本ページでは、次のような消込でよくあるお困りごととその対処法をご紹介します。
目次
対象の未決済取引が見つからない
消込を行いたい未決済取引が見つからないとき、選択画面に表示されないときは、以下の要因が考えられます。
A. 未決済取引を検索する際の絞り込み条件が異なっている
B. 対象の未決済取引に対して、すでに間違った消込を行っていた
C. 未決済取引を登録する際に、誤って決済完了の取引として登録していた
D. 入金明細・出金明細の日付より未決済取引の発生日の方が後になっている
E. 未決済取引が登録・作成されていなかった
Aの場合に当てはまるかの確認と対処方法
[自動で経理]の詳細ウィンドウで未決済取引の消込を行うとき、自動的に絞り込まれている「発生日」や「取引先」の条件によって、対象の未決済取引が表示されないケースがよくあります。
- [未決済取引の消込]タブの「未決済取引を探す」のリスト上部に表示されている条件の ✕ をクリックして、絞り込み条件を消去します(①)。
- 右の[条件を追加する]から任意の条件を選択・入力して[追加]します(②)。
B・Cの場合に当てはまるかの確認と対処方法
対象の取引が決済済みとなっているため、未決済の状態にする必要があります。
- [取引]メニュー →[取引の一覧・登録]画面で、本来消し込みたい取引をクリックして開きます。
- 「決済」項目を確認し、情報が入っていればBかCの場合に該当します。
【右の方に[明細の詳細]のリンクが表示される】
【右の方に[削除]ボタンが表示される】
- [明細の詳細]のリンクが表示されている場合は、[明細の詳細]をクリックした後、左上の[取引登録解除]ボタンをクリックして、決済情報を削除します(明細は未処理の状態に戻ります)。
[削除]ボタンが表示されている場合は、[削除]ボタンをクリックして、決済情報を削除します。
- B・Cいずれの場合も、対象の取引が未決済の状態に変わるため、あらためて消込を行います。
Dの場合の対処方法
未決済取引の発生日は、入出金明細の日付と同日か、それより前(過去)である必要があります。
発生日を誤って登録していた場合は、日付を修正しましょう。
- [取引]メニュー →[取引の一覧・登録]画面で、該当の取引をクリックして開きます。
- 「発生日」を適切な日付に編集して[保存]します。
※ 請求書の発行により作成された取引については、元となっている請求書の「売上計上日」を編集します。その他の機能から作成された取引も同様です。
なお、発生日が誤っていたのではなく、実際に発生日より前に入出金が起きた場合は、本ページ内「 未決済取引の発生日より前の日付の明細で消し込みたい 」をご覧ください。
Eの場合に当てはまるかの確認と対処方法
まず、Cの「誤って決済完了の取引として登録していた」場合のように、決済状況・収支・発生日などを誤って取引を登録していなかったことを確認します。
[取引の一覧・登録]画面で、発生日や金額をもとに取引を探してみましょう。
未決済取引が見つからなかった場合は、次の方法で未決済取引を登録します。
- 「開始残高の設定」で入力した前期の売掛金・買掛金などの消込をしたい場合
設定の際に取引先別の内訳を登録しないと、消込用の未決済取引は作成されません。開始残高を編集して保存しなおしましょう(詳細は「 開始残高に入力した内容を消し込む・振り替える 」のヘルプページをご覧ください)。 - 振替伝票で登録した売掛金・買掛金などの消込をしたい場合
振替伝票の画面では、一部の勘定科目について取引先別の残高をもとに未決済取引を作成できます。個々の振替伝票を未決済取引に変換することはできませんので、必要な場合は手動で未決済取引を登録してください(詳細は「 振替伝票を作成する(仕訳形式で記帳する) - 振替伝票から未決済取引を作成する 」のヘルプページをご覧ください)。 - 上記いずれにも該当しない場合
手動で未決済取引を登録してください。
明細から未決済取引の登録と消込を同時に行うこともできます。
入出金明細から消込をしようとして、売上や費用の発生時に未決済取引を登録していなかったことに気づいたとします。
このような場合、手動で未決済取引を登録してから再度[自動で経理]に戻って消込をしてもかまいませんが、明細の登録画面で未決済取引の登録と消込を同時に行うことも可能です。
例として、11月に発生した費用を12月に支払った明細をもとに、登録の手順を紹介します。
上図の出金明細について、未決済取引は登録していなかったが11月末日付の費用として計上したい場合、[詳細]ボタンをクリックします。
[取引登録]タブで、「発生日」の日付を明細の日付から取引の発生日(計上日)に変更します。
その他の項目も通常どおり入力して、登録します。
このようにすると、「発生日」に入力した日付で未決済取引を登録し、明細の日付で消込をしたのと同じ結果になります。
※ 「発生日」には明細の日付より未来の日付や、前期の日付は入力できません。
入金明細・出金明細が見つからない
