給与計算とは、従業員に毎月支払う給与を計算する作業です。
毎月一定に見えますが、構成する項目に変動があると、社会保険料や雇用保険料へも影響があります。
ここではfreee人事労務での社会保険料等の計算式をご紹介します。
計算例につきましては、「給与明細の保険料・税金の金額を確認する」のヘルプページをご覧ください。
設定の確認
社会保険料等の算出に必要な保険料率や事業所種別、従業員の標準報酬などを確認します。
社会保険・雇用保険
締め日支払い日
メニュー[設定]→[締め日支払い日]では、社会保険料の徴収月を確認できます。
詳しくは「締め日支払い日を設定する」のヘルプページをご覧ください。
健康保険・厚生年金保険
メニュー[設定]→[健康保険・厚生年金保険]では、設定料率が表示されます。
詳しくは「健康保険・厚生年金保険を設定する」のヘルプページをご覧ください。
雇用保険
メニュー[設定]→[雇用保険]では、設定している会社の業種が表示されます。
詳しくは「雇用保険を設定する」のヘルプページをご覧ください。
従業員の標準報酬月額
[従業員]メニューより対象の従業員をクリックし、従業員詳細画面の[社会保険]または[労働保険]にて、社会保険・雇用保険の加入状況設定と標準報酬月額設定を確認できます。
【社会保険の編集画面】
【労働保険の編集画面】
※ 標準報酬月額は自動で変更されません。変更があった場合は月額変更届を提出の上、freee人事労務上でも変更します。
社会保険料の計算式
「社会保険料」の計算方法は、次の2通りあります。
- 設定内容に基づき自動計算する方法
- 従業員ごと個別に値を直接入力する方法(※)
※ 2事業勤務者 / 育休等により保険料免除 / (介護保険のみ)介護保険の特定被保険者の場合は、「直接入力」を選択し、金額を直接設定することが可能です。
詳しくは、「従業員の情報を編集する - 社会保険」のヘルプページをご覧ください。
標準報酬月額にそれぞれの保険料率を乗じて求めます。
※ 健康保険料(+介護保険料)の最終計算結果に1円未満の端数が生じた場合は、50銭以下は切り捨て・50銭超えは切り上げを行います。
※ なお、加入している健康保険団体が「組合健保」の場合は、健康保険料の計算式に「調整保険料率」が加わります。
従業員負担分:協会けんぽ
【介護保険加入なしの従業員の場合】
- 健康保険料 = 標準報酬月額 ×( 基本保険料率(従業員負担分) + 特定保険料率(従業員負担分) )
【介護保険加入ありの従業員の場合】
- 介護保険料 = 標準報酬月額 × 介護保険料率(従業員負担分)
- 健康保険料 = 標準報酬月額 ×( 基本保険料率(従業員負担分) + 特定保険料率(従業員負担分) + 介護保険料率(従業員負担分) )- 介護保険料
従業員負担分:組合健保
【介護保険加入なしの従業員の場合】
- 健康保険料 = 標準報酬月額 ×( 基本保険料率(従業員負担分) + 特定保険料率(従業員負担分) + 調整保険料率(従業員負担分) )
【介護保険加入ありの従業員の場合】
- 介護保険料 = 標準報酬月額 × 介護保険料率(従業員負担分)
- 健康保険料 = 標準報酬月額 ×( 基本保険料率(従業員負担分) + 特定保険料率(従業員負担分) + 調整保険料率(従業員負担分) + 介護保険料率(従業員負担分) )- 介護保険料
厚生年金保険料は厚生年金保険料額表より求めます。
※ 健康保険料(+介護保険料)の最終計算結果に1円未満の端数が生じた場合は、50銭以下は切り捨て・50銭超えは切り上げを行います。
※ 介護保険の加入要件については、「社会保険と「子ども・子育て拠出金」について」のヘルプページをご覧ください。
会社負担分の場合は、従業員負担分と会社負担分を合算した料率を使用します。
※ 最終計算結果に1円未満の端数が生じた場合は、全従業員毎に計算した合計保険料額の50銭以下は切り捨て・50銭超えは切り上げを行います。
会社負担分:協会けんぽ
- 健康保険料 = 標準報酬月額 ×( 基本保険料率 + 特定保険料率 )- 健康保険料(従業員負担分)
- 介護保険料 = 標準報酬月額 × 介護保険料率 - 介護保険料(従業員負担分)
厚生年金保険料は厚生年金保険料額表より求めます。
- 子ども・子育て拠出金 = 標準報酬月額 × 拠出金率
会社負担分:組合健保
- 健康保険料 = 標準報酬月額 ×( 基本保険料率 + 特定保険料率 + 調整保険料率 )- 健康保険料(従業員負担分)
- 介護保険料 = 標準報酬月額 × 介護保険料率 - 介護保険料(従業員負担分)
厚生年金保険料は厚生年金保険料額表より求めます。
- 子ども・子育て拠出金 = 標準報酬月額 × 拠出金率
請求額との誤差
時に請求額との少額の誤差が生じる場合があります。
上述のようにfreee人事労務では従業員毎には端数処理を行いますが、納付額(従業員負担分 + 会社負担分)については会社全体の保険料額について端数処理を行います。
給与明細の直接編集を行った場合、この端数処理がうまく行かず、結果的に従業員1人あたり1円の誤差が生じてしまう可能性があります。
そのため、給与明細の直接編集はなるべく行わず、[従業員]メニュー → 各従業員の詳細画面より、手当・控除の追加で対応いただくことをオススメしております。
誤差が出た場合は、請求額に合わせてfreee会計側の修正を行ってください。
雇用保険料の計算式
雇用保険料の対象となる報酬額は、税金や社会保険料などを差し引く前の総支給額です。総支給額には通勤交通費等の各種手当なども含まれます。
freee人事労務上では手当で「労働保険料の計算に含める」項目にチェックを入れているものが計算対象に含まれます。チェックが入っていない手当がある場合は、手当の金額を次の計算式、総支給額から控除します。
従業員負担分
雇用保険料 = 賃金総額 × 雇用保険料率の従業員負担分
※ 最終計算結果に1円未満の端数が生じた場合は、50銭以下は切り捨て・50銭超えは切り上げを行います。
会社負担分
雇用保険料=賃金総額 × (雇用保険料率の従業員負担分+雇用保険料率の会社負担分)- 賃金総額 × 雇用保険料率の従業員負担分(50銭超切り上げ・50銭以下切り捨て)
※ 表示上は円未満の端数が生じた場合は切り捨て
※ 雇用保険料の会社負担分は年度更新時に総額を計算するものですので、給与明細画面では目安として表示しています。
計算に用いられる雇用保険料率については、次の資料をご参照ください。
- 厚生労働省「令和6年度の雇用保険料率について」