消費税申告ライトをご利用の場合は「消費税の確定申告を行う」を参照ください。
消費税の課税事業者に該当する事業者は、決算期末から2ヶ月以内に消費税の確定申告を行います。消費税の申告納税額は、日頃の取引に設定した消費税の税区分から自動的に計算されます。
期末のfreeeへの入力処理については、「消費税の中間納付・期末の処理を行う」をご確認ください。
国税庁の手引等は「消費税及び地方消費税の申告書・添付書類等」からご確認ください。
目次
消費税の設定を確認する
消費税の納税額は、日々の取引に設定した税区分から計算します。
このため、申告書作成を行う前に、以下の消費税の設定をしておきます。
freee会計の[その他設定]メニュー →[事業所の詳細設定]から、消費税課税方式など消費税にまつわる項目などを設定します。詳しくは「消費税・税区分の設定を行う - 課税方式・経理処理方法を設定する」をご覧ください。
freee会計の[マスタ・口座]メニュー →[税区分]から、取引の登録時に使用する税区分を設定します。詳しくは「消費税・税区分の設定を行う - 税区分・消費税率を設定する」をご覧ください。
インボイス制度への対応[令和5年(2023年)10月1日~]
令和5年(2023年)10月1日より施行されるインボイス制度にあわせ、税区分の設定の「買い手側対応機能」を「使用する」に設定している場合、経過措置期間用の税区分が使用可能です。
買い手側対応機能が「使用しない」になっている場合は以下の通りに設定します。
- freee会計の[マスタ・口座]メニュー →[税区分]を開きます。
- 「インボイス制度関連」の[設定]をクリックします。
- 「freee会計上でインボイス制度関連の買い手側の機能を使用しますか?」に対して[使用する]を選択し、[保存]をクリックします。
- [保存]ボタンをクリックすると再び税区分の設定画面が表示され、買い手側対応機能が「使用する」になっていることが確認できます。
なお、買い手側対応機能を「使用する」に設定した場合、「適格チェックボックスと税区分」が表示されます。
こちらについても設定が必要となりますので、設定方法については「インボイス制度買い手側関連の設定を行う - 適格チェックボックスと税区分の設定」をご確認ください。
参考:経過措置期間用の税区分の消費税計算方法
freee会計では、経過措置期間用の税区分の消費税の計算を下表の計算式によって算出しています。
※経過措置期間用の税区分を選択した場合は内税固定・手動編集ができなくなります。
発生日 |
控除割合 | 使用する税区分 | 消費税の計算式 |
---|---|---|---|
2023年10月1日~ 2026年9月30日 |
80% | 課対仕入(控80)10% | 税込金額 × 10/110 × 80/100 |
課対仕入(控80)8%(軽) | 税込金額 × 8/108 × 80/100 | ||
2026年10月1日~ 2029年9月30日 |
50% | 課対仕入(控50)10% | 税込金額 × 10/110 × 50/100 |
課対仕入(控50)8%(軽) | 税込金額 × 8/108 × 50/100 |
なお、freee会計上で計算された消費税額を確認する際は、[確定申告]または[決算申告]メニュー →[消費税区分別表]から確認が可能です。
詳しくは、「消費税区分別表・消費税集計表を確認する」をご覧ください。
買い手側対応機能を「使用しない」にした場合
買い手側対応機能を「使用しない」に設定した場合、以下のようになります。
- 「適格請求書等」欄が表示されない
- 該当箇所:取引の登録画面、ファイルボックスの「取引登録」、自動登録ルール、取引テンプレート
- 「適格」のチェックボックスが表示されない
- 該当箇所:自動で経理、取引の詳細登録画面
- 税区分の選択肢に経過措置期間用の税区分が表示されない
- 該当箇所:取引の詳細登録、自動で経理、経費精算、支払依頼、連続取引登録、振替伝票など税区分の入力する箇所全て
「暫定登録用の税区分」について
[税区分の設定]の一覧にある税区分のうち、「暫定登録用の税区分」と記載のある税区分は、正確な税区分がわからない取引を暫定的に登録しておくためのものです。
よって、暫定登録用の税区分は基本的に使用しません。
