カスタム科目で間接法のキャッシュフロー計算書を作成する方法をご紹介します。
目次
カスタム科目と間接法のキャッシュフロー計算書について
カスタム科目とは
カスタム科目とは、freee会計から同期した試算表の数値(財務情報)同士、又はfreee経営管理内に手入力した数値(非財務情報)を組み合わせて作成した、freee経営管理内の独自の科目のことです。
監査法人による監査において、分析的手続の一環で比率分析が行われます。
また、事業会社においても各種KPIを財務数値と見比べながら経営分析を行う場合に、カスタム科目を利用するごとで都度加工することなく分析を行うことが可能になります。
間接法のキャッシュフロー計算書の特徴
投資活動及び財務活動について
「純額で表示する方法」と「品目を使って総額で表示する方法」を紹介します。
品目を使う方法ではより正確なキャッシュフロー計算書を作成できますが、freee会計登録時に工夫が必要なため、「freee会計の勘定科目設定の工夫(相手勘定科目編)」~「freee経営管理kansapoのカスタムルールの工夫」をご確認ください。
毎月の発生額が計算
累計額は以下の方法で確認してください
- 月次推移画面で期間を指定して「発生額合計」列を見る(「合計」列ではありません)
- カスタムレポートを作成(Step⑤参照)してCSV出力して合計
月次推移の製造原価報告書タブに表示させることを想定
製造原価報告書の利用頻度が低い傾向があり、有効活用するための機能です。
月次推移の損益計算書に表示していただいても問題ありませんが、必ず『月次推移』に表示させてください。
カスタムレポートに数値種別「発生」で表示可能
「累計」では期首残高の分だけ調整されていない数字のになるため「累計」にはしないでください。
なお、「現金及び現金同等物の期末残高」は「発生」で表示しても「累計」で表示しても同じ金額が表示されますのでどちらを選択しても問題ありません。詳細は「カスタムレポートに表示する」をご確認ください。
必要な作業について
サンプルCSVをいくつか加工していただき、アップロードが必要です。アップロード後に、「【CF】検証」がゼロになっていることを確認してください。
より正確なCF計算書を作成する方法について
サンプルCSVはfreee会計にデフォルトで設定されている勘定科目を元に作成しているため、正確なキャッシュフロー計算書を作成するためには各社ごとに調整が必要です。具体的な調整内容は「freee会計の勘定科目設定の工夫(相手勘定科目編)」以降をご確認ください。
カスタム科目で間接法のキャッシュフロー計算書を作成する手順
サンプルCSVをダウンロードする
投資活動と財務活動を「純額」で表示する場合、「サンプルCSVについて」の「カスタム科目例(間接法キャッシュフロー計算書)(投資と財務が純額ベース).csv」をダウンロードしてください。
投資活動と財務活動を品目を使って「総額」で表示する場合、「サンプルCSVについて」の「カスタム科目例(間接法キャッシュフロー計算書)(品目使って総額ベース).csv」をダウンロードしてください。
CSVの内容、表示画面は「monthlyTrendsCr」=月次推移の製造原価報告書です。
「expression」にはすでに計算式が入力済みです。必要に応じて加工ください。
詳細は「サンプルCSVを加工する」をご確認ください。
サンプルCSVを加工する
- 「現金及び現金同等物」の対象となる勘定科目を追記します。
カスタム科目「【CF】現金及び現金同等物の増減額(検証用)」の「expression」列を加工
例:「楽天(法人)」「三井住友(法人)」など。freee会計の勘定科目名をそのまま記載してください。
※「●●●」の部分だけ修正してください。不要なものは削除、また、追加で作成したい場合はコピー&ペーストして追加ください。 - 「売上債権」の対象となる勘定科目を追記します。
カスタム科目名「【CF】売上債権の増減額」の「expression」列を加工
サンプルCSVでは「売掛金」と「受取手形」を記載していますが、それ以外の売上債権がある場合は追記してください。
