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固定資産の減損とは、資産の収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった状態であり、減損処理とは、そのような場合に一定の条件の下で回収可能性を反映させるように帳簿価額を減額する会計処理です。
このページでは、エンタープライズプラン以外をお使いの方向けに、減損処理を登録する手順をご説明します。
※ エンタープライズプランをお使いの方は、「固定資産の減損処理(減損会計)を行う(エンタープライズプランをお使いの方)」のヘルプページをご覧ください。
目次
減損会計と減損損失
減損会計とは、資産の収益性が低下して投資額の回収が見込めなくなった場合、当該資産の帳簿価額にその価値の下落を反映させる手続を指し、次の3ステップから構成されます。
- 減損の兆候の把握
- 減損の認識の判定
- 減損損失の測定
次の項目では、「減損損失の測定」ステップをfreeeに会計処理として反映するための手順をご説明します。
本ページで取り扱う勘定科目および会計処理については一例であり、お客様の固有のケースによっては税務上の取り扱い等が異なる場合があります。
ご不明な点、税務判断を要する点等については、お近くの税理士または税務署へご確認されることを強くおすすめするとともに、会計処理についてはお客様による自己責任において行っていただきますようお願い申し上げます。
freeeで減損損失を計上する
freeeで減損損失を行うための大まかな流れは次のとおりです。それぞれの手順詳細については、モデルケースに沿ってご説明します。
- 【1】「減損損失」勘定科目を追加する
-
【2】減損対象の固定資産を全額除却する
仕訳:固定資産除却損 1,000,000 / 車両運搬具 1,000,000 -
【3】減損額分を「固定資産除却損」から「減損損失」に振り替える
仕訳:減損損失 750,000 / 固定資産除却損 750,000 -
【4】減損後の取得原価分を「固定資産除却損」から任意の固定資産勘定科目に振り替える
仕訳:車両運搬具 250,000 / 固定資産除却損 250,000 -
【5】減損後の取得原価をもって固定資産台帳に登録する
※ 減損後の取得原価:250,000円で固定資産台帳に登録
モデルケース
- 減損対象固定資産について
固定資産種別:車両(勘定科目「車両運搬具」として登録済)
減損直前の帳簿価額:1,000,000円(期首残高:1,200,000円、減損時点までの月割減価償却費累計:200,000円) - 減損損失の詳細について
今回の減損損失額:750,000円
減損損失計上後の取得原価:250,000円(1,000,000円 - 750,000円) - 減損損失後の減価償却について
残耐用年数:2年
償却方法:定額法 - その他条件については便宜上省略する
【1】「減損損失」勘定科目を追加する
「減損損失」をfreeeに登録していない場合、まずは決算書表示名と勘定科目の準備を行います。
① 決算書表示名の追加
- [設定]→[勘定科目の設定]をクリックします。
- 画面右上の[決算書表示名の編集]をクリックします。
- [損益計算書]タブに切り替え、「特別損失」項目内の[+追加する]ボタンをクリックします。
- 「減損損失」と入力し、[保存]ボタンをクリックします。
② 勘定科目の追加
- 「勘定科目の設定」に戻り、画面上部の[+新規作成]ボタンをクリックします。
- 「新しい勘定科目の登録」画面で次の項目を入力し、[保存]ボタンをクリックします。
- 勘定科目名:「減損損失」
- 勘定科目のカテゴリー:「特別損失」
- 決算書表示名(小カテゴリー):「減損損失」
- 税区分:対象外
- その他の各種項目:※ 任意で入力
【2】減損対象の固定資産を全額除却する
今回減損損失を計上する固定資産を、固定資産台帳から一旦全額除却します。
- [決算申告]メニュー →[固定資産台帳]をクリックします。
- 減損対象となる固定資産の行をクリックします。
- 詳細画面の上部、[除却]ボタンをクリックします。
- 「固定資産を除却する」画面で次の項目を入力し[除却する]ボタンをクリックします。
- 償却方法:期中の減価償却方法について、「除却した日まで月割で減価償却する」または「期首の帳簿価額で除却する」のいずれかを選択します。
- 除却した日:減損損失を計上する日を入力します。
- 除却の仕訳を作成する:チェックをつけます。
※ 減損(除却)時点までの月割り減価償却費を計上する場合は、[除却した日まで月割で減価償却する]にチェックをつけておきます(本モデルケースの場合は期首〜減損損失計上時点前の月割減価償却費200,000円の仕訳が登録されます)。
【3】減損額分を「固定資産除却損」から「減損損失」に振り替える
「【2】減損対象の固定資産を全額除却する」で計上された「固定資産除却損」のうち、減損額分を「減損損失」に振り替えます。
- [決算申告]メニュー →[振替伝票]をクリックします。
- 「振替伝票」画面で次の項目を入力・選択し、[登録]ボタンをクリックします。
- 発生日:「【2】減損対象の固定資産を全額除却する」で「除却した日」と同日
- 借方 勘定科目:「減損損失」勘定
- 貸方 勘定科目:「固定資産除却損」勘定
- 借方・貸方 金額:減損額(本モデルケースの場合「750,000」)
【4】減損後の取得原価分を「固定資産除却損」から任意の固定資産勘定科目に振り替える
「【2】減損対象の固定資産を全額除却する」で計上された「固定資産除却損」のうち、減損後の取得原価分を「車両運搬具」に振り替えます。
- [決算申告]メニュー →[振替伝票]をクリックします。
- 「振替伝票」画面で次の項目を入力し[登録]ボタンをクリックします。
※ この時、「車両運搬具」の税区分を「対象外」に切り替えます。- 発生日:【2】で「除却した日」と同日
- 借方 勘定科目:「車両運搬具」勘定
- 借方 税区分:「対象外」
- 貸方 勘定科目:「固定資産除却損」勘定
- 借方・貸方 金額:減損後の取得原価(本モデルケースの場合「250,000」)
【5】減損後の取得原価をもって固定資産台帳に登録する
減損会計適用後の取得原価をもって、新たに固定資産台帳に登録を行います。
- [決算申告]メニュー →[固定資産台帳]をクリックします。
- 画面上部の[+固定資産を登録]ボタンをクリックします。
- 「固定資産の登録」画面で次の項目を入力・選択し、[保存]ボタンをクリックします。
- 資産の名前:※ 任意の名称
- 取得日:減損損失計上日と同日
- 事業供用開始日:「取得日」と同様の日付が反映されます。
- 取得価額:250,000(減損会計適用後の取得原価)
- 勘定科目:車両運搬具
- 数量・面積:1(単位:台)
- 償却方法:定額法
- 耐用年数:2(減損会計適用後の残耐用年数)
- その他の各種項目:※ 任意で入力