このページでは、「労働時間制度の診断」の診断結果をご案内します。
診断をまだ利用していない場合は、診断を利用してから結果をご確認ください。
労働時間制度「裁量労働制」の選択が適切な場合に関してご案内します。
0. 裁量労働制とは
- 裁量労働制では、実労働時間に関わらず、あらかじめ定めた時間を働いたとみなして給与計算します。専門業務型と企画業務型の2種類があります。
- その他労働時間に関する前提は、以下のとおりです。
- 休憩は、6時間以上の勤務で45分、8時間以上の勤務で60分与える必要があります。
- 休日は、週に1日以上または4週に4日以上与える必要があります。
1.適用対象の確認
下記をすべて満たす場合にfreeeで「裁量労働制」を適用できます。
労使協定の締結または労使委員会の設置の上で、労働基準監督署への届出などを行い裁量労働制を導入している
- 企画業務型裁量労働制と専門業務型裁量労働制では、適用対象や必要な手続きが異なります。制度導入の詳細は、次の厚生労働省サイトをご確認ください。
1日のみなし労働時間は、36協定で規定した時間を超えない
みなし労働時間の対象は所定休日や法定休日を含まず、平日(所定労働日)のみである
- 法定休日:週1日以上または4週に4日以上の休日
- 所定休日:就業規則や労働契約において、法定休日以外に休みと定めた日
- たとえば土日休みの事業所の場合、日曜を法定休日とするなら、土曜が所定休日となります。
所定休日の労働時間の扱いが、後述のfreee人事労務での給与計算の内容に沿っている
時給者ではない(freee人事労務は、裁量労働制の時給者の給与計算に未対応)
みなし労働時間が法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超える場合や法定労働時間を超える労働・休日労働には、労使協定(36協定)の締結・届出が必要です。
2. 利用可能なプラン
- スタータープラン以上である必要があります。
- ミニマムプランの場合は、スタータープラン以上へのアップグレードをご検討ください。
3. 勤務・賃金の「基本情報」の設定
以下は、勤務・賃金の新規作成時の設定手順となります。
- (まだ画面を開いていない場合)
メニュー[設定]→[勤務・賃金設定]→[新規作成]をクリックし、画面を開きます。 - (まだの場合)「勤務・賃金設定の名称」を入力します。
例:正社員 - 裁量労働制 - (まだの場合)「勤怠管理の方法」を選択します。
「勤怠管理の方法の診断」の結果で表示された値を選択してください。 - 「労働時間制度」で「裁量労働制」を選択します。
- 必要があれば「備考」を入力します。
備考は勤務・賃金設定の一覧画面にも表示されます。 - 「基本情報」の入力が完了しました。
- 次の設定項目に進みます。
「勤怠管理の方法」で選択した内容によって、次の設定項目が異なります。-
freee人事労務で勤怠管理する場合
- 次は「打刻設定(タイムレコーダー機能)」または「休日」の設定に進みます。
-
他サービスから勤怠を取り込む場合
- 次は「出退勤時刻と労働時間」の設定に進みます。
-
freee人事労務で勤怠管理する場合
ご参考:「裁量労働制」を選択した場合の給与計算(用語解説あり)
給与計算の内容
労働時間制度「裁量労働制」を選択すると、次のように給与計算を行います。
- みなし時間を踏まえて、法定内残業と時間外労働の割増賃金が自動で計算されます。
- 法定労働時間までの労働は法定内残業、法定労働時間を超えた労働は時間外労働として計算します。
- 法定内残業は、割増率が0%の場合は割増賃金が発生しません。
- 休日労働や深夜労働は割増賃金が自動計算されます。
- 割増賃金の割増率は、勤務・賃金の項目で設定された値が適用されます。
労働の種類 | 割増賃金の自動計算の有無 | |
---|---|---|
1日のみなし労働時間が8時間以内で、 (例:みなし8時間で) |
実働が8時間を超えた場合 (例:実働が9時間) |
自動計算されない (裁量労働でみなし時間で計算するため、残業とならない) |
1日のみなし労働時間が8時間を超えており、 (例:みなし9時間で) |
実働がみなし労働時間におさまる場合 (例:実働が8時間) |
自動計算されない (裁量労働でみなし時間で計算するため、残業とならない) |
1日のみなし労働時間が8時間を超えており、 (例:みなしが9時間) |
実働がみなし労働時間を超えた場合 (例:実働が10時間) |
自動計算されない
|
所定休日の労働で、 |
所定休日の労働 + 週のみなし労働時間が、40時間以下となる場合 (例:所定休日に7時間労働 +週のみなし労働時間が32時間 = 39時間) |
自動計算される (法定内残業の割増率を0%と設定した場合は、割増賃金は発生しない) |
所定休日の労働で、 |
所定休日の労働 + 週のみなし労働時間が、40時間を超える場合 (例:所定休日に7時間労働 +週のみなし労働時間が36時間 = 43時間) |
自動計算される
|
休日労働 | - | 自動計算される |
