freee人事労務とfreee会計で社会保険料の端数処理の計算方法が異なるため、部門のマッピング設定をした給与取引を会計側に連携した際、事業主負担分について部門の付いていない端数取引が発生する場合があります。
端数が発生するケースについて、以下の事例で紹介します。
例:
- 健康保険の所在地が群馬県の事業所
- freee人事労務の給与の締め日支払日は全部門が同じグループ
- 介護保険料が発生する
- freee人事労務の部門と、freee会計の部門タグのマッピングが以下の設定となっている
※営業部門・サポート部門は、人事労務で複数に分かれている部門を、会計で同一の部門とマッピングしているケース
freee人事労務 |
freee会計 |
経営企画部門 |
経営企画部門 |
経理部門 |
経理部門 |
営業部門1 |
営業部門 |
営業部門2 |
営業部門 |
サポート部門1 |
サポート部門 |
サポート部門2 |
サポート部門 |
サポート部門3 |
サポート部門 |
サポート部門4 |
サポート部門 |
- freee人事労務側の給与明細が以下の内容となっている
部門 |
基本給(月給) |
経営企画部門 |
500,000円 |
経理部門 |
126,321円 |
営業部門1 |
500,000円 |
営業部門2 |
126,321円 |
サポート部門1 |
126,321円 |
サポート部門2 |
126,321円 |
サポート部門3 |
126,321円 |
サポート部門4 |
126,321円 |
freee人事労務の社会保険料(会社負担分)の算出
事例の場合、標準報酬月額から、月の給与明細の社会保険料(会社負担分)の内訳が以下のようになります。
部門 |
標準報酬月額 |
健康保険料 |
介護保険料 |
厚生年金保険料 |
子ども子育て |
経営企画部門 |
500,000 |
24,600 |
4,325 |
45,750 |
1,450.0 |
経理部門 |
126,000 |
6,199.4 |
1,089.8 |
11,529 |
365.4 |
営業部門1 |
500,000 |
24,600 |
4,325 |
45,750 |
1,450.0 |
営業部門2 |
126,000 |
6,199.4 |
1,089.8 |
11,529 |
365.4 |
サポート部門1 |
126,000 |
6,199.4 |
1,089.8 |
11,529 |
365.4 |
サポート部門2 |
126,000 |
6,199.4 |
1,089.8 |
11,529 |
365.4 |
サポート部門3 |
126,000 |
6,199.4 |
1,089.8 |
11,529 |
365.4 |
サポート部門4 |
126,000 |
6,199.4 |
1,089.8 |
11,529 |
365.4 |
※事例の場合、標準報酬月額と社会保険料(会社負担分)の金額は群馬県の保険率表に沿って算出されています。
※事例は平成31年3月分(4月納付分)からの保険率表の数字となります。
※算出方法について詳しくは、「社会保険と「子ども・子育て拠出金」について」をご覧ください。
上記表の合計額の端数切り捨てが、人事労務の給与明細画面「会社負担分合計」の数字に該当します。
freee会計の給与取引の社会保険料(事業主負担分)の算出
給与明細を確定し、freee会計に給与取引を連携すると、マッピング内容に沿って社会保険料(事業主負担分)の取引が部門タグ別に取り込まれます。
部門タグ(freee会計) |
健康保険料 |
介護保険料 |
厚生年金保険料 |
子ども子育て |
経営企画部門 |
24,600 |
4,325 |
45,750 |
1,450 |
経理部門 |
6,199 |
1,089 |
11,529 |
365 |
営業部門 |
30,799 |
5,414 |
57,279 |
1,815 |
サポート部門 |
24,797 |
4,359 |
46,116 |
1,461 |
(部門タグなしの端数取引) |
2 |
1 |
- |
1 |
事例の場合、部門タグなしの端数取引が発生します。
端数取引の算出について、以下の項目で説明します。
端数取引の算出について
部門なしの端数取引は、freee会計に連携される給与取引がそれぞれ以下の計算式で算出されており、その差額が生じたときに作成されます。
「健康保険料(事業主負担分)※介護保険料が発生する場合」について、計算事例を後述します。
社会保険料の種類 |
freee会計の取引の計算式 |
