追加した従業員に関して、給与計算等に必要な社会保険の加入状況等を設定します。
このページでは、freee人事労務の画面上から1従業員ずつ社会保険の情報を更新する場合の手順をご案内します。
CSVファイルを用いて社会保険の一部項目を一括更新する場合は、下記ページをご参照ください。
- ヘルプページ:「従業員の給与等を一括で更新する - 標準報酬月額の一括更新」
目次
設定の目的
従業員情報は、給与計算や各種手続き書類へ反映されます。
中でも社会保険の情報は、給与から社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料・介護保険料など)を
徴収するために必要です。
また社会保険に関わる各種手続き書類にも、情報が反映されます。
事前準備1:設定の対象者を知る
加入・非加入を問わず、すべての役員・従業員が対象です。
(非加入でも、状況に応じて変更の必要となる項目があります。)
※事業所の設定([Part1] 1. 給与規定を設定する - Step2. 健康保険を設定する)で、
「健康保険に未加入」として設定した場合も、設定対象となります。
(例:国民健康保険に加入している、または健康保険の被扶養家族であるなどの場合)
従業員の社会保険の加入条件とは?
従業員の社会保険(健康保険・厚生年金保険)の加入条件は、以下のとおりです。
A〜Cのいずれかに該当する場合は、社会保険への加入が必須であるため、加入漏れがないように注意します。
- A:75歳未満の正社員や会社の代表者、役員等
- B:70歳未満で、週の所定労働時間および1ヶ月の所定労働日数が
フルタイムの従業員の4分の3以上の従業員 - C:以下のすべてに該当する短時間の従業員
- 従業員数101人以上の事業所(特定適用事業所)に勤務している
※2024年10月から従業員数51人以上の事業所に変更 - 1週間の所定労働時間が20時間以上
- 2ヶ月を超える雇用の見込みがある(フルタイムと同様)
- 学生ではない(夜間学生、通信制は除く)
- 月額の賃金が8.8万円を超える
- 従業員数101人以上の事業所(特定適用事業所)に勤務している
なお介護保険は、40歳以上の方が原則加入するため、このガイドでは案内を割愛します。
出典:政府広報オンライン「パート・アルバイトの皆さんへ 社会保険の加入対象により手厚い保障が受けられます。」
事前準備2:設定に必要な書類を用意する
従業員に関する下記のような書類を準備しておくと、設定がスムーズです。
用意するもの | 発行時期 | 必要度 |
---|---|---|
従業員情報を管理しているエクセル等の表計算シート |
- |
必須 …社会保険の入力に使用します。 |
健康保険・厚生年金保険 |
被保険者資格取得届 |
必須 …社会保険の標準報酬月額の入力に使用します。 ※通知書が届かない・紛失した等の際は、 |
健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届の控え |
- |
任意 …「取得確認および通知書」が届いていない場合に使用します。 |
健康保険証 | - |
任意 …「取得確認および通知書」が届いていない場合、被保険者整理番号の入力に使用します。 |
事前準備3:設定の流れを知る
以下のステップにわけて、社会保険の設定を進めます。
所要時間は5分程度です。
ステップ一覧
さっそく Step0. 従業員詳細画面(情報を更新する年月)を開く へ進みます。
Step0. 従業員詳細画面を開く
- [従業員]メニュー→[従業員情報]を開きます。
- 「従業員一覧」画面で、情報を更新したい従業員を選択します。
- 「従業員詳細」画面上部の年月ナビゲーション(年月ナビ)で、
情報を更新したい年月を選択します。
年月ナビゲーションで選択している月は、給与の支払い月です。
freee人事労務では月ごとに従業員データを持ち、給与計算します。データの参照・更新の際には、年月ナビで正しく年月を切り替えましょう。
詳細は「[Part3] 1. 年月ナビゲーション(年月ナビ)を理解する」をご参照ください。
- 年月が正しく切り替わったことを確認してから、
左メニューの[社会保険]をクリックします。
- 社会保険セクションが表示されたら、[編集]をクリックします。
- 編集画面が表示されたら、Step1. 社会保険 - 健康保険 を設定する へ進みます。
Step1. 社会保険 - 健康保険 を設定する
設定対象
- すべての役員・従業員
設定項目:(加入の場合は計4〜7項目、非加入の場合は計1〜3項目)
項目 |
設定対象 |
給与計算 |
書類作成 |
反映される主な書類 | |
---|---|---|---|---|---|
加入している 場合 |
加入していない 場合 |
||||
健康保険 | ◎ | ◎ | ◯ | ◯ |
|
資格取得日 |
◯ |
◯ |
- | - |
|
資格喪失日 | - | - | |||
標準報酬月額(※1) | ◎ | - | ◯ | ◯ |
|
被保険者整理番号 |
◯ |
- | - | ◯ |
|
健康保険料 | ◎ | - | ◯ | - | - |
介護保険料 | ◎ | - | ◯ | - | - |
※1. 標準報酬月額は、組合保険加入で「定額(月単位)を設定する」設定の場合、
表示されません。保険料額の設定は、健康保険料・介護保険料項目で行います。
※2. 協会けんぽ・関東ITS(関東ITソフトウェア健康保険組合)以外の組合の場合、
利用可能な書式が組合によって異なります。加入中の組合にご確認ください。
- 「Step0. 従業員詳細画面を開く」で情報を更新したい年月の「社会保険」の編集画面を開いたら、健康保険の各項目を設定していきます。
-
健康保険を設定します。
健康保険に加入している場合は「加入」を選択します。
加入していない場合は「非加入」を選択します。参考:社会保険の加入条件とは?
