対象プラン(法人)
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新プラン | アドバンス | エンタープライズ |
旧プラン | プロフェッショナル | エンタープライズ | |
対象プラン(個人) | プレミアム |
複数名でfreeeを管理している場合、メンバーが登録した取引・口座振替・振替伝票や、その他の自動入力された仕訳(減価償却など)について、承認者のチェックを経てから会計帳簿に反映させることができます。
ここでは、そのように帳簿への仕訳の反映を承認制にする方法(仕訳承認フロー)についてご紹介します。
目次
仕訳承認フローについて
仕訳承認フローとは
「仕訳承認フロー」機能は、申請経路の承認者(※)に含まれない方が登録した仕訳(取引・口座振替・振替伝票の他、減価償却など自動入力された仕訳)を、一時的に帳簿に反映させないようにできる機能です。
申請経路の承認者(※)がその仕訳を承認することで、はじめて帳簿に反映されます。
本機能では、次に挙げるステータスで仕訳の承認状態を管理します。
-
未承認:
承認 前 の仕訳に付与されるステータスです。 -
承認済み:
承認 後 の仕訳に付与されるステータスです。 -
なし:
「仕訳承認フロー」機能によるステータスをもっていない状態で、実質的には「承認済み」ステータスと同等として取り扱われます。
このステータスをもつ仕訳例は次のとおりです。
例:
- 仕訳承認フローがONになる以前に作成された仕訳
- システム内部にて、年度締めの際に自動作成される期末損益を繰越力剰余金に振り替える仕訳 など
よって、仕訳承認フロー有効後の仕訳のステータスは、承認前の仕訳「未承認」、承認を受けた仕訳「承認済み」、それ以外である「なし」の3種類になります。
※ 申請経路の承認者とは
- 仕訳承認用の申請経路にて承認者に指定されたメンバーをいいます。メンバーに割り当てられた権限セット(管理者、閲覧のみ等)に関わらず、申請経路の承認者に指定されたメンバーに承認権限が発生します。また、社外・社内メンバーの区別もありません。
- 管理者および管理者をコピーして作成されたカスタム権限セットを利用しているメンバーのみ、申請経路に入っていなくても仕訳の代理承認ができます。
- 仕訳承認者は取引作成時点のメンバーが登録されます。
- 取引を作成したあとに仕訳承認者を追加、削除した場合は過去に作成した取引には影響しません。
→対象の取引が作成された時点での申請経路のメンバーが承認することができます。
仕訳承認用の申請経路の設定について、詳しくは「仕訳承認用経路の編集」をご覧ください。
仕訳の承認ステータスによる挙動
承認ステータスごとの挙動の違いは下表のとおりです。
ステータスを変更する手順については「仕訳の承認手順」をご覧ください。
一覧・レポート・書類への表示・反映
対象となる画面・書類 | 表示・反映される仕訳の承認ステータス |
---|---|
取引の一覧 | 「未承認」「承認済み」「なし」のいずれも常時表示 |
口座振替の一覧 | 「未承認」「承認済み」「なし」のいずれも常時表示 |
振替伝票の一覧 | 「未承認」「承認済み」「なし」のいずれも常時表示 |
仕訳帳 |
初期状態は「未承認」「承認済み」「なし」のいずれも表示 「仕訳承認ステータス」の検索項目で表示するステータスを変更可能 |
月次推移 |
初期状態は「承認済み」「なし」が反映 「仕訳承認:すべて」で絞り込むことで「未承認」も表示される |
試算表 |
初期状態は「承認済み」「なし」が反映 「仕訳承認:すべて」で絞り込むことで「未承認」も表示される |
総勘定元帳 |
初期状態は「承認済み」「なし」が反映 「仕訳承認:すべて」で絞り込むことで「未承認」も表示される |
日次残高推移 | 「承認済み」「なし」のみ反映 |
決算書 | 「承認済み」「なし」のみ反映 |
収益/費用/損益レポート | 「未承認」「承認済み」「なし」のいずれも常時反映 |
入金管理/支払管理レポート | 「未承認」「承認済み」「なし」のいずれも常時反映 |
現預金レポート | 「未承認」「承認済み」「なし」のいずれも常時反映 |
資金繰りレポート | 「未承認」「承認済み」「なし」のいずれも常時反映 |
カスタムレポート |
初期状態は「承認済み」「なし」が反映 「仕訳承認:すべて」で絞り込むことで「未承認」も表示される |
