freee販売ではfreee会計に登録された取引の明細をその他原価として取り込むことができます。このページでは、この機能と表計算ソフトを組み合わせ、共通原価を案件別に配賦、収支管理に含める方法について解説します。
本ページで説明する内容は、freee販売とfreee会計において下記プランをご利用中の方が対象です。
- freee販売:スタンダードプラン
- freee会計:プロフェッショナルプラン、エンタープライズプラン等のセグメント機能が利用できるプラン
人件費を工数比率で各案件に配賦する方法
例:2023-10-31 10月分給与として総額100万円を給料手当科目で費用計上した。
10月分給与の工数は案件Aで200時間、案件Bで160時間、案件Cで40時間だった。給料手当科目に計上した100万円を工数比率で按分し、案件収支に反映させたい。
表計算ソフトで行う操作(事前準備)
表計算ソフトで案件別の工数比率を算出します。
※従業員ごとの工数は下表の通りとします。
社員名 | 案件名 | 工数 |
---|---|---|
つばめ太郎 | 案件A | 90 |
つばめ太郎 | 案件B | 35 |
つばめ太郎 | 案件C | 30 |
スワロー次郎 | 案件A | 110 |
スワロー次郎 | 案件B | 45 |
スワロー次郎 | 案件C | 10 |
freee花子 | 案件B | 80 |
合計 | 400 |
こちらの表をもとに、案件ごとの工数比率を計算すると次の通りになります。
案件名 | 工数 | 工数比率 |
---|---|---|
案件A | 200 | 0.5 |
案件B | 160 | 0.4 |
案件C | 40 | 0.1 |
合計 | 400 | 1 |
freee会計で行う操作
カスタムレポートで給料手当の金額を集計・エクスポートし、案件別の配賦金額を計算します。
その後、2件の取引を登録します。
- [レポート]メニュー →[カスタムレポート]を開き、給料手当科目の金額を集計します。
※カスタムレポートの詳細については「カスタムレポートで会計データを分析する」をご参照ください。
- 集計が完了したら[エクスポート]ボタン →[CSV形式でエクスポート]をクリックします。
- 手順1でエクスポートした給料手当の金額を元に、表計算ソフトで案件別の配賦金額を算出します。
案件名 工数 工数比率 配賦金額 案件A 200 0.5 500,000 案件B 160 0.4 400,000 案件C 40 0.1 100,000 - [取引]メニュー →[取引の一覧・登録]を開き、手順3で算出した案件別の配賦金額をもとに、下記2件の取引を登録します。なお、登録する取引件数が多い場合は「取引のインポート」機能をご活用ください。
1件目:セグメントタグ(案件)を付与し、プラスの金額で登録します。
2件目:セグメントタグ(案件)を付与せず、マイナスの金額で登録します。
2件目の取引を登録することで配賦前の給料手当の仕訳は相殺され、配賦後の取引データが残ります。(※注意)
この取引データを活用し、freee販売の「その他原価」に取り込みます。
【仕訳イメージ】
給料手当等の期末残高に影響はありませんが、期中の借方金額・貸方金額に金額が計上される点にご留意ください。
本ページの例の場合
-
1件目と2件目の取引を登録する前
借方だけに1,000,000円が計上されます。
-
1件目と2件目の取引を登録した後
借方と貸方にそれぞれ1,000,000円が計上されます。
freee販売で行う操作
「freee会計で行う操作」の手順4で登録した1件目の取引をfreee販売の「その他原価」に取り込みます。
- [その他原価]メニュー →[▼]ボタン →[freee会計の取引明細インポート]を開きます。
- 必要に応じて詳細条件を編集し、[取引明細を検索]をクリックし、対象明細を確認ののち、インポートを行います。
- インポート後は案件詳細画面のその他原価として配賦した結果を確認できます。