過去の支給実績と比較して給与計算検証を行うため、過去の勤怠データを取り込みます。
参考:設定の大きな流れにおける現在地
Part | 主な設定対象の事業所 |
---|---|
1. 基本的な設定 | すべての事業所 |
2. 勤怠に関わる設定 |
従業員を雇用している事業所 (大半の設定は |
3. 従業員情報の設定 | すべての事業所 |
4. 運用開始前の確認(←現在地) | すべての事業所 |
5. 運用 | すべての事業所 |
給与計算検証の対象者
給与計算検証
対象
- 事業所としてすでに給与を支払っている(過去の給与が存在する)場合
- このPart4で過去の給与との比較を行い、差分のある場合は設定を見直して
解消していきます。 - 次は 対象者 - 過去の勤怠データの取り込み へ進みます。
- このPart4で過去の給与との比較を行い、差分のある場合は設定を見直して
対象外
- 事業所として初めて給与を計算する場合
- 過去実績を使った検証は行えないため、下記の対応を行います。
- 給与計算に必要な設定が完了しているか・間違いがないかを確認します。
本ガイドではなく 初期設定チェックリスト を参照し、設定内容を確認します。
範囲は、前編 と 後編の従業員(入社状況・従業員情報)を確認することを
おすすめします。 - チェックリストの内容を確認できたら、給与計算結果の見方を確認します。
→ [Part4] 2. 給与計算結果の見方を知る へ進みます。
※①で見方も確認できている場合は、③へ進みます。 - ①〜②が完了すれば、給与計算の準備は完了です。
次は [Part5] 0. 運用する(Part5の流れを確認する) へ進みましょう。
- 給与計算に必要な設定が完了しているか・間違いがないかを確認します。
- 過去実績を使った検証は行えないため、下記の対応を行います。
過去の勤怠データの取り込み
対象
- 従業員を雇用している事業所
- 本ページで勤怠データの取り込みを行います。
対象外
- 役員のみの事業所
- 役員は勤怠管理が不要なため、過去の勤怠データの取り込みも不要です。
過去の勤怠データの取り込みの対象・対象外を問わず、
そのまま下記の「給与計算検証の目的と流れ」の確認へ移ります。
給与計算検証の目的と流れ
目的
過去に使用していた給与計算システムなどと比較して、給与の金額に差が出る場合があります。
原因は、そもそもの設定漏れ・ミスから、勤怠の登録漏れ・ミスなど様々です。
Part4では、給与計算検証を行って差分を確認・解消し、正しく給与計算できる状態に整えます。
流れ
Part4の給与計算検証は、下記の流れで行います。
流れ | ページ |
---|---|
①実際の過去の勤怠データをfreee人事労務に取り込む |
本ページ |
②過去の勤怠データを元に計算して実際に支払われた |
[Part4] 2. 給与計算結果の見方を知る |
[Part4] 3. 支給額を一致させる | |
[Part4] 4. 控除額を一致させる |
状況に応じて、次のステップへ進みましょう。
- 従業員を雇用している事業所
- 本ページで、過去の勤怠データをfreee人事労務に取り込んでいきます。
次は 事前準備1:freee人事労務の勤怠集計の考え方を理解する へ進みます。
- 本ページで、過去の勤怠データをfreee人事労務に取り込んでいきます。
- 役員のみの事業所
- 過去の勤怠データの取り込みは不要です(役員は勤怠管理不要のため)。
次は [Part4] 2. 給与計算結果の見方を知る(給与計算検証)へ進みます。
- 過去の勤怠データの取り込みは不要です(役員は勤怠管理不要のため)。
事前準備1:freee人事労務の勤怠集計の考え方を理解する
freee人事労務は「深夜労働時間」「時間外労働時間 60時間超過分」の集計の仕方に特徴があります。
freee人事労務での集計方法を理解し、正しく勤怠データを取り込みましょう。
1. 深夜労働の考え方
freee人事労務では、時間外労働やその他の時間と、深夜労働を別々にカウントしません。