仕訳の編集・削除
メンバーの状態・権限 | 承認ステータス名 | ||
---|---|---|---|
未承認 | 承認済み | なし | |
申請経路の承認者に登録されていないメンバー | ○ | × | ○ |
申請経路の承認者に登録されているメンバー | ○ | ○ ※ | ○ |
「管理者」権限メンバーで 申請経路の承認者に登録されていないメンバー |
○ | ○ ※ | ○ |
※事業所の設定で「承認仕訳の編集・削除機能」を「使用しない」にすることで、編集を不可能にできます。(詳しい設定方法は「承認仕訳の編集削除機能を使用する・使用しないを設定する」をご覧ください。)
仕訳が作成された時点の承認ステータス
仕訳承認フロー機能が有効になっている場合、作成者や作成方法によって、仕訳の作成時点でのステータスが変わります。
【仕訳の作成者】
-
作成者が申請経路の承認者である場合、仕訳作成時のステータスは「承認済み」となります。
作成者の権限や内部・外部メンバーであるかに関わらず、承認者として指定されているか否か が判断の基準となります。
※ エンタープライズプランでは、作成者が申請経路の承認者であっても仕訳作成時のステータスを「未承認」とすることができる他、自己承認の可否を設定することもできます。詳しくは「申請者による自己承認機能(エンタープライズプランのみ)」のヘルプページをご覧ください。
【仕訳の作成方法】
- 取引が直接作成される連携サービスによる仕訳作成時の承認ステータスは、APIの連携方法および、連携サービスの利用許可をした人が申請経路の承認者であるか否かによります。
- 手動及び自動登録ルールによる作成の場合は、作成者が申請経路の承認者であるか否かによります。
- システムが自動で作成する仕訳のうち、固定資産の減価償却・除却、在庫棚卸の仕訳については作成時は「未承認」となり、会計帳簿への反映に際して承認の操作が必要となります。
- 仕訳承認が有効になる前に登録した取引等が仕訳承認有効後に更新された場合、その取引に紐づく仕訳承認状態は「未承認」状態になります。
(例)2022年1月5日に仕訳承認機能を有効にした場合、2022年1月8日に2022年1月4日の取引や仕訳に関して更新操作を行うとその仕訳は「未承認」状態となります。
上述の関係を表すと下表のとおりとなります。
作成方法 | 作成される仕訳の承認ステータス |
---|---|
「仕訳承認フロー」機能を有効化する前に登録されていた取引等 | なし |
申請経路の承認者に登録されていないメンバーが作成( ※1 ) | 未承認 |
申請経路の承認者に登録されているメンバーが作成 | 承認済み( ※2 ) |
自動登録ルールによって作成(「自動で経理」の自動登録) | 未承認 |
取引が直接作成される連携サービスのうち、freeeのAPIを連携して作成(Airレジ、AI Travel、外貨建取引管理アプリ、前受/前払入力アプリ、Board、Zaicoなど)( ※3 ) かつ、申請経路の承認者に登録されているメンバーが連携サービスの利用許可 |
承認済み( ※2 ) |
取引が直接作成される連携サービスのうち、freeeのAPIを連携して作成(Airレジ、AI Travel、外貨建取引管理アプリ、前受/前払入力アプリ、Board、Zaicoなど)( ※3 ) かつ、申請経路の承認者に登録されていないメンバーが連携サービスの利用許可 |
未承認 |
取引が直接作成される連携サービスのうち、他社API等から連携して作成(Square、スマレジ、Amazonなど) | 未承認 |
申請経路の承認者に登録されていないメンバーが「減価償却する」と設定した、固定資産の減価償却費と除却の仕訳・在庫棚卸の仕訳 | 未承認 |
申請経路の承認者に登録されているメンバーが「減価償却する」と設定した、固定資産の減価償却費と除却の仕訳・在庫棚卸の仕訳 | なし |
仕訳承認フローがONになる以前に作成された仕訳 |
なし |
システムが自動で作成する一部の仕訳 (年度締めの際に自動作成される、期末損益を繰越力剰余金に振り替える仕訳など) |
なし |
※1:「管理者」権限であっても申請経路に入っていない場合、作成した仕訳のステータスは「未承認」になります。
※2:エンタープライズプランをご利用で、 自己承認機能 を「使用しない」設定にしている場合は、こちらの作成方法であっても仕訳の承認ステータスは「未承認」となります。
