販売した商品が返品された場合や、不良品を返品した場合など、事業活動の中で返金を行ったり受け取ったりすることがあります。返金分の記帳は、事業主や法人ごとの会計処理方式によって異なってきます。
目次
- 返金前の取引と同じ勘定科目で記帳する方法
- 例
- 【事前準備】収支逆の場合に税区分を使用可能にする
- 返金前の取引と同じ勘定科目で記帳する - 「売上戻り高」「仕入戻し高」で記帳する方法
- 例
- 【事前準備】返金用の税区分を使用可能にする
- 「売上戻り高」「仕入戻し高」で記帳する - 参考:未決済の取引に返金・返品が発生した場合
- 参考:クレジットカードを通じて受け取る返金分について
返金前の取引と同じ勘定科目で記帳する方法
ある収入取引に対して返金が発生した場合は、同じ勘定科目で返金分の支出取引を登録します。同様に、支出取引に対する返金は、同じ勘定科目の収入取引を登録します。
【事前準備】収支逆の場合に税区分を使用可能にする
freeeの初期設定では「課対仕入」の収入や「課税売上」の支出が登録できないため、まずはそれが使用できるように設定します。
1. [設定]→[税区分の設定]より、使用したい税区分の編集ボタンをクリックします。(例:課税売上)
2. 必要になる検索項目にチェックを入れて[保存]ボタンをクリックします。
返金前の取引と同じ勘定科目で記帳する
1. 返金が確定した時点で、[取引]→[取引を登録]より[詳細登録]ボタンをクリックします。
2. 取引を登録します。
※ 勘定科目は、勘定のボックスに直接入力して選択します。
項目 |
入力内容 |
例の場合 |
---|---|---|
収支 |
返金対象の取引と逆の収支 |
収入 |
決済 |
未決済 |
未決済 |
発生日 |
返金が確定した日 |
2015-06-05 |
決済期日 |
実際に返金される見込みの日付 |
2015-06-30 |
取引先 |
返金対象の取引に取引先を入力した場合は同じ取引先を入力 |
ABC商店 |
勘定科目 |
返金対象の取引と同じ勘定科目 |
消耗品費 |
税区分 |
返金対象の取引と同じ税区分 |
課対仕入8% |
金額 |
返金される金額 |
1,000円 |
管理番号 |
任意入力 |
- |
3. 実際に返金が完了したら、登録した取引を決済します。
【a.取り込んだ明細から登録する場合】
3-a-1. [取引]→[自動で経理]を開き、当該明細の[未決済取引の消込]タブをクリックします。
3-a-2. 表示された推測内容が明細の内容と一致していることを確認できたら[登録(Ctrl + Enter)]ボタンをクリックします。
※ もし、推測された取引が異なる/推測されなかった場合は「未決済取引を探す」項目から返金対象明細のチェックボックスをオンにし、「選択した未決済取引」項目へ移動します。
【b.手動で決済を登録する場合】
3-b-1. [取引]→[取引の一覧]→上記で登録した取引の詳細を開いて[決済を登録]をクリックします。
3-b-2. [未決済取引の消し込み]画面が表示されますので、決済口座・決済日・決済金額を入力して[決済する]をクリックします。
4. [レポート]→[試算表:損益計算]をクリックすると、返金分、合計が減っていることが確認できます。
「売上戻り高」「仕入戻し高」で記帳する方法
上記の方法の他に、「売上高」「仕入高」に対する返金に勘定科目「売上戻り高」「仕入戻し高」を用いて記帳する方法もあります。
例:
6月1日にフリー商事に対して100,000円分の商品を売り上げ、勘定科目「売上高」の取引を登録した。
後日、一部返品されたため、7月31日までに返金額10,000円を支払うことになった。返金は6月10日に確定した。
【事前準備】返金用の税区分を使用可能にする
返金分の取引を勘定を分けて経理処理する際は、返金用の税区分を用います。
freeeの初期設定では返金用の税区分が使用できないようになっているため、まずはそれが使用できるように設定します。
1. [取引]→[取引の一覧]を開き、返金が発生した取引の税区分を確認します。
2. [設定]→[税区分の設定]より、「(1.の税区分)にかかわる対価の返還」と説明されている税区分の編集ボタンをクリックします。
