給与計算に不可欠な給与規定に関しての設定を進めていきましょう。
すでに給与規定の設定を済ませた場合は、初期設定チェックリストで間違いやすい設定を確認できます。
目次
設定の目的
給与規定の設定は、事業所全体の給与計算時や書類の出力に反映される項目を設定します。
事前準備1:設定に必要な書類を用意する
下記を準備しておくと設定がスムーズです。
用意するもの | 必要度 | 画像 |
---|---|---|
(※社会保険の新規適用届を提出済みの場合) 社会保険の新規適用届 |
任意 締め日支払い日がわからない場合に使用します |
|
(※社会保険に新規加入(適用)済みの場合)
|
必須 社会保険の設定で使用します |
|
(※雇用保険に新規加入(適用)済みの場合) 雇用保険適用事業所設置届事業主控(適用事業所台帳) |
必須 雇用保険の設定で使用します |
事前準備2:設定の流れを知る
以下の5ステップにわけて給与規定の設定を進めます。
所要時間は5〜10分程度です。
ステップ一覧
- Step0. 給与規定画面を開く
- Step1. 締め日支払い日を設定する
- Step2. 健康保険を設定する
- Step3. 厚生年金を設定する
- Step4. 雇用保険を設定する
- Step5. 次の設定へ進む
さっそく Step0. 給与規定画面を開く へ進みましょう。
Step0. 給与規定画面を開く
- freee人事労務 にログインします。
- 「freee人事労務へようこそ!まずは3つの設定をしましょう」の「1. 給与計算設定」画面で、
[給与規定の設定]ボタンをクリックします。
- 「給与規定の設定」画面が開きました。
- 次は、Step1: 締め日支払い日を設定する へ進みます。
Step1. 締め日支払い日を設定する
締め日支払い日を設定する目的
毎月の給与計算の対象期間を決めるため、「締め日」と「支払い日」の日付を設定します。
設定項目(計3項目)
- 締め日
- 支払い日
- 社会保険の徴収月
さっそく締め日支払い日の設定を進めましょう。
締め日支払い日グループの設定
-
締め日を選択します。
締め日は、各月の給与計算期間の最終日のことです。
入力例
- 給与計算期間が前月16日〜当月15日の場合、「15」を選択
- 給与計算期間が1日〜月末の場合、「月末」を選択
-
支払い日を選択します。
支払い日は、給与を支払う日のことです。
翌月・当月は、締め日と同月なら「当月」、翌月なら「翌月」を選択します。
入力例
- 15日締めで同月の25日に支払う場合、「当月」「25」を選択
- 15日締めで翌月の5日に支払う場合、「翌月」「5」を選択
- 月末締めで翌月の15日に支払う場合、「翌月」「15」を選択
-
社会保険の徴収月を選択します。
社会保険は原則「翌月」徴収のため、原則「翌月」を選択します。
当月徴収は、労使協定を締結した場合のみ選択します。
翌月徴収のイメージ
- 月末締め翌月15日払いの事業所で、4/1に社会保険に加入
- → 4月分(4/1〜4/30分)の保険料を5/15払いの給与から徴収
- 15日締め当月25日払いの事業所で、4/1に社会保険に加入
- → 4月分(4/1〜4/30分)の保険料を5/25払いの給与から徴収
- 月末締め翌月15日払いの事業所で、4/1に社会保険に加入
-
グループ名 は、入力せず空欄のままでも問題ありません。
空欄の場合、「15日締め(当月25日払い)」のような形で自動で設定されます。
-
①〜③の項目で正しく選択したか確認します。
締め日支払い日の設定は、次ページ以降で行う設定に紐づき後からの修正が大変なため、
間違いがあればこの時点で修正しましょう。①締め日
実際の締め日と画面上の締め日が一致する②支払い日
実際の支払い日と画面上の支払い日が一致する
(とくに当月/翌月の選択ミスがないようご注意ください)③社会保険の徴収月
原則「翌月」を選択している(労使協定を締結した場合のみ「当月」を選択している) - 設定が正しいことを確認できたら、締め日支払い日の1グループ分の設定が完了です!
-
次のステップを確認しましょう。
次のステップ
- 締め日支払い日が1セットのみの場合
- → ⑨へ進みます。
- 締め日支払い日が複数ある場合
- → ⑧へ進みます。
- 締め日支払い日が1セットのみの場合
-
締め日支払い日が複数ある場合は、同様に必要な分を追加しましょう。
締め日支払い日を複数設定するケース
たとえば「社員とアルバイトで締め日支払日が異なる場合」
などは、それぞれ締め日支払い日グループを作成します。締め日支払い日を複数追加する手順
[締め日支払い日を追加]をクリックすると「追加する締め日支払い日」が表示されます。
表示されたら、①へ戻って ①〜⑦の手順を繰り返します。 - 締め日支払い日のすべての設定が完了しました!
