「勤怠管理の方法」の診断がまだの場合は、先に「勤怠管理の方法」の診断をご利用ください。
※ 「勤怠管理の方法」の診断結果によっては「労働時間制度」の診断が不要となる場合があります。
このページでは、「勤怠管理の方法」診断で「freee人事労務で勤怠管理する」と診断された場合の労働時間制度を確認していきます。
望んでいる労働時間制度を実現するには、労使協定の締結等が必要なものもあります(特定の労働時間制度では、労使協定の締結等がないまま給与計算・支払すると、法令違反状態となってしまいます)。
以降の質問に沿って回答し、事業所や従業員の状況に合う労働時間制度を確認しましょう。
質問数は、1〜8問です(回答内容に応じて変わります)。
Q1. その従業員は、以下のいずれかに当てはまりますか?
以下に当てはまる場合は、Yesへ進みます(労働時間・休憩・休日の適用除外者と判断します)。
- 管理監督者
- 機密事務の取扱者
- 農業・水産業従事者(農業・畜産・養蚕・水産の事業に従事する労働者)
※ 用語がよくわからない場合は、この質問内の下部「ワンポイント」で確認できます。
-
Yes:「管理監督者」「機密事務の取扱者」「農業・水産業従事者」のいずれかに当てはまる
- → 結果:「管理監督者」の場合 へ
- No:上記に当てはまらない
ワンポイント
管理監督者
- 労働基準法の「管理監督者」は、監督・管理の地位にある者を指します。
- 具体的には、次の3つの要件を満たす必要があります。
- 経営者と一体的な立場といえる職務内容と権限・責任を有する
- 実際の労働時間が裁量に任されている
- 賃金等の相応の待遇を受けている
- 「管理職」であっても、上記の条件を満たさないと管理監督者ではありません。スモールビジネスにおける管理職は、ほとんどの場合「管理監督者」ではありません。
- 管理監督者について、1日8時間内・週40時間内の法定労働時間や遵守や休憩・週1日の休日の付与は必要ありません。一方で、深夜労働の割増賃金や有給休暇の付与は必要です。
機密事務の取扱者
機密事務の取扱者は、秘書などの機密事務を取り扱う者を指します。その上で、下記の要件を満たす必要があります。
- 職務内容が経営者または管理監督者の活動と一体不可分である
- 労働時間等の厳格な管理を受けていない(通達昭和22年9月13日基発17号)
選択肢
-
Yes:「管理監督者」「機密事務の取扱者」「農業・水産業従事者」のいずれかに当てはまる
- → 結果:「管理監督者」の場合 へ
- No:上記に当てはまらない
Q2. その従業員の定時の出退勤時刻は、毎日同じ時刻と決められていますか?
ワンポイント
「定時の出退勤時刻が毎日同じ時刻」で想定されるケースは次のとおりです。
- 定時が9時出勤・18時退勤と決まっている
選択肢
-
Yes:定時は毎日同じ時刻である
- → 結果:「固定時間制」の場合 へ
- No:定時は日によって異なる
Q3. その従業員は非シフト制で、定時の出退勤時刻が一部の曜日のみ異なりますか?
ワンポイント
「定時の出退勤時刻が一部の曜日のみ異なる」で想定されるケースは、次のとおりです。
- 週6日勤務で、平日の定時は10:00-18:00(7時間+休憩1時間)、土曜日の定時は10:00-14:00(4時間)で勤務している
選択肢
-
Yes:非シフト制で、一部の曜日のみ定時が異なる。かつ遅刻・早退を記録する
- → 結果:「シフト制」の場合 へ
※ 勤務実態が非シフトでも、freeeの労働時間制度では「シフト制」が合っているケースとなります。
- → 結果:「シフト制」の場合 へ
-
Yes:非シフト制で、一部の曜日のみ定時が異なる。かつ遅刻・早退を記録しない
- → 結果:「固定時間制」の場合 へ
- No:当てはまらない
Q4. その従業員は、シフト制で、1日8時間・週40時間(※)の範囲内で働いていますか?
ワンポイント
- 労働基準法では「1日8時間・週40時間(※)を超えて労働させてはいけない」と定められています。(※ 特例措置対象事業場は44時間。)
- 1日8時間・週40時間(※)を超える労働には、労使協定の締結・届出が必要です。
- 「シフト制で1日8時間・週40時間(※)の範囲内」の想定されるケースは、次のとおりです。
- 週5日で1日8時間勤務しているが、早番・遅番シフトで日によって勤務時間帯が異なるケース
- 週によって勤務日数は異なるが、1日8時間・週40時間(※)の範囲内でシフト制で働いているケース
選択肢
-
Yes:シフト制で、1日8時間・週40時間(※)内で働いている
- → 結果:「シフト制」の場合 へ
-
No: シフト制で、1日8時間・週40時間(※)を超えることがある
-
No: シフト制ではない
Q5. その従業員は、変形労働時間制を導入してシフトにもとづいて働いていますか?
