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「freee人事労務で自動計算された給与の金額」が「社労士による計算結果」や「社会保険料の納付書に記載されている金額」と異なっている場合、何らかの項目が正しく設定できていない可能性があります。
ここでは、保険料・税金の金額が誤っていた場合に設定内容を確認する方法について、事例に基づいてご紹介します。
※ 社会保険料の計算式については、「freee人事労務での給与の社会保険料等の計算式」のヘルプページもご覧ください。
本ページの手順に沿って設定を確認する前に、「給与明細の各項目の金額を確認する」のページの確認手順もご参照ください。
本ページでは、下記の2024年(令和6年)の場合を例にとり、控除項目の金額の確認手順をご紹介します。
例:
協会けんぽ(東京都)に加入している事業所における、燕太郎さんの2024年6月の給与明細・賞与明細。
【給与明細 (5月末締、6月25日支払い)】
【賞与明細 (6月15日支払い)】
健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料について確認する
給与明細の計算に影響する項目を確認する
加入している保険団体の保険料額表から確認できます(参考:協会けんぽ「保険料率」)。
「標準報酬額」は、前年の算定基礎届の提出に基づいた数字を用います。前年の算定基礎届の提出時に在籍していなかった従業員については、見込みの額を用います。
※ その他、固定的賃金の大幅な変動(随時改定)、産前産後の休業終了後、育児休業等の終了後の改定があった場合は、その等級を用います。
計算に影響する項目は次のとおりです。
項目 | 設定画面 | 用途 |
---|---|---|
加入している保険団体 | [設定]メニュー →[健康保険・厚生年金保険] | 社会保険料率を決めます |
従業員の標準報酬額 | [従業員]メニュー → 該当従業員を選択 → [社会保険] | 標準報酬額の等級を設定します |
社会保険料の徴収月 | [設定]メニュー→[締め日支払い日] | 徴収月を当月・翌月から設定します |
※ 定額制の健康保険の場合は、各従業員に対して設定した健康保険料額が反映されます。
会社が加入する保険団体
会社が加入する保険団体は、freee人事労務の[設定]メニューからアクセスできる[健康保険・厚生年金保険]の項目で設定します。協会けんぽの場合は、都道府県も選択します。
詳しくは「健康保険・厚生年金保険を設定する」のヘルプページをご覧ください。
従業員の標準報酬月額
各従業員の社会保険の加入状況・標準報酬月額は、[従業員]メニュー → 各従業員の詳細画面の[社会保険]の項目で設定します。報酬には、通勤手当、家族手当なども含めます。
詳しくは「従業員の情報を編集する - 社会保険」のヘルプページをご覧ください。
社会保険料の徴収月
社会保険料の徴収月は、メニュー[設定]→[締め日支払い日]の項目で設定します。
詳しくは「締め日支払い日を設定する」のヘルプページをご覧ください。
給与にかかる健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料
算定基礎の額を該当する期間の保険料額表にあてはめて求めます。
燕太郎さんの場合、協会けんぽ(東京都)の料額表を参照します。
昨年の算定基礎届の提出時に燕太郎さんの報酬月額は298,000円であっため、「290,000 〜 310,000」の行を参照します(介護保険料は、40歳以上65歳未満の従業員にかかるため、28歳の燕太郎さんは対象外です)。
出典:協会けんぽ「令和6年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表」より加工して作成
会社と従業員で折半額を負担するため、ここでは折半額の欄を参照します。
2024年6月支払いの燕太郎さんの給与明細
給与明細の控除欄の「健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料」の欄に、保険料額表どおりの数字が反映されます。
※ 1円未満の端数については、50銭以下が切り捨て、50銭超が切り上げとなります。
賞与にかかる健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料
