このヘルプでは所得税申告で総合課税の所得の申告時に作成する第一表と第二表について、簡単な例をもとに作成手順と機能について説明します。
書類の部分ごとに入力箇所がことなるため、代表的な例を基に入力手順を紹介します。
目次
申告書の作成手順と方法
総合課税の所得について所得が生じている場合には、第一表と二表を作成する必要がありますが、その場合には以下の順に進めます。
- freee会計のステップUIで入力する
- freee申告所得税で申告データを作成開始する
- 基本情報を入力する
- 家族情報を入力する
- 決算書・明細書を作成する
- 所得情報で所得を入力する
- 保険料等の情報を入力する
- 住民税・事業税の情報を入力する
具体的な作成手順
freee会計のステップUIで入力をする
freee会計の確定申告機能(ステップUI)で決算書に必要な入力をします。
freee会計での入力を省略してfreee申告所得税で申告書作成を開始することも可能です。
ここで入力した情報はfreee申告所得税に引き継がれて申告書が作成されます。残りの業務をfreee申告所得税で進めます。
【基本情報を入力する】
freee会計での入力を終えfreee申告所得税での申告書作成を開始したら、まずは申告に必要な「基本情報」を入力します。ここで入力された情報をもとに申告書の各項目の情報が自動補完されるため、必須の項目となります。
基本情報にはそれぞれ「基本情報」「申告情報」「税理士情報」があります。
このうち税理士情報については、freee顧問先管理で税理士として登録したメンバーの情報と、アドバイザー事業所自体の情報をマスタとして連携して活用することができます。
freee申告では基本情報に税目をまたいで共通している項目があります。(詳細は「freee申告について」をご参照ください)
以下では所得税に固有の項目のみ詳細説明します。
1. 「所得税」において、「基本情報」をクリックします。基本情報は申告する対象の事業者の基本情報です。
申告情報
項目名 | 内容 |
---|---|
屋号・雅号 | 申告の屋号・雅号を入力します。 |
氏名 | 申告者の氏名を入力します。 |
生年月日 | 申告者の生年月日を入力します。 |
性別 | 申告者の性別を入力します。 |
職業 | 申告者の職業を入力します。 |
世帯主 | 申告者の世帯主を入力します。 |
(続柄) | 申告者の世帯主との続柄を入力します。 |
住所等
項目名 | 内容 |
---|---|
電話番号 | 申告者の電話番号を入力します。 |
郵便番号 | 申告者の郵便番号を入力します。 |
住所カタカナ | 申告者の住所のカタカナを入力します。 |
住所 | 申告者の住所を入力します。 |
申告する年の1月1日時点の住所 | 申告者の申告する年の1月1日住所を入力します。 入力しない場合「同上」となります。 |
事業所等
項目名 | 内容 |
---|---|
居所・事業所等 所在地 | 申告者の事業所所在地の郵便番号と所在地を入力します。 |
居所・事業所等 所在地カタカナ | 申告者の事業所所在地のフリガナを入力します。 |
居所・事業所等 電話番号 | 申告者の事業所所在地の電話番号を入力します。 |
納税地 | どこの管轄なのかの区分(住所/事業所/事務所/居所など)を選択します。 |
所轄税務署 | 提出税務署を指定します。 |
整理番号 | 申告者の整理番号を入力します。 |
事業主アカウント |
申請者の事業主アカウント(その事業所のIDのどれが事業主のアカウントであるのか)を選択します。マイナンバーはこのアカウントに紐づきます。 ※事業主がIDを保有していない場合には、IDに紐付けることなく、freeeマイナンバー管理で直接事業主のマイナンバーを設定することができます。その場合には、IDにを未選択とします。 |
電子申告関連情報
項目名 | 内容 |
---|---|
利用者識別番号(e-Tax) |
利用者識別番号を数値16桁で入力します。 |
申告書情報
項目名 | 内容 |
---|---|
電子申告制約チェック | 電子申告の制約を満たしているか帳票編集時に自動チェックする機能です。 |