この税区分で登録している取引がある場合は消費税集計表・消費税申告書を作成できませんので、事前に正しい税区分を調べて取引を修正しておく必要があります。
上記の設定を前提とし、日々の記帳を行っていきます。
消費税の集計状況を確認する
「消費税区分別表」から、消費税の集計・計算内容を確認します。
勘定科目ごとの税区分の集計と記帳状況を、freee会計の[決算申告]メニュー →[消費税区分別表]から確認します。
ここで税区分ごと、勘定科目毎に取引内容と税区分の選択が適切かの精査を行います。勘定科目の青字の所をクリックすると、その勘定科目と税区分で経理された取引が絞り込まれて表示されます。
その際に留意すべき項目の代表的なものとして、次のようなものがあります。(消費税法基本通達は国税庁「消費税法基本通達」をご覧ください)
場合分け | 留意点 | 区分別表での確認方法 |
---|---|---|
輸出売上があった場合 | 「輸出売上」の税区分とする。 | 「輸出売上」の税区分の欄に、輸出売上として経理した取引の金額が反映されているか。また、その取引一覧に漏れなく表示されているか。 |
輸入を行った場合 |
・仕入(仕入、保険、運賃)、関税は「課対輸本」など”輸本”の税区分とする。 ・支払う消費税は国税分を「課対輸税」などの”輸税”、地方消費税分を「地消貨割」の税区分とする。 ・通関料は「対象外」、国内での手数料や運賃は「課対仕入」等とする。 |
税区分に「課対輸本」や「課対輸税」の項目があるか、またそこで経理された金額があるかを確認する。 通関料などについては、それが経理された勘定科目をクリックし、取引一覧の中に該当の取引が含まれているか。 |
固定資産の売却損益が発生した場合 | 売却損益でなく、売却価額総額に対して税区分を設定する。 | 勘定科目「固定資産売却損益」の金額が、売却価額総額となっているかを確認する。 |
土地の売買取引を行った場合 | 取得・売却は「非課売上」または「非課仕入」、手数料は「課対仕入」とする。 | 「非課売上」または「非課仕入」に土地の売買取引の金額が反映されているか。また、手数料については「課対仕入」に反映されているか。 |
貸倒損失が発生した場合 | 「課税売倒」など、貸倒用の税区分とする。 | 「課税売倒」など貸倒れに関する税区分の欄に金額が表示され、それが貸倒れた金額となっているか。 |
貸倒債権の回収をした場合 | 過去に貸倒として消費税申告上処理したものについて回収した場合、「課税売回」を用いる。 | 「課税売回」の税区分の欄に金額が表示され、回収された債権金額が表示されているか。 |
消費税額が概算金額(実際に自身で計算した金額)より明らかにずれている場合における確認事項
「汎用形式の仕訳データ」をインポートしたことがないかを確認してください。
もし、インポートしている場合は、「借方税額」と「貸方税額」項目が正しく入力されていたかを確認してください。「借方税額」または「貸方税額」が空欄になっていると、「借方税区分」「貸方税区分」が入力されていても「税額」は自動計算されるわけではなく、「0円」で取り込まれてしまいます。
必ず「借方税額」と「貸方税額」を入力した状態でインポートしてください。
大量に修正が必要な場合、freee会計の[取引入力]メニュー →[収入・支出形式(取引の一覧・登録)]で該当の取引を複数選択し、一括編集を用いて編集します。
消費税及び地方消費税の確定申告書と付表を作成する
個人の場合はfreee会計の[確定申告]メニュー →[確定申告(所得税・消費税)]→[消費税申告書類の作成]ボタンから、
法人の場合はfreee会計の[決算申告]メニュー →[消費税申告書]から、確定申告書と付表を作成します。
- 新規に消費税申告書を作成・編集します。
[消費税申告]から[新規作成]を選択すると、新しく申告書を作成できます。 - 既に作成した申告書がある場合には、[選択]ボタンで編集したい消費税申告書を選んでください(選択中と表示されます)。
- 新規作成、または、選択した申告書の基本情報、税区分基礎データ、申告書補助データを編集します。入力が完了すると、申告書の作成は完了です。
基本情報 ※ヘルプページ
- 基本情報
- 申告する事業者の基本情報を入力してください。法人と個人事業者の場合で入力項目が異なります。
- 申告情報
- 消費税の計算方法の選択と、記載事項の入力を行います。
- 税理士情報