-
資格取得日・資格喪失日を入力します。
対象:同項目上で管理しておきたい場合のみ、任意。
(給与計算や書類作成での反映先はありません)
資格取得日
入社時に社会保険の加入対象である従業員は、入社日を入力します。
(資格取得日は、原則として「雇用契約開始日」となります)。すでに加入済みの場合は、資格取得日を入力します。
資格喪失日
入社時は、空欄のままにします。
退職する/している従業員の場合は、退職日の翌日の日付を入力します。備考
※給与計算では、資格取得日・喪失日項目ではなく、
「年月ナビでいつから加入・非加入になっているか」をもとに社会保険料を計算します。 -
加入状況に応じて次の手順へ進みます。
次の手順
- 加入の場合: ⑤へ進みます。
- 非加入の場合: ⑧へ進みます。
-
標準報酬月額を設定します。
対象:健康保険に加入している場合、必須。
(※組合保険加入で「定額(月単位)を設定する」設定の場合、
健康保険の標準報酬月額は表示されません。保険料は⑦で設定します。)
何を見て入力する?
- すでに「標準報酬決定通知書」が手元にある場合
- 通知書を見て入力します。
- まだ加入手続き中で通知書が手元にない場合
- まず「被保険者資格取得届の控え」をもとに入力します。
- その後「標準報酬決定通知書」が届いたら、通知書と相違がないか最終確認します。
標準報酬月額とは?
毎月の給与を区切りのよい幅で区分したもので、「等級」として扱います。
標準報酬月額は定期的に決定され、それに保険料率をかけることで社会保険料を算出します。詳細は、ヘルプページ「社会保険の標準報酬月額について」をご参照ください。
参考:初期値が入っていても確認・更新する理由
標準報酬月額の項目は、従業員登録時の基本給をもとに、初期の等級が目安として設定されます。
その際、基本給以外の賃金の情報がないため、たとえば各種手当や控除のある従業員などでは、誤った等級となる(本来よりも少ない額の等級となる)ことがあります。
正しい等級で社会保険料を計算するために、このページで初期設定として確認・手動で更新します。
- すでに「標準報酬決定通知書」が手元にある場合
-
被保険者整理番号を入力します。
対象:健康保険にすでに加入している場合かつ、書類作成する場合、必須。
※現在加入手続き中の場合は、加入手続き完了後に入力します。
何を見て入力する?
「被保険者資格取得確認及び標準報酬決定通知書」の「健康保険被保険者証の番号」を入力します。通知書がない場合、健康保険証の「番号」を入力します。
(出典:全国健康保険協会)項目の反映先
算定基礎届や月額変更届に反映されます。
また、被保険者資格取得届・喪失届にも反映されます。算定基礎届とは?月額変更届とは?
算定基礎届とは?
毎年6月に標準報酬月額を見直す(=定時決定)際に、
見直した内容を「算定基礎届」に記載し、毎年7/10までに提出する必要があります。月額変更届とは?
報酬(固定的賃金)が大きく変動したとき、
定時決定を待たずに標準報酬月額を見直す必要があります(=随時決定といいます)。
見直した内容を「月額変更届」に記載・提出します。固定的賃金とは?
勤務時間や実績に関係なく、月単位などで一定額が継続して支給される報酬を「固定的賃金」として扱います。一方、残業代やインセンティブなど、稼働実績に応じて毎月変動する賃金は「非固定的賃金」となります。
-
健康保険料・介護保険料を設定します。
対象:健康保険に加入している場合、必須。給与と賞与について、各保険料を自動計算するか、手動計算した保険料額を直接入力するか、
を選択します。※組合保険加入で「定額(月単位)を設定する」設定の場合
自動計算・直接入力の選択はなく、「直接入力」として保険料額を入力します。基本的に「自動計算」のままにします。
ただし、以下の場合は「直接入力」を選択します。
- 二以上事業所勤務者や育休等で、保険料が免除されている場合
- (介護保険のみ)上記に加えて特定被保険者の場合
- 特定被保険者:介護保険の徴収対象である「40歳以上65歳未満」の被保険者を扶養している「40歳未満」または「65歳以上」の被保険者のことです。
- 特定被保険者:介護保険の徴収対象である「40歳以上65歳未満」の被保険者を扶養している「40歳未満」または「65歳以上」の被保険者のことです。
直接入力する場合
「直接入力」を選択し、
「従業員負担額」「会社負担額」に手動計算した額をそれぞれ入力します。 -
健康保険を入力できました!
