このページでは、「労働時間制度の診断」の診断結果をご案内します。
診断をまだ利用していない場合は、診断を利用してから結果をご確認ください。
労働時間制度「1年単位の変形労働時間制」の選択が適切な場合に関してご案内します。
目次
0. 1年単位の変形労働時間制とは
- 変形労働時間制では、期間によって業務の繁閑の差がある場合に、あらかじめ労働日や始業・終業時刻を変更してシフトを組むことで、繁忙期の労働時間が長くなるよう運用します。
- 1年単位の変形労働時間制では、1ヶ月以内の期間を平均して、1週間あたりの労働時間が40時間(※)を超えない範囲なら、特定された週に52時間まで・特定された日に10時間まで労働できます。(※ 特例措置対象事業場も週40時間)
-
原則として、期間中のシフト変更は認められていません。
- 台風や豪雨等の天災や機械故障等の緊急でやむを得ない客観的な事由によって繁閑が大幅に変わる場合に、前日までの書面通知で変更可能です。使用者の主観的な事由での変更は認められていません。
- その他労働時間に関する前提は、以下のとおりです。
- 休日は、週に1日以上または4週に4日以上与える必要があります。
- 休憩は、6時間以上の勤務で45分、8時間以上の勤務で60分与える必要があります。
1. 適用対象の確認
下記をすべて満たす場合にfreeeで「1年単位の変形労働時間制」を適用できます。
労使協定の締結・届出や、就業規則の整備(従業員10名以上の場合は整備・届出)、事前のシフト表作成など法令上必須の対応を行って変形労働時間制を導入している
清算期間が1年である
清算期間と締め日・支払い日の期間(給与の支払対象期間)の開始・終了の日が同じである
- 例:給与計算が末日締めの場合、清算期間は◯月1日から△月末日
1ヶ月を超え1年以内の一定期間を平均して、1週間あたりの労働時間が40時間(※1)を超えない
(※1 特例措置対象事業場も40時間)
連続する勤務日が12日(※2)を超えない
- (※2 通常は連続6日まで、「特定期間」を設けている場合は連続12日まで。参考:厚生労働省「1年単位の変形労働時間制導入の手引 - 5 対象期間における連続労働日数」)
法定休日・所定休日を定めている
- 法定休日:週1日以上または4週に4日以上の休日
- 所定休日:就業規則や労働契約において、法定休日以外に休みと定めた日。
- たとえば土日休みの事業所の場合、日曜を法定休日とするなら、土曜を所定休日とすることになります。
なお、法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超える労働や休日労働には、労使協定(36協定)の締結・届出が必要です。
2. 利用可能なプラン
- スタータープラン以上である必要があります。
- ミニマムプランの場合は、スタータープラン以上へのアップグレードをご検討ください。
3. 勤務・賃金の「基本情報」の設定
以下は、勤務・賃金の新規作成時の設定手順となります。
- (まだ画面を開いていない場合)
[設定]メニュー→[勤務・賃金設定]→[新規作成]をクリックし、画面を開きます。 - (まだの場合)「勤務・賃金設定の名称」を入力します。
例:正社員 - 1年単位の変形労働 - (まだの場合)「勤怠管理の方法」を選択します。
「勤怠管理の方法の診断」の結果で表示された値を選択してください。 - 「労働時間制度」で「1年単位の変形労働時間制」を選択します。
- 「締め日支払日」を選択します。
- 「起算日」は、1年単位の変形労働時間制の労使協定で定めた起算日を選択します。
- 必要があれば「備考」を入力します。
備考は勤務・賃金設定の一覧画面にも表示されます。 - 「基本情報」の入力が完了しました。
- 次の設定項目に進みます。
「勤怠管理の方法」で選択した内容によって、次の設定項目が異なります。-
freee人事労務で勤怠管理する場合
- 次は「打刻設定(タイムレコーダー機能)」または「休日」の設定に進みます。
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他サービスから勤怠を取り込む場合
- 次は「出退勤時刻と労働時間」の設定に進みます。
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freee人事労務で勤怠管理する場合
ご参考:「1年単位の変形労働時間制」を選択した場合の給与計算(用語解説あり)
給与計算の内容
労働時間制度「1年単位の変形労働時間制」を選択すると、次のように給与計算を行います。
- シフト(所定労働時間)に応じて、法定内残業や時間外労働の割増賃金を自動で計算します(法定内残業は、割増率が0%の場合は割増賃金が発生しません)。
- 前提として、対象期間として定められた期間を平均して、1週間あたりの労働時間が40時間(※1)を超えない範囲で、特定された週に52時間まで・特定された日に10時間までの労働とする必要があります。 (※1 特例措置対象事業場も週40時間)
- また、連続する勤務日が12日(※2)を超えないようにする必要があります。
- (※2 通常は連続6日まで、「特定期間」を設けている場合は連続12日まで。参考:厚生労働省「1年単位の変形労働時間制導入の手引 - 5 対象期間における連続労働日数」)
