1年間に10万円以上の医療費を支払った方は、その金額に応じて税金の一部を免除してもらうことができます。これを医療費控除といいます。
ここでは、医療費控除の概要と、freeeでの記入手順についてご紹介します。
※平成29年度分の確定申告から、医療費控除と選択して申請できるセルフメディケーション税制(医療費控除の特例)については「医療費控除の適用を受ける(セルフメディケーション税制)」のヘルプページをご覧ください。
記入の対象となる方
自分や、自分の養っている家族のために支払った医療費が1年間で10万円を超えた方が対象です。
ここでいう医療費には、以下のものが含まれます。
- 医師に支払った診療費や治療費
- 治療や療養に必要な医薬品の購入(風邪を引いた際の薬代等)
- あん摩マッサージ、はり師、きゅう師、柔道整復師に支払った代金
- 出産費用
- 市販の医薬品
- 手術代金(一部例外あり)
- 通院や入院のための交通費
なお高額医療費の場合、給付金等を受け取ることがありますが、その給付金は医療費控除から差し引く必要があります。詳しくは、国税庁「医療費を支払ったとき」のページをご覧ください。
また、平成29年度から令和3年度分の確定申告については「セルフメディケーション税制」と選択適用して申請することができます。「通常の医療費控除」と「セルフメディケーション税制」のどちらが控除額が大きくなるか、確認の上申請されることをおすすめします。
記入する理由・節税効果
上記に該当する医療費の一部を課税対象から外すことができますので、その分の節税効果が見込まれます。
具体的には、以下の計算式で求められる分の税金を抑えることができます。
節税できる金額 = ( 支払った医療費 - 既に受領した保険金や給付金 - 10万円※ ) × 所得税率
※所得金額が200万円未満の方は、10万円ではなく、所得金額の5%分を差し引きます。
freeeでは医療費の金額などを入力すれば、この計算も自動で行います。
記入時に用意する書類
対象となる医療費の領収書などをお手元に用意しておくと、入力がスムーズです。
これまでは領収書原本を提出する必要がありました。
しかし、平成29年度の確定申告より、領収書の提出に代えて、「医療費控除の明細書」を提出することになります。freee申告では設問に沿って必要事項を入力していただくことにより、「医療費控除の明細書」も自動で作成します。(詳しくは本ページの「申告書上の反映先」の項目をご覧ください)
申告書へ反映する内容を登録する
- [〇(はい)]をクリックし、[所得・控除]メニューの「病気等で病院に行ったり、医療用の市販薬を購入しましたか?」に回答します。
- 適用する控除で「医療費控除」を選択します。
※ セルフメディケーション税制を入力していた場合に選択変更をしてもセルフメディケーション税制の入力は削除されません。 - 【任意】健保組合等から届いた医療費通知を利用する場合は、医療費通知に記載された医療費等の金額を記入します。
※ 医療費通知とは医療保険者が発行する医療費の額等を通知する書類で、「被保険者等の氏名」「療養を受けた年月」「療養を受けた者」「療養を受けた病院・診察所・薬局等の名称」「被保険者等が支払った医療費の額」「保険者等の名称」が記載されたものをいいます。 - 行を[+追加]で追加し、当年度1月〜12月に支払った医療費について、以下の情報を記入します。
※上記「③」で医療費通知の金額を記入した場合、こちらでは医療費通知に該当しない分のみの入力を行います。重複する内容を記載しないように注意してください。
(医療機関ごとに行を分けて記入します)
(指定のファイルにエクセルで入力し、[Excelファイルをインポート]をクリックして取り込むことも可能です)
- 医療を受けた人の氏名・続柄
- 病院・薬局などの名称・所在地
- 治療内容
- 医療費
- 通院費
- 給付金(保険会社などから補填された金額)
- [保存する]をクリックします。
申告書上の反映先
freeeで各項目を入力すると、確定申告書 第一表の「医療費控除」欄に自動で反映されます。
- 総所得金額等が200万円以上の場合は、「医療費 + 通院費 - 給付金 - 10万円」が医療費控除額です。
- 総所得金額等が200万円未満の場合は、「医療費 + 通院費 - 給付金 - 総所得金額等の5%」が医療費控除額です。
第一表の27欄には「入力内容から自動計算された医療費控除額」が反映されます。また、医療費控除の明細書も自動作成されます。
【確定申告書 第一表】
【医療費控除の明細書】
なお、明細書の項目は以下のように自動計算されています。
記号 |
項目 |
内容 |
支払った医療費35万円、 |
---|---|---|---|
A |
支払った医療費 |
支払った医療費の合計額を記載します。 |
35万円 |
B |
保険金などで補塡される金額 |
高額医療費制度等で給付金を受け取っている場合は、受け取った給付金や保険金を記載します。 |
5万円 |
C |
差引金額 |
支払った医療費から、保険金などで補塡される金額を差し引いた金額を記載します。 |
30万円 |
D |
所得金額の合計額 |
日々の記帳が終了している場合は、freeeで所得金額は自動で計算されています。そのため「確定申告書をPDF出力」を選択し、「所得金額」欄の合計を転記します(確定申告書の⑧)。 |
500万円 |
E |
D×0.05 |
所得金額の合計額に5%をかけます。 |
500万円×5%=25万円 |
F |
Eと10万円のいずれか少ない方の金額 |
所得金額の合計額の5%と、10万円のいずれか少ない方法の金額を記載します。 |
25万円 > 10万円 =10万円 |
G |
医療費控除額 |
差引金額から、上記のいずれか少ない方の金額を差し引いた金額を入力します(なお最高で200万円となります) |
30万円 - 10万円 = 20万円 |