給与のときと異なり、千円未満切り捨ての賞与額に保険料率を乗じて計算します。
なお、厚生年金保険料の対象となる賞与の上限は150万円となっています。
事例の場合、保険料率は下記のようになります。
- 健康保険料率:今回の事例の場合「介護保険第2号被保険者に該当しない場合」となり、従業員負担は折半のため、健康保険料率は9.98%の半分の4.99%となります。
- 厚生年金保険料率:今回の事例の場合「一般の被保険者」に該当となり、従業員負担は半額のため、厚生年金保険料率は18.300%の半分の9.15%となります。
出典:協会けんぽ「令和6年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表」より加工して作成
2024年6月支払いの燕太郎さんの賞与明細
事例の場合、給与明細の控除欄の「健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料」の欄に、下記の計算式で算出された金額が反映されます。
- 健康保険料:賞与額500,000円×健康保険料率0.0499=健康保険料24,950円
- 厚生年金保険料:賞与額500,000円×厚生年金保険料率0.09.15=厚生年金保険料45,750円
※ 1円未満の端数については、50銭以下が切り捨て、50銭超が切り上げとなります。
雇用保険料について確認する
雇用保険料は、従業員に支払う賃金額に雇用保険料率をかけて算出します。
労働の対償として支払うものすべてが賃金となり、役員報酬以外の基本給・賞与・通勤手当・家族手当・住宅手当などをすべて含み、税金や社会保険料等の控除前の金額となります。
※ 詳しくは、「労働保険の年度更新について(毎年7月)」のヘルプページをご覧ください。
計算に影響する項目は次のとおりです。
項目 | 設定画面 | 用途 |
---|---|---|
会社の業種 | [設定]メニュー →[雇用保険] | 雇用保険の料率を決めます |
従業員が雇用保険の加入対象か |
[従業員]メニュー → 該当従業員を選択 →[労働保険] |
加入状況を設定します |
会社の業種は、freee人事労務の[設定]メニューからアクセスできる[雇用保険]の項目で設定します。設定した業種に基づき料率が適用されます。
雇用保険料率表
雇用保険料率表は、厚生労働省の「令和6年度の雇用保険料率について」をご確認ください。
雇用保険の加入対象かの確認方法
各従業員が雇用保険の加入対象であるかどうかは、[従業員]メニュー → 各従業員の詳細画面の[労働保険]タブから「雇用保険」の項目で設定します。
給与にかかる雇用保険料
賃金総額に労働者負担率を乗じた金額が控除されています。
2024年6月支払いの燕太郎さんの給与明細
事例の場合、給与明細の控除欄の「雇用保険料」の欄に、下記の計算式で算出された金額が反映されます。
- 雇用保険料:賃金総額300,000円×労働者負担率0.006=雇用保険料1,800円
賞与にかかる雇用保険料
給与のときと同じ方法で計算します。
2024年6月支払いの燕太郎さんの賞与明細
事例の場合、賞与明細の控除欄の「雇用保険料」の欄に、下記の計算式で算出された金額が反映されます。
- 雇用保険料:賞与総額500,000円×労働者負担率0.006=雇用保険料3,000円
所得税について確認する
社会保険料等控除後の報酬額を、「給与所得の源泉徴収税額表(令和6年分)」または「電算機特例計算(令和3年分~令和6年分)」にあてはめて税額を求めます。
計算に影響する項目は次のとおりです。
項目 | 設定画面 | 用途 |
---|---|---|
基本給、住宅手当など | [従業員]メニュー → 該当従業員を選択 →[基本給と割増賃金][手当][控除] | 所得税の対象になります |
各社会保険料 | [従業員]メニュー → 該当従業員を選択 →[社会保険]または[労働保険] | 所得税の対象から差し引かれます |
扶養親族の人数 | [従業員]メニュー →[税] | 扶養親族の人数によって、同じ給与額でも所得税額が変わります |
前月の給与額から社会保険料を控除した額 | 前月の給与明細 | 賞与の所得税率が変わります |
納税者区分及び扶養親族等の数は[従業員]メニュー → 各従業員の詳細画面の[税]タブから「所得税」の項目で設定します。
詳しくは「従業員の情報を編集する - 税」のヘルプページをご覧ください。