例)9:00〜23:00で勤務した場合
18:00〜23:00が時間外労働としてカウントされ、
その内の22:00〜23:00が深夜労働として重複してカウントされます(下図の赤枠部分)。
〇正しい考え方
- 時間外手当 :18:00〜23:00の5時間 × 割増賃金単価 × 1.25
- 深夜労働手当:22:00〜23:00の1時間 × 割増賃金単価 × 0.25
- → 22:00〜23:00はどちらにもカウントされているため、
結果的に1.5倍の割増賃金が支払われます。
✖ 誤った考え方 下記のような集計方法ではありません。
- 時間外手当 :18:00〜22:00の4時間 × 割増賃金単価 × 1.25
- 深夜労働手当:22:00〜23:00の1時間 × 割増賃金単価 × 1.5
2. 時間外労働時間 60時間超過分の考え方
freee人事労務では、時間外労働の時間が60時間を超えた場合、
自動的に超えた時間を60時間超過分として計算します。
例)時間外労働に72時間と集計された場合
〇 正しい考え方
- 時間外労働手当:72時間 × 割増賃金単価 × 1.25
- 60時間超の時間外労働手当:(72-60)時間 × 割増賃金単価 × 0.25
- →(72-60)時間の12時間分はどちらにもカウントされているため、
結果的に1.5倍の割増賃金が支払われます。
✖ 誤った考え方 下記のような集計方法ではありません。
- 時間外手当 :60時間 × 割増賃金単価 × 1.25
- 60時間超の時間外労働手当:12時間 × 割増賃金単価 × 1.5
事前準備2:設定に必要な情報を用意する
下記のような例を用いて、必要な情報を確認します。
例)つばめ株式会社
締め日支払い日
- 締め日:末日
- 支払い日:翌月25日
作成した勤務・賃金設定
- 役員
- 管理監督者
- 正社員(固定労働制)
- 正社員(フレックス制)
- パート(シフト制・時給)
- 過去の給与の中で、比較検証する月を決めます。
基本的には、freeeでの給与計算を開始する月に近い月(前月や前々月)で検証します。
※給与額の改定が行われた月(4月など)は避けることをおすすめします。
基本給が変わった月の給与は、時間外手当の計算に旧基本給の金額を使っている場合
があり、給与の確認が難しくなるためです。
例)選択した月:3月支払いの給与=2024/2/1~2024/2/29の勤怠データ
(2024年3月25日払いの給与に使用) - 対象の従業員を決めます。
勤務・賃金設定が複数ある場合は、役員を除くそれぞれの勤務・賃金設定ごとに
1名以上選択することをおすすめします。
また残業時間が正しく集計されているか確認するため、なるだけ残業が多い従業員を選択します。
例)選択した従業員- 正社員(固定労働制)Aさん 残業あり
- 正社員(フレックス制)Bさん 残業あり
- パート(シフト制・時給)Cさん 残業あり
- 管理監督者 Dさん 深夜労働あり
-
対象従業員ごとに、対象月の勤怠データの集計値を用意します。
勤怠データの例:今まで集計していたタイムカード一覧、他社システムの勤怠データ等
例)用意した勤怠データ(2024/2/1~2/29勤務分)
従業員/勤怠データ 労働
日数総勤務
時間所定内
労働
時間法定内
残業
時間時間外
労働
時間休日
労働
時間深夜
労働
時間欠勤
日数有給
取得
日数遅刻
早退
時間正社員
(固定労働制)
Aさん 残業あり21 158 138 2 9 9 1 0 1 0 正社員
(フレックス制)
Bさん 残業あり21 165:30 133:30 5 10 4 3 1 2 1:30 パート
(シフト制・時給)
Cさん 残業あり10 55 50 3 2 0 0 0 0 0 管理監督者
Dさん 深夜労働あり22 202 147 21 34 0 5 0 0 0 - データを用意できたら、Step1. 過去の勤怠データを取り込む へ進みます。
Step1. 過去の勤怠データを取り込む
- [勤怠]メニューをクリックします。
