初期設定チェックリストをはじめてご利用の方は、チェックリストのまとめと使い方を確認してからのチェック開始をおすすめします。
この初期設定チェックリストでは、初期設定で間違いやすい設定を確認・修正できます。
確認範囲は、1回目の給与計算に必要な項目が中心です。
また従業員数が1〜10名程度の事業所で、労務に慣れない方向けの内容となります。
チェック前編では、「締め日支払い日」「給与規定」「勤務・賃金」を確認しました。
チェック後編では、「従業員」「給与明細」の間違いやすい項目を確認していきます。
目次
従業員 - 従業員情報で間違いやすい設定②
準備するもの
- 従業員情報を管理しているエクセル等の表計算シート(あれば)
- 労働条件通知書
- 健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬決定通知書(あれば)
- 住民税決定通知書または給与所得者異動届出書(あれば)
確認ステップ一覧
- ご状況に応じて、Step1〜11の必要なステップで確認・修正します。
- Step2やStep5〜Step7は、事業所や従業員の状況によって確認が不要なものもあります。
- おすすめは「スタンダードチェック」コースです(参考:チェックリストの使い方)
ステップ |
間違いやすさ |
必須確認 を推奨 |
ミニマム チェック |
スタン |
フル |
---|---|---|---|---|---|
Step1. 本人情報の確認 | ★★★★ 4.0 | ◯ | ✔ | ✔ | ✔ |
Step2. 家族情報の確認 | ★★★ 3.0 | - | ✔ | ✔ | |
★★★★ 4.0 | ◯ | ✔ | ✔ | ✔ | |
Step4. 固定残業代の確認 | ★★ 2.0 | - | - | ✔ | |
Step5. 通勤手当の確認 | ★★★ 3.0 | - |
✔ |
✔ | |
Step6. 手当の確認 | ★★★ 3.0 | - | - | ✔ | |
Step7. 控除の確認 | ★★ 2.0 | - | - | ✔ | |
Step8. 税の確認 | ★★★★ 4.0 | ◯ | ✔ | ✔ | ✔ |
Step9. 社会保険の確認 | ★★★★★ 5.0 | ◯ | ✔ | ✔ | ✔ |
Step10. 労働保険の確認 | ★★★★ 4.0 | ◯ | ✔ | ✔ | ✔ |
Step11. 従業員が複数名いる場合の対応 | ★★★★ 4.0 | ✔ | ✔ | ✔ |
このページにあるステップは、Step4. 固定残業代の確認 〜 Step7. 控除の確認です。
確認する画面の開き方
下記の手順で、freeeで給与計算を始める年月の従業員詳細画面を開きます。
- [従業員]メニューを開きます。
- 「従業員一覧」画面上部の年月ナビゲーション(年月ナビ)で、
freeeで給与計算を始める年月を選択します。
- 例:2024/2/10支払い分からfreeeで給与計算 →「2024年2月」を選択
年月ナビゲーションで選択している月は、給与の支払い月です。
freee人事労務では月ごとに従業員データを持ち、給与計算します。そのためデータの参照・修正の際には、年月ナビで正しく年月を切り替えましょう。
詳しくは「年月ナビゲーションの見方と従業員情報のデータ構造について」を併せてご参照ください。
- 年月が正しいことを確認して、設定を確認したい従業員をクリックします。
- 「従業員詳細」画面の左メニューで確認したいセクションをクリックします。
- 例:「固定残業代」
- セクションが表示されたら、次のステップへ進み設定を確認していきます。
- このページにあるステップ
- Step4. 固定残業代の確認:フルチェックの対象
- Step5. 通勤手当の確認:ミニマム・スタンダード・フルチェックの対象
- Step6. 手当の確認:フルチェックの対象
- Step7. 控除の確認:フルチェックの対象
- このページにあるステップ
Step4. 固定残業代の確認
対象:固定残業代・固定残業手当を支給する場合のみ。
固定残業代を支給していない場合は、Step5. 通勤手当の確認 へ進みます。
固定残業代とは?
