記帳をカンタンにするため、freeeでは銀行口座・クレジットカードについてプライベートと事業用で分けることをオススメしております。
しかし、銀行口座・クレジットカードについてプライベートと事業用の利用が混ざってしまうことがあります。その際の記帳についてご案内します。
目次
口座登録の判断チャート
プライベートと事業用で兼用となってしまう銀行口座・クレジットカードがある場合でも、freeeで同期設定をすることでより業務を効率化できるケースがあります。
下記チャートから、事業所の事情に合わせて判断しましょう。
判定番号 |
判定内容 |
「はい」 |
「いいえ」 |
---|---|---|---|
判定1 |
その銀行口座・クレジットカードは、事業用として用いることが多いですか? |
選択肢A へ |
判定2 へ |
判定2 |
事業用の入出金・クレジットカード利用の件数は多いですか? ※ 目安は「1か月に10件以上存在するか」です。 |
選択肢A へ |
選択肢B へ |
選択肢A:freeeに口座を登録する
freeeでは、日々の取引における入出金を管理する手段として「口座」を用いることができます(口座の詳細については「 「口座」について 」をご覧ください)。また、口座を登録後、明細の同期設定を行うことで、登録した口座の利用明細等を自動的にfreeeに取り込み、「 自動で経理 」による記帳作業を効率化することも可能です。
口座の登録方法については「 銀行やクレジットカードを登録する(口座を登録) 」をご覧ください。
選択肢B:freeeに口座を登録しない
freeeでは、口座を登録せず日々の取引を記帳することもできます。これは、事業用途の入出金が比較的少ない場合に有効で、 手動で取引を登録する方法 や 振替伝票で登録する方法 などを用いることができます。
freeeに口座を登録する場合 / 口座を登録しない場合の各特徴は、下表のとおりです。
口座を登録する場合 | 口座を登録しない場合 | |
---|---|---|
ひとこと解説 | 記帳は効率化できるが、プライベート利用分も記帳する必要あり | 手動登録になるが、事業での利用分だけ記帳すればOK |
同期による 記帳効率化 |
◯ 同期によって効率化可能 |
△ 同期不可 |
記帳する必要が あるもの |
△ プライベート利用分も含む すべての入出金 |
◯ 事業での利用分のみ |
決算書(BS) への残高計上 |
口座残高が事業上の資産・負債として計上される | 口座残高は決算書には計上されない |
個人事業主のプライベート兼用口座の処理
銀行口座
個人事業主の銀行口座は、プライベートのお金と混ざっていても問題ありません。ただし、プライベート資金の出入りについては事業主勘定で処理し、所得(損益)に影響しないようにする必要があります。
- プライベートのお金をfreeeの口座へ移動入金したら「事業主借」として記帳
- freeeの口座からプライベートのへお金へ移動を移したら「事業主貸」として記帳
記帳のチェックを効率化する上では、銀行口座残高 = freeeの口座残高 とし、プライベートのお金もfreeeの口座に含めることがオススメです。
なお、開始残高として入力するプライベートのお金は、借方の預金残高と貸方の「元入金」へ反映されます。
クレジットカード
freeeに口座登録しているかどうかで、処理方法が変わってきます。
カードの 口座登録 |
引き落とし先 銀行の口座登録 |
帳簿付けの方法 |
---|---|---|
◯ 登録済 |
◯ 登録済 |
【クレジットカードの利用】
【クレジットカード利用金額の引き落とし】 |
◯ 登録済 |
× 登録無 |
【クレジットカードの利用】
【クレジットカード利用金額の引き落とし】
|
× 登録無 |
◯ 登録済 |
【クレジットカードの利用】
(※)相手勘定科目として、営業債務の場合は「買掛金」、営業外債務の場合は「未払金」が使用されていることを確認します。
【クレジットカード利用金額の引き落とし】 |
× 登録無 |
× 登録無 |
【クレジットカードの利用】
(※)相手勘定科目として、営業債務の場合は「買掛金」、営業外債務の場合は「未払金」が使用されていることを確認します。