※3:freeeのAPIを連携しているアプリは、freeeアプリストアの「マイアプリ」画面に表示されます。「マイアプリ」画面の表示はログインが必要です。
機能を有効にする
本機能を利用するには、機能の有効化と仕訳承認経路の設定が必要となります。操作手順は次のとおりです。
- [設定]→[事業所の設定]を開きます。
- [詳細設定]タブに切り替え、「仕訳関連設定」欄に表示された「仕訳承認フロー」項目にて[使用する]にチェックを入れ、[保存]ボタンをクリックします。
- [設定]メニュー → [申請経路の設定]画面を開きます。
- 手順2で「使用する」設定に切り替えたことで、申請経路名「仕訳承認用経路」が表示されるようになります。
[仕訳承認用経路]の行をクリックします。 - 「承認者の設定」欄に表示された「ユーザー名で承認者を設定します」の入力欄へ、ユーザー名やメールアドレスの一部を入力して、承認者に設定したいメンバーを追加します。
すべての承認者を追加できたら[保存]ボタンをクリックします。
有効にした当初は、仕訳承認フローを有効にした管理者のみが承認者に指定されています( ※ )。
仕訳承認経路における承認者を設定する場合は[編集]から承認者の追加を行います。※ 2018年2月以前に仕訳承認フロー(旧機能)・アドバイザー確認機能を利用していた場合、「一度でも仕訳承認を行ったことがあるユーザー」が自動で申請経路の承認者に追加されています。
仕訳承認用経路の編集
[設定]メニュー →[事業所の設定]の[詳細設定]タブにて仕訳承認フローを有効にしている場合、[設定]メニュー →[申請経路の設定]画面に「仕訳承認用経路」が表示されます。
こちらで、承認者の編集を行うことができます。
- [設定]メニュー → [申請経路の設定]画面にて「仕訳承認用経路」の行をクリックします。
- 経路の編集画面が表示されます。「承認者の指定」項目から承認者の追加・削除等が行えます。
各項目の詳細は下表のとおりです。
項目名 |
説明 |
入力方法 |
---|---|---|
申請経路名 |
「仕訳承認用経路」とデフォルト表示されます。変更はできません。 |
- |
この経路を使用する申請種別 |
「仕訳承認」にチェックが入った状態で、変更はできません。仕訳承認フローを有効にしている場合は、必ず利用するためです。 |
- |
申請経路 |
承認用申請経路の説明が表示されています。変更はできません。 |
- |
承認者の指定 |
仕訳の承認者を指定します。
※ 承認者は最大10名まで追加することができます。 |
選択 |
機能を設定する
承認仕訳の編集削除機能を使用する・使用しないを設定する
管理者や承認者が、承認済みの仕訳の編集・削除を行えるかを設定できます。
※ 「仕訳承認フロー」が[使用しない]の場合は、「承認仕訳の編集・削除機能」の使用する・使用しないを選択できません。
項目名 |
説明 |
---|---|
使用する |
管理者や承認者は、承認仕訳の編集・削除が可能 |
使用しない |
管理者や承認者は、承認仕訳の編集・削除が不可 |
- 本機能は仕訳作成時の設定ではなく、現在の設定が適用されます。
- 固定資産の減価償却・除却等の自動作成される仕訳については、承認済みであっても、固定資産の変更により編集・削除が行われます。
エンタープライズプランで行える設定
エンタープライズプランでは、より高度な統制に対応することができます。
詳しくは「申請者による自己承認機能(エンタープライズプランのみ)」のヘルプページをご覧ください。
仕訳の承認手順
-
申請経路の承認者に含まれないメンバー に、通常どおり取引や口座振替を登録してもらいます。
※ 登録が完了すると、通常どおり取引や口座振替の一覧に追加されますが、この時点では帳簿に反映されていません(仕訳が未登録の状態)。
※ 申請経路の承認者に含まれないメンバーの画面上は、仕訳が未登録かどうかは確認できません。 - 仕訳承認の権限を持つメンバー がfreeeにログインし、[レポート]メニュー → [仕訳帳]を開きます。
- 画面上部の絞り込み条件欄で、「仕訳承認ステータス」項目を「未承認」に切り替え[絞り込む]ボタンをクリックします。
- 最左列(「承認」列)に表示された[承認]ボタンをクリックすると、仕訳が「承認済み」の状態になります。