出力フォント | 申告書をPDFで出力するフォント(書体)を選択できます。 |
還付を受けようとする金融機関等の情報
項目名 | 内容 |
---|---|
還付を受けようとする金融機関等 | 還付を受ける金額がある場合に、金融機関の情報を入力します。 |
2. 申告情報タブを入力します。
項目名 | 内容 |
---|---|
申告書の種類 | 青色か白色かを選択します。 |
青色申告特別控除額 | 特別控除額(65万円控除、55万円控除、10万円控除)を選択します。 |
決算書の書式 | 利用する決算書(一般用(営業所得)、不動産所得用、農業所得用)を選択します。 |
予定納税額 | 納税者が予定納税で納税した金額を入力します。 |
3. 税理士情報タブを入力します。
個別に手入力もできますが、[freee顧問先管理と連携する]で顧問先管理のアドバイザー事務所設定に登録されている内容を連携することができます。
freee顧問先管理で必要な設定は「税理士情報の登録をする」をご参照ください。
項目名 | 内容 |
---|---|
事務所名 | 税理士法人/税理士事務所名を入力します。 |
事務所名(カタカナ) | 税理士法人/税理士事務所名カタカナを入力します。 |
郵便番号 | 税理士事務所の郵便番号を入力します。 |
住所 | 税理士事務所の所在地住所を入力します。 |
税理士名 | 税理士名を入力します。 |
税理士名(カタカナ) | 税理士名をカタカナで入力します。 |
税理士電話番号 | 税理士の電話番号を入力します。 |
所属税理士会 | 税理士の所属している税理士会を入力します。 |
税理士会(支部) | 税理士の所属している税理士会支部を入力します。 |
税理士会登録番号 | 税理士の税理士会登録番号を入力します。 |
利用者識別番号(e-Tax) | 代理送信する税理士の利用者識別番号を入力します。 |
提出書類 | 提出する書面を選択します。 |
【家族情報を入力する】
「家族情報」メニューで家族情報を入力します。
ここで入力した家族の情報を基に、第二表の家族情報の欄(障害者控除、配偶者控除等、扶養控除など)及び住民税の16歳未満の扶養親族の欄が自動的に入力されます。
また、ここで入力された情報を基に、配偶者控除や障害者控除の金額の人的控除額が自動的に算定され、控除詳細情報に金額が表示されます(こちらの金額を直接編集することもできます)。その結果が第一表の控除金額の欄に自動転記されます。
なお、これらの情報はfreee会計のステップUIを活用して入力した場合には、申告書作成時に連携されて入力された状態になっています。
入力区分名 | 処理概要 |
---|---|
申告者本人 |
本人の情報(障害区分/寡婦・ひとり親/勤労学生)を入力します。 ※住民税のみ「寡婦・ひとり親」控除の対象とする場合は、第二表「住民税・事業税に関する事項」にチェックを入れます。 |
配偶者 |
人的控除のための配偶者情報(配偶者の氏名/生年月日/所得/障害区分・同居別居/国外移住/控除計算対象区分/住民税のみ対象(退職所得を除く所得金額※))を入力します。配偶者のマイナンバーはこちらから登録を行います。マイナンバー管理についてはこちら。 ※「住民税のみ対象」にチェックが入っている場合に入力します。 |
扶養親族 |
人的控除のための扶養家族情報(扶養家族の氏名/本人との続柄/生年月日/扶養区分(特定、一般、16才未満、同居老親、老人、対象外)/障害区分・同居別居/国外移住/住民のみ対象(退職所得を除く所得金額))を入力します。扶養家族のマイナンバーはこちらから登録を行います。マイナンバー管理についてはこちら。 ※「住民税のみ対象」にチェックが入っている場合に入力します。 |
事業専従者 |
事業所得または不動産所得のための事業専従者がいる場合には、事業専従者を追加します。第二表の事業専従者、決算書・収支内訳書の事業専従者欄に表示されます。 |
控除金額 | 本人情報、配偶者情報、扶養家族情報から計算される人的所得控除の金額を表示しています。[控除額を直接編集]のボタンで金額を手入力することもできます。 |
【決算書を入力する】
