固定資産のうち償却資産に該当するものを保有する法人や個人事業主は、資産の所在する市区町村へ償却資産申告を行う必要があります。このページでは償却資産申告についての基礎的なことについて解説しています。
償却資産とは
償却資産とは、以下のすべてに該当する資産をいいます。
・土地及び家屋以外の事業の用に供することができる資産
・その減価償却額又は減価償却費が法人税法又は所得税法の規定による所得の計算上、損金又は必要な経費に算入されるもの
・その取得価額が少額である資産その他の政令で定める資産以外のもの
たとえば、会社や個人で事業を行っている方が事業のために用いることができる構築物、機械、器具、備品等が対象となります。
建物や土地、車両、ソフトウェアについては償却資産とはなりません。
なお、償却資産の正確な定義は(地方税法第 341 条第 4 号 < 固定資産税に関する用語の意義 >)に記載されています。
償却資産申告の対象者
毎年1月1日時点で償却資産を保有する方は、その保有する資産について償却資産の申告を行う必要があります。
仮に償却資産を保有していない方も申告書の提出自体は必要となり、備考欄に「該当資産なし」を記載することで、資産がない旨の申告をすることになります。
何を申告するのか
その年の1月1日時点で保有する資産のうち事業の用に供することができる資産が申告の対象となります。
「事業の用に供することができる」とあるため、たとえば以下のような資産も申告が必要になる点には注意が必要です。
・償却済の資産
・建設仮勘定で経理されている資産や簿外資産(帳簿には乗っていない資産)
対象となる資産を保有する場合には、その資産の取得日や金額を申告書に記載して提出します。この場合の記載内容や記載する範囲は申告方法に応じて異なります。
いつまでに申告するのか(申告期限)
その年の1月末日(ただし当日が土日に該当する場合にはその後一番最初の平日)までに提出を行います。
2つの申告方法について
償却資産の申告方法には2つの方法があります。
増加減少申告(一般方式)
一般方式は、前年中に増加又は減少した資産を申告していただく方式で、評価額等の計算は、都道府県税事務所で行います。通称で増加減少申告といいます。
※提出初年度に限っては、増加減少申告という名称に関わらず、すべての資産を記載して提出する必要があります。一度すべての資産について申告した後は、増加もしくは減少などの異動した事項を申告するという方式となります。
全資産申告(電算処理方式)
電算処理方式は、 賦課期日(1 月 1 日)現在所有している全ての資産について、事業者側で評価額等を計算した上で申告していただく方式です。通称で全資産申告といいます。
なお、いずれの方式の場合でも、前年中に資産の増加及び減少がなくとも申告書の提出が必要です。
申告先
償却資産が所在する市区町村にある課税事務所の償却資産課に提出します。
政令指定都市の場合は、市単位ではなく、区単位で該当の償却資産課に提出します。
事務所や支店が複数の市区町村にあるなど、それぞれの市区町村に資産が所在する場合には、それぞれの市区町村ごとに所有する償却資産を合計して、申告書を提出する必要があります。
参考
各市区町村のHPのうち償却資産課税の課において、各年度用の償却資産申告の手引きが公表されます。償却資産に該当するかの具体例や金額の算定方法についてはそちらの手引をご参照ください。