開始残高とは?
開始残高とは、初めてfreee会計で帳簿付けを行う会計期間の開始時点で会社がもっている資産と負債・純資産の残高のことです。基本的に、設立して1期目の方は設立時点の残高、2期目以降の方は前期から繰り越した残高を設定します。
日々の入力作業を始める前に、スタート時点での現預金の残高や前期からの売掛金、未払金や借入金などの残高をきちんと設定しましょう。開始残高が間違っていると、正しい残高を把握しながらお金の流れを記録していくことができません。
- 「 1期目(設立初年度)の場合の設定手順 」へ
- 「 2期目以降の場合の設定手順 」へ
上記の1期目・2期目については、事業所の設定の期数ではなく、事業所新規作成時に設定する設立年数を指します。
1期目(設立初年度)の場合の設定手順
以下のものを用意して、開始残高の設定をしましょう。
- 資本金の額がわかるもの
- 会社の設立にかかった費用がわかるもの(例:登録免許税、定款作成費用など)
- 開業準備にかかった費用がわかるもの(例:名刺・印鑑の作成、備品の購入など)
- [設定]メニュー →[開始残高の設定]をクリックします。
- 「資本金と設立費用を登録」画面が表示されます。
以降の手順は、[簿記形式で入力]を選択した場合の入力方法を説明します。
参考:[簡易形式で入力]を選択した場合
[簡易形式で入力]を選択すると、簡単な説明に沿って入力するだけで設定が完了する「開始残高設定ウィザード」を利用できます。開始残高設定ウィザードの詳細は、「 【法人】開始残高設定ウィザードで開始残高を設定する(設立初年度) 」のヘルプページをご覧ください。
- 左右(借方・貸方)に分けて残高を入力する表が表示されたら、左上の日付が法人の設立日となっていることを確認します。設立日でない場合は[事業年度開始日の変更]ボタンをクリックして、会計期間を変更しておきましょう。
※ 設立初年度の会計期間は、法人の設立日~最初の決算日となります。設立日は設立登記申請書を提出した日です。決算日は定款に記載されています。 - 表の右側=貸方にある「資本金」の金額を入力します。
- 左側=借方に現預金の残高を入力します。設立時点ではまだ法人の口座がないことが通常なので、ここでは資本金として準備したお金を一旦「現金」の欄に入力しています。
- 同じく借方で「創立費」と「開業費」を入力します。
創立費とは、会社の設立にかかった費用です。登録免許税や定款の作成費用などが含まれます。
開業費とは、創立費の他に開業の準備にかかった費用です。印鑑や名刺の作成費用、10万円未満の備品の購入代金、打ち合わせに要した費用などが含まれます。 - 開業にあたって「単体での金額が10万円以上で、1年以上使うもの」を購入していた場合、固定資産として入力します。
固定資産は種類によって償却方法が異なるため、開業費には含めず、表の下段にある[借方科目を追加]から「工具器具備品」「車両運搬具」など資産の種類に合った勘定科目で金額を入力しましょう。 - 創立費・開業費や固定資産の代金について、資本金として準備したお金から出していた場合は、 「手順⑤」で入力した「現金」の金額をその分だけ減らします。
- 創立費・開業費や固定資産の代金を役員が個人のお金で支払っていた場合、会社が役員から借りた扱いになりますので、貸方で「役員借入金」にその合計額を入力します。
これにより借方と貸方の差が埋まり、左右が釣り合った状態になります。 - 借方・貸方が釣り合うように入力できたら左下の[保存]ボタンをクリックします。
- 「freeeで記帳を開始する時期を選んでください」画面が表示されるので、「今期開業または会計期間の始めからfreeeを使い始める方」を選択して、開始残高の設定を完了します。
この選択により、売掛金や未払金など一部の勘定科目について、取引先別の内訳をもとに「未決済取引」という形で消込用のデータが作成されます。
保存した後は、[開始残高を編集する]ボタンで編集が可能です。
※「会計期間の途中からfreeeを使い始める方」を選択すると、未決済取引は作成されません。
選択を誤ったり、入力漏れがあったりした場合には、再度編集して保存し直しましょう。
2期目以降の場合の設定手順
以下のものを用意して、開始残高の設定をしましょう。
- 前期の決算書(貸借対照表)
- 前期の勘定科目内訳明細書
※ まだ前期の決算が済んでいない場合、開始残高の設定は決算書ができてから行います。
開始残高の設定を行う前に、銀行口座やクレジットカードなどの口座をすべて登録しておきましょう。現預金やクレジットカードの未払金の残高は、各口座の残高として入力していきます。
- [設定]メニュー →[開始残高の設定]をクリックします。
- 次のような選択肢を示す画面が表示されたら、[簿記形式で入力]をクリックします。
参考:[ガイドに沿って入力]を選択した場合
[ガイドに沿って入力]を選択すると「開始残高設定ウィザード」が開き、説明を読みながらステップごとに入力を進めることができます。開始残高設定ウィザードの詳細は、「【法人】開始残高設定ウィザードで開始残高を設定する(設立2年度目以降)」のヘルプページをご覧ください。
- 左右(借方・貸方)に分けて残高を入力する表が表示されたら、左上の日付が前期の末日となっていることを確認します。前期末日でない場合は[事業年度開始日の変更]ボタンをクリックして、会計期間を変更しておきましょう。
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前期末の貸借対照表をもとに入力します。
- 「資産の部」の数字を借方(左側)へ、「負債の部」と「純資産の部」の数字を貸方(右側)へ転記していきます。
- 入力欄が表示されていない勘定科目は、下段の[借方科目を追加]と[貸方科目を追加]をクリックして、該当の科目名を検索して入力します。
- 不要な勘定科目は、行の右端にある[×]をクリックして削除します。
- 貸借対照表にある「現金及び預金」の残高は、freeeでは口座ごとに分けて入力します。
それぞれの残高は「預貯金等の内訳書」で確認しましょう。
同様に、「前期にクレジットカードを利用してまだ引き落とされていない分」を示す「未払金(または未払費用)」の残高も、該当のクレジットカード口座の残高として入力します。 - 売掛金や未払金、長期借入金などについては、それぞれの内訳書を確認して、勘定科目と金額の間の[内訳を登録]から入力しておくと、取引先別または品目別に残高管理ができます。
- 貸借対照表のとおりすべての残高を入力すると、借方・貸方の合計金額が一致します。
金額が合わない場合には、「抜けている勘定科目がないか」「金額の入力ミスがないか」「手元の表で ▲ が付いているのに、マイナス符号を付けずに入力していないか」などに注意して見直しましょう。
入力内容を確認したら[保存]ボタンをクリックします。
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「freeeで記帳を開始する時期を選んでください」画面が表示されるので、通常は「今期開業または会計期間の始めからfreeeを使い始める方」を選択して、開始残高の設定を完了します。
今期の仕訳をインポートしたい方は「会計期間の途中からfreeeを使い始める方」を選択します。
「今期開業または会計期間の始めからfreeeを使い始める方」を選択した場合、売掛金や未払金など一部の勘定科目について、取引先別の内訳をもとに「未決済取引」という形で消込用データが作成されます。
「会計期間の途中からfreeeを使い始める方」を選択した場合、未決済取引は作成されません。保存した後は、[開始残高を編集する]ボタンで編集が可能です。選択を誤ったり、入力漏れがあったりした場合には、再度編集して保存し直しましょう。
「商品」などの棚卸資産がある場合は、[保存]ボタンの上にあるオプションで「棚卸仕訳をつくる」を選択しておくと、ご自身で振替伝票を登録する手間が省けます。