次は Step2. 健康保険を設定する へ進みます。
Step2. 健康保険を設定する
健康保険を設定する目的
加入者の毎月の給与から健康保険料を徴収するため設定します。
また一部項目は、社会保険(加入・資格喪失など)の手続き書類に反映されます。
設定項目
- 健康保険団体の種類によって異なります
Step2-0. 事業所に合ったステップを確認する
健康保険の設定は、加入する健康保険団体によって設定項目が異なります。
事業所に合ったステップへ進みましょう。
- 協会けんぽに加入している、または近く加入予定の場合
- 組合健保に加入している、または近く加入予定の場合
- 未加入の場合(例:国民健康保険に加入している、または健康保険の被扶養家族であるなどの場合)
Step2-A. 協会けんぽの場合の設定
-
健康保険団体 で「協会けんぽ」を選択します。
-
事業所整理記号を入力します。
何を見て入力する?
事業所整理記号は、健康保険証の「記号」欄に記載されています。
(出典:全国健康保険協会)
入力する理由は?
この項目は、健康保険の手続き書類に反映されます。
手続き書類を作成しない(給与計算や勤怠管理のみfreeeを利用する)場合は、空欄のままで問題ありません。 -
所在地 は、事業所のある都道府県を選択します。
- 健康保険の設定が完了しました。
参考:協会けんぽの保険料率はどう設定されている?
③で選択した所在地に応じて、保険料率が自動設定されます。
保険料率が改定された場合、freee上の保険料率も自動で反映されるので安心です。「保険料率の計算」項目で、従業員負担分と会社負担分の保険料率を確認できます。
(協会けんぽでは、従業員負担と会社負担分は折半です。) - 次は、 Step3. 厚生年金の設定 へ進みます。
Step2-B. 組合健保の場合の設定
組合健保の設定は、保険料の計算によって設定項目が異なります。
事業所に合ったステップへ進みましょう。
Step2-B. 組合健保で、保険料率で計算する場合
-
健康保険団体 で「組合健保」を選択します。
-
事業所整理記号を入力します。
何を見て入力する?
事業所整理記号は、健康保険証の「記号」欄に記載されています。
(出典:関東ITソフトウェア健康保険組合)
入力する理由は?
この項目は、健康保険の手続き書類に反映されます。
手続き書類を作成しない(給与計算や勤怠管理のみfreeeを利用する)場合は、空欄のままでも問題ありません。 -
保険料率の計算 で「保険料率で計算する」を選択します。
- 組合は、事業所が所属している組合を選択します。
- 各料率を入力します。
保険料率は保険組合によって異なるため、所属の保険組合にお問い合わせください。
入力する料率- 健康保険基本保険料率
- 健康保険特定保険料率
- 健康保険調整保険料率
- 介護保険料率
- 「従業員(被保険者)負担分」と「会社(事業主)負担分」を手動で入力します。
「(freee人事労務設定の)健康基本保険料率+健康特定保険料率
=(組合設定の)基本保険料率+特定保険料率+調整保険料率」
となっていれば問題はありません。 - 調整保険料率がある場合は、「健康保険調整保険料率」に入力します。
-
上記⑤の入力後、各料率が正しく入力されていることを確認します。
確認できたら、健康保険の設定は完了です。保険料率が改定されたら?
⑤の各料率の設定を再度変更することで、給与計算に新しい料率が反映されます。 - 次は、Step3. 厚生年金を設定する へ進みます。
Step2-B. 組合健保で、保険料を定額(月単位)で設定する場合
-
健康保険団体 で「組合健保」を選択します。
-
事業所整理記号を入力します。
何を見て入力する?
事業所整理記号は、健康保険証の「記号」欄に記載されています。
(出典:関東ITソフトウェア健康保険組合)
入力する理由は?
この項目は、健康保険の手続き書類に反映されます。
手続き書類を作成しない(給与計算や勤怠管理のみfreeeを利用する)場合は、空欄のままで問題ありません。 -
保険料率の計算 で「定額(月単位)を設定する」を選択します。
-
健康保険の設定が完了しました!
※定額制の健康保険の保険料額は、各従業員情報の画面で設定します。
そのため、この画面の設定項目は3項目のみで問題ありません。 - 次は、Step3. 厚生年金を設定する へ進みます。
Step2-C. 未加入の場合の設定
事業所として健康保険団体に未加入(例:国民健康保険に加入している、または健康保険の被扶養家族であるなど)の場合は、以下の手順で設定します。
-
健康保険団体 で「未加入」を選択します。
-
健康保険の設定が完了しました!
