損失申告を行う(第四表)

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確定申告を行う際、本年度分の損失を翌年度以降へ繰り越すことができます。これを損失申告といい、第四表(一)(二)のそれぞれに必要事項を記入して行います。(確定申告書B第一表・第二表の記入も必要です)

※事業の赤字を翌年度以降に繰り越す場合は、損失が出た年度に青色申告を行う必要があります。

ここでは、損失申告の概要と、第四表への記入方法をご紹介していきます。

 

目次

 

損失申告の意味とメリット

確定申告を行う際、本年度分の損失を来年度以降へ繰り越すことができます。繰り越した損失は、翌年以降の所得から差し引くことができます。

例:

2015年度の所得金額はマイナス100万円(赤字)だったため、所得税は発生しなかった。

翌2016年度の所得金額は150万円(黒字)だった。

損失申告を行わなかった場合、2016年度では150万円の利益(所得)に対して所得税が課税されます。

しかし、赤字となった2014年度に損失申告を行っていれば、2016年度では差し引き50万円(2016年の黒字150万円から、2014年の赤字100万円を差し引いた金額)の所得に対して課税され、支払う税金は少なくなります。

これが損失申告の意味とメリットです。



翌年度以降に繰り越せる損失(損失申告の対象)

下表の損失が発生した場合は、損失金額を翌年度以降3年間にわたって繰り越すことができます。

ただし、一般的な事業所得などの損失は、青色申告を行う場合のみ繰り越すことができます。(青色申告を行うメリットの1つです)

対象の損失

損失申告できる確定申告

損失の呼称

損失の説明

白色申告

青色申告

純損失

事業所得・不動産所得・譲渡所得・山林所得の損失を互いに差し引いたもの(後述する「損益通算」後に残った損失)

×

変動所得の損失

事業所得や雑所得のうち、以下のものが赤字だった場合の損失

  • 特定品種の漁業による所得
  • 真珠・真珠貝の養殖による所得
  • 印税・原稿料・作曲料などによる所得

被災者事業用資産の損失

震災などによって事業所得者の資産に生じた損失

雑損失

生活に必要な資産について災害・盗難・横領を受けた場合の損失
雑損控除として控除しきれず、かつ保険金などで補填しきれない損失)

株式等に係る譲渡損失

株式等の譲渡価格や・配当金について、取得価格を下回った金額

×

先物取引・FXに係る損失

先物取引やFXで生じた損失

×

各損失の詳しい定義や適用条件などは、国税庁が発行するこちらの手引をご参照ください。



損益通算について

翌年以降に繰り越すことができる損失額(赤字)は、本年度中の他の所得で生じた所得金額(黒字)と差し引いても残る損失額のみです。この差し引きを「損益通算」と呼びます。

例えば、2016年の事業所得が100万円の赤字でも、同じ年の不動産所得で100万円以上の黒字が出ているならば、そこで赤字が相殺されます。よってこの場合は、翌年度以降へ繰り越せる事業所得の損失はありません。

なお、損益通算については白色申告の場合でも行うことができます。(損益通算の結果残った損失分を翌年度に繰り越すには、青色申告を選択する必要があります)

損益通算の対象となる所得は、下表のように損失の種類によって決められています。

所得の種類については、こちらのヘルプページをご覧ください。

赤字が発生した所得

黒字を差し引ける所得
(左の所得から順に差し引くことが可能)

事業所得

経常所得※ → 譲渡所得 → 一時所得 → 山林所得 → 退職所得

不動産所得

譲渡所得

一時所得 → 経常所得 → 山林所得 → 退職所得

山林所得

経常所得 → 譲渡所得 → 一時所得 → 退職所得

※「経常所得」とは、事業所得・不動産所得・利子所得・配当所得・給与所得・雑所得を合計したものを指します。



記入前の準備

添付書類を用意する

以下の損失について損失申告を行う場合は、添付書類を別途作成する必要があります。

リンク先から書類のデータをダウンロードし、書類上の説明文を参照しながら必要事項を記入します。

損失の種類

損失申告時の添付書類

被災者事業用資産の損失

申告書付表(東日本大震災の被災者の方用)
※リンク先は平成27年度用

上場株式等に係る譲渡損失

確定申告書付表(上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除用)

特定投資株式に係る譲渡損失

確定申告書付表(特定投資株式に係る譲渡損失の繰越控除用)

