このページでは、インボイス制度におけるケースごとの対応方法について説明します。
freee会計の機能面における対応は「freee会計におけるインボイス制度に対応した機能一覧」をご確認ください。
目次
一般(本則)課税事業者の方
請求書等を発行する側(売り手)の設定
事業所の設定で消費税の課税方式を「一般課税」に設定する必要があります。設定方法は以下の通りです。
- [設定]メニュー →[事業所の設定]を開きます。
- [詳細設定]タブを開きます。
- 「課税方式と事業区分」の「課税方式」にて、自社で採用している課税方式を選択します。それぞれの課税方式については、「消費税・税区分の設定を行う - 各課税方式の違い」をご確認ください。
- 「消費税申告の計算方式」の「計算方式」にて、自社で採用している計算方式を選択します。なお、インボイス制度導入後の計算方式については、「消費税額の計算方法(割戻し計算・積上げ計算)について」をご確認ください。
- 設定が完了したら[保存]をクリックします。
なお、一般(本則)課税を選択している場合の取引登録については、「一般課税を選択している場合の取引登録方法」をご確認ください。
請求書等を受け取る側(買い手)の設定
税区分の設定のインボイス制度関連で以下の設定を行います。
- 買い手側対応機能
- 「使用する」に設定
- 適格チェックボックスと税区分
- デフォルト:「該当する」または「該当しない」に設定
- 取引先情報に連携:「連携する」または「連携しない」に設定
これらの設定方法や反映される内容については「インボイス制度関連の設定を行う」で詳しく説明していますので、こちらをご確認ください。
また、取引先がインボイス制度に対応しているかの確認も必要です。
取引先の設定の[適格チェック]をクリックすると、「適格請求書発行事業者に該当する」にチェックが入っている取引先に対して、国税庁のデータベースと照合することができます。
詳しくは、「「適格請求書発行事業者の登録番号」が国税庁のデータベースに存在するか確認する」をご確認ください。
適格請求書発行事業者に該当する取引先のうち、登録番号が入力されていない場合は、以下の手順で設定を行ってください。
- [設定]メニュー →[取引先の設定]を開きます。
- 該当の取引先をクリックし、[編集]ボタンをクリックします。
- 「適格請求書発行事業者の登録番号(13桁)」に取引先から通知された登録番号を入力し、[保存]をクリックします。
なお、[存在する番号かチェック]をクリックすると、国税庁のデータベースに登録されている番号であるか照合できます。
適格請求書発行事業者の登録番号について
税務署から通知される登録番号は「T + 数字13桁」から成り、法人と個人で内容が異なります。
- 法人:T + 法人番号
- 個人:T + マイナンバーは用いず、法人番号とも重複しない13桁の数字
インボイスへ記載する際は「T1234567890123」のような形で記載します。
免税および簡易課税事業者の方
請求書等を発行する側(売り手)の設定
事業所の設定で消費税の課税方式を免税事業者の方は「免税」、簡易課税事業者の方は「簡易課税」に設定する必要があります。
freee会計を契約した直後は「免税」に設定されているため、免税事業者の方は設定不要です。簡易課税事業者の方が「免税」に設定されている場合は、以下の方法で「簡易課税」に設定してください。
- [設定]メニュー →[事業所の設定]を開きます。
- [詳細設定]タブを開きます。
- 「課税方式と事業区分」の「課税方式」にて[簡易課税]を選択します。
- 「簡易課税の事業区分」にて自社に該当する事業区分を選択します。
簡易課税の事業区分については「消費税の簡易課税制度について - 簡易課税制度における業種の分類」をご確認ください。
なお、簡易課税用事業区分が2種類以上該当する場合は、事業の比率が最も大きいものを選択することをおすすめします。
- 必要に応じて「今年度中に登録した取引の税区分を一括更新」「勘定科目の税区分を一括更新」「税区分の「使用」を一括更新」にチェックを入れます。それぞれの項目については「消費税・税区分の設定を行う - 簡易課税を選択した場合の設定」をご確認ください。
- 「消費税申告の計算方式」の「計算方式」にて[売上(割戻し)]を選択します。なお、インボイス制度導入後の計算方式については、「消費税額の計算方法(割戻し計算・積上げ計算)について」をご確認ください。
- 設定が完了したら[保存]をクリックします。
なお、簡易課税を選択している場合の取引登録については、「簡易課税を選択している場合の取引登録方法」をご確認ください。
freee会計では、経理方式を期中で変更する設定はありません。
そのため、インボイス制度により2023年10月に課税事業者となり、期中で経理処理を税抜経理方式に変更されたい方は、9月以前の取引の税区分を「対象外」に設定してください。
