対象プラン(法人)
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新プラン | ひとり法人 | スターター | スタンダード | アドバンス | エンタープライズ |
旧プラン | ミニマム | ベーシック | プロフェッショナル | エンタープライズ |
売上原価の計算をする際は、売上原価となる棚卸資産(在庫)の購入を「仕入高」として費用としたのち、期末に残った棚卸資産の金額を控除する必要があります。
この期末に残った棚卸資産の金額は、freeeの「在庫棚卸」画面より登録します。
- 本記事は【法人】プラン向けのヘルプページです。
【個人】の場合については「 【個人】棚卸資産の残高を登録する(在庫棚卸) 」をご覧ください。 -
経理プランは、旧経理プランのみ対応となります。
詳細は「旧freee経理のプランについて」をご覧ください。
目次
売上原価の算出方法について
期末に残った在庫分を差し引く
freeeでは、売上原価となる在庫購入を「仕入高」等としてすべて登録したのち、期末に残った棚卸資産金額を控除して売上原価を計算します。この計算方式を棚卸計算法(Periodic Inventory System)といいます。
期末に滞留している在庫は当期の売上原価として費用処理すべきでないため、期末在庫棚卸高は売上原価から控除されます。
商品売上原価の計算式
仕入高 + 期首商品棚卸高 - 期末商品棚卸高 = 商品売上原価
※ 期首商品棚卸高は、前年末の在庫棚卸から自動で反映されます。freeeの導入初年度の場合は、「開始残高の設定」に入力した「商品」勘定の金額が反映されます。
在庫管理と棚卸の実施
在庫は、日頃から商品受払簿などの管理台帳を用意して入出庫を管理しておきます。
期末(または月末)に実地棚卸を行い数量を確認し、数量減分については棚卸減耗として処理します。
期末棚卸資産の登録
- [決算]→[在庫棚卸]をクリックし、「+新しい期末処理を入力」をクリックします。
- 月次であれば「月末」と対象月、年度末であれば「決算時」を選択し、棚卸資産の金額を入力して[保存]をクリックします。
※ ここで入力する棚卸資産の金額は売上原価ベースであり、売価ベースではありません。 - 処理の結果(仕訳)は、登録された棚卸一覧にある「詳細」から確認します。
月次棚卸の仕様について
月次の売上原価を正しく計算したい場合は、月次で棚卸を登録する必要があります。「棚卸の登録」画面にて、「月末」と対象月、金額を入力して保存します。
なお、翌月月初に入る戻し仕訳は、「期末商品棚卸高」勘定となります。「期首商品棚卸高」ではありませんのでご注意ください。
このため、12月決算の会社で下記の条件では、
- 開始残高の商品(または前期末の棚卸高)に「700,000」と入力
- 1月末在庫棚卸で商品「500,000」と入力
- 2月末在庫棚卸で商品「300,000」と入力
- 3月末在庫棚卸は未入力
レポートの「月次推移:損益計算」で次のように表示されます。
番号 | 金額 | 内容 |
---|---|---|
① | 700,000 | 期首「商品」の金額「700,000」を売上原価に加算 |
② | 500,000 | 1月末棚卸の金額「500,000」を売上原価から控除 |
③ | -200,000 | 2月末棚卸と1月末棚卸の戻しの差額は 300,000 − 500,000 = -200,000 在庫額が2月中に減少したため売上原価の加算 |
④ | -300,000 | 2月末棚卸の金額「300,000」の戻し分、売上原価の加算 |
参考:製造業向け棚卸資産
「設定」→「事業所の設定」にて製造業向け機能を「使用する」と設定にしている場合、在庫棚卸を「商品」「製品」「半製品」「仕掛品」「原材料」の各棚卸資産について行うことができます。
入力する内容、及び財務諸表で反映される勘定科目は次のとおりです。
項目 | 内容 | 貸借対照表 | 損益計算書 |
---|---|---|---|
商品 | 販売目的で外部から購入したもの | 商品 | 期末商品棚卸高 |
原材料 | 製造に用いる原材料 例:材料、燃料、補助材料、消耗工具 |
原材料 | [製]期末材料棚卸高 |
仕掛品 | 製造途中の未完成のもの | 仕掛品 | [製]期末仕掛品 |
半製品 |
そのままでも販売可能な、製造途中の未完成品 |
半製品 | [製]期末半製品 |
製品 | 販売目的で製造した完成品 | 製品 | 期末製品棚卸高 |
参考:freeeの開始残高に入力された棚卸資産について
[設定]→[開始残高の設定]にて、棚卸資産の勘定科目に対し残高を入力した場合、期首の振替仕訳を自動で「つくらない/つくる」の選択が可能となります。
[棚卸仕訳をつくらない]を選択するケース
仕訳のインポートなどで、他会計ソフトからの乗り換えをする場合、インポートするデータに期首棚卸の振替仕訳が含まれていることがあります。
その場合、仕訳の重複を防ぐため、[棚卸仕訳をつくらない]を選択します。
自動作成された期首棚卸の振替仕訳がすでにある場合は削除されます。
[棚卸仕訳をつくる]を選択するケース
「商品」「製品」「半製品」「仕掛品」「原材料」の各勘定科目の金額については、それぞれ下表の通り振替え処理を自動で行うことができます。
項目 | 振替先 損益勘定科目 |
---|---|
商品 | 期首商品棚卸高 |
原材料 | [製]期首材料棚卸高 |
仕掛品 | [製]期首仕掛品 |
半製品 | [製]期首半製品 |
製品 | 期首製品棚卸高 |
内容は、 [決算]→[在庫棚卸]から棚卸月「開始残高」の項目として確認できます。
参考:仕訳承認フローを有効にしている場合の注意点
仕訳承認フローを有効にしている場合、固定資産の減価償却・除却、在庫棚卸等の仕訳については作成時「未承認」状態となり、会計帳簿への反映に際して承認の操作が必要となります。
仕訳承認フローの詳細については、以下のヘルプページをご覧ください。