健康保険団体に未加入の場合、1項目のみの設定で問題ありません。
給与から健康保険料を徴収しないため、ご自身で納付を行ってください。 - 次は、Step3. 厚生年金を設定する へ進みます。
Step3. 厚生年金を設定する
厚生年金の設定の目的
加入者の毎月の給与から厚生年金保険料を徴収するため設定します。
また一部項目は、社会保険(加入・資格喪失など)の手続き書類に反映されます。
設定項目(2項目)
- 事業所整理記号
- 事業所番号
- 厚生年金では、「厚生年金保険料率」「子ども・子育て拠出金率」が自動設定されているので確認しましょう。(お手元での設定は不要です)
厚生年金保険料率
「従業員負担」と「会社負担」の厚生年金保険料の計算式が表示されています。
従業員と会社で折半となります。子ども・子育て拠出金率
「従業員負担」と「会社負担」の子ども・子育て拠出金の計算式が表示されています。
※ 子ども・子育て拠出金は全額「会社負担」であるため、
「従業員負担」は常に「0.00000%」になります。 -
事業所整理記号を入力します。
事業所整理記号は、数字2桁+カタカナまたは半角英字大文字4桁以内の文字列です。
例:11 - フリイ
何を見て入力する?
事業所整理記号は、年金事務所から事業所へ送付された
「保険料納付告知書」や
「健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬月額決定通知書」
などに記載されています。入力する理由は?
この項目は、厚生年金保険の手続き書類に反映されます。
手続き書類を作成しない(給与計算や勤怠管理のみfreeeを利用する)場合は、
空欄のままで問題ありません。保険料納付告知書 標準報酬月額決定通知書 (拡大版はこちら)
(拡大版はこちら)
(出典: 大阪府八尾市「社会保険等加入の確認書類」)
-
事業所番号を入力します。
事業所番号は、数字5桁の識別番号です。何を見て入力する?
年金事務所から事業所向へ送付された
「適用通知書」や
「保険料納付告知書」、
「健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬月額決定通知書」
などに記載されています。保険料納付告知書 標準報酬月額決定通知書 (拡大版はこちら)
(拡大版はこちら)
(出典: 大阪府八尾市「社会保険等加入の確認書類」)
この項目は、厚生年金保険の手続き書類に反映されます。
手続き書類を作成しない(給与計算や勤怠管理のみfreeeを利用する)場合は、
空欄のままで問題ありません。 -
厚生年金の設定が完了しました!
-
次は、Step4. 雇用保険を設定する へ進みます。
Step4. 雇用保険を設定する
雇用保険を設定する目的
加入者の毎月の給与から雇用保険料を徴収するため設定します。
また一部項目は、雇用保険(加入・資格喪失、保険料納付など)の手続き書類に反映されます。
設定項目(3項目)
- 業種選択
- 雇用保険の事業所番号
- 管轄のハローワーク
-
業種選択を設定します。
業種によって雇用保険料率が異なるため、間違いのないよう選択します。
-
雇用保険の事業所番号を入力します。
事業所番号は、4桁-6桁-1桁の番号です。
何を見て入力する?
雇用保険の事業所番号は、雇用保険に新規加入(適用)した際に発行される、
「雇用保険適用事業所設置届事業主控(適用事業所台帳)」に記載されています。
(出典: 厚生労働省「22201-22500 事業主及び事業所に関する諸届」)
入力する理由は?
雇用保険の手続き書類に反映されます。
加入・資格喪失時に加え、保険料納付時の書類にも反映されるため、入力しておきましょう。 -
管轄のハローワークで、「所名」を入力します。
何を見て入力する?
所名は、厚生労働省「全国ハローワークの所在案内」を参照して入力します。厚生労働省「全国ハローワークの所在案内」での確認手順
- 上記リンクをクリックしてページが表示されたら、都道府県を選択します。
- 「ハローワークの所在地情報」の[(都道府県名)のハローワーク]をクリックします。
- 管轄地域を見ながら、最寄りの所名を特定します。
- 例:ハローワーク品川 → 所名は「品川」
- 例:盛岡安定所 → 所名は「盛岡」
- 所名をfreee人事労務の項目「管轄のハローワーク」に入力します。
- 入力できたら次のステップへ進みましょう。
- 雇用保険の情報を入力できました。
忘れずに画面下部の[保存]ボタンをクリックして保存します。 - 次は、Step5. 次の設定へ進む へ進みます。
Step5. 次の設定へ進む
これで、給与規定の設定が完了しました!
次は[Part1] 2-A. 勤務・賃金を設定する - 役員の場合 へ進みましょう。
※勤務・賃金設定は「役員の場合」と「役員以外の場合」で設定内容が異なります。
このガイドでは、まず役員用の設定から行います。