- 登録した仕訳が帳簿に反映されていることを確認します。
「承認済み」仕訳の修正について
一度承認した仕訳を未承認に戻すことはできません。
誤って承認してしまった場合などは、別途 修正仕訳を登録する必要があります。
仕訳の一括承認手順
仕訳を一括で承認することができます。承認する仕訳は「検索結果すべて」「ページ内全て」「個別」のいずれかの選択方法で指定可能です。
検索結果を全て選択
設定している検索条件に一致する仕訳を対象に一括承認処理ができます。
- [レポート]メニュー → [仕訳帳]を開きます。
- 画面上部の絞り込み条件欄で、「仕訳承認ステータス」項目を「未承認」に切り替え[絞り込む]ボタンをクリックします。
- 「検索結果を全て選択」にチェックを入れます。
- [一括承認]ボタンをクリックします。
※一度に承認できる件数は1000件までです。
また、以下の場合にチェックが外れます。
- 1ページの表示件数を変えた場合
- リスト内の仕訳を削除・コピー・編集した場合
- 並べ替えをした場合
ページ内全てを選択
表示されているページ内の仕訳を対象に一括承認処理ができます。
- [レポート]メニュー → [仕訳帳]を開きます。
- 画面上部の絞り込み条件欄で、「仕訳承認ステータス」項目を「未承認」に切り替え[絞り込む]ボタンをクリックします。
- 最上部のチェックボックスにチェックを入れます。
- [一括承認]ボタンをクリックします。
また、以下の場合にチェックが外れます。
- 1ページの表示件数を変えた場合
- リスト内の仕訳を削除・コピー・編集した場合
- 並べ替えをした場合
- ページ遷移をした場合
個別選択
チェックを入れた仕訳を対象に一括承認処理ができます。
- [レポート]メニュー → [仕訳帳]を開きます。
- 画面上部の絞り込み条件欄で、「仕訳承認ステータス」項目を「未承認」に切り替え[絞り込む]ボタンをクリックします。
- 承認したい仕訳にチェックを入れます。
- [一括承認]ボタンをクリックします。
また、以下の場合にチェックが外れます。
- 1ページの表示件数を変えた場合
- リスト内の仕訳を削除・コピー・編集した場合
- 並べ替えをした場合
- ページ遷移をした場合
申請者による自己承認機能(エンタープライズプランのみ)
※ エンタープライズプランのみ、仕訳の自己承認をNGにすることができます。(アドバンスプラン(旧プロフェッショナルプラン)では自己承認をNGにすることができません)
仕訳承認用経路上にて「承認者」として設定されたメンバーが仕訳承認フローの申請者の場合(つまり申請者と承認者が同一の場合)は、自己承認を有効にするかどうか設定することができます。操作手順は次のとおりです。
- [設定]メニュー → [事業所の設定]を開きます。
- [詳細設定]タブに切り替え、「仕訳関連設定」欄に表示された「自己承認機能」項目にて、[使用する]または[使用しない]にチェックを入れ[保存]ボタンをクリックします。
※「仕訳承認フロー」の設定が[使用しない]の場合は、「自己承認機能」の「使用する」・「使用しない」を選択できません。
-
使用する:
自分が登録した仕訳の承認は 可能 (起票後 自動的に「承認済み」となる) -
使用しない:
自分で登録した仕訳の承認は 不可
-
使用する:
「自己承認機能」のご利用にあたって
-
承認者が1名のみで、かつ、その仕訳承認者が仕訳承認の申請者になりうる場合
自己承認機能を「使用しない」に設定した場合、承認できるメンバーがいなくなり仕訳が「未承認」状態で残ってしまいます。
そのため、承認者が仕訳を登録する可能性がある場合は、事前に承認者を2名以上追加しておく必要があります。 -
インポート機能・連携サービスを利用して仕訳を登録する場合
自己承認機能を「使用しない」に設定した場合、承認者が仕訳を登録しても起票後「承認済み」とならず「未承認」状態で登録されることになります。インポートや連携サービスを活用して一括登録されている方は、ご注意ください。
参考:システムが自動で作成する仕訳の承認について
仕訳承認フローを有効にしている場合、固定資産の減価償却・除却、在庫棚卸等の仕訳については作成時「未承認」状態となり、会計帳簿への反映に際して承認の操作が必要となります。
※ 本機能がリリースされた2020年1月以前から仕訳承認フローをご利用の方は、仕訳承認が必要・不要な仕訳が混在する場合がありますのでご注意ください。