例:「stripe」など。freee会計の勘定科目名をそのまま記載してください。 - 「未払金」の対象となる勘定科目を追記します。
カスタム科目名「【CF】未払金の増減額」の「expression」列を加工
例:「freeeカード ライト(Master)」など。freee会計の勘定科目名をそのまま記載してください。 - 非現金支出費用を追記します。
サンプルCSVでは「減価償却費」「長期前払費用償却」「減損損失」「繰延資産償却償却額」がありますが、その他の非現金支出費用があれば追記してください。
例:敷金償却費
新たに追加したカスタム科目は「小計欄」等の合計カスタム科目にも忘れずに追加ください。
投資活動と財務活動を品目を利用し「総額」で表示している場合は、品目を使って直接データ反映してるため、投資活動及び財務活動によるCFにおいて上記【CF】敷金償却額について別途調整する必要はありませんのでご注意ください。 - 各社で独自に追加した勘定科目を追記します。
freee会計にデフォルトで登録されている勘定科目は網羅していますが、独自に追加した勘定科目についてはCSVに適宜追記してください。
追加した際には、上記「4 非現金支出費用を追記」と同様、小計欄に追加ください。
加工後のCSVをインポートする
- カスタム科目画面にてインポートします。
[インポート]ボタンをクリックし、加工後のCSVを選択してインポートしてください。 - アップロードした内容を確認します。
カスタム科目を利用したカスタム科目も含め、表示順番がCSVの順番と同じであることを確認してください。
表示されるキャッシュフロー計算書について
「【CF】検証」がゼロになっていることを確認する
- 「【CF】検証」を確認します。
差額がある場合は計算式に追加が必要な可能性があるため、「サンプルCSVを加工する」を確認いただき、カスタム科目を直接加工してください。
月次推移画面において、「【CF】検証」がすべてゼロの場合はそもそも「【CF】検証」が表示されませんのでご留意ください。
※ すべてゼロの場合は表示しない仕様のため。 - 差額の原因を確認します。
差額の原因を探す方法は、月次推移(貸借対照表)において比較対象を「対前月」にして増減額を確認する方法が効率的です。
カスタムレポートに表示する
以下の内容を入力して、カスタムレポートに表示します。カスタムレポートの詳細は「カスタムレポートを作成する」をご確認ください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | 「キャッシュフロー」など適宜入力 |
| 基準月 | 「今月」など適宜選択 |
| 期間 | 「過去1年~3年」で適宜選択 |
| 集計種別 | 「全社集計」を選択 |
| x軸単位 | 「年次~月次」で適宜選択 |
| チャート種別 | 「棒」「折れ線」「混合」で適宜選択 |
| データ | 指標種別:カスタム科目 |
| 指標:「営業活動によるCF」等を適宜選択 | |
| 数値種別:「発生」を選択(現金及び現金同等物は「累計」を選択) | |
| Y軸:「左」「右」を適宜選択 | |
| 表示形式:「チャート種別」で「混合」を選択した場合は適宜選択 |
例示グラフ
- 「現金及び現金同等物の期末残高」を棒グラフで右
- 「営業活動によるCF」「投資活動によるCF」「財務活動によるCF」を折れ線グラフで左
- 期間は過去3年
※最初に「現金及び現金同等物の期末残高」を設定してください。設定することで棒グラフが背面に、折れ線グラフが前面に表示されます。
freee会計の勘定科目設定の工夫(相手勘定科目編)
作成する際に個別に調整が必要な項目として、固定資産や有価証券の取得時の未払金や売却時の未収入金などがあります。
「設備未収入金」「設備未払金」「有価証券未収入金」「有価証券未払金」を新規作成する
freee会計の[マスタ・口座]メニュー →「勘定科目」の設定画面にて新規作成してください。
設備未収入金及び設備未払金は、有形固定資産と無形固定資産の場合それぞれ必要なため、「設備未収入金(有形)」、「設備未収入金(無形)」及び「設備未払金(有形)」、「設備未払金(無形)」を作成してください。
例:設備未収入金(有形)
