このヘルプページでは申告の対象となる償却資産について、およびfreee申告でどのように償却資産の登録を進め、申告書に反映させるのかを説明しています。
申告対象となる償却資産
償却資産とは
償却資産とは、以下の資産をいいます。
・土地及び家屋以外の事業の用に供することができる資産
・減価償却額又は減価償却費が法人税法又は所得税法の規定による所得の計算上、損金又は必要な経費に算入されるもの
・取得価額が少額である資産その他の政令で定める資産以外のもの
(地方税法第 341 条第 4 号 < 固定資産税に関する用語の意義 >)。
法人や個人事業主の方が固定資産台帳で管理している固定資産と概ね同じように思えますが、たとえば車両や無形固定資産は償却資産とはならないなど、会計上の固定資産と償却資産の間には相違点も多くあります。
申告すべき償却資産
上掲の通り、申告の対象となる償却資産には会計上の固定資産とは別に定められており、償却資産に該当するものは市区町村(政令指定都市の場合には行政区)へ申告をする必要があります。
償却資産に該当する例示として以下のようなものが挙げられています。
ア 償却済資産(耐用年数が経過した資産)
イ 建設仮勘定で経理されている資産及び簿外資産
ウ 遊休又は未稼働の資産
エ 改良費(資本的支出:新たな資産の取得とみなし、本体とは区分して取扱います。)
オ 福利厚生の用に供するもの
カ 使用可能な期間が 1 年未満又は取得価額が 20 万円未満の償却資産であっても個別に減価償却しているもの
キ 租税特別措置法の規定を適用し、即時償却等をしているもの
以上の通り、償却資産かどうかの把握と管理は会計とは切り離して考える必要があります。つまり、会計の固定資産台帳とは別に償却資産の管理を行う必要があります。
償却資産かどうかの判断にあたっての詳細は、毎年市区町村の公表している「償却資産の手引」を参照します。
固定資産台帳の連携による償却資産登録
上掲の通り償却資産と会計上の固定資産は概ね一致するため、会計の固定資産台帳を連携し活用することができます。
連携することで、資産を一から再度台帳に登録することなく作業を進められます。
以下でその連携についての詳細を説明します。
資産の連携方法
[償却資産]のメニューで[freee会計から償却資産を取得]ボタンを押すことで、freee会計に登録された固定資産台帳の内容を連携することができます。
freee会計からの連携時には、既に登録した資産を二重に登録しないように、差分の資産だけを連携することができます。
freee会計の固定資産台帳に登録されていて、freee申告には登録されていない資産がある場合には、以下の画像の通りその差分の資産が一覧に表示されます。
連携の必要があるもののみチェックを付けて連携を行います。
また既にfreee申告に連携済みの資産について、freee会計で名称、数量などの内容の変更を行った場合には、その変更前後の情報が太字で表示されます。変更後の情報で上書きしたい場合は、チェックを入れて[連携]をクリックします。
なお、freee申告で償却資産として登録した資産をfreee会計の台帳に連携することはできません。
固定資産台帳から連携する項目
freee会計の固定資産台帳からfreee申告に連携される項目は下表の通りです。
freee会計の固定資産台帳での項目名 |
freee申告償却資産での表示名 |
備考 |
---|---|---|
資産の名前 |
資産の名称 |
|
取得価額 |
取得価額 |
|
取得日 |
取得年月日 |
|
資産分類 |
資産の種類 |
|
数量または面積 |
数量 |
|
償却方法 |
償却方法 |
|
耐用年数 |
耐用年数 |
償却方法で「少額償却」を選択した場合には、連携されません。 |
申告先都道府県 |
提出先自治体 |
「申告先市区町村」も記載することで提出先自治体が自動判定されます。 |
申告先市区町村 |
提出先自治体 |
「申告先都道府県」も正しく選択されることで提出先自治体は自動判定されます。なお、政令指定都市の場合は区まで記載しないと自動判定されません。 |
連携時の科目の変換と申告対象かどうか
freee会計の固定資産台帳からfreee申告への連携有無は、固定資産台帳の登録時に設定された科目名などに従って判別しています。
詳細な連携ルールは以下の通りです。
freee会計での資産分類 |
freee会計での勘定科目 |
連携有無 |
申告対象 |
連携先の項目名称 |
有形固定資産 |
一括償却資産 |
しない |
ー |
ー |
土地 |
しない |
ー |
ー |
|
工具器具備品 |
する |
対象 ※1 |
6.工具、器具及び備品 |
|
建物 |
する |
空欄 |
未設定 |
|
建設仮勘定 |
する |
対象 ※1 |
1.構築物 |
|
構築物 |
する |
対象 ※1 |
1.構築物 |
|
機械装置 |
する |
対象 ※1 |
2.機械及び装置 |
|
車両運搬具 |
する |
空欄 |
未設定 |
|
附属設備 |
する |
対象 ※1 |
1.構築物 |
|
ユーザーの設定科目 |
する |
空欄 |
未設定 |
|
無形固定資産 |
しない |
ー |
ー |
|
投資その他の資産 |
しない |
ー |
ー |
|
繰延資産 |
しない |
ー |
ー |