※一般的には期中で経理方式を変更する必要はありません。判断に迷われる方は、専門的な判断を要するため、一度税務署または税理士にご確認いただくことをお勧めします。
請求書等を受け取る側(買い手)の設定
税区分の設定のインボイス制度関連で以下の設定を行います。
- 買い手側対応機能
- 「使用しない」に設定
買い手側対応機能が「使用する」に設定されている場合、以下の手順で変更します。
- [設定]メニュー →[税区分の設定]を開きます。
- 「インボイス制度関連」の[設定]をクリックします。
- 「freee会計上でインボイス制度関連の買い手側の機能を使用しますか?」について[使用しない]を選択し、[保存]をクリックします。
- 再び税区分の設定画面が表示され、買い手側対応機能が「使用しない」に設定されていれば完了です。
インボイスに対応した請求書を発行する場合
事前準備
インボイスに対応した請求書を作成する場合、以下を設定する必要があります。
適格請求書発行事業者の登録番号を設定する
- [設定]メニュー →[事業所の設定]を開きます。
- 「基本情報設定」タブが表示されるので、画面下の[適格請求書発行事業者の登録番号の設定]をクリックします。
- freeeアカウント管理の事業所管理画面に遷移するので、[適格請求書発行事業者に該当する]にチェックを入れ、法人の場合は法人番号を、個人事業主の場合は国税庁から通知された13桁の番号を入力し、[設定の保存]をクリックします。
法人の場合
個人事業主の場合
登録番号が記載された請求書のテンプレートを作成する
- [受発注]メニュー →[請求書]を開きます。
- [帳票テンプレート]をクリックします。
- 帳票種別で請求書を選択し、[新規作成]をクリックします。
- 「帳票種別とレイアウトの選択」画面でお好みのレイアウトを選択し、[次へ]をクリックします。
- 「テンプレートの編集」画面が表示されますので、[基本設定]タブにて「テンプレート名」や「振込先」などの項目を入力し、[保存]をクリックします。
- 続いて[表示項目設定]タブをクリックします。
こちらでは、書類上の項目の表示/非表示設定と、項目ごとの表示名を設定します。
- 続いて[社印・ロゴ]タブをクリックします。
社印とロゴの設定を行う際は、[社印・ロゴマスタ設定]をクリックします。
なお、設定後は表示位置を調整することができます。
- [社印・ロゴマスタ設定]よりそれぞれ[ファイル選択]をクリックし、ファイルを選択すると画像がアップロードされます。社印は不透明度も設定することが可能です。
[旧帳票から社印・ロゴを反映する]をクリックすることで、旧帳票に設定されている社印・ロゴを設定することが可能です。
設定が完了したら[保存]をクリックします。
- テンプレートの作成画面の[社印・ロゴ]タブに戻り、[登録]をクリックします。
既定テンプレート設定
帳票テンプレートが2つ以上存在する場合、帳票を新規作成する際に自動で選択されるテンプレートを設定することができます。
既定にしたいテンプレートの[…]→[既定テンプレートに設定]をクリックすることで、既定テンプレートに設定できます。
消費税の端数処理を設定する
- [受発注]メニュー →[請求書]を開きます。
- [課税・表示項目]をクリックします。
- 「請求書」をクリックし、「消費税端数の計算方法」で自社の規定に適した計算方式を選択します。
- [保存]をクリックします。
デフォルトで設定した内容は、帳票作成画面の明細項目の[課税・表示項目設定]から各帳票毎に変更することが可能です。
適格請求書を作成する
- [受発注]メニュー →[請求書]を開きます。
- [新規作成]をクリックします。
- 「請求書の新規作成」画面が表示されます。
まずは、選択されたテンプレートが「登録番号が記載された請求書のテンプレートを作成する」セクションで設定したインボイス登録番号を含むものになっているかどうかを確認します。
-
インボイス登録番号が含まれるテンプレートが選択されている場合
そのまま次の手順へ進みます。 -
インボイス登録番号が含まれるテンプレートが選択されていない場合
[切り替え]ボタンから「登録番号が記載された請求書のテンプレートを作成する」セクションで設定したテンプレートを選択し、次の手順へ進みます。
-
インボイス登録番号が含まれるテンプレートが選択されている場合
- 請求書の各項目を入力していきます。
「【新画面】請求書・納品書・見積書・領収書を作成する - 帳票の入力項目について」のヘルプページを参考に、必要な項目を入力し[保存]ボタンをクリックします。
- 書類の内容や見た目に問題がないかどうか確認します。
画面右半分に表示された「プレビュー」タブ画面にて[拡大]ボタンをクリックすると、作成した請求書全体のプレビューが表示されます。
ここで入力した請求書が「適格請求書のフォーマット」に沿って、必要な項目が漏れなく記載されていることを確認します。