固定資産、有価証券の「収入・支出取引相手勘定科目」を変更する
「収入・支出取引相手勘定科目」を、上記で作成した「設備未収入金(有形)(無形)」及び「設備未払金(有形)(無形)」「有価証券未収入金」「有価証券未払金」に変更してください。
例:機械装置の勘定科目の編集画面
freee会計の勘定科目設定の工夫(内訳管理編)
内訳管理の必要性について
投資・財務活動によるCF項目については、増減額の純額ではなく短期借入金を除き、収入と支出をグロスで表示させる必要があります。
別途調整表を作成する必要がありますが、freee会計への登録時に増減について「品目」をつけて管理し、その「品目」の内容から集計することができます。
freee会計への登録時に適切な品目を登録する必要がありますが、勘定科目の設定で工夫することで制御することができます。
CF集計用の品目を新規作成します
以下を参考に品目を新規作成します。
※クラウド連結会計ソフトとの整合性を図っています。
| 勘定科目 | 品目:Cash out | 品目:Cash in | 品目:Cash関係なし |
|---|---|---|---|
| 有形固定資産 | 取得 | 売却 | 除却、減損、建仮振替、その他 |
| 減価償却累計額 | ー | 売却 | 除却、減損、減価償却、その他 |
| 無形固定資産 | 取得 | 売却 | 除却、減損、減価償却、建仮振替、その他 |
| 有価証券、投資有価証券、関係会社株式 | 取得 | 売却 | 減損、評価損、その他 |
| 長期前払費用 | 取得 | - | 償却、振替、その他 |
| 出資金 | 取得 | 払戻 | 評価損、その他 |
| 敷金 | 取得 | 払戻 | 償却、その他 |
| 差入保証金 | 取得 | 払戻 | その他 |
| 貸付金 | 新規貸付 | 回収 | 振替、その他 |
| 預託金 | 取得 | 払戻 | その他 |
| 保険積立金 | 取得 | 払戻 | その他 |
| 定期預金 | 預入 | 払戻 | 振替、その他 |
| 借入金 | 返済 | 新規借入 | 振替、その他 |
| 社債 | 償還 | 新規発行 | 振替、その他 |
| 自己株式 | 取得 | 売却 | 消却 |
| 減価償却費 | ー | ー | 有形、無形 |
勘定科目の設定で「内訳管理に使用する品目」を指定する
指定により登録できる品目を制限することができます。freee会計の固定資産台帳を利用している場合、設定画面でタグを付けることが可能です。
例:機械装置に品目「取得、売却、除却、減損」を指定
freee経営管理のカスタムルールの工夫
科目設定では不都合である理由について
freee経営管理では科目設定画面においてチェックタグとして「付けたいタグ」を設定することができます。
例えば、機械装置という勘定科目について、「品目」にチェックを入れると、仕訳チェックにて品目が付いていない場合にエラーとして検出できるようになっています。
科目設定画面
仕訳チェック画面
しかし、チェックするとしたタグ別の内訳でマイナス残高がある場合、残高チェックにおいてエラーとして検出されてしまいます。
例えば、機械装置の品目として、売却、除却、減損についてはマイナス残高になってしまい、毎月の残高チェックでエラーとして出てきてしまいます。それを回避するためにカスタムルールを利用します。
カスタムルールで制御する方法
CF用品目チェックのためのカスタムルールを設定します。
以下のようなルールを設定することで、品目の登録漏れを防止することができます。
ポイントは、「品目 一致する 未選択」です。
カスタムルールで品目チェックをすることによって、残高チェックでのエラーが出ないようになります(科目設定画面では「品目」にチェックを入れないようにします)。
科目設定画面の品目のチェックを外す
残高チェックで引っ掛からないように、科目設定画面において「品目」のチェックを外します。
仕訳チェックを実行する
チェックを実行すると、CF用の品目がついていない場合にエラーとして検出されます。
「freeeへ」ボタンをクリックすることで該当する仕訳で絞られた状態でfreee会計の仕訳帳に画面遷移しますので、適宜修正してください。修正後、freee経営管理に仕訳帳を同期して、再度チェック実行してください。修正されている場合はエラーが消えます。
