「+更新」は、登録済み取引の仕訳について、借方・貸方のいずれかの勘定を振替える機能です。当初の見込みと異なる事象の発生の反映や、経過勘定の振替などに活用いただけます。
目次
本ページでご説明する会計処理は、freeeが提供する公式アプリ「前受/前払入力アプリ」を利用することで、よりカンタン・便利に行うことができます。まずはfreee公式アプリをぜひご利用ください。
「+更新」機能を用いるケース
「+更新」機能は下記のような取引の入力に使用します。
- 債権(売掛金や貸付金)が貸し倒れた
- 経過勘定(前受金・前渡金・前受収益・前払費用)を収益化・費用化する
- 仮勘定(仮受金・仮払金・建設仮勘定)を収益化・費用化する
- 収益・費用を経過勘定(前受収益・前払費用)に振替える(再振替)
- 未決済残高を口座以外の勘定科目で消し込む
「+更新」は、取引を[取引]メニュー →[取引の一覧・登録]から選択した、「取引の詳細」画面で行うことができます。貸借いずれについても振替えることが可能です。
なお、「+更新」は、取引金額総額ではなく、部分の金額でも入力できます。
例:未決済額8万円のうち2万円を更新した状況
※ 「+更新」と部分決済を組み合わせることも可能となっています。
売掛金が貸し倒れた場合
取引先が倒産し、債権(売掛金や貸付金など)の回収ができないことが確実になった場合、債権の貸倒処理を行います。
例:5月30日取引先A社が倒産し、A社への売掛金100,000円が回収不能になった。
- まず、売掛金が取引として登録されていることを確認します。売掛金の登録方法は「未決済取引を登録する・消し込む(売掛金・買掛金など)」のヘルプページをご覧ください。
- [取引]メニュー →[取引の一覧・登録]から該当する取引を選択します。
- 決済の欄にある「+更新」ボタンをクリック、再度該当する行の「+更新」をクリックします。
- 勘定科目に「貸倒損失」を入力し、保存します。
※法人の方は、販売管理費に計上したい場合は「貸倒損失(販)」、営業外費用に計上したい場合は「貸倒損失(外)」を勘定科目として選択します。
貸倒引当金を繰り入れていた場合
例:取引先A社の売掛金 100,000 円に対し、50,000 円の貸倒引当金を前期に繰入れていた。
今期の4月30日に取引先A社が倒産し、A社への売掛金 100,000 円が回収不能になった。
- まずは、期首残高に貸倒引当金が登録されている必要があります。
※ 今期から freee をお使いの方は「【法人】開始残高を設定する」もしくは「【個人】開始残高を設定する」から登録します。 - 「+更新」ボタンを押した画面にて、勘定科目「貸倒引当金」とし、50,000円を入力します。
- 「行を追加」にて追加した行へ勘定科目「貸倒損失」とし、50,000円を入力します。
前受金・前払金などの経過勘定を収益化・費用化する場合
例:2023年10月26日に前渡金として支払った支出を、外注先からの納品が完了した2023年11月15日に外注費に振替える。
- 10月26日:(借方) 前渡金 5,000 (貸方) 現金 5,000
- 11月15日:(借方) 外注費 5,000 (貸方) 前渡金 5,000
- [取引]メニュー →[取引の一覧・登録]の支出取引から勘定科目「前渡金」として5,000円を登録します。発生日は 2023年10月26日とします。
- 2023年11月15日に納品を確認したら、取引の一覧から「前渡金」の取引を選択し、[+更新]を押下、借方勘定を更新します。
インボイス制度導入(2023年10月1日)以降は、取引先が適格請求書発行事業者である場合は[適格]にチェックを入れ、適格請求書発行事業者以外の場合は[適格]のチェックを外します。
また、[適格]のチェックを外した場合は経過措置期間用の税区分を用います。詳しくは、「消費税の仕入税額控除の経過措置について」をご確認ください。
更新内容を編集・削除する場合
「+更新」で入力した内容を編集または削除する場合は、+更新の詳細画面から行います。
更新内容を編集する
- [取引]メニュー →[取引の一覧・登録]を開きます。
- 更新内容を編集したい取引をクリックします。
- [+更新]ボタンの下にある[編集]ボタンをクリックします。
- [+更新を編集]ボタンをクリックします。
- 「更新内容」欄で修正内容を入力し、[保存]ボタンをクリックします。
更新内容を削除する
- [取引]メニュー →[取引の一覧・登録]を開きます。
- 更新内容を編集したい取引をクリックします。
- [+更新]ボタンの下にある[編集]ボタンをクリックします。
- [+更新を削除]ボタンをクリックします。
- 「+更新の削除」画面で[削除する]ボタンをクリックします。
参考:前払金・前受金などを連携アプリで振替える
前受金・前払金などの経過勘定を収益化・費用化する場合、「連携アプリ」から振替えることも可能です。年額払いなど12ヶ月分の前払/前受入力がある場合も、連携アプリから1回の登録で完結でき、入力を効率化できます。詳しくは「 手付金(前払金・前受金など)がある取引を登録する 」のヘルプページをご覧ください。
参考:「+更新」でコピーされる / されない摘要(各種タグ・備考)情報について
「+更新」を行うと、「+更新」で作成される仕訳(以下、「+更新」仕訳)の相手科目側にも元の仕訳のタグがコピーされます。また、元の仕訳のタグを修正すると、「+更新」仕訳の相手科目側タグも連動して修正されます。
この仕様により、「+更新」を行った際にタグ単位でも残高が相殺されるようになっています。
なお「備考」欄の情報については、「+更新」仕訳にはコピーされず、連動して更新もされませんので、ご留意ください。(2022年7月13日以降の仕様)