このページでは、2023年10月施行されるインボイス対応に向けた、freeee for Salesforceの大型バージョンアップについて、変更点やお客様で対応が必要な内容をご案内します。
目次
再認証について
インボイス制度の施行に伴い、freee for Salesforceで利用しているAPIが従来の「freee会計の請求書機能」ではなくインボイス制度に対応している「freee請求書」へと変更されます。
新規API利用には、ユーザーに代わってシステムが自動で操作することを委譲する認証のステップが必要です。
今回追加された「freee請求書」についてもAPIで操作することができるよう、再度認証を行ってください。
また、認証は管理者と請求書を発行する従業員どちらも行う必要があります。
freee for Salesforceが接続するfreeeのサービス
手順
以下のどちらかの方法で再認証を行ってください。
※過去に認証を行った方法と同じ方法で実施してください。不明な場合は①の操作からお試しください。
- freeeログイン形式での認証
ログインボタンからOAuth認証する場合は、ログインボタンがfreee for Salesforceの各コンポーネントまたはタブ上に表示されます。 - 指定ログイン情報での認証
「外部システムの認証設定」の手順に沿って再認証を行ってください。
再認証を行わない場合、「アクセスする権限がありません」とエラーが表示されることがあります。
マッピング設定について
バージョンアップにより、インボイス制度に関連するいくつかの項目が追加・変更・削除されます。
そのため、freee請求書とSalesforceを連携するためのマッピング設定を一部変更する必要があります。
参考ヘルプ：freee会計へ送信する見積書・請求書の内容をカスタマイズする
具体的な変更箇所
| 変更項目 | 種別 | 備考 |
|---|---|---|
| 請求書ステータス | 削除 | 請求書ステータスは新しいfreee請求書では不要となりました。 |
| 請求書番号 | 削除 | 請求書に関する番号は新しく「請求書番号 - 枝番」の組み合わせとなり、請求書番号はfreee請求書側で自動採番となりました。 |
| 税額フィールド | 削除 | freee請求書では税額は税率より自動算定となります。また、端数計算については「請求書設定」の「税率による税計算 端数処理」の設定を用いて行われます。 |
| 事業所担当者名フィールド | 削除 | 項目が削除され、freee請求書側の帳票テンプレートで設定した値が利用されます。 |
| 枝番 | 新規追加 | 新しく項目として設定できるようになりました。 |
| 取引先 担当部署名 | 新規追加 | 新しく項目として設定できるようになりました。 |
手順
上記の具体的な変更箇所以外の項目は、これまでのマッピング設定をそのまま利用いただけます。
変更がある項目のみ、マッピング設定をご確認ください。
※変更がある項目には、項目名の最後に「（freee会計のみ）」「（freee請求書のみ）」と記載されています。
なお、変更がある項目と変更後の内容については「freee for Salesforceの新画面について - 変更前後の項目名比較表」をご確認ください。
レイアウトへのコンポーネント追加
これまで、freee for Salesforceで用意された専用のコンポーネントを取引先オブジェクトレコードや任意のfreee請求オブジェクト（商談オブジェクトなど）レコードのレイアウトに追加することが可能でした。
今回、従来のものとは別のfreee請求書と連携する新しいコンポーネントが追加されます。
これまで本機能を利用していた場合、同様に新規コンポーネントのレイアウト追加が必要です。
設定方法
- 商談のコンポーネントを追加したい画面を開き、右上の［歯車マーク］→［編集ページ］をクリックします。
- 左のサイドバー下部にあるカスタムのうち「freee請求書ステータス同期」というコンポーネントを任意の場所にドラッグアンドドロップで追加します。
従来のコンポーネントの扱いについて
従来のコンポーネント（freee会計連携）はfreee会計と連携しています。
2023年10月以降、freee会計で発行した請求書の同期をする必要がなくなったタイミングで、レイアウトから削除することを推奨します。
「商談」以外のオブジェクトから請求書を連携している場合
「商談」以外のオブジェクトから連携する場合、従来は設定を追加する前にfreee請求オブジェクトリンク(freee__InvoiceObjectLink__c)というオブジェクトを、設定したい商談の代わりとなるオブジェクトへ参照項目として追加する必要がありました。（参考ヘルプ：連携の事前準備）
今回、新しくfreee請求書 請求書オブジェクトリンク（freee__IV_InvoiceLink__c）というオブジェクトが追加されるので、こちらも同じように参照項目として追加する設定が必要です。
移行手順
インボイス対応にむけた移行スケジュールについて、参考の移行手順を記載しています。
ご利用のSalesforce環境の運用方針などもふまえつつ、移行方法をご検討ください。
移行スケジュール案
- 新しいfreee請求書連携のリリース（8月末～9月上旬予定）
- 管理者で再認証を行う
- マッピング設定について確認・対応
- コンポーネントなどの対応を行う
- 従業員で再認証を行う
その他、請求書発行に関する仕様変更点
freee請求書へ請求書・見積書を発行するにあたって、freee会計への連携から変更された点をまとめています。
freee請求書への切替時に設定の変更は必要はありません。
- 消費税の端数処理の計算方法
freee会計では、freee for Salesforce内で税の端数計算を行い、税額をfreee会計に送っていましたが、freee請求書では、freee請求書に税の端数計算処理が提供されるようになりました。
消費税端数の計算方法については「請求書設定」の「税率による税計算 端数処理」の設定が、freee請求書に発行した請求書に適用されます。
また、インボイス制度では、「税率による税計算 端数処理単位」は請求書単位と定められていますので、以下の設定は使用されなくなります。
※現在は削除済みです。 - 使用されなくなる請求書設定
「freee管理」アプリの「freee請求書設定」タブに含まれる請求書発行に関する以下の設定は、freee請求書では使用されなくなります。
- 送信ステータス設定
freee請求書では、作成時の送信ステータスは「未送信」のみになります。
-
税設定
税額の指定方法：freee請求書では、明細に指定した税率に従ってfreee請求書側で計算されるようになります。 - 「税率による税計算 端数処理単位」
前述の通り、請求書単位のみになります。
- 送信ステータス設定
- 請求書作成時のマスタの登録は9月時点では未対応となります。
freee会計連携では、商談など請求オブジェクトに指定された勘定科目、部門、品目などの仕訳がfreee会計側に存在しない場合はマスター登録を行ったあとに請求書を作成することができました。
freee請求書連携ではこの機能は提供されません。 - 振替処理について
freee for Salesforceからfreee請求書に作成された請求書は送信ステータス「未送信」となりfreee会計に取引は作成されません。
freee請求書に作成した請求書の振替処理は、以下の流れで実行します。
①freee請求書で取引登録を実行
②freee for Salesforceのレコードページコンポーネントから取引の振替を実行 - 請求書ステータス同期
請求書ステータス同期は、freee請求書に発行した請求書のステータスの更新をSalesforceに同期する機能です。
これまでの、freee会計からの請求書ステータス同期も並行して実行されます。
freee請求書とfreee会計の並行運用期間の間は両方が同時に実行開始され、完了通知もそれぞれ別途送信されます。