検証方法の一例
freee経営管理で作成されたキャッシュフロー計算書の数字を、監査法人等が検証する必要がある場合、どのような方法で検証していくかという一例をご紹介します。
- 検証用元データを入手します。
freee会計[会計帳簿]メニュー →「貸借対照表」から表示タグ「品目」の貸借対照表をCSVダウンロードします。表示期間はキャッシュフロー計算書の期間と合わせます。 - freee会計から表示タグ「なし」の損益計算書をCSVダウンロードします。
- 検証対象をダウンロードします。
freee経営管理の月次推移(製造原価報告書)を「品目別」にしてダウンロードします。
ダウンロードしたファイルの以下の数値が検証対象となります。- 「sum」列
- 期末月の「【CF】現金及び現金同等物の期末残高」
-
ダウンロードファイルを元に検証します。
検証のポイント-
カスタム科目の計算式を参照(CSVダウンロードが可能です)
-
上記1でダウンロードしたファイルの「BSの増減額(自分で計算)」、「PL計上額」と「freee経営管理の月次推移(製造原価報告書)」を照合して検証
例:PLの「税引前当期純損益金額」=【CF】税引前当期純利益 - 手入力によるCFがある場合には、別途検討資料を作成し、手入力の根拠を残しておく。当該検討資料とfreee経営管理の数字を照合する
-
カスタム科目の計算式を参照(CSVダウンロードが可能です)
サンプルCSVについて
消費税等の表示方法について
消費税等の表示方法は、実務指針における「消費税等抜きの資産・負債の増加額若しくは減少額に、又は収益若しくは費用の額に、これらに関連する消費税込みの債権・債務の期中増減額を調整して、各表示区分の主要な取引ごとのキャッシュ・フローを表示する方法」を採用してますので、適宜修正してください。
外形標準課税分(付加価値割、資本割)について
外形標準課税分(付加価値割、資本割)は、「未払事業税等の増減額」として調整しています。そのため、freee会計への登録時もこちらの勘定科目をお使いください。
科目を追加したい場合
freee会計にデフォルトで登録されている勘定科目をもとに作成しています。独自に追加した勘定科目は適宜CSVを加工してください。
新たなカスタム科目を追加した場合は、「【CF】<小計>」等の合計のカスタム科目内の計算式に、新たに追加したカスタム科目を追加するのを忘れないようにしてください。
消費税科目について
「仮払消費税」、「仮受消費税」及び「未払消費税等」は、「【CF】未払消費税等の増減額」に含めています。未収消費税等になった場合は、適宜追加や加工をしてください。
長期未払金について
「長期未払金」は「【CF】長期未払金の増減額」として営業活動によるCFに含めていますので、内容に応じて適宜加工してください。
減価償却累計額及び貸倒引当金について
減価償却累計額及び貸倒引当金は貸借対照表上でマイナス表示されるため計算式にて「-」となっています。
※ 同期される数字もマイナス表示のため。
削除してはいけないカスタム科目について
以下のカスタム科目は削除しないでください。
- 【CF】<小計>
- 【CF】<営業活動によるCF>
- 【CF】<投資活動によるCF>
- 【CF】<財務活動によるCF>
- 【CF】<現金及び現金同等物の増減額>
- 【CF】現金及び現金同等物の増減額(検証用)
- 【CF】現金及び現金同等物の期末残高
- 【CF】検証
上記以外は、削除しても計算には影響与えません。
例:退職給付引当金がないので、「【CF】退職給付引当金の増減額」を削除する等
削除した場合でも、「【CF】<小計>」内の計算式の修正は不要です。
主要な項目のみ表示させたい場合
主要な項目のみ表示させたい場合は、以下のみ表示画面を指定し、他の項目については非表示(指定しない)としてください。
- 【CF】<営業活動によるCF>
- 【CF】<投資活動によるCF>
- 【CF】<財務活動によるCF>
- 【CF】<現金及び現金同等物の増減額>
- 【CF】現金及び現金同等物の期末残高