freee人事労務の給与明細などをfreee会計に連携して取引を作成する際、借方(費用)の勘定科目ごとの合計額と、貸方(未払金・預り金など)の金額の内訳が一見して一致しない場合があります。
これは、給与から控除される項目(社会保険料や源泉所得税など)を相殺して未払金などを計上する独自の仕様によるものです。
このページでは、連携時の取引金額がどのように算出・決定されているか、その仕組みについて説明します。
未決済金額(貸方)の決定ルールを確認する
freee人事労務から連携された未決済取引を作成する際、システム内部では以下の優先順位で金額の相殺処理が行われ、最終的な貸方(未払金など)の金額が決定します。
この処理により、「給与などの支給額」から「控除項目の金額」が差し引かれます。
そのため、未払給与などの金額は、単純な支給額の合計ではなく、そこから控除額を差し引いた「手取り額(または差引支給額)」に近い形で計上されます。
計算ロジックの概要
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勘定科目ごとのグルーピング
支給項目(借方)と控除項目(貸方)それぞれについて、設定された「相手勘定科目」ごとに金額を集計します。 -
同一の相手勘定科目同士の相殺
支給項目の相手勘定科目と、控除項目の相手勘定科目が一致する場合、その金額同士で相殺(差引)を行います。 -
対応しない控除項目の処理
控除項目の中で、対応する支給項目(借方)が存在しないもの(例:預り金など)がある場合、その合計額は取引の貸方にある債務科目(未払給与など)の上から順に差し引かれます。
- 控除行で相殺できる相手勘定科目がない場合は、勘定科目やタグを問わず、貸方の債務行の上から順に金額を相殺する仕様となります。
- これにより、特定の債務科目(例:未払給与等)から、本来紐付かないはずの控除額(例:社会保険料や源泉所得税など)がまとめて差し引かれることがあります。
具体的な計算事例を確認する
具体的な数値を用いて、どのように計算が行われるかを説明します。
例:給与取引の連携
前提条件
- 支給項目(借方)
- 給与手当:600,000円(相手勘定科目:未払給与等)
- 通勤手当:25,000円(相手勘定科目:未払金)
- 控除項目(貸方)
- 社会保険料:100,000円(相手勘定科目:預り金 ※支給側に対応なし)
- 源泉所得税:20,000円(相手勘定科目:預り金 ※支給側に対応なし)
その他の控除:3,000円(相手勘定科目:未払金)
計算の流れと残高の推移
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初期状態
相殺計算が行われる前の状態では、それぞれの勘定科目の残高は下記のようになります。- 未払給与等:600,000円
- 未払金:25,000円
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同一科目の相殺
「その他の控除(3,000円)」は相手勘定科目が「未払金」であるため、同じく相手勘定科目が「未払金」である「通勤手当」と相殺されます。
この時点において、それぞれの勘定科目の残高は下記のようになります。- 未払給与等:600,000円(変化なし)
- 未払金:25,000円 - 3,000円 = 22,000円(確定)
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対応なし控除の合算
支給側に対応する相手勘定科目がない「社会保険料」と「源泉所得税」を合算します。
計算式:100,000円 + 20,000円 = 120,000円 -
残りの債務科目との相殺
合算された控除額(120,000円)を、残っている債務科目のうち上から順に差し引きます。
この時点において、それぞれの勘定科目の残高は下記のようになります。- 未払給与等:600,000円 - 120,000円 = 480,000円(確定)
- 未払金:22,000円(変化なし)
最終的な取引の貸方
- 未払給与等:480,000円
- 未払金:22,000円
このように、未払給与等の金額は「給与手当の総額」とは一致せず、控除額が差し引かれた後の金額となります。
相殺を回避するための設定
上記の例で、「未払金」を「通勤手当(25,000円)」と同額にしたい場合、相殺の原因となっている控除項目(雇用保険料など)の相手勘定科目を変更します。
設定変更の例
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変更前:雇用保険料の相手勘定科目=「未払金」
- 結果:「通勤手当(未払金)」と相殺されてしまう。
未払金:25,000円 - 3,000円 = 22,000円
- 結果:「通勤手当(未払金)」と相殺されてしまう。
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変更後:雇用保険料の相手勘定科目=「未払給与等」
- 結果:「未払給与等」の方と相殺されるようになり、「未払金」は相殺されずに金額が残ります。
未払金:25,000円 - 0円 = 25,000円
- 結果:「未払給与等」の方と相殺されるようになり、「未払金」は相殺されずに金額が残ります。
※ただし、勘定科目の並び順などにより、必ずしも意図した通りの結果にならない場合もあります。なお、取引全体の貸借の合計金額は常に一致します。