深夜労働 | - | 自動計算される |
用語の補足(freeeの裁量労働制における意味)
用語
-
所定労働日(時間):就業規則や労働契約において従業員が勤務すると定めた日(時間)。
- 所定労働日において有給や祝日、欠勤等で丸1日働かない日があった場合、その日はみなし労働の対象には含まれません。
例:平日勤務でみなし労働時間が1日8時間で、- 通常通り勤務した場合: 週のみなし労働時間は 40時間(= 8時間 × 5日)
- 4日は勤務し、1日は有給休暇で休んだ場合:週のみなし労働時間は 32時間(= 8時間 × 4日)
- 所定労働日において有給や祝日、欠勤等で丸1日働かない日があった場合、その日はみなし労働の対象には含まれません。
-
休日労働:法定休日(週1日以上または4週に4日以上の休日)の勤務。
- 休日労働は裁量労働制のみなし労働時間の対象外のため、割増賃金が自動計算されます。
-
所定休日:就業規則や労働契約において、法定休日以外に休みと定めた日。
- たとえば土日休みの事業所の場合、日曜を法定休日とするなら、土曜が所定休日となります。
-
深夜労働:22時〜翌日5時の勤務。
- 深夜労働は裁量労働制のみなし労働時間の対象外のため、割増賃金が自動計算されます。
-
法定内残業: 所定休日の労働で、(所定休日 + 週のみなし時間) が40時間を超える場合の、(40時間 - 週のみなし労働時間)の分の労働。
- 所定休日に発生しているため勤怠と給与明細の画面で「支給対象の法定内残業」とも表示され、割増賃金が自動計算されます。
例:所定休日の労働が7時間 + 週のみなし労働時間が32時間 = 週の労働時間が39時間の場合- その週の法定内残業は、40 - (32 + 7) = 1時間
- 所定休日に発生しているため勤怠と給与明細の画面で「支給対象の法定内残業」とも表示され、割増賃金が自動計算されます。
-
時間外労働:
- 時間外労働パターン1
- みなし時間が法定労働時間(1日8時間)を超えた分の労働
- 1日のみなし労働時間が10時間の場合
- 法定内労働:8時間
- 時間外労働:2時間(= 10 - 8時間)
- 1日のみなし労働時間が10時間の場合
- パターン1の時間外労働は所定労働日に発生しているため、時間外労働として集計されますが割増賃金は自動計算されません。この分の割増賃金は、任意の手当を設定・付与する必要があります。
- みなし時間が法定労働時間(1日8時間)を超えた分の労働
- 時間外労働パターン2
- 所定休日の労働で、所定休日の労働時間 + 週のみなし労働時間が週の法定労働時間40時間を超えた分の労働
例:(所定休日に7時間労働 +週のみなし労働時間が35時間(1日7時間 × 5日)) = 週の労働時間42時間 の場合
- 法定内労働:35時間
- 法定内残業:5時間(= 40 - 35時間)
- 時間外労働:2時間(= 42 - 40時間)
- パターン2の時間外労働は所定休日に発生しているため、割増賃金が自動計算されます(勤怠と給与明細の画面で「支給対象の時間外労働」とも表示されます)。
- 所定休日の労働で、所定休日の労働時間 + 週のみなし労働時間が週の法定労働時間40時間を超えた分の労働
- 時間外労働パターン1
所定休日の時間外労働の計算例
例1:所定で平日5日勤務・1日のみなし労働時間が9時間の従業員が、所定休日の土曜日に7時間勤務した場合
- 平日の時間外労働(1日8時間を超える労働):計5時間
- 1日1時間×5日分で時間外労働として扱い、割増賃金を計算します
- みなし労働時間が1日8時間を超えた分は、勤怠上で時間外労働として集計されますが、割増賃金は自動計算されません。別途手当で割増賃金を支給する必要があります。
- 所定休日の時間外労働: 7時間
- 週のみなしが45時間(= 9時間 × 5日) で法定労働時間の週40時間を超えているため、所定休日の勤務はすべて時間外労働として扱い、割増賃金を計算します
- 所定休日の時間外労働の割増賃金は、「残業手当」として自動で計算されます(勤怠と給与明細の画面で「支給対象の時間外労働」とも表記されます)。
例2:所定で平日5日勤務・1日のみなし労働時間が7時間の従業員が、所定休日の土曜日に7時間勤務した場合
- 平日の時間外労働(1日8時間を超える労働):ありません。
- 所定休日の法定内残業:5時間分
- 週のみなし35時間は法定労働時間の週40時間以下のため、(40 - 35時間)=5時間が法定内残業となり、割増賃金を計算します。
- 法定内残業の割増率を0%と設定した場合は、法定内労働と同じ賃金となります。
- 所定休日の法定内残業は、「残業手当」として自動で計算されます(勤怠と給与明細の画面で「支給対象の法定内労働」とも表示されます)。
- 所定休日の時間外労働:2時間分
- 所定休日の労働7時間から法定内残業分を除き、(7 - 5時間)= 2時間が時間外労働となり、割増賃金を計算します。
- 所定休日の割増賃金は、「残業手当」として自動で計算されます(勤怠と給与明細の画面で「支給対象の時間外労働」とも表示されます)。