社会福祉法人 with freee(以下、福祉freee)では、freee会計で固定資産を登録します。
このページでは、固定資産を移管したケースのfreee会計の登録方法をご紹介します。
固定資産を移管したケース
固定資産の移管をした場合には、freee会計 および 福祉freeeでそれぞれ次の操作が必要となります。
順番 | 操作内容 | 操作対象 プロダクト |
詳細 |
---|---|---|---|
1 | 固定資産台帳の登録 | freee会計 |
移管前 / 移管後の部門にてそれぞれ次の操作を行います。 |
2 | 移管仕訳の登録 | freee会計 | 移管についての仕訳を振替伝票で登録します。 |
3 | 「別紙3(⑧)基本財産及びその他の固定資産の明細書」の表示修正 | 福祉freee | 「別紙3(⑧)基本財産及びその他の固定資産の明細書」の表示内容を修正します。 |
固定資産台帳の設定前提条件
- 月次償却:する
- 固定資産の控除方法:間接控除法
- 間接控除時の累計額:科目別減価償却累計額
【モデルケース】
2020年12月20日に器具及び備品「避難車兼用おでかけぐるま」を、拠点区分「ゆびすい保育園」(社会福祉事業)から拠点区分「第2ゆびすい保育園」(社会福祉事業)へ移管した。
- 取得価額:400,000円
- 耐用年数:15年(償却率0.067)
- 国庫補助金等特別積立金(取得時積立):197,256円
- 2020年度期首未償却残高(簿価):102,967円
- 2020年度期首国庫補助金等特別積立金残高:50,779円
- 2020年度減価償却費:26,800円(内訳は次のとおり)
- ゆびすい保育園分:20,100円(26,800円 × 9か月 ÷ 12か月)
- 第2ゆびすい保育園分:6,700円(26,800円 × 3か月 ÷ 12か月)
- 2020年度国庫補助金等特別積立金取崩額:13,216円(内訳は次のとおり)
- ゆびすい保育園分:9,912円(13,216円 × 9か月 ÷ 12か月)
- 第2ゆびすい保育園分:3,304円(13,216円 × 3か月 ÷ 12か月)
※ 国庫補助金等特別積立金の残高のある資産を移管する場合、当初の補助目的と異なる事業に供することになりますので、補助金交付団体に処分承認を得る必要がある場合もございますのでご注意ください。
仕訳例
【ゆびすい保育園】
移管時:2020年12月20日
借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|
減価償却費 | 20,100円 | 器具及び備品減価償却累計額 | 20,100円 |
国庫補助金等特別積立金 | 9,912円 | 国庫補助金等特別積立金取崩額 | 9,912円 |
拠点区分間固定資産移管費用 | 82,867円 | 器具及び備品 | 82,867円 |
器具及び備品減価償却累計額 | 317,133円 | 器具及び備品 | 317,133円 |
国庫補助金等特別積立金 | 40,867円 | 国庫補助金等特別積立金取崩額(除却等) | 40,867円 |
【第2ゆびすい保育園】
移管時:2020年12月20日
借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|
器具及び備品 | 82,867円 | 拠点区分間固定資産移管収益 | 82,867円 |
器具及び備品 | 317,133円 | 器具及び備品減価償却累計額 | 317,133円 |
国庫補助金等特別積立金積立額 | 40,867円 | 国庫補助金等特別積立金 | 40,867円 |
期末時:2021年3月31日
借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|
減価償却費 | 6,700円 | 器具及び備品減価償却累計額 | 6,700円 |
国庫補助金等特別積立金 | 3,304円 | 国庫補助金等特別積立金取崩額 | 3,304円 |
固定資産台帳の登録
移管前の部門:移管対象資産の除却
移管資産の除却を登録します。登録の際は[除却の仕訳を作成する]のチェックを外します。
移管前の部門では、次のような取引が自動で登録されます。
- 移管日までの減価償却費の計上と対応した国庫補助金等特別積立金の取崩
- 移管時の国庫補助金等特別積立金の残高の取崩
移管後の部門:移管対象資産の再登録
再登録を行う際は、次の項目については指定のとおりに入力し、それ以外の項目は移管前の資産と同内容で登録してください。
- 事業共用開始日:移管日
- 期首残高:移管時の簿価
- 国庫補助金等特別積立金期首残高(国庫補助分):移管時の積立金残高
事業供用開始日を移管日で登録すると、移管日が月の途中である場合に減価償却費の月数按分計算が「移管前の資産」と「移管後の資産」で同じ移管月がそれぞれ計上されます。このため、減価償却費の二重登録が発生する恐れがあります。
この場合は、調整のために「償却費を編集」するか、事業共用開始日を移管日の翌月とする必要があります。
移管後の減価償却費に普通償却費を編集します。普通償却費を編集すると、国庫補助金等特別積立金取崩額も再計算されます。
移管仕訳の登録
移管の仕訳は、freee会計のメインメニュー「決算」の「振替伝票」から登録します。
仕訳の入力例は次のとおりです。
内部取引の詳細は「【社会福祉法人】内部取引の入力をする」をご覧ください。
【例1:2020年12月20日 ゆびすい保育園の仕訳】 ※ 部門はすべて「ゆびすい保育園」
借方 | 貸方 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
勘定科目 | 金額 | 税区分 | 税額 | 勘定科目 | 金額 | 税区分 | 税額 |
拠点区分間 固定資産移管費用 |
82,867円 | 対象外 | 0円 | 器具及び備品 | 82,867円 | 対象外 | 0円 |
器具及び備品 償却累計額 |
317,133円 | 対象外 | 0円 | 器具及び備品 | 317,133円 | 対象外 | 0円 |
「拠点区分間固定資産移管費用」の取引先タグに内部取引先である「第2ゆびすい保育園(内部取引)」を設定します。
【例2:2020年12月20日 第2ゆびすい保育園の仕訳】 ※ 部門はすべて「第2ゆびすい保育園」
借方 | 貸方 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
勘定科目 | 金額 | 税区分 | 税額 | 勘定科目 | 金額 | 税区分 | 税額 |
器具及び備品 | 82,867円 | 対象外 | 0円 | 拠点区分間 固定資産移管収益 |
82,867円 | 対象外 | 0円 |
器具及び備品 | 317,133円 | 対象外 | 0円 | 器具及び備品 償却累計額 |
317,133円 | 対象外 | 0円 |
「拠点区分間固定資産移管収益」の取引先タグに内部取引先である「ゆびすい保育園(内部取引)」を設定します。
「別紙3(⑧)基本財産及びその他の固定資産の明細書」の表示修正
移管後の部門では、期首帳簿価額(A)欄に金額が計上されます。本来は、期首帳簿価額は0円となるべきです。また、当期増加額(B)に金額が計上されるべきですので、「別紙3(⑧)基本財産及びその他の固定資産の明細書」をExcelで編集する必要があります。
固定資産管理台帳の表示について
移管した資産は、freee会計では「除却」として登録しています。そのため、固定資産管理台帳でも「除却済」として表示されます。
固定資産管理台帳の作成方法について、詳細は「【社会福祉法人】固定資産管理台帳と別紙3(⑧)の作成」をご覧ください。
「移管」として表示を修正するためには、インポートする前にfreee会計からエクスポートした固定資産詳細一覧のCSVデータを編集(※)してください。
摘要欄の「除却済」を「移管」に編集すると、固定資産管理台帳の摘要欄を変更することができます。
※ CSVデータを編集する際は、テキストエディタで開いて編集してください。