
勘定科目 | 借方残高 | 貸方残高 |
---|---|---|
現金 | 100 | 0 |
普通預金 | 1,000 | 0 |
未払金 | 0 | 100 |
資本金 | 0 | 1,000 |
【インポートファイルの項目解説】
項目 | 内容 |
---|---|
勘定科目 | freeeに存在しない勘定を追加する際は、インポート時に新規に設定を行います。 |
残高 |
借方残高と貸方残高が同じ列に入る形式でも、別の列に入る形でもインポートすることができます。借方と貸方で列が別れる場合は、片方に0を入力します。 |
補助科目の開始残高
補助科目の開始残高を受け入れる場合は、先述の 勘定科目の開始残高 とは別のデータの準備が必要です。
補助科目インポートデータ作成時のご注意
- 補助科目の存在する勘定科目のみの情報が必要です。
例えば、前システムで、勘定科目[現金][売掛金][商品]という勘定科目があり、補助科目が[売掛金]のみにしか存在しない場合は、補助科目の残高データは[売掛金]のみピックアップする必要があるということです。 - 補助科目の金額合計は、先述した勘定科目の開始残高データの金額と同額、または当該金額未満となるように作成する必要があります。
- 売掛金、未収入金、未収収益、買掛金、未払金、未払費用の内訳は「取引先」でのみ登録できます(詳細は「 開始残高の内訳で品目は選択できますか? 」のヘルプページをご覧ください)。
- freeeでは、普通預金や当座預金などの預金科目は補助科目ではなく、勘定科目(口座)として登録します。そのため、他システムで銀行口座を補助科目で登録していた場合は、先述した[勘定科目の開始残高]としてインポートします。
補助科目残高データは、残高が1列に入る形式で作成します。
勘定科目 | 補助科目 | 残高 |
---|---|---|
普通預金 | UFJ | 30,000 |
普通預金 | みずほ | 150,000 |
普通預金 | 三井住友 | 50,000 |
売掛金 | A社 | 100,000 |
売掛金 | B社 | 25,000 |
商品 | 五反田店 | 300,000 |
商品 | 五反田駅前店 | 100,000 |
買掛金 | B社 | 300,000 |
買掛金 | C社 | 200,000 |
【インポートファイルの項目解説】
項目 | 内容 |
---|---|
勘定科目 | freeeに存在しない勘定を追加する際は、インポート時に新規に設定を行います。 |
補助科目 |
インポート時に、品目・取引先・口座のいずれかを選択し受け入れます。 |
残高 |
借方残高と貸方残高が同じ列に入る(差し引きの期末残高)形式のものを受け入れます。 先にインポートする勘定科目の金額と同額 または それ未満である必要があります。 |
開始残高データをfreeeへ取り込む
準備した開始残高のデータをインポートします。
補助科目の開始残高を受け入れる場合は、 勘定科目の開始残高 のインポート後、 補助科目の開始残高 の順で2段階に分けてインポートします。
勘定科目の開始残高をインポートする
- [設定]メニュー → [開始残高の設定]を開きます。
-
はじめて開始残高を設定する場合:
次のいずれかの操作にてインポート画面を開きます。
- 「他社の会計ソフトから乗り換えの方」項目内の[CSVで開始残高を設定]ボタンをクリック
- 画面右上の[開始残高インポート・エクスポート]ボタン → [インポート - 他社ソフト形式]をクリック
-
すでに開始残高を設定したことがある場合:
画面右上の[開始残高インポート・エクスポート]ボタン → [インポート - 他社ソフト形式]をクリックします。
- 「乗り換え元の会計ソフトを選んでください。」項目にて[その他会計ソフト]にチェックを入れます。
- 「CSVファイルのアップロード」項目にて[残高試算表]にチェックを入れ、CSVファイルをアップロードします。
- 読み込む列の項目や無視する行を指定し[設定する]ボタンをクリックします。
- freeeに登録されていない勘定科目がある場合は「新規データの設定」欄に表示されます。freeeで使用する場合は設定を行いますが、使わない勘定科目とする場合は設定は不要です。
- [登録する]ボタンを押して、インポートを開始します。もしエラーが表示されていた場合は修正してから登録します。
- 約1〜2分でインポートが完了し、画面上部に黒帯で[インポート済み]メッセージが表示されます。インポート結果を確認するには「開始残高の設定」画面を開きます。
さらに必要に応じて、開始残高の勘定科目をfreeeで使用するものに変更します。
他社ソフトでは「普通預金」「当座預金」など、預金の種類ごとに科目と残高が登録されていることがあります。一方freeeでは、「三菱UFJ(普通)」「三井住友(当座)」など、口座ごとに科目と残高を登録します。
- freeeで口座として登録するべき補助科目残高のデータがない、手入力で内訳金額の調整を行いたいなどの場合は以下の登録作業が必要です。
- 補助科目残高のデータがある場合は、続きの操作は「 補助科目の開始残高をインポートする 」をご確認ください。
- [開始残高の編集]ボタンをクリックし、[+借方科目を追加]で行を追加します。
- 登録した口座名を科目として選択します。
- 預金の種類ごとに登録されていた残高を口座ごとの残高に登録し直します。
- 「普通預金」「当座預金」「定期預金」はfreeeでは使用しない勘定科目のため、×ボタンで行を削除します。
他社会計ソフトからfreeeに移行する場合の預金残高登録例
他社ソフト | freee | ||
---|---|---|---|
当座預金 | 150,000 | ▲▲銀行(当座) | 150,000 |
普通預金 | 117,000 | ◯◯銀行(普通) | 100,000 |
■■銀行(普通) | 17,000 | ||
定期預金 | 111,111 | ××銀行(当座) | 111,111 |
最後に[保存]ボタンを押して、勘定科目の開始残高の登録は完了です。
補助科目の開始残高をインポートする
- [設定]メニュー → [開始残高の設定]画面を開き、画面右上の[開始残高インポート・エクスポート]ボタン → [インポート - 他社ソフト形式]をクリックします。
- 「乗り換え元の会計ソフトを選んでください。」項目にて[その他会計ソフト]にチェックを入れます。
- 「CSVファイルのアップロード」項目にて[補助残高一覧表]にチェックを入れ、CSVファイルをアップロードします。
- 読み込む列の項目や無視する行を指定し[設定する]ボタンをクリックします。
- 補助科目を、freeeの口座、取引先、品目のいずれかと結びつけの設定を行います。
- [登録する]ボタンをクリックします。
これで、補助科目残高のインポート作業は完了です。
参考:補助残高のインポート時にエラーが発生した場合
◯行目 ◯列 勘定科目△△ に紐付いた補助科目の残高の合計が開始残高を超えています |
上記エラーメッセージが出た場合は、補助科目残高の合計値が勘定科目の開始残高を上回った状態です。補助科目残高を正しくインポートするには、補助科目残高の合計値が、勘定科目の残高と一致 または 当該残高未満の金額である必要があります。
ケースに応じて次のように金額を調整し、再度インポートをお試しください。
-
「補助科目の残高合計値」が誤っている場合:
組み入れ先となる勘定科目の開始残高の金額と一致 または その金額未満となるように、補助科目側の金額合計を調整します。 -
「勘定科目の開始残高」が誤っている場合:
補助科目残高の合計値と一致 または その金額を超えるように、組み入れ先となる勘定科目の開始残高の金額を調整します。