事業所得・不動産所得・農業所得がある場合には決算書もしくは収支内訳書を作成する必要がありますが、freee申告所得税でこれらの決算書を作成すると、自動的に申告書の第一表に反映されます。
なお、決算書は一般事業用の決算書、不動産所得用の決算書、農業所得の決算書、医業用の付表に対応しています。これらの情報はfreee会計のステップUIを活用して入力した場合には、申告書作成時に連携されて入力された状態になっています。
freee会計からの初期連携時に選択されなかった帳票については、画面左上の「+申告書を追加する」をクリックし、帳票選択画面にて選択することで帳票作成画面に対象の帳票が表示され作成を進めることができます。
該当の書類の横のチェックボックスにチェックをいれると、以下の画面が表示されます。
追加する場合には、追加を押します。
該当の書類の横のチェックボックスにチェックを再度クリックすると、以下の画面が表示されます。削除しても良い場合には、削除を押します。
【その他の所得(総合課税ステップUI)を入力する】
総合課税の所得のうち、ステップUIで入力が用意されているもの(給与所得、譲渡所得、配当所得、雑所得、一時所得)については、ステップUIで入力することで申告書に反映されます。基本的にステップUIで入力するものについては申告書画面や所得情報画面で修正することができませんのでステップUIに戻って修正する必要があります。
※上場株式について生じた配当について総合課税を選択する場合には、ステップUIで入力する必要があります。
【その他の所得(総合課税)を入力する】
総合課税の所得のうち、利子所得については、「所得情報」として入力することで申告書に反映されます。
第一表もしくは第二表の作成画面の上部に「所得の内訳を入力する」ボタンがありますので、そちらに入力していくことで所得として登録し、結果として第一・二表及び所得の内訳書に反映させることができます。
【医療費の控除明細書を作成する】
医療費控除の適用を受ける場合には、所得・控除のステップUIで医療費の明細もしくはセルフメディケーションの明細を入力します。
所得・控除のステップUIで入力をすると、医療費の明細書やセルフメディケーションの明細書が自動的に作成され、第二表へ医療費の額として転記され、その結果計算された医療費控除額が第一表へ反映されます。
【保険料や寄附金等の情報を入力する】
生命保険料や寄附金などの物的控除に係る情報(医療費控除、雑損控除以外)は、所得・控除のステップUIで入力することで第三者作成書類へ転記されるとともに控除額が算定され、第二表・第一表に自動転記されます。
社会保険料、生命保険料、小規模企業共済掛金等、寄附金控除、地震保険料が、所得・控除のステップUIで入力する保険料等の金額です。
【雑損控除の情報を入力する】
雑損控除に係る情報は、第二表に直接入力することで控除額が算定され、第一表に自動転記されます。
【第三者作成書類に関する記載事項を入力する】
電子申告で証明書などの原本の提出を省略したい場合には、これらの書類を作成して電子申告時にデータとして送信する必要があります。
freeeでは電子申告の際に送信する必要のある項目のみ入力でき、それ以外はグレーアウトしており入力の必要はありません。
2種類の入力方法があり、freee申告所得税のステップUIで入力したものが連携されるもの(連携ありのものは帳票上で編集できない)と帳票上で直接編集するものがあります。
※これらの書類は電子申告時に、原本書類の提出を省略したい場合に作成することになりますが、こちらで入力した内容が申告書に連携されて、反映されることはありません。
※平成31年4月1日以後、次の書類については、申告書の提出の際に、提出又は提示が不要となりましたのでfreee申告所得税の入力画面もありません。
- 給与所得、退職所得及び公的年金等の源泉徴収票
- オープン型の証券投資信託の収益の分配の支払通知書、配当等とみなされる金額の支払通知書、上場株式配当等の支払通知書
- 特定口座年間取引報告書
【繰越損失を入力する】
当期控除したい繰越損失額がある場合には、第一・第二表の作成画面上部の「繰越損失の入力」から入力を行います。