ワンポイント
1日8時間・週40時間を超えるシフト制の場合、「変形労働時間制」という働き方で労働時間を調整できる可能性があります。
変形労働時間制とは
- 使用者があらかじめ労働日や始業・終業時刻を変更してシフトを組むことで、繁忙期の労働時間が長く、閑散期の労働時間が短くなるよう運用します。
- 繁忙期に労働時間が増えても、時間外労働ではなく通常労働として扱える制度です。
- 1週間単位、1ヶ月単位、1年単位の変形労働時間制があり、単位によって適用要件が異なります。
-
原則として、期間中のシフト変更は認められていません。
- 台風や豪雨等の天災や機械故障等の緊急でやむを得ない客観的な事由によって繁閑が大幅に変わる場合に、前日までの書面通知で変更可能です。使用者の主観的な事由での変更は認められていません。
- 変形労働時間制の導入には、労使協定の締結・届出や、就業規則の整備(従業員10名以上の場合は整備・届出)、事前のシフト表作成などが法令上必須となります。
選択肢
- Yes:変形労働時間制を導入したいが、単位(1週間単位 / 1ヶ月単位 / 1年単位)が決まっていない
-
Yes:変形労働時間制を導入中、または導入済みである(労使協定の締結・届出等を行なった)
単位によって次のステップが異なります。-
- 1週間単位
- 1ヶ月単位
- 1年単位
-
-
No: 変形労働時間制を導入していない/導入検討していないが、シフト制である
- → 結果:「シフト制」の場合 へ
Q6. その従業員に関して、1週間単位の変形労働時間制を導入していますか?
ワンポイント
- 1週間単位の変形労働時間制は、次の条件をすべて満たす場合に導入対象となります。
- 30人未満
- 小売業、旅館、料理・飲食店の事業
- 導入すると、1日10時間内・週40時間(※)内の勤務が可能になります。
(※ 特例措置対象事業場も40時間内となります。) - 制度の導入には、労使協定の締結・届出や、就業規則の整備(従業員10名以上の場合は整備・届出)、事前のシフト表作成などが法令上必須となります。
選択肢
- Yes:1週間単位の変形労働時間制を導入している、または労使協定を締結・届出等して導入予定である
- No:1週間単位の変形労働時間制を導入していない
Q7. その従業員に関して、1ヶ月単位の変形労働時間制を導入していますか?
ワンポイント
- 1ヶ月単位の変形労働時間制は、月内で月末・月初などの特定週が忙しい場合に適した変形労働時間制となります。
- 導入すると、条件を満たした上で、シフトをより柔軟に作成できます。
- 条件
- 1ヶ月以内の期間を平均して、1週間あたりの労働時間が40時間(※)以内とすること
(※ 特例措置対象事業場は44時間)
- 1ヶ月以内の期間を平均して、1週間あたりの労働時間が40時間(※)以内とすること
- 条件を満たした上で、できるようになること
- 特定の日に8時間を超えて労働すること
- 特定の週に40時間(※)を超えて労働すること
- 要件に沿う労働時間の計算方法
- 厚生労働省「1か月単位の変形労働時間制 - 3 労働時間の計算方法」をご確認ください。
- 条件
- 制度の導入には、労使協定の締結・届出や、就業規則の整備(従業員10名以上の場合は整備・届出)、事前のシフト表作成などが法令上必須となります。
選択肢
- Yes:1ヶ月単位の変形労働時間制を導入している、または労使協定を締結・届出等して導入予定である
- No:1ヶ月単位の変形労働時間制を導入していていない
Q8. その従業員に関して、1年単位の変形労働時間制を導入していますか?