- 同じ画面で、書類の編集・出力・メール送信などを行うことができます。
詳しくは「【新画面】作成した請求書類を送付・ダウンロードする」のヘルプページをご覧ください。
インボイス対応に対応し領収書を受け取った場合
一般課税事業者が受け取った領収書等をもとに取引登録を行う場合、受け取った領収書等がインボイスの要件を満たしているか判断する必要がありますが、チェックする点が多く、確認作業に大きな労力を要します。
しかし、受け取った領収書等をファイルボックスにアップロードするとOCR解析によりインボイスの要件を満たしているか自動で判定するので、確認作業を大幅に減らすことができます。
こちらでは、ファイルボックスを使って領収書等を処理する方法を説明します。
領収書をファイルボックスにアップロードする
ファイルボックスにファイルをアップロードする方法は以下の通りです。
- Webからアップロードする
- アプリからアップロードする
- メールでアップロードする
- スキャナでアップロードする
それぞれのアップロード方法については各ヘルプページで詳しく説明していますので、上記のリンクからご確認ください。
インボイス情報を確認・登録する
OCRで読み取った内容を確認する
アップロードしたファイルをOCRで読み取った場合、以下のデータを読み取ることができます。
- 書類の種類:「領収書」「請求書」「その他(※1)」のいずれかが選択されます。(※2)
※1:「その他」は見積書、納品書、発注書などを指します。
※2:読み取れない場合は「その他」が選択されます。 - 適格請求書等:「該当する」「該当しない」「未選択」のいずれかが選択されます。
- 国税庁のデータベースに該当の登録番号がある場合:該当する
- 国税庁のデータベースに該当の登録番号がない場合:該当しない(※3) または 未選択(※4)
※3:OCRで登録番号が読み取れなかった場合は「該当しない」になります。
※4:適格請求書の実装以前(2023/4/4)にアップロードされたファイルは「未選択」になります。
- 登録番号:Tの後の13桁の数字
- 読み取った13桁の数字は、国税庁の「適格請求書発行事業者公表サイト」にあるデータベースと自動照合します。
- 該当の番号がある場合:成功マークを表示
- 該当の番号がない場合:エラーマークを表示
なお、画像の中に登録番号の記載が無いまたはOCRで読み取れなかった場合は空欄になります。
- 該当の番号がある場合:成功マークを表示
- 読み取った13桁の数字は、国税庁の「適格請求書発行事業者公表サイト」にあるデータベースと自動照合します。
OCRで読み取った内容を変更する場合
OCRで読み取った内容を変更する場合は、[編集]をクリックして手動で各項目を入力します。
- 書類の種類:「領収書」「請求書」「その他」のいずれかを選択
- 適格請求書等:「該当する」または「該当しない」を選択
※「該当する」を選択すると登録番号を入力できるようになります。 - 登録番号:Tの後の13桁の数字を入力
- 法人の場合:法人番号
- 個人事業主の場合:国税庁から通知される番号
※登録番号を入力すると、国税庁の「適格請求書発行事業者公表サイト」にあるデータベースと自動照合します。
各項目の入力が完了したら[保存]をクリックします。
アップロードしたファイルから取引を登録する
- [取引]メニュー →[ファイルボックス]を開きます。
- ステータスが[未登録]のファイルが一覧で表示されるので、登録したいファイルをクリックします。
※「未登録(解析済)」と表示されているファイルは、freeeがファイルの内容を自動で読み取って入力したものです。必要であれば内容を修正して登録します。
「未登録」以外のステータスになっている場合は、絞り込み条件の[未登録]をクリックすると登録前のファイルのみ表示できます。
- ファイルをクリックすると[データ詳細]画面に遷移するので、[取引登録]タブをクリックします。
- 収支区分、決済状況、口座、取引日、勘定科目、税区分、税率、金額を入力し、[取引登録]ボタンをクリックします。
なお、摘要のある取引や複数行の取引については、「摘要のある取引を登録する」「複数行の取引を登録する」をご確認ください。
データ詳細タブで「適格請求書等」を[該当する]に設定した場合、取引登録タブの「適格請求書等」の[該当する]にチェックが入ります。
また、データ詳細の「適格請求書等」が[該当しない]または[未選択]の場合でも、取引登録タブの[取引先]欄に「適格請求書発行事業者に該当する」にチェックが入った取引先を設定した場合は、取引登録タブの「適格請求書等」の[該当する]にチェックが入ります。
なお、「適格請求書等」欄が表示されるのは以下の2点を満たす場合のみです。
- 税区分の設定で「買い手側対応機能」を「使用する」に設定している
- 発生日が2023年10月1日以降の日付になっている