なお、事業所得が赤字になると自動で第四表が追加されますが、その他の所得区分を入力し、繰越損失額が解消した場合には、第四表を手動で削除するようお願いします。繰越損失額がない場合に、第四表が追加されていると正しい計算ができなくなります。
【内部通算を入力する】
譲渡所得と一時所得との通算や、経常所得で生じた損失と他の所得との通算を行いたい場合には、帳票選択から「損益通算の計算書」を選択する必要があります。
※譲渡損失と一時所得との通算の場合には、第一表のみで完結することも考えられますが、現時点のfreeeの仕様では損益通算の計算書を作成する必要があります。
損益通算の計算書を追加することで、通算の計算が行われその結果の値が第一表へ反映されるようになります。
なお、通算してもなお通算しきれない純損失の金額がある場合には、第四表を作成する場合に該当しますので、損益通算の計算書ではなく第四表を追加します。
【住民税・事業税に関する事項を入力する】
第二表の下部分の、住民税・事業税に関する事項のうち、16歳未満の親族の情報は「家族情報」で入力を行います。
それ以外の項目は帳票上で直接入力していきます。
【税理士法書面提出欄・税理士署名欄を入力する】
税理士法書面提出欄・税理士署名欄は、基本情報の税理士情報から入力します。
入力項目別の入力箇所のまとめ
所得税の確定申告の各項目別に下記の通り入力箇所が決まっています。こちらからの連携先については編集することができませんので、入力箇所への入力をお願いします。
所得
所得種類 | 入力箇所 |
---|---|
利子 | 所得の内訳情報で入力します |
配当 | freee申告ステップUI(所得・控除)で入力します |
不動産 |
決算書もしくは収支内訳書を作成します |
事業 | 決算書もしくは収支内訳書を作成します freee会計の会計情報を引き継ぎます |
給与 | freee申告ステップUI(所得・控除)で入力します |
雑(年金) | freee申告ステップUI(所得・控除)で入力します |
雑(その他) | freee申告ステップUI(所得・控除)で入力します |
一時 | freee申告ステップUI(所得・控除)で入力します |
退職 | 所得の内訳情報で入力します |
山林 | 所得の内訳情報で入力します |
所得控除(人的)
所得控除種類 | 入力箇所 |
---|---|
配偶者 | 家族情報の配偶者の情報 |
配偶者特別 | 家族情報の配偶者の情報 |
扶養 | 家族情報の親族の情報 |
障害者 | 家族情報の本人、配偶者、親族の情報 |
寡婦・寡夫 | 家族情報の本人情報 |
勤労学生 | 家族情報の本人情報 |
基礎 | 入力不要 |
所得控除(物的)
所得控除種類 | 入力箇所 |
---|---|
社会保険料 | freee申告ステップUI(所得・控除)で入力します |
生命保険料 | freee申告ステップUI(所得・控除)で入力します |
地震保険料 | freee申告ステップUI(所得・控除)で入力します |
小規模企業共済等掛金 | freee申告ステップUI(所得・控除)で入力します |
医療費 | freee申告ステップUI(所得・控除)で入力します |
寄附金 | freee申告ステップUI(所得・控除)で入力します |
雑損 | 第二表へ直接入力 |
税額控除
税額控除種類 | 入力箇所 |
---|---|
配当控除 | 第一表へ直接入力 |
外国税額控除 | 外国税額控除の明細書 |
政党等寄附金特別控除 | 政党等寄附金特別控除の明細書 |
認定NPO法人等寄附金特別控除 | 認定NPO法人等寄附金特別控除の明細書 |
公益社団法人等寄附金特別控除 | 公益社団法人等寄附金特別控除の明細書 |
(特定増改築等)住宅借入金等特別控除 | (特定増改築等)住宅借入金等特別控除の明細書 |
注意事項
帳票選択について
- freee申告のステップUIの入力内容に応じて必要と考えられる帳票が選択されます。
- 他に必要な帳票がある場合や帳票を選択しなおしたい場合には、帳票を選択して追加して作成する必要があります。
有利判定について
- 株式の配当や寄附金控除について有利判定して計算を変える機能はないため、試算を行った上で、入力箇所を変更するか作成する明細書を選択する必要があります。