(※1)償却方法が「一括償却」の場合は、freee申告に「申告対象外」として連携されます。
連携後の編集作業
freee会計の固定資産台帳から連携後、自動連携により設定されない項目については手動作業により情報を補完入力する必要があります。
※これらの項目の一覧は「freee申告での償却資産登録の項目一覧」を参照ください。
具体的には一覧のうち「補完入力の必要がある項目」については、freee会計からの連携後に情報を確認して補完する必要があります。
該当の資産を選択し、必要な情報の入力と入力漏れがないかの確認を行っていきます。
固定資産の一部のみを売却したケース
固定資産の一部のみを売却したケースとして、固定資産台帳において資産全体を「売却」処理し未売却部分を別途登録してある場合、freee申告に連携後は未売却部分も含めた数値が減少資産として連携されますが、申告上は売却した分のみの数値が必要になります。
このため、追加操作として減少資産の「数量」や「取得価額」を売却した分のみに修正したうえで、減少区分を「一部」に変更します。
資産の手動登録
資産を新規登録する方法
freee会計の固定資産台帳から連携させるだけではなく、freee申告償却資産で直接償却資産を登録することもできます。
例えば、既に償却済みのためfreee会計の固定資産台帳で管理していないが、申告が必要な償却資産がある場合には、freee申告償却資産で直接登録が必要となります。
[償却資産]のメニューを開き[償却資産を新規登録]ボタンを押して、新規の資産として登録します。
会計期間終了後に除却した資産の登録方法
会計期間の終了後~償却資産申告の基準日(1月1日)までに除却した資産は、次年度に年度締めしない限り、会計の固定資産台帳に除却登録ができません。
償却資産申告書の作業中に、前年度の決算を行っている場合(次年度に年度締めしていない場合)は、償却資産の画面で除却(減少)の登録をします。
具体的には以下のケースです。
例:令和5年度(2022年分)の申告書を作成している11月決算法人で、2022年12月1日~1月1日の間に除却した資産がある場合
freee会計では2022年11月30日の会計年度が選択されている状態のため、2022年12月1日~1月1日の除却をfreee会計の固定資産台帳に登録することができません。この場合、freee申告で対象の資産について、異動状況として「減少」を手動選択する必要があります。
償却資産の項目一覧と申告書の反映先
freee申告での償却資産登録の項目一覧
freee申告で登録する償却資産についての項目一覧は以下のとおりです。
項目名称 |
固定資産台帳からの連携後の補完入力 |
記載する内容 |
申告対象 |
必要 |
償却資産の申告対象に含めるかを選択します。 申告対象外とした資産は、明細書には転記されません。 |
提出先自治体 |
必要 |
提出先の自治体を選択します。 「提出先自治体」メニューで設定された自治体を選択し、予め設定を行っておく必要があります。 |
異動状況 |
必要 |
「異動なし」「増加」「減少」「移動」「修正」 から選択します。 登録した異動事項が、申告書に自動反映されます |
資産の種類 |
(※)一定の場合には必要 ※freee会計で建物、附属設備、ソフトウェアなどで登録された場合のように、会計上の分類と償却資産申告上の分類が一致しない場合 |
償却資産申告上のルールに従った資産の種類を選択します。 「1.構築物」「2.機械及び装置」「3.船舶」「4.航空機」「5.車両及び運搬具」「6.工具、器具及び備品」の種類から該当するものを選択します。 建物や車両で申告対象とならないものについては、「未分類」で構いません。 |
資産コード |
(※)一定の場合に必要 ※freee会計での資産登録時に管理番号を設定していない場合には補完する必要があります。 |
申告書に「資産コード」を記載するために設定します。 増加減少申告(一般方式)での提出の場合には、減少資産以外記入は不要です。減少資産がある場合には、市町村が指定した資産コードを入力します。 全資産申告(電算処理方式)により会社が独自に設定した番号を記載する場合には必要な項目になります。 |
資産の名称 |
償却資産を表す名称です。この表記で申告書上も記載がされます。 一般的には固定資産台帳と同一の名前で記載します。 |
|
数量 |
償却資産の数を入力します。 |
|
取得年月日 |
償却資産を取得した年月日を記載します。 |
|
取得価額 |
資産を取得するために支出した金額又は支出すべき金額(付帯費用を含みます。)を記入します。 |
|
耐用年数 |
明細に記載する耐用年数を記載します。 |
|
課税標準の特例率 |
全資産申告(電算処理方式)で該当ある場合のみ必要 |
増加減少申告(一般方式)の場合は特例率の入力は不要のため表示されません。 全資産申告(電算処理方式)で該当ある場合のみ特例率を入力します。 |
償却方法 |
会計上で採用している償却方法を選択します。 |
|
摘要 |
任意 |
ここで入力した内容が明細書の摘要欄に記載されます。 |
申告書への反映
償却資産として登録された資産のうち、「申告対象」を選択し、かつ「提出先自治体」を指定したものが、申告対象の償却資産として償却資産申告書に自動反映されます。
この際の申告書への反映先は「項目一覧と申告書への反映先」を参照してください。