- 休日労働や深夜労働は割増賃金が自動計算されます。
- 割増賃金の割増率は、勤務・賃金の項目で設定された値が適用されます。
労働の種類 | 割増賃金の自動計算の有無 |
---|---|
法定内残業 |
自動計算される (法定内残業の割増率を0%と設定した場合は、割増賃金は発生しない) |
時間外労働 | 自動計算される |
休日労働 | 自動計算される |
深夜労働 | 自動計算される |
60時間超の時間外労働 | 自動計算される |
用語の解説(freeeの「1年単位の変形労働時間制」における意味)
用語
- 所定労働日(時間):就業規則や労働契約において従業員が勤務すると定めた日(時間)。
-
所定休日:就業規則や労働契約において、法定休日以外に休みと定めた日。
- たとえば土日休みの事業所の場合、日曜を法定休日とするなら、土曜が所定休日となります。
- 休日労働:法定休日(週1日以上または4週に4日以上の休日)の勤務。
- 深夜労働:22時〜翌日5時の勤務。
- 法定内残業と時間外労働:次項目を参照
法定内残業と時間外労働(1年単位の変形労働時間制におけるもの)
【日単位】
- 日単位パターン1
- 1日の所定労働時間が8時間以下の場合、法定内残業は労働時間が所定労働時間を超えて8時間までの労働時間、時間外労働は8時間を超えた労働時間となります。
例1:所定労働時間が5時間で、実労働が9時間だった場合
- 所定内労働:5時間
- 法定内残業:3時間(= 8時間 - 5時間)
- 時間外労働:1時間(= 9時間 - 8時間)
- 1日の所定労働時間が8時間以下の場合、法定内残業は労働時間が所定労働時間を超えて8時間までの労働時間、時間外労働は8時間を超えた労働時間となります。
- 日単位パターン2
- 1日の所定労働時間が8時間より多い場合、時間外労働は所定労働時間を超えた労働時間となります。
例2:所定労働時間が9時間、実労働が10時間だった場合
- 所定内労働:9時間
- 時間外労働:1時間(= 10時間 - 9時間)
- 1日の所定労働時間が8時間より多い場合、時間外労働は所定労働時間を超えた労働時間となります。
- 日単位パターン3(所定内時間外労働)
- 週単位で所定内労働時間が「週40時間」または「週40時間を超えて定めた所定労働時間」を超える場合、勤務予定表のシフト通りに働いた日であっても、超える分は所定内労働ではなく「所定内時間外労働」となります。
- この場合の割増賃金は、時間外労働の割増率から100%を除いた率で計算されます。
(時間外労働で125%と設定していた場合、125% - 100% = 25%分の割増賃金が発生します。)
例3:月曜〜金曜日で計40時間分のシフトを組んでいた。木曜日の退勤時点で所定内労働が35時間の状態で、金曜日にシフト9時間に対し10時間働いた場合
- 所定内労働:5時間(40時間 - 35時間)
- 所定内時間外労働:4時間(9時間 - 5時間)
- 所定外時間外労働:1時間(10時間 - 9時間)
- この場合の割増賃金は、時間外労働の割増率から100%を除いた率で計算されます。
- 週単位で所定内労働時間が「週40時間」または「週40時間を超えて定めた所定労働時間」を超える場合、勤務予定表のシフト通りに働いた日であっても、超える分は所定内労働ではなく「所定内時間外労働」となります。
【週単位】
- 週単位パターン1
- 週の所定労働時間が法定労働時間の40時間より少ないとき、法定内残業は労働時間が所定労働時間を超え40時間までの労働時間。時間外労働は40時間を超えた労働時間となります。
- そして、日単位と週単位の時間外労働の両方がある週の場合、日単位の時間外労働分を差し引いた時間が、週単位の時間外労働となります。
例4:週35時間のシフトに対し、実労働は42時間だった場合(日単位では所定労働時間に収まっている場合)
- 所定内労働:35時間
- 法定内残業:5時間(= 40時間 - 35時間)
- 時間外労働:2時間(= 42時間 - 40時間)
例5:日単位と週単位の時間外労働が両方ある週の場合
- 最終的な週単位時間外:1時間(= 当初の週単位時間外 2時間 - 日単位時間外 1時間)
※ プロダクト上の時間外労働の合計は2時間と表示されます。
(内訳:日単位 1時間 + 最終的な週単位 1時間)
- 週単位パターン2
- 週の所定労働時間が40時間より多いとき、時間外労働は所定労働時間を超えた労働時間となります。
- そして、日単位と週単位の時間外労働の両方がある週の場合、日単位の時間外労働分を差し引いた時間が、週単位の時間外労働となります。
例6:週45時間のシフトに対し、実労働は47時間だった場合
- 所定内労働:45時間
- 時間外労働:2時間
例7:日単位と週単位の時間外が両方ある週の場合
- 最終的な週単位時間外:1時間(= 当初の週単位時間外 2時間 - 日単位時間外 1時間)
※ プロダクト上の時間外労働の合計は2時間と表示されます。
(内訳:日単位 1時間 + 最終的な週単位 1時間)
【年単位】
- 1年の法定労働時間の総枠を超えた時間が時間外労働となります。
- 日単位や週単位の時間外労働がある場合は、年単位の時間外労働の計算で差し引きます。