固定残業代とは、実際に残業したかを問わず、あらかじめ一定時間分の残業代を支払う制度です。固定残業分を超過した場合は、超過分の残業代を自動計算して支払います。
以下の手順で、確認を進めます。
- 「確認する画面の開き方」で確認したい年月の「従業員詳細」画面が表示されたら、
「固定残業代」の[編集]をクリックします。
-
固定残業代の設定を確認します。
正しい状態- 労働条件通知書の内容に沿って、正しく金額を入力できている
- 固定残業代があるが、まだ設定していない
- 付与時に固定残業代の時間や金額を誤っていた
- 設定する年月が誤っていた
- 固定残業代があるが、基本給に含めており固定残業代として設定していない
- 裁量労働制で1日のみなし労働時間が8時間を超える分の残業代を、手当ではなく固定残業代に設定している
- 固定残業代の「計算基準」「対象とする労働時間」が誤った設定となっている
- 固定残業代は、この固定残業代項目に入力し、基本給には固定残業代を除く金額を入力します。
- 固定残業の超過分の残業が発生した場合、基本給をもとに割増賃金が計算されるため、基本給は正しく入力する必要があります。
- (裁量労働制の場合)1日のみなし労働時間が8時間を超える分の残業代は、固定残業代ではなく手当として設定します。
ポイント:固定残業代の「計算基準」「対象とする労働時間」- 固定残業代の「計算基準」「対象とする労働時間」を誤って選択していると、正しく計算されません。
- 計算基準:金額を指定 / 時間を指定 / 時間と金額を指定 から正しく選択します。
- 対象とする労働時間:法定内残業 / 時間外労働などから適切なものを選択します(計算基準に応じて選択可能な値は異なります)。
- 「計算基準」「対象とする労働時間」「金額の端数処理」は、固定残業代の作成以降は変更不可となります。変更が必要な場合、新たに固定残業代を作成します。
- 「固定残業代」で間違いがあれば、修正します。
修正方法- 初期設定チェックリスト:修正(後編)- 固定残業代の修正 を参照して修正します。
- 「固定残業代」の確認が完了しました。状況に応じて、次のステップへ進みます。
- 通勤手当・手当の支給 または 控除がある場合(フルチェック)
- 当てはまるステップへ進みます。
- 上記に当てはまらない場合
- Step8. 税の確認 へ進みます。
- 通勤手当・手当の支給 または 控除がある場合(フルチェック)
Step5. 通勤手当の確認
対象:通勤手当を支給する場合
通勤手当を支給していない場合は、確認ステップ一覧 から次のステップへ進みます。
- 「確認する画面の開き方」で確認したい年月の「従業員詳細」画面が表示されたら、
「通勤手当」の[編集]をクリックします。
-
通勤手当の設定を確認します。
正しい状態- 一般的に「通勤手当」に該当する内容を正しく設定している
- 通勤手段や支給単位、計算方法、日数などを正しく設定している
- 通勤区間や支給額などを正しく設定している
- 通勤手当があるが、まだ設定していない
- 付与する年月が誤っていた
- 設定項目の内容に誤りがある
- 通勤手段や支給単位、計算方法、日数に誤りがある
- 上記以外の項目(金額など)に誤りがある
- 一般的に「通勤手当」には該当しない交通費を通勤手当として設定していた
- 通勤手段や支給単位、計算方法、日数に誤りがある場合、誤っていた通勤手当を削除し、新しく通勤手当を追加します。
ポイント:通勤手当と交通費の違い-
通勤手当は、自宅ー事業所間の通勤にかかる費用を手当として支給するものです。
- 上記に当てはまる場合、この通勤手当項目に設定します。
-
交通費は、営業やサービス提供などのための交通機関での移動にかかる費用です。
-
交通費は、「通勤手当」項目では設定しません。
- 通勤手当は所得税が非課税となるため、通勤手当ではない費用を「通勤手当」項目で設定すると、意図せず税逃れとなってしまうことがあります。
- 交通費は、会計ソフト等で記帳後に「手当」として設定しましょう。
- なおfreee会計で経費精算した内容は、給与明細に連携して記載できます(freee会計ベーシックプラン以上・freee人事労務スタータープラン以上で利用可能)。
-
交通費は、「通勤手当」項目では設定しません。
- 「通勤手当」で間違いがあれば、修正します。
修正方法
初期設定チェックリスト:修正(後編)- 通勤手当の修正 を参照して修正します。 - 「通勤手当」の確認が完了しました。状況に応じて、次のステップへ進みます。
- 手当の支給 または 控除がある場合(フルチェック)
- 当てはまるステップへ進みます。
- 上記に当てはまらない場合
- Step8. 税の確認 へ進みます。
- 手当の支給 または 控除がある場合(フルチェック)
Step6. 手当の確認
対象:手当を支給する場合
手当を支給していない場合は、Step7. 控除の確認 へ進みます。
手当とは?