健康保険料 |
【a: {freee人事労務の健康保険料(会社負担分)の合計額 + freee人事労務の介護保険料(会社負担分)の合計額}の切り捨て】 ー {【b: freee会計の健康保険料(事業主負担分)の部門合計額】 +【c: freee人事労務の介護保険料(会社負担分)の合計額の切り捨て】} |
健康保険料 |
{freee人事労務の健康保険料(会社負担額)の合計額}の切り捨て |
介護保険料 |
{freee人事労務の介護保険料(会社負担額)の合計額}の切り捨て |
厚生年金保険料 |
{freee人事労務の厚生年金(会社負担額)の合計額}の切り捨て |
子ども子育て拠出金 |
{freee人事労務の子ども子育て拠出金(会社負担額)の合計額}の切り捨て |
計算事例
「健康保険料(事業主負担分)※介護保険料が発生する場合」の計算式に、事例の金額を当てはめたケースについて紹介します。
freee人事労務の給与明細 |
freee会計の取引 |
|||
部門 |
健康保険料 |
介護保険料 |
部門タグ |
健康保険料 |
経営企画部門 |
24,600 |
4,325 |
経営企画部門 |
→ 24,600 |
経理部門 |
6,199.4 |
1,089.8 |
経理部門 |
6,199.4 → 6,199 |
営業部門1 |
24,600 |
4,325 |
営業部門 |
24,600 + 6,199.4 = 30,799.4 → 30,799 |
営業部門2 |
6,199.4 |
1,089.8 |
||
サポート部門1 |
6,199.4 |
1,089.8 |
サポート部門 |
6,199.4 x 4 = 24,797.6 → 24,797 |
サポート部門2 |
6,199.4 |
1,089.8 |
||
サポート部門3 |
6,199.4 |
1,089.8 |
||
サポート部門4 |
6,199.4 |
1,089.8 |
||
ー |
部門なし |
2 |
事例の場合、以下のような内部計算が行われ、部門なしの端数取引が発生します。
freee人事労務の給与明細 |
freee会計の取引 |
|||
社会保険料の合計額の計算 |
健康保険料 |
介護保険料 |
健康保険料(事業主負担分) |
|
24,600 |
4,325 |
24,600 会計の部門タグにマッピングされた人事労務の部門ごとの合計金額から、小数点以下の端数を切り捨てます。 そして、それらを合算します。 |
||
8,6396.4 + 15,188.8 →【a: 101,585】 全部門の合計金額から、小数点以下の端数を切り捨てて算出します。 |
||||
人事労務と会計の差額 |
ー |
【a: 101,585】-(【b: 86,395】+【c: 15,188】) freee人事労務とfreee会計の社会保険料の合計に差額が発生したため、取引に2円が「部門なし」として反映されます。 |
参考:部門のマッピング以外で端数取引が作成されるケース
部門のマッピングを行う以外に、社会保険料(事業主負担分)の端数取引が発生するケースがあります。
freee人事労務で給与の締め日支払い日が複数ある場合
freee人事労務で給与計算の締め日支払い日を複数設定している場合、freee会計に連携される金額が、会社負担分の端数が各締め日支払日毎に端数処理された上で合算される仕様があります。
- 対象:健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料・子ども子育て拠出金等の事業主負担分
※ 部門別会計連携の端数処理と、締め日支払い日の端数処理は並行して存在するため、最大で締め日支払い日グループ数 ✕ 部門数 ✕ 1円分のズレが生じます。
A |
(ある締め日支払日グループに含まれている)部門単位で、従業員ごとの会社負担分を合計して、端数を1円切り捨て |
B |
締め日支払日グループ単位で、従業員ごとの会社負担分を合計して、端数を1円切り捨て |
※ 部門別会計連携時は、「B-Aの合計」の端数を、端数の取引として連携します。
折半にて会社負担分に端数が発生した場合
freee人事労務で算出した社会保険料について、会社と従業員の折半にて会社負担分に円未満の端数が発生し、その金額が50銭を超える場合は繰り上げが発生します。その繰り上げた金額については、端数分の取引として別途未決済取引が登録されます。
その場合は、事業所の会計処理方法に沿って処理します。実際の社会保険の請求額に端数分が含まれていない場合は、freee側の端数分の取引は削除します。