販売者が物やサービスを提供する際の決済方法には、現金払い、クレジット(デビット)カード払いの他、様々な電子決済(QRコード決済(※) 等)があります。
このページでは、販売者が電子決済(ここでは主にQRコード決済等)により物やサービスを販売した場合の、一連の会計処理についてご説明します。
(※)「QRコード」は、株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
目次
電子決済(QRコード決済 等)とは
電子決済とは、商品またはサービスの代金の決済を、硬貨や紙幣などの通貨(現金)で支払うのではなく、通貨と同じ価値を持つデータの送受によって行う仕組みです。
主に、次に代表されるようなQRコード等を用いた決済手段を指します。
- Pay Pay
- 楽天ペイ
- d払い
- au PAY
- LINE Pay
電子決済(QRコード決済 等)では一般的に、一定期間の売上記録を集計し、後日 手数料が差し引かれた金額がまとめて入金されてきます。
電子決済の会計処理
電子決済について一連の取引を登録するためには、次の流れに沿った操作が必要となります。
① [初回のみ - 事前準備]電子決済で用いる口座を登録・設定する
電子決済の入出金を管理するためには、「口座」を登録することをオススメします。明細の同期に対応している口座の場合は、利用明細を自動的に取得することができます。
[①-1]同期対応している電子決済口座があるかどうかを確認する
「同期対応口座画面」から同期対応口座の一覧に、登録しようとしている電子決済手段が同期に対応してるかどうかを確認します。
※ 2020年10月現在、同期に対応している口座は「楽天ペイ」のみです。
- 同期に対応している場合:[①-2−A]口座の登録・同期の設定 へ
- 同期に対応していない場合:[①-2-B]独自口座の登録・勘定科目の設定 へ
[①-2−A]口座の登録・同期の設定
電子決済口座を登録し、必要に応じて明細の同期設定を行います。
- [口座]メニュー → [口座の一覧・登録]をクリックします。
- [決済サービス・電子マネー]のタブに切り替え、[決済サービス・電子マネーを登録する]ボタンをクリックします。
- 検索ボックスから、登録したい口座を選択し[登録]ボタンをクリックします。
- 画面の案内に沿って必要事項を入力し、同期操作を完了させます。
[①-2-B]独自口座の登録・勘定科目の設定
- [口座]メニュー → [口座の一覧・登録]をクリックします。
- [現金・その他]のタブに切り替え、[資産の口座(小口現金・仮払金など)を登録する]ボタンをクリックします。
- 「口座名」に任意の名称を入力し[登録]ボタンをクリックします。
- [設定]メニュー → [勘定科目の設定]をクリックします。
- 手順3で登録した口座名をクリックし、次のように設定を変更し[保存]ボタンをクリックします。
- 勘定科目のカテゴリー:資産 > 流動資産 > 売上債権
- 表示名(XXXX年度の決算書):売掛金
② [商品・サービス売上時]決済済みの収入取引を登録する
商品・サービス売上時には決済済みの収入取引を登録します。
[②-1]決済済みの収入取引を登録する方法を確認する
決済済みの収入取引は、 事前準備で登録した口座 の同期設定を行っているかどうかで登録方法が異なります。
-
事前準備で登録した口座 の同期設定を行っている場合:
[②-2-A]同期している口座から収入取引を登録する へ -
事前準備で登録した口座 の同期設定を行っていない場合:
[②-2-B]同期していない / できない口座から収入取引を登録する へ
[②-2-A]同期している口座から収入取引を登録する
【「タグのマッチング」を設定している場合】
「タグのマッチング」を適切に行っている場合は、同期を行うと同時に収入取引が自動的に登録されます。そのため、手動での取引登録は不要です。
※ 「タグのマッチング」を設定していない場合は、画面の案内に沿って正しく設定を行ってください。
【「タグのマッチング」機能が利用できない場合】
取り込まれた明細をもとに「自動で経理」画面から、決済済みの収入取引を登録します。
- [取引]メニュー → [自動で経理]を開き、取引登録したい明細をクリックします。
- [取引登録]タブに切り替え、必要事項を入力し[登録(Ctrl + Enter)]ボタンをクリックします。
[②-2-B]同期していない / できない口座から収入取引を登録する
手動により決済済みの収入取引を登録する必要があります。取引登録の方法は登録件数によって、大きく次の2つが利用できます。
【取引登録件数が比較的少ない場合】
「取引の一覧・登録」画面から1件ずつ取引を登録することができます。
- [取引]メニュー → [取引の一覧・登録]をクリックします。
- 必要事項を入力し[収入を登録]ボタンから収入取引を登録します。
※ この時、収支区分が「収入」、決済が「完了」、口座が 事前準備で登録した口座 が選択されていることをご確認ください。
【取引登録件数が比較的多い場合】
取引インポート機能 を用いて、複数の収入取引を一括登録することができます。
- 「 取引インポート用ファイルのサンプル 」からファイル名に「取引インポート」が含まれるファイルをダウンロードします。
- 手順1でダウンロードしたファイルを開き、「 取引データファイルを作成する 」記載の内容に沿ってインポートデータを作成します。
※ この時、下表のとおり各項目(必須)に必要なデータが入力されていることをご確認ください。下表に記載のない項目は任意に追加することができます。項目名 詳細 入力例 収支区分 収入取引を登録するため、ここでは「収入」と入力します。 収入 発生日 売上日を「YYYY/MM/DD」形式で入力します。 2020/10/01 勘定科目 収入取引の内容に準じた勘定科目を入力します。