3. 「この税区分を使用する」にチェックを入れて[保存]ボタンをクリックします。
「売上戻り高」「仕入戻し高」で記帳する
1. [設定]→[勘定科目の設定]をクリックします。
2. 「売上戻り高」という勘定科目の編集ボタン(ペンマーク)をクリック後、「入力候補」項目の[使用する]にチェックを入れて保存します。(「仕入高」に対する返金が発生した場合は、同様の方法で「仕入戻し高」という勘定科目を検索で表示されるようにします。)
3. 返金が確定した時点で、[取引]→[取引を登録]より[詳細登録]ボタンをクリックし、以下の取引を登録します。
項目 |
入力内容 |
例の場合 |
---|---|---|
収支 |
返金対象の取引と逆の収支 |
支出 |
決済 |
未決済 |
未決済 |
発生日 |
返金が確定した日 |
2015-06-10 |
決済期日 |
実際に返金される見込みの日付 |
2015-07-31 |
取引先 |
返金対象の取引に取引先を入力した場合は同じ取引先を入力 |
フリー商事 |
勘定科目 |
返金対象が「仕入高」なら「仕入戻し高」 返金対象が「売上高」なら「売上戻り高」 |
売上戻り高 |
税区分 |
返金対象の取引の税区分の返金用の税区分 |
課税売返8% |
金額 |
返金される金額 |
10,000円 |
管理番号 |
任意入力 |
- |
4. 実際に返金が完了したら、登録した取引を決済します。
【a.取り込んだ明細から登録する場合】
4-a-1. [取引]→[自動で経理]を開き、当該明細の[未決済取引の消込]をクリックします。
4-a-2. 表示される取引が上記で登録した取引だと確認できたら[登録する]ボタンをクリックします。
※ もし、推測された取引が異なる/推測されなかった場合は[未決済の取引から選択する]ボタンをクリックし、正しい取引を選択します。
【b.手動で決済を登録する場合】
4-b-1. [取引]→[取引の一覧]→上記で登録した取引の詳細を開いて[決済を登録]をクリックします。
4-b-2. [決済を登録]をクリックし、決済口座・決済日・決済金額を入力して[決済する]をクリックします。
5. [レポート]→[試算表:損益計算]をクリックすると、「売上戻り高」の金額分、収入金額の合計が減っていることが確認できます。
なお返金が確定してから返金までの日数が短い場合などは、返金があった際に未決済取引についての決済とせずに、
勘定科目を選択して取引として登録することも考えられます。
その際には上記3.の未決済取引の作成は不要です。
参考:未決済の取引に返金・返品が発生した場合
1.「取引の一覧」から対象の未決済取引を選択します。
2.決済欄の下にある[+更新]ボタンをクリックし、対象となる行の[+更新]ボタンをクリックします。
3.勘定科目と税区分を返金・返品用のものに設定し、保存します。
(勘定を売上高として、税区分を課税売返8%とするなど。詳細は本ページのこちらかこちらを参照)
4.取引を決済する際は、決済残高を入金/出金額として登録します。
参考:クレジットカードを通じて受け取る返金分について
クレジットカードを通じて返金を受け取る場合、返金分の明細がクレジットカード口座に取り込まれるものとそうでないものがあります。
(2015年6月現在:VIEWカードのみ取り込み対応)
そのため、クレジットカードを通じた返金処理は以下のように記帳してください。
2.支払時:カード口座で支出取引を登録
3.引き落とし時:銀行口座からカード口座への口座振替を登録
4.返金手続き時:カード口座で収入取引を登録
※勘定科目は1.に合わせるか「仕入戻し高」
※返金明細が取り込まれる場合は「自動で経理」で登録可能
5.入金時:カード口座から銀行口座への口座振替を登録
※3〜5の順番は前後することがありますが、記帳すべき内容は同じです。
参考:日々の作業を効率化!記帳をラクにする口座同期の活用方法
オンラインバンキングやクレジットカード、その他サービスのログイン情報を登録(同期)することで、記帳(取引登録)を効率化することができます。
取り込んだ明細を自動で記帳(取引登録)するだけでなく、記帳が漏れるリスクを減らすこともできますので、経理処理の効率化にぜひご活用ください。
詳しくはこちらをご覧ください。