- 税理士による代理申告を行う場合に、税理士についての情報を入力します。代理申告を行わない場合は、入力不要です。
- 申告対象の課税期間に該当する消費税区分別表からデータを連携します。ここで集計したデータから消費税申告書を作成します。
- 中間納付税額や、固定資産に係る消費税額の調整額など、消費税区分別表からは連動できない金額の入力を行います。
- 基本情報
消費税の還付申告に関する明細書を作成する
納付すべき消費税額がない場合、課税事業者は確定申告書を提出する必要はありません。しかし、開業当初で設備投資が先行する場合・輸出を行っている場合など、還付金が発生する場合は還付申告をすることができます。還付申告では、「消費税の還付申告に関する明細書」を申告書と併せて提出します。
中間納付があり、且つ消費税確定申告書の[⑧控除不足還付税額]が0の場合は「消費税の還付申告に関する明細書」の提出は不要です。また、2割特例適用時にも提出は不要です。
「消費税の還付申告に関する明細書」を作成する場合の操作方法は「消費税の還付申告を行う(2023年10月1日~)」をご覧ください。
申告書類を提出し納税する
申告書の内容を確認し金額に問題がない場合は、「申告書の提出」から消費税の申告を行います。詳しくは「消費税申告書を提出する」をご覧ください。
消費税の中間申告について
消費税の中間申告制度について
直前課税期間の確定消費税額(国税の年間の金額で、地方消費税分を含まない額)が48万円超となり、中間申告の義務がある場合、申告書に記載された税額を期限までに納付します。税務署から届いた「消費税及び地方消費税の中間申告書(第26号様式)」に記入し税務署に提出します。
中間申告の回数と納付額は次の表の通りです。
直前課税期間の確定消費税額 | 中間申告回数 | 中間納付額 |
---|---|---|
48万円以下 | 不要 | - |
48万円超 ~ 400万円以下 | 年1回 | 直前の課税期間の確定消費税額の1/2 |
400万円超 ~ 4,800万円以下 | 年3回 | 直前の課税期間の確定消費税額の1/4 |
4,800万円超 | 年11回 | 直前の課税期間の確定消費税額の1/12 |
※ 予め届出書を提出することで、中間申告義務のない事業者であっても年1回の中間納付をすることができます。詳しくは、国税庁「任意の中間申告制度」をご覧ください。
※ 仮決算に基づいて申告・納付する場合は、中間納付額は表の通りではなく、確定申告と同様に計算に基づいた数字となります。また、その場合は申告書の提出は省略できません。
納付の期限は、次の表の通りです。
中間申告回数 | 期限 |
---|---|
年3回以下 | 各中間申告対象期間の末日の翌日から2月以内 |
年11回 | 課税期間開始後の1月分…その課税期間開始日から2月を経過した日から2月以内 |
上記1月を除く月の分…各中間申告対象期間の末日の翌日から2月以内 |
中間申告書の作成方法について
freee申告では予定申告の作成に対応しています。「消費税の中間申告書(予定)を作成する」または、「消費税の中間申告書(仮決算)を作成する」をご覧ください。
中間申告のfreeeへの登録について
中間納付を行った際は、確定申告書の「申告書補助データ」の中間納付税額欄に納付した金額を入力してください。詳しくは「消費税の中間納付・期末の処理を行うには?」をご覧ください。
参考:課税期間を短縮している場合
課税期間を短縮している場合は、作成時に短縮期間に合わせて設定を行い、短縮期間用の申告書を作成します。
例:3ヵ月に短縮している場合
なお、課税期間を1ヵ月または3ヵ月に短縮するためには、所轄の税務署へ事前に届出書を提出している必要があります。
また、年換算(※)で課税売上高が5億円を超える場合は、全額控除を受けられません。詳しくは国税庁「消費税法改正のお知らせ」をご覧ください。
※ 4~6月の3ヶ月に短縮している場合、【(3ヶ月の)課税売上高 ÷ 3 ×12】が年換算の課税売上高
参考:リバースチャージの対応について(特定課税仕入)
リバースチャージの対象となった取引について仕入税額控除を行う場合、確定申告書の「申告書補助データ」の申告書補助データに納付した金額を入力してください。
リバースチャージ方式については「リバースチャージ方式の対象取引を登録する」をご覧ください。