先物取引・FXに係る損失

申告書付表(先物取引に係る繰越損失用)

 

第四表の記入を開始する

1.確定申告書類の作成画面を開き、右上の[直接入力編集へ]をクリックします。


2.[確定申告書B]タブ→[第一表の内容を編集]→[住所など基本情報を編集]を開きます。


3.「種類」欄で「損失」を「該当」へ変更し、[保存]ボタンをクリックします。


4.第四表のタブが画面に表示されますので、クリックして開きます。



損失申告の内容を第四表に記入する

freeeの第四表の入力画面は書類上の項目を直接編集するような形式になっています。

第四表に記入する内容については、こちらの国税庁の手引をご参照ください。

項目ごとの記入内容の解説

第四表の項目ごとに、記入内容の概要と手引の参照ページをまとめました。

こちらを参考にしながら、ご自身のケースに合わせて必要事項を記入します。

No.

項目名

記入内容の概要

手引の参照ページ

1

損失額又は所得金額

本年度中の損失額を計算・記入

6〜9ページ

2

損益の通算

本年度中の損失(赤字)と黒字所得を差し引く

9ページ

3

翌年以後に繰り越す損失額

損益通算後に残った損失額を、翌年度以降に繰り越す損失額として記入

10〜11ページ

4

繰越損失を差し引く計算

過去3年間に申告を行った損失のうち、本年度に繰り越す金額を記入

11〜14ページ

5

翌年以後に繰り越される雑損失の金額

本年度の雑損失を翌年以後に繰り越す場合に、その金額を記入

14ページ

6

翌年以後に繰り越される株式等に係る譲渡損失の金額

本年度の株式等に係る譲渡損失を翌年以後に繰り越す場合に、その金額を記入

14ページ

7

翌年以後に繰り越される雑損失の金額

本年度の先物取引・FXに係る損失を翌年以後に繰り越す場合に、その金額を記入

14ページ

 

事業所得のみがあり、前年以前に損失申告をしていない場合

例:

本年度から開業したが、まだ事業が軌道に乗らず、本年度に所得は発生しなかった。

事業所得以外の所得は発生しておらず、全体で赤字になってしまったため、損失額を申告して翌年度以降に繰り越したい。

※青色申告承認申請書は開業時に提出済みで、青色申告を行うものとする。

このような場合は、事業所得で生じた赤字(損失)額を8箇所に記入します。

具体的な記入手順は以下の通りです。

1.申告年度の取引をすべて登録します。

2.[確定申告]→[確定申告書類の作成]画面を開き、「基本」「収支」で必要事項を入力します。

3.直接編集画面を開き、第四表の記入を開始します。

4.「1 損失額又は所得金額」欄を開くと、事業所得の赤字額が反映されていますので、その金額をコピーします。


5.「2 損益の通算」を開き、「A 経常所得」(59)の5項目と、「損失額又は所得金額の合計額」欄(71)に、先ほどコピーした赤字額を貼り付けて、[保存]ボタンをクリックします。


6.「3 翌年以後に繰り越す損失額」を開き、「青色申告者の損失の金額」欄に先ほどコピーした赤字額を貼り付けて、[保存]ボタンをクリックします。

 

前年度から繰り越された損失額を本年度の所得から差し引く場合で、翌年以降に繰り越す損失額がない場合

本年度の所得から差し引く、前年度から繰り越された損失額を、第一表の(54)に記入します。翌年以降に繰り越す損失額がない場合、第四表の記入は不要です。

詳しくはこちらの記入例をご覧ください。

 

前年度から繰り越された損失額を本年度の所得から差し引く場合で、翌年以降に繰り越す損失額がある場合

このケースの場合、freeeでは記入に対応していませんので、税務署の窓口にお問い合わせの上、手書き等で作成します。

 

その他の記入例

以下に、国税庁サイトで掲載されている、ケースごとの記入例をご紹介します。

ご自身のケースに当てはまる記入例がある場合は、そちらをご参照ください。

 


参考:前年度に損失申告を行なっていないが、本年度の所得から損失分を差し引きたい場合

前年度に損失が発生していても、その年度に損失申告を行なっていない場合は、本年度の所得からその損失を差し引くことはできません。

お近くの税務署または専門家にご相談いただくことをお勧めいたします。