【クレジットカード利用金額の引き落とし】
|
【ご注意】事業目的・プライベート目的が両方含まれる費用の支払いについて
個人事業主の日々の取引の中では、事業目的とプライベート目的が両方含まれる費用を支払うことがあります。主な例は次のとおりです。
- 自宅兼事務所の家賃
- 自宅兼事務所の水道光熱費や通信費
- プライベート所有の自動車を事業用途に使用した際にかかる諸費用
これらは支払った金額のうち、 事業目的の部分のみを費用(必要経費)として計上する 必要があり、これを「家事按分」(かじあんぶん)といいます。
家事按分についての詳細は「 家事按分を登録する 」も併せてご覧ください。
法人のプライベート兼用口座の処理
銀行口座
法人の銀行口座は、残高確認の観点からプライベート兼用ということは適切でないと考えられます。
もし個人名義の口座をfreeeに登録した場合、銀行口座の残高は会社のお金として扱います。
なお、個人名義の銀行口座を利用して法人の経理をすることは不正なことではありません。ただし、請求書に記載する振込先としての利用を断られたり、口座振替契約を行うときの引落先等として利用することができない場合があるため、法人用の銀行口座を開設するのが一般的です。
- プライベートのお金をfreeeの口座へ移動したら「役員借入金」として記帳
- freeeの口座からプライベートのへお金へ移動したら「役員貸付金」として記帳
クレジットカード
クレジットカードも、法人では事業用とプライベート用をしっかり分けて兼用しないことを推奨します。
処理方法は、引き落とし口座へのfreeeの登録状況によって異なってきます。
また、個人名義のクレジットカードであっても、freeeに「口座」として登録した場合は法人のカードとして扱います。(クレジットカードを口座として登録すると未払金として計上されるため)
カードの 口座登録 |
引き落とし先 銀行の口座登録 |
帳簿付けの方法 |
---|---|---|
◯ 登録済 |
◯ 登録済 |
【クレジットカードの利用】
【クレジットカード利用金額の引き落とし】 |
◯ 登録済 |
× 登録無 |
【クレジットカードの利用】
【クレジットカード利用金額の引き落とし】
|
× 登録無 |
◯ 登録済 |
【クレジットカードの利用】
(※)相手勘定科目として、営業債務の場合は「買掛金」、営業外債務の場合は「未払金」が使用されていることを確認します。
【クレジットカード利用金額の引き落とし】 |
× 登録無 |
× 登録無 |
【クレジットカードの利用】
(※)相手勘定科目として、営業債務の場合は「買掛金」、営業外債務の場合は「未払金」が使用されていることを確認します。
【クレジットカード利用金額の引き落とし】
|
法人名義のクレジットカードを事業目的 / プライベート目的で兼用することは推奨されません。そのため、可能な限り個人的な出費には利用しないようにしましょう。
兼用口座を事業専用に切り替える場合の処理
事業・プライベート兼用の口座を事業専用に切り替える場合、以下のように切り替えを行います。
兼用口座をfreeeに登録していた場合
切り換えの際に何かを登録・設定する必要はありません。
兼用から専用に切り替わることで「事業主貸や役員貸付金の取引を登録することがなくなる」という変化はありますが、もともと「口座」として登録しているのであればすでに決算書上も事業専用の口座として扱われています。
兼用口座をfreeeに登録していなかった場合
兼用である間はfreeeに「口座」として登録されていませんので、利用時には「プライベート資金/役員資金」決済の取引を登録することになります。
事業専用の口座に切り替えた際は、その口座の残高を決算書に乗せる必要が生じますので、以下の登録を行います。
- [口座を登録]画面より、ご利用の金融機関を選んで「口座」としてfreeeに登録します。
- 帳簿上の残高を実際の残高に合わせるため、手動で以下の取引を登録します。
- 収支:収入
- 科目
- 個人事業主の場合:事業主借
- 法人の場合:役員借入金
- 日付:事業専用に切り替えた日付
- 金額:上記日付時点の実際の残高
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