- 「勤怠一覧」画面で、情報を更新したい従業員をクリックします。
(締め日支払い日が複数ある場合、該当の従業員に設定した締め日支払い日を選択した上で、
該当の従業員をクリックします)
- 該当従業員の「勤怠編集」画面上部の年月ナビゲーション(年月ナビ)で、
検証する年月(例:2024年3月)を選択します。
年月ナビゲーションで選択している月は、給与の支払い月です。
freee人事労務では月ごとに従業員データや勤怠データを持ち、給与計算します。
データの参照・更新の際には、年月ナビで正しく年月を切り替えましょう。詳細は「[Part3] 1. 年月ナビゲーション(年月ナビ)を理解する」をご参照ください。
- 上部にある勤怠集計エリアの[直接編集]をクリックします。
- 準備しておいた勤怠データを入力します。
対象 項目 内容 給与計算への影響 該当の勤務時間が集計された
全員①労働日数 所定労働日・所定休日・法定休日に働いた労働日数 + 有給取得日 ○ ②所定内労働 所定内労働時間の1ヶ月間の合計 + 有給取得時間(全日・半日・時間休含む) ○ ③法定内残業 所定労働時間を超えるが法定労働時間(8時間)を超えない残業の1ヶ月の合計
※一般的に割増賃金単価 × 1 で支払う時間
○ ④時間外労働 法定労働時間を超えた勤務時間の1ヶ月の合計(深夜残業時間・60時間超の時間外労働時間含む)
(勤務・賃金の「所定休日の労働時間」で設定した場合に限り、所定休日の労働時間も含む)
※一般的に割増賃金単価 × 1.25 で支払う時間
○ ⑤休日労働 法定休日に働いた勤務時間の1ヶ月の合計
※一般的に割増賃金単価 × 1.35 で支払う時間
○ ⑥深夜労働 22時~翌5時の勤務時間の1ヶ月の合計
※一般的に割増賃金単価 × 0.25 で支払う時間
○ - その他の項目
・有給取得日数
・欠勤日数
・総勤務時間
・遅刻時間
・早退時間
これらの項目は給与計算に影響しないため、入力不要です。 ✖ - 下記項目が表示されている場合は入力します。
※表示がない場合は、次の手順⑦に進みます。- 控除対象の欠勤日数・遅刻時間・早退時間
- 不足時間
- 支給対象の法定内残業時間・時間外労働時間
- 所定労働日・所定休日・法定休日に労働した日数
対象 項目 内容 給与計算への影響 遅刻早退・欠勤控除を
自動計算する設定の場合
(勤務・賃金設定/従業員情報の設定)※自動計算しない設定の場合は、入力しても給与から控除されません。
※freee人事労務のフレックスタイム制は、コアタイムの遅刻早退・欠勤控除は行われないためこの控除欄は表示されません。
⑦控除対象の欠勤日数 欠勤日数の1ヶ月の合計 ○ ⑧控除対象の遅刻時間 遅刻した時間の1ヶ月の合計 ○ ⑨控除対象の早退時間 早退した時間の1ヶ月の合計 ○ フレックスタイム制の場合 ⑩不足時間 総労働時間に対して不足している時間
※不足時間を控除する設定(勤務・賃金設定/従業員情報の設定)の場合、入力した時間分を給与から控除します
○ 裁量労働制の場合
詳しくは、ヘルプページ
「勤務賃金設定 - 裁量労働制」もご参照ください。⑪支給対象の法定内残業
時間所定休日に働いた週40時間を超えない時間
※一般的に割増賃金単価 ×1 で支払う時間
○ ⑫支給対象の時間外労働
時間所定休日に働いた週40時間を超えた時間
※一般的に割増賃金単価 ×1.25 で支払う時間
○ 日給の場合 ⑬所定労働日
・所定休日
・法定休日に
労働した日数それぞれの日に働いた1カ月の合計日数 ○
- 入力した時間が問題ないことを確認できたら、[保存]をクリックします。
- 集計エリアの下に「勤怠データは直接編集により保存されています。」と表示されていたら、
勤務時間の入力は完了です。
- 他にも勤怠データを入力する従業員がいる場合は、それぞれに手順①〜⑧を繰り返します。
- 検証対象の従業員の勤怠データをすべて入力できたら、過去の勤怠データの取り込みは完了です!
次は [Part4] 2. 給与計算結果の見方を知る(給与計算検証) へ進みましょう。