ワンポイント
- 1年単位の変形労働時間制は、特定の季節・月が忙しい場合に適した働き方です。
- 適した業種の例は、サービス業(レジャー施設、宿泊業、飲食サービス業)や製造業、デパート等の小売業などです。
- 導入すると、条件を満たした上で、シフトをより柔軟に作成できます。
- 条件
- 対象期間(最大1年間)を平均して、1週間あたりの労働時間が40時間内(特例事業所も40時間内)とすること
- 労働日数・連続労働日数・時間の上限を守ること
- 条件を満たした上で、できるようになること
- 特定の週に52時間まで労働すること
- 特定の日に10時間まで労働すること
- 条件
- 制度の導入には、労使協定の締結・届出や、就業規則の整備(従業員10名以上の場合は整備・届出)、事前のシフト表作成などが法令上必須となります。
選択肢
-
Yes:1年単位の変形労働時間制を導入している、または労使協定を締結・届出等して導入予定である
- 清算期間が1年の場合
- 清算期間が1年以外(例: 3ヶ月)の場合
-
No: 変形労働時間制を導入していない/導入予定はないがシフト制である
- → 結果:「シフト制」の場合 へ
Q9. その従業員は、自身で自由に出退勤時刻を決められますか?(フレックスタイム制を労使協定の締結等した上で導入していますか?)
ワンポイント
- フレックスタイム制では、一定期間(清算期間。例.1ヶ月)に働く総労働時間を事前に決めておき、従業員が自由に出退勤時刻を決めることができます。
- ある日・ある週に法定労働時間(1日8時間・週40時間※)を超えて働いても、すぐには時間外労働にならず、清算期間単位で時間外労働を集計します。
- (※ 特例措置対象事業場は週44時間。)
- また、清算期間単位で実労働時間が総労働時間に対して不足する場合、賃金の控除が認められています。
- フレックスタイム制の導入には、就業規則等への規定と労使協定の締結が必須となります。(清算期間が1ヶ月を超える場合、労使協定は締結・届出が必要です。)
選択肢
- Yes:従業員が自由に出退勤時刻を決められる(フレックスタイム制を導入している、または労使協定を締結等して導入予定である)
- No:従業員が自由に出退勤時刻を決められない
Q10. その従業員にフレックスタイム制を適用している場合、次のどれに当てはまりますか?
ワンポイント
- フレックスタイム制の清算期間や給与形態(月給・時給・日給)に応じて、診断結果が異なります。
選択肢
-
清算期間が1ヶ月単位のフレックスタイム制である
- A. 月給者 である
-
B. 時給者・日給者 である
-
清算期間が1ヶ月を超える期間のフレックスタイム制である
Q11. その従業員について、実労働時間ではなくみなし労働時間で給与計算しますか?(裁量労働制を労使協定の締結等した上で導入、または事業場外みなし労働時間制を導入していますか?)
ワンポイント
- みなし労働時間で働く労働時間制度には、裁量労働制と事業場外みなし労働時間制があります。
-
裁量労働制では、実労働時間に関わらず、あらかじめ定めた時間を働いたとみなして給与計算します。専門業務型と企画業務型の2種類があります。
- 参考:フレックスタイム制は、コアタイム外の出退勤時間を従業員に委ね、実労働時間にもとづいて給与計算します。
- 裁量労働制の導入には、種類に応じて労使協定の締結や労使委員会での決議の上、労働基準監督署への届出などが法令上必須となります。
- 企画業務型と専門業務型では、適用対象や必要な手続きが異なります。制度導入の詳細は、次の厚生労働省サイトをご確認ください。
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事業場外みなし労働時間制は、事業場外で勤務し、使用者の具体的な指揮監督が及ばず労働時間の算定が困難な場合にはみなし時間で給与計算します。
- 事業場外での勤務であっても使用者の指揮監督が及ぶ次のような場合は、みなし労働時間制を適用できません。
- 何人かのグループで事業場外で勤務し、グループの中に労働時間を管理する人がいる場合
- PCやスマホといった通信機器等を通して、随時使用者の指示を受けながら事業場外で勤務している場合
- 事業場において、訪問先や帰社時刻等当日の業務の具体的指示を受けた後、事業場外で指示どおりに勤務し事業場に戻る場合
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事業場外みなし労働時間制の導入には、労使協定の締結は必須ではありません。
- 所定労働時間(就業規則や労働契約において従業員が勤務すると定めた時間)を超える労働や休日労働には、労使協定(36協定)の締結・届出が必要です。
- 事業場外での勤務であっても使用者の指揮監督が及ぶ次のような場合は、みなし労働時間制を適用できません。
選択肢
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Yes:事業場内・外を問わず、みなし労働時間で給与計算する(裁量労働制)
- → 結果:「裁量労働制」の場合 へ
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Yes:事業場外の場合に、みなし労働時間で給与計算する(事業場外みなし労働制)
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No: 当てはまらず、実労働時間で給与計算する
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A. 通常の場合
- → 結果:「固定時間制」の場合 へ
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B. 高度プロフェッショナル制度の場合(厚生労働省:高度プロフェッショナル制度の概要)
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A. 通常の場合