有価証券の売却は、振替伝票の入力によって処理します。
個人事業主の場合、売却損益が譲渡所得にあたるかどうかを考慮する必要があります。
有価証券を売却したとき(法人の場合)
帳簿価額と売却価額の差額を有価証券売却損益として計上するため、[決算申告]メニュー →[振替伝票]から振替伝票を入力します。入力方法については、「振替伝票を作成する(仕訳形式で記帳する)」のヘルプページをご覧ください。
※「有価譲渡」の税区分は、あらかじめ[設定]メニュー → [税区分の設定]から使用可能に設定しておきます。詳細は「 2. 消費税・税区分の設定を行う - 使用する税区分を設定する 」のヘルプページをご覧ください。
※有価証券購入時は[取引]→[取引の一覧・登録]から「役員有価証券/出金口座」の仕訳を作成します。
【例1】振替伝票での入力例:売却益が出る場合
帳簿価額100,000円の投資有価証券を150,000円で売却した。代金は、三井住友(法人)口座へ手数料500円(消費税率10%)を引いて入金された。
借方 | 貸方 | ||||
---|---|---|---|---|---|
勘定科目 | 税区分 | 金額(税込) | 勘定科目 | 税区分 | 金額(税込) |
三井住友(法人) | 対象外 | 149,500 | 投資有価証券 | 対象外 | 100,000 (=帳簿価額) |
有価証券売却益 | 対象外 | 100,000 (=帳簿価額) |
有価証券売却益 | 有価譲渡 | 150,000 (=売却価額) |
支払手数料 | 課対仕入10% | 500 |
※ 有価証券を売却して得た収益は、非課税の扱いとなり、税区分は「有価譲渡」となります。ただし、非課税となる対象は売却益ではなく売却価額であるため、借方と貸方に同じ勘定科目が入る複雑な仕訳となっています。
【例2】振替伝票での入力例:売却損が出る場合
帳簿価額100,000円の投資有価証券を70,000円で売却した。代金は、三井住友(法人)口座へ手数料500円(消費税率10%)を引いて入金された。
借方 | 貸方 | ||||
---|---|---|---|---|---|
勘定科目 | 税区分 | 金額(税込) | 勘定科目 | 税区分 | 金額(税込) |
三井住友(法人) | 対象外 | 69,500 | 投資有価証券 | 対象外 | 100,000 (=帳簿価額) |
有価証券売却損 | 対象外 | 100,000 (=帳簿価額) |
有価証券売却損 | 有価譲渡 | 70,000 (=売却価額) |
支払手数料 | 課対仕入10% | 500 |
※ 有価証券を売却して得た収益は、非課税の扱いとなり、税区分は「有価譲渡」となります。ただし、非課税となる対象は売却損ではなく売却価額であるため、借方と貸方に同じ勘定科目が入る複雑な仕訳となっています。
なお、ゴルフ会員権の売却は、通常の有価証券の売却と異なり課税取引となります。税区分は「課税売上」とします。
有価証券を売却したとき(個人事業主の場合)
事業用としての有価証券の保有は認められず、私用の株式投資とみなされます。このため、事業用口座に入金があった場合は「事業主借」で処理します。売却による所得は譲渡所得として扱い、事業所得とは別途に申告することとなります。