なお、扶養親族等の数の条件などは、国税庁の「平成 30 年分以降の配偶者控除及び配偶者特別控除の取扱いについて ~ 毎月(日)の源泉徴収のしかた ~」をご覧ください。
給与にかかる所得税
従業員の月給を、所得税の「給与所得の源泉徴収税額表(令和6年分)」にあてはめた金額で計算されます。
- 従業員の社会保険料等控除後の給与を算出します。
事例の場合、計算式は次のとおりです。-
従業員の社会保険料等控除後の給与:賃金額300,000円 - 健康保険料14,970円 - 厚生年金保険料27,450円 - 雇用保険料1,800円 = 社会保険料等控除後の給与等255,780円
※ 非課税通勤手当を除く
-
従業員の社会保険料等控除後の給与:賃金額300,000円 - 健康保険料14,970円 - 厚生年金保険料27,450円 - 雇用保険料1,800円 = 社会保険料等控除後の給与等255,780円
- 給与所得の源泉徴収税額表の「その月の社会保険料等控除後の給与等の金額」に従業員の給与を当てはめます。
事例の場合、(扶養親族等の数が1人で、給与が255,780円)所得税額は5,140円になります。
出典:国税庁「給与所得の源泉徴収税額表(令和6年分)」より加工して作成
2024年6月支払いの燕太郎さんの給与明細
事例の場合、賞与明細の控除欄の「所得税」の欄に、税額表の数字「5,140円」がそのまま反映されます。
賞与にかかる所得税
まず、「前月の給与額から社会保険料等を控除した額」 と「扶養親族等の数」を「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(令和6年分)」にあてはめることで所得税率を決定します。
求めた所得税率を社会保険料控除後の賞与額に乗じて、所得税額を計算します。
事例の場合(扶養親族等が1名で、前月の社会保険料等控除後の給与額が252,957円の場合)、「賞与の金額に乗ずべき率」は4.084%となります。
出典:国税庁「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(令和6年分)」より加工して作成
2024年6月支払いの燕太郎さんの賞与明細
- 社会保険料控除後の賞与額:賞与額500,000円 - 健康保険料24,950円 - 厚生年金保険料45,750円 - 雇用保険料3,000円 = 社会保険料控除後の賞与額426,300円
- 賞与にかかる所得税額:社会保険料控除後の賞与額426,300円 × 所得税率0.04084 = 税額17,410円
なお、前月の給与額が存在しない場合、 社会保険料等控除後の賞与額を6で割り、月額表に算定された数字をあてはめて税額を求めます(賞与の計算期間が半年を超える場合は、12で割ります)。
住民税について確認する
住民税は、通知額をもとに各従業員に対して設定した値が反映されています。
なお、賞与からは住民税は徴収されません。
計算に影響する項目は次のとおりです。
項目 | 設定画面 | 用途 |
---|---|---|
特別徴収を行うかどうか | [設定]メニュー →[所得税・住民税] | 会社が特別徴収を行うかを決めます |
住民税の金額 | [従業員]メニュー → 該当従業員を選択 →[税] | 住民税の金額を直接設定します |
住民税の特別徴収(会社が従業員に代わって納付)を行うかどうかは、freee人事労務の[設定]メニューからアクセスできる[所得税・住民税]項目で設定します。
特別徴収する場合、住民税徴収方法の「会社が住民税を徴収(住民税特別徴収)する」項目にチェックを入れ、保存します。
特別徴収を行う設定としている場合、前年の所得に基づいた住民税額が市区町村から通知されますので、その金額を[従業員]メニュー → 従業員の詳細画面[税]タブから「住民税」の項目に入力します。
2024年6月支払いの燕太郎さんの給与明細
「控除」項目の「住民税」に、6月の住民税月額が反映されます。
退職月の社会保険料の給与明細での表示
締め日支払い日設定において、当月払いを設定しており、かつ退職日が月の末日である場合には退職月にて社会保険料を二ヵ月分徴収することとなります。
該当従業員の給与明細 および 給与明細画面の「控除」項目に、健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料が二段書きで表示されます。
【該当従業員の給与明細】
【給与明細画面の「控除」項目】