消し込みたい未決済取引があるのに、お金が動いたことを示す入出金の明細が見つからないときは、以下の要因が考えられます。
A. 誤って取引として登録してしまった
B. 別の未決済取引を消し込んでしまった
どちらの場合も探している明細は間違った取引に結びついている状態なので、処理済みの明細か取引の中から見つけて、明細を未処理の状態に戻します。
処理済みの明細から探す方法
- ホーム画面からその入出金があった口座の名称部分をクリックして、口座の詳細画面を開きます。
- [明細]タブに表示される明細の一覧から、該当の明細をクリックします。
見つけにくい場合は、上部の「検索条件」で取引日(明細の日付)や金額の範囲、取引内容(摘要の文字列)などを指定して絞り込むこともできます。
- 明細を見つけたらクリックして、[取引登録解除]ボタンをクリックします。
取引の中から探す方法
- [取引]メニュー →[取引の一覧・登録]画面で、該当の取引を探します。
見つかりにくい場合は、一覧左上の[条件を設定]をクリックして、発生日または決済日、決済口座、取引の金額などを指定して絞り込むのがおすすめです。
- 取引を見つけたら、クリックして開きます。
- Aの「誤って取引として登録してしまった」場合は、上部の[削除]ボタンで取引を削除します。
Bの「別の未決済取引を消し込んでしまった」場合は、未決済取引に戻して残したいので、「決済」項目内の[明細の詳細]をクリックし、開いた画面左上の[取引登録解除]ボタンをクリックすることで、決済情報だけを削除します。
差額があり、未決済取引と金額が合わない
「自動で経理」で消込を行う際、入出金を示す明細の金額と未決済取引の金額が一致しない場合があります。たとえば、次のようなケースが考えられます。
A. 手数料を差し引いて入金された、または、手数料の分だけ多く支払った
(差額は「支払手数料」として処理する)
B. 手数料以外で入出金額が少ない、または、多い
(差額は「支払手数料」以外の勘定科目で処理する)
C. 入金額が不足している、または、分割払いなどで一部だけを決済する
(差額は残して次回決済する)
どの場合も、明細の[詳細]ボタンをクリックしてウィンドウを開き、[未決済取引の消込]タブで処理します。
消込の対象とする未決済取引を探してチェックを入れたとき、選択した未決済取引の総額と明細の金額との間に差額がある状態では左下の[登録]ボタンをクリックできませんので、金額が一致するよう適切な処理が必要です。
A:差額は「支払手数料」として処理する
対象の未決済取引を選択した後、右上の[差額を調整]ボタンをクリックすると、差額分の勘定科目として「支払手数料」が自動入力された状態になります。
これで問題なければ、[登録]ボタンをクリックします。
B:差額は「支払手数料」以外の勘定科目で処理する
対象の未決済取引を選択した後、右上の[差額を調整]ボタンをクリックすると、差額分の勘定科目として「支払手数料」または「仮受金」が自動入力された状態になります。
差額の内容に合った勘定科目に変更してから、[登録]ボタンをクリックします。
よくある具体例としては、次のようなものがあります。
- 値引・割引などが生じて当初の金額よりも少ない入金となった
→ 勘定科目の例:売上値引高、売上戻り高、売上割引、売上債権売却損 など - 誤って多く入金された
→ 勘定科目の例:仮受金、預り金、前受金 など - 誤って多く支払った
→ 勘定科目の例:仮払金、預け金、前渡金 など - 自社のルールで別の勘定科目を使っている
→ 勘定科目の例:雑費、雑収入、販売手数料、【管】支払手数料(NPO会計)など
なお、誤って多く入金された場合は、通常は先方に返金するか、次回の入金の際にその分を差し引いて入金してもらうことになります。
多く入金されたときの差額を「仮受金」とした場合、返金時にも同じ勘定科目で支出の取引を登録します。
また、次回の入金額から差し引いてもらった場合、そのときにまた未決済取引との差額が生じますので、同じ勘定科目で差額を調整します。
誤って多く支払った場合も同様です。
C:差額は残して次回決済する
対象の未決済取引を選択した後、下の「選択した未決済取引」の枠内で[一部入金にする]または[一部出金にする]をクリックします。
金額を入力する欄が表示されるので、今回決済された金額を入力し、[登録]ボタンをクリックします。
A〜Cの詳しい手順については、「 4.4.3 未決済取引の消込をする(自動で経理) 」をご参照ください。
売掛金・買掛金の残高が合わない
売掛金の回収は完了しているのに売掛金の残高が減らない、未決済取引が残ったままになっている、といった場合、以下の要因が考えられます。
A. 入金時または支払い時に、消込ではなく取引として登録している
B. 別の未決済取引を消し込んでいた
C. 消込するのを忘れていた
売掛金・買掛金の残高は、[レポート]メニュー内の[総勘定元帳]や[試算表(貸借対照表)]で確認できます。
未決済取引の決済状況は、[レポート]メニュー内の[入金管理レポート]と[支払管理レポート]で確認できます。