-
次は、Step2. 社会保険 - 厚生年金保険を設定する へ進みます。
Step2. 社会保険 - 厚生年金保険を設定する
設定対象
- すべての役員・従業員
設定項目:(加入の場合は計4〜7項目、非加入の場合は計1〜3項目)
項目 |
設定対象 |
給与計算 |
書類作成 |
反映される主な書類 | |
---|---|---|---|---|---|
加入している 場合 |
加入していない 場合 |
||||
厚生年金保険 | ◎ | ◎ | ◯ | ◯ |
|
資格取得日 |
◯ |
◯ |
- | - |
|
資格喪失日 | - | - | |||
標準報酬月額(※1) | ◎ | - | ◯ | ◯ |
|
被保険者整理番号 |
◯ |
- | - | ◯ |
|
厚生年金 保険料 |
◎ | - | ◯ | - | - |
子ども・ 子育て拠出金 |
◎ | - | ◯ | - | - |
※1. 標準報酬月額は、組合保険加入で「定額(月単位)を設定する」設定の場合、
表示されません。保険料額の設定は、健康保険料・介護保険料項目で行います。
※2. 算定基礎届や月額変更届は、関東ITS(関東ITソフトウェア健康保険組合)以外の組合
の場合、利用可能な書式が組合によって異なります。加入中の組合にご確認ください。
- Step1後のそのままの画面で、厚生年金保険の各項目を設定していきます。
-
厚生年金保険を設定します。
厚生年金保険に加入している場合は「加入」を選択します。
加入していない場合は「非加入」を選択します。参考:社会保険の加入条件とは?
-
資格取得日・資格喪失日を入力します。
対象:同項目上で管理しておきたい場合のみ、任意。
(給与計算や書類作成での反映先はありません)資格取得日
入社時に社会保険の加入対象である従業員は、入社日を入力します。
(資格取得日は、原則として「雇用契約開始日」となります)。すでに加入済みの場合は、資格取得日を入力します。
資格喪失日
入社時は、空欄のままにします。
退職する/している従業員の場合は、退職日の翌日の日付を入力します。備考
※給与計算では、資格取得日・喪失日項目ではなく、
「年月ナビでいつから加入・非加入になっているか」をもとに社会保険料を計算します。 - 加入状況に応じて次の手順へ進みます。
次の手順
- 加入の場合: ⑤へ進みます。
- 非加入の場合: ⑧へ進みます。
-
標準報酬月額を設定します。
対象:厚生年金保険に加入している場合、必須。
※厚生年金保険の標準報酬月額の等級は、健康保険の等級とは異なります。
健康保険にあわせた自動更新はありません。
何を見て入力する?-
すでに「標準報酬決定通知書」が手元にある場合
- 通知書を見て入力します。
-
まだ加入手続き中で通知書が手元にない場合
- まず「被保険者資格取得届の控え」をもとに入力します。
- その後「標準報酬決定通知書」が届いたら、通知書と相違がないか最終確認します。
下記に関しては、Step1. 健康保険を設定する内の記載 をご参照ください。
- 標準報酬月額とは?
- 参考:初期値が入っていても確認・更新する理由
-
すでに「標準報酬決定通知書」が手元にある場合
-
被保険者整理番号を入力します。
対象:健康保険にすでに加入している場合かつ、書類作成する場合、必須。
※現在加入手続き中の場合は、加入手続き完了後に入力します。何を見て入力する?
基本的に、「健康保険の被保険者整理番号」と同じものを入力します。
健康保険とは別の番号を発行した場合は、「被保険者資格取得届の控え」などを参照し、正しい番号を記入します。項目の反映先
算定基礎届や月額変更届に反映されます。
また、被保険者資格取得届・喪失届にも反映されます。下記に関しては、Step1. 健康保険を設定する内の記載 をご参照ください。
- 算定基礎届とは?
- 月額変更届とは?
- 固定的賃金とは?
-
厚生年金保険料・子ども子育て拠出金を設定します。
対象:厚生年金保険に加入している場合、必須。
給与と賞与について、保険料・拠出金を自動計算するか、手動計算した金額を直接入力するか、
を選択します。基本的に、「自動計算」のままにします。
ただし二以上事業所勤務者や育休等で保険料が免除されている場合、「直接入力」を選択します。直接入力する場合
「直接入力」を選択し、
「従業員負担額」「会社負担額」に手動計算した額をそれぞれ入力します。 -
[保存]を忘れずにクリックします。
画面上部に「社会保険を保存しました。」と表示されたら、厚生年金保険の入力は完了です。
そして、これで社会保険の設定が完了しました!
- 次は、[Part3] 11. 雇用保険・振込先口座を設定する へ進みましょう。