手当とは、一般的に基本給以外に支給する賃金を指します。freee人事労務上の「手当」については、以降の手順内でご確認ください。
- 「確認する画面の開き方」で確認したい年月の「従業員詳細」画面が表示されたら、
「手当」の[編集]をクリックします。
-
手当の設定を確認します。
正しい状態- 必要な手当のマスタが作成されている
- 正しい給与支払い月から、適切な手当を従業員に付与している
- 従業員毎に金額を変更する場合、正しい金額に設定されている
- 月によって金額を変更する場合、正しい金額に設定されている
- 手当があるが、まだ設定していない・従業員に付与していない
- 付与した年月が誤っている
- 金額を誤っていた
- 初期値から変更していない
- 月によって金額を変更する必要があるが変更していない
- 手当マスタの設定内容(金額以外)に誤りがある
- 手当に設定すべきでないものを設定している
- (裁量労働制の場合)1日のみなし労働時間が8時間を超える分の残業代を手当に設定していない
- 手当マスタで「支給頻度」「計算タイプ」「支給タイミング」を誤っている場合、手当の再作成が必要です。
- 手当マスタの「頻度と計算方法」内の項目に誤りがあると、所得税や保険料、割増賃金などの計算に影響が出るため、正しく設定します。
- 詳細は「手当と所得税・社会保険料・割増賃金の関係について」をご参照ください。
- 従業員毎や月によって金額が異なる場合は、従業員への手当の設定で忘れずに変更します。
ポイント:「手当」項目に設定しない手当・設定する手当- 次の内容は、「手当」項目に設定しません。
- 割増賃金に当たる手当 → 専用項目で自動計算されます
- 例:残業手当、深夜手当、休日手当
- 通勤手当 → 通勤手当項目で設定します
- 割増賃金に当たる手当 → 専用項目で自動計算されます
- 次の内容は、「手当」項目に設定します。
- 「手当」以外の項目で設定しない手当
- 例:役職手当、技能手当、住宅手当、家族手当、慶弔金 など
- 経費精算額(freee会計とfreee人事労務を連携していない場合)
- 連携していない場合、交通費などの経費精算額は手当として設定可能です。
- 裁量労働制で1日のみなし労働時間が8時間を超える分の残業代
- 上記の残業代は、専用項目で自動計算されないため、手当で設定します。
- 「手当」以外の項目で設定しない手当
- 「手当」で間違いがあれば、修正します。
- 初期設定チェックリスト:修正(後編)- 手当の修正 を参照して修正します。
- 「手当」の確認が完了しました。状況に応じて、次のステップへ進みます。
- 控除がある場合(フルチェック)
- Step7. 控除の確認 へ進みます。
- 上記に当てはまらない場合
- Step8. 税の確認 へ進みます。
- 控除がある場合(フルチェック)
Step7. 控除の確認
対象:給与で控除がある場合
控除がない場合は、Step8. 税の確認 へ進みます。
控除とは、給与から差し引く従業員負担の費用を指します。freee人事労務上の「控除」については、以降の手順内でご確認ください。
- 「確認する画面の開き方」で確認したい年月の「従業員詳細」画面が表示されたら、
「控除」の[編集]をクリックします。
-
控除の設定を確認します。
正しい状態- 必要な控除のマスタが作成されている
- 正しい給与支払い月から適切な控除が従業員に付与されている
- 従業員毎に金額を設定している場合、正しい金額に設定されている
- 月によって金額を変更する場合に、正しい金額に設定されている
- 控除があるが、設定していない・従業員に付与していない
- 付与した年月が誤っている
- 金額を誤っていた
- 初期値から変更していない
- 月によって金額を変更する必要があるが変更していない
- 控除マスタの設定内容(金額以外)に誤りがある
- 控除に設定すべきでないものを設定している
- 控除マスタで「控除タイミング」「頻度」を誤っていた場合は、控除の再作成が必要です。
- 控除マスタの「所得税の計算」に誤りがあると、計算結果に影響が出るため正しく設定します。後述の設定例もあわせてご参照ください。
ポイント:「控除」項目に設定しない控除・設定する控除- 次の内容は、「控除」項目に設定しません。
- 社会保険料、雇用保険料、所得税、住民税 → 各専用項目で計算されます
- 次の内容は、「控除」項目に設定します。
- 例:社食代、制服代、社員旅行積立、社宅家賃
- 例:保険料や税の控除額を調整するための金額
ポイント:控除マスタの「所得税の計算」の設定例- 例1. 社宅賃料
- 本来従業員が支払うもののため、従業員の所得と同等とみなす
- →「所得から控除しない」を選択
- 例2. 制服クリーニング代
- 会社都合の「制服クリーニング代」を従業員同意のもとで従業員に一部負担してもらう分を控除する(従業員の所得とみなすと計算結果に不要な影響が出る)
- →「所得から控除する」を選択
- 「控除」で間違いがあれば、修正します。
修正方法
- 初期設定チェックリスト:修正(後編)- 控除の修正を参照して修正します。
- 「控除」の確認が完了しました。
次は、Step8. 税の確認 へ進みます。- Step8は、ミニマム・スタンダード・フルチェックの対象です。