口座を同期していて、未決済取引が消し込まれないまま残っている場合は、未決済取引に結びつける明細が見つからない状態ですので、本ページの「 入金明細・出金明細が見つからない 」を参考に、入出金があったときの明細を探しましょう。
口座を同期していない場合は、入出金があった口座の[現預金レポート]をたどって確認するとよいでしょう。
入出金があった日に、決済完了の取引を登録(A)したり、未決済取引の消込(B)を行ったりしていれば、現預金レポートに反映されます。
A:消込ではなく取引として登録している
口座を同期している場合は、誤って取引として登録した明細を見つけて、[取引登録解除]します。これにより、取引は削除され、明細は未処理の状態に戻ります。
手順の詳細は、本ページ内「 入金明細・出金明細が見つからない - 処理済みの明細から探す方法 」をご参照ください。
口座を同期していない場合は、[現預金レポート]または[取引の一覧・登録]画面で、入出金のあった日付で誤って登録した取引を見つけ、「削除」します。
その後、あらためて残っている未決済取引を消し込みます。
B:別の未決済取引を消し込んでいた
Aと似ていますが、誤って消込を行った未決済取引は残したいので、取引自体は削除せず、決済情報だけを削除します。
手順は、本ページ「 対象の未決済取引が見つからない - B・Cの場合に当てはまるかの確認と対処方法 」をご参照ください。
C:消込するのを忘れていた
入金時や支払い時の処理を忘れていて何もしていなかった場合は、残っている未決済取引の消込をします。
詳しい手順については、「 4.4.3 未決済取引の消込をする(自動で経理) 」をご参照ください。
複数の明細から1つの未決済取引を消し込みたい
例えば、freee人事労務から連携された給与の取引について、従業員に個別に支払いをすると、明細は複数になります。
このように、1つの未決済取引に対して複数の明細があるケースでは、次の2通りの処理方法があります。
A. 「一部入金」または「一部出金」の消込を明細の数だけ行う
B. 手動で[決済を登録]し、明細は「無視」する
Aの手順は、「 4.4.3 未決済取引の消込をする(自動で経理) - D:一部だけ入金された/支払った・入金や支払いが複数回に分かれる場合 」をご参照ください。
明細の件数が多く、Aの手順で処理するのが困難な場合は、Bの手順で対応します。
具体的には、[取引の一覧・登録]画面で対象の未決済取引を開き、手動で[決済を登録]します。
[決済を登録]するとその分の金額が口座の残高に反映され、明細は不要となるので、まとめて「無視」します。
明細を無視する方法について、詳しくは「 3.3 登録方法:明細をもとに取引等を登録(自動で経理) - 不要な明細の「無視 」をご覧ください。
1つの明細から複数の未決済取引を消し込みたい
こちらは逆に、消し込みたい未決済取引が複数あるケースです。
複数件の請求分がまとめて入金された場合や、総合振込を行った場合が、これに該当します。
手順としては、「自動で経理」の詳細ウィンドウを開いて一度で処理できますので、「 4.4.3 未決済取引の消込をする(自動で経理) - B:複数の取引分がまとめて入金された/まとめて支払った場合 」をご参照ください。
自動で経理で違う未決済取引が選択されてしまう
明細の金額が未決済取引の金額と異なっていたり、同額の未決済取引が複数存在していたりすると、自動推測で正しい未決済取引が選択されないこともあります。
[詳細]ボタンからウィンドウを開いて、[未決済取引の消込]タブで正しい未決済取引を選択しなおしましょう。
その際に未決済取引が見つからない場合は、本ページの「 対象の未決済取引が見つからない 」をご参照ください。
「自動で経理」の推測がいつも正しくない場合は、誤った自動登録ルールが登録されている可能性もあります。「 自動登録ルールの設定 」で、過去に登録されたルールを確認してみましょう。
例えば、「入金明細の文字が『カ)マルマルシヨウジ』のときは、いつも『マルマル商事』という取引先タグが付いた未決済取引を消し込みたい」としたら、「上記の条件に一致したとき行う処理」は「未決済取引の消込をする」とし、「取引先」を選択しておきます。
【自動登録ルールの編集画面】
未決済取引の発生日より前の日付の明細で消し込みたい
未決済取引は、「後でお金が動く取引」を記帳するために用います。
そのため、未決済取引の発生日よりも前(過去)の日付をもつ明細で消し込むことはできません。
発生日を誤って登録していた場合は、本ページ「 対象の未決済取引が見つからない - Dの場合の対処方法 」の手順で、日付を修正しましょう。
発生日を誤っていたのではなく、実際に売上や費用の発生よりも前に入出金が起きた場合は、「前受金」や「前渡金」などの勘定科目で取引を登録し、後日、売上や費用に振替えるか未決済取引を[+更新]で消し込みます。
詳細な手順は、「 4.5 前金の売上や費用を登録する 」をご覧ください。