※ 一般的には「売上高」を入力します。売上高 税区分 入力した「勘定科目」に対応する税区分を入力します。 課税売上 金額 税計算区分に関わらず税込の金額を入力します。 10000 決済日 売上日を「YYYY/MM/DD」形式で入力します。 2020/10/01 決済口座 事前準備で登録した口座 の口座名を入力します。 フリーペイ 決済金額 「金額」項目と同額を入力します。 10000 - [取引]メニュー → [取引の一覧・登録]画面を開き、画面右上の[その他の機能]ボタンから[取引データのインポート]をクリックします。
- 画面の案内に沿って、収入取引データを一括インポートします。
この時「2. CSVファイルのアップロード」項目の「データ種別」は[取引]を選択してからCSVファイルのアップロードを行います。登録内容に問題がなければ[登録する]ボタンをクリックすることでインポートが開始されます。 - インポートが開始されると「インポート履歴」画面に遷移します。インポートされた取引を確認するには同画面内の[登録された取引]ボタンをクリックします。
③ [売上金額受領時]電子決済口座の口座振替を登録する
商品・サービスの売上金額入金時には、電子決済口座→銀行口座への口座振替を登録します。
[③-1]口座振替を登録する方法を確認する
口座振替は、入金先銀行口座等の同期設定を行っているかどうかで登録方法が異なります。
- 入金先銀行口座等の同期設定を行っている場合:
[③-2-A]同期している口座から口座振替を登録する へ - 入金先銀行口座等の同期設定を行っていない場合:
[③-2-B]同期していない / できない口座から口座振替を登録する へ
[③-2-A]同期している口座から口座振替を登録する
取り込まれた明細をもとに「自動で経理」画面から、口座振替を登録します。
- [取引]メニュー → [自動で経理]を開き、取引登録したい明細をクリックします。
- [口座振替・カード引き落とし]タブに切り替え、「振替元口座」欄から 事前準備で登録した口座 を選択し[登録(Ctrl + Enter)]ボタンをクリックします。
※ この時、手数料が発生した場合は「手数料」欄に金額を入力し、「手数料・受取利息等」欄に必要事項を入力します。
[③-2-B]同期していない / できない口座から口座振替を登録する
手動により口座振替を登録する必要があります。口座振替登録の方法は登録件数によって、大きく次の2つが利用できます。
【取引登録件数が比較的少ない場合】
「口座振替」画面から1件ずつ口座振替を登録することができます。
- [取引]メニュー → [口座振替]をクリックします。
- 必要事項を入力し[振替]ボタンから口座振替を登録します。
※ この時、振替元口座が「 事前準備で登録した口座 」、振替先口座が「入金先銀行口座等」、手数料が発生した場合は「手数料」に金額をご入力ください。
【取引登録件数が比較的多い場合】
口座振替インポート機能 を用いて、複数の口座振替を一括登録することができます。
口座振替インポート機能では、インポートと同時に手数料発生分の登録を行うことができません。手数料発生分を適切に登録するには、インポート完了後、手動にて手数料の登録が必要です。
- 「 取引インポート用ファイルのサンプル 」からファイル名に「口座振替インポート」が含まれるファイルをダウンロードします。
- 手順1でダウンロードしたファイルを開き、「 取引データファイルを作成する 」記載の内容に沿ってインポートデータを作成します。
※ この時、下表のとおり各項目(必須)に必要なデータが入力されていることをご確認ください。下表に記載のない項目は任意に追加することができます。項目名 詳細 入力例 振替日 売上金の入金日を「YYYY/MM/DD」形式で入力します。 2020/11/30 振替元口座 事前準備で登録した口座 を入力します。 フリーペイ 振替先口座 売上金が入金された先の口座を入力します。 フリー銀行 金額 売上金の入金額(手数料が差し引かれている場合は手数料差引後)を入力します。
※ 手数料の入力はインポート後、手動にて行います。
300000 - [取引]メニュー → [取引の一覧・登録]画面を開き、画面右上の[その他の機能]ボタンから[取引データのインポート]をクリックします。
- 画面の案内に沿って、口座振替データを一括インポートします。
この時「2. CSVファイルのアップロード」項目の「データ種別」は[口座振替]を選択してからCSVファイルのアップロードを行います。登録内容に問題がなければ[登録する]ボタンをクリックすることでインポートが開始されます。 - インポートが開始されると「インポート履歴」画面に遷移します。インポートされた口座振替を確認するには同画面内の[登録された振替]ボタンをクリックします。
- (手数料発生分の登録を行う場合)[登録された振替]ボタンをクリックし、インポートした口座振替の一覧画面から手数料発生分の登録を行います。
- 手数料を登録する口座振替をクリックし、[手数料・受取利息等]欄をクリックして展開します。
- [+ 手数料を追加]ボタンをクリックし、控除・マイナス行(「金額」欄に「▲」が表示されている行)を追加します。
- 「勘定科目」、「税区分」を入力し、「金額」欄に手数料発生額を入力します。
- 画面右上の[保存]ボタンをクリックして、手数料を登録します。
- 手数料の登録を行いたい口座振替に対して、手順6-1〜手順6-4を繰り返します。