対象プラン(法人)
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対象プラン(個人) | スターター | スタンダード | プレミアム |
日々、取引の登録を行っていると、以前入力した取引に対して逆の取引(返品・返金など)が発生することがあります。
このような場合、本ページで説明するマイナス金額の取引および赤伝用の相手勘定科目設定を利用することで、適切に一連の取引を管理できるようになります。
目次
赤伝の概要
赤伝とは
「赤伝」とは、一般的にすでに処理済みの伝票を取り消すために発行される伝票を指します。
freee会計においては、すでに登録した未決済取引の金額の全部 または 一部をマイナス(打ち消す)する場合に、赤伝に相当する取引を登録します。
実務における赤伝の具体例
実務上における具体例としては、次のようなものがあります。
【例1】売上値引の登録
4月1日の掛売上(100,000円)に対して、4月15日に値引き(10,000円)を行った。
この場合、適切に赤伝取引を登録すると、純粋な売上高 および 売掛金は「90,000円」となります。
【例2】仕入戻しの登録
5月1日の掛仕入(50,000円)に対して、5月15日に検品したところ注文したものと異なる商品が含まれていたため、仕入元に一部商品(5,000円)を返品した。
この場合、適切に赤伝取引を登録すると、純粋な仕入高 および 買掛金は「45,000円」となります。
赤伝対応による取引・勘定科目の仕様変更
2021年5月までのfreee会計の仕様では、マイナス金額の取引登録や任意の相手勘定科目の設定に対応しておりませんでしたが、2021年6月からはこれらができるようになりました。
これにより、「実務における赤伝の具体例」に示す適切な取引の登録や管理がfreee会計で可能になります。
2021年5月までの仕様と具体例 および 2021年6月からの仕様と具体例 はそれぞれ次のとおりです。
【モデルケース】売上高に値引が生じた場合
- 4月1日:商品100,000円を売り上げ、代金は翌月末に受け取ることにした。
- 4月15日:4月1日に売り上げた商品の一部に不良品が含まれていたことから、10,000円の値引きを行った。
2021年5月までの仕様と具体例
- 取引の合計額がマイナスとなる取引は登録できず、収入 / 支出が逆転していました。
- 勘定科目に設定された未決済取引における相手勘定科目は、収入 / 支出でそれぞれ固定されており、逆仕訳が登録できませんでした。
【4月1日:売上取引(未決済の収入取引)の登録】
「収入」の未決済取引として登録 されており、 「売上高」の相手勘定科目は「売掛金」 である。
【4月15日:売上値引取引(未決済の支出取引)の登録】
マイナス金額となる「収入」取引は登録できないため 、値引分は「支出」の未決済取引として登録 したところ、 「売上高」の相手勘定科目が「未払費用」 となり、元の取引の「売掛金」と対応しない。
2021年6月からの仕様と具体例
- 取引の合計額がマイナスとなる取引でも登録できるようになり、収入 / 支出が逆転することがなくなります。
- 勘定科目に設定された未決済取引における相手勘定科目は、収入 / 支出でそれぞれ指定できるようになり、逆仕訳の登録ができます。
【4月1日:売上取引(未決済の収入取引)の登録】
「収入」の未決済取引として登録 されており、 「売上高」の相手勘定科目は「売掛金」 である。
【4月15日:売上値引取引(マイナス金額による未決済の収入取引)の登録】
値引分をマイナス金額の「収入」の未決済取引として登録 したところ、 「売上高」の相手勘定科目が「売掛金」 となり、元の取引の「売掛金」と対応する。
これにより、実取引に沿った取引登録を行うことができ、債権債務等を適切に管理できるようになります。
赤伝対応によりできること
「赤伝対応による取引・勘定科目の仕様変更」により、次のことが可能になります。赤伝取引にまつわる挙動や操作の詳細については、後述の「各種赤伝取引にまつわる挙動・操作について」も併せてご覧ください。
- マイナスの取引金額による収入 / 支出取引の登録
- 未決済取引における任意の赤伝用相手勘定科目等の選択
- マイナスが生じた未決済取引であっても一貫した債権債務等の管理
- 一括振り込みファイルにおける一部減額処理
【ご注意】決済済み取引におけるマイナス金額の登録について
本ページでご説明している 赤伝対応は未決済の収入 / 支出取引においてのみ機能 します。
決済済み取引では、取引金額の合計がマイナスとなる金額を入力すると、これまでの仕様どおり収入 / 支出 の表示はそれぞれ逆転して登録されますのでご注意ください。
事前準備:未決済取引における赤伝用相手勘定科目の設定(有効化する)
赤伝用の相手勘定科目を使用するには、赤伝取引で使用する勘定科目ごとに事前設定が必要となります。事前設定の手順は次のとおりです。
赤伝用相手勘定科目を設定したい勘定科目が登録されていない場合
2021年6月現在、赤伝用相手勘定科目の設定は、すでに登録済みの勘定科目に対してのみ 行うことができます。
次のいずれかの方法により、まずは赤伝用相手勘定科目を設定したい勘定科目を新規登録します。
赤伝用相手勘定科目を設定したい勘定科目の登録が完了しましたら、「赤伝用相手勘定科目を設定したい勘定科目が登録されている場合」へ進みます。
赤伝用相手勘定科目を設定したい勘定科目が登録されている場合
赤伝用勘定科目を設定したい勘定科目ごとに、次の手順に沿って設定を行います。
【モデルケース】勘定科目「売上高」の「支出取引相手勘定科目」として「売掛金」を設定する
「売上高」の「支出取引相手勘定科目」は、デフォルトで「未払費用」が割り当てられています。この場合、「2021年5月までの仕様と具体例」のように、元の取引と赤伝取引では相手勘定科目がそれぞれ一致しないため、適切な債権管理ができません。
この場合、「2021年6月からの仕様と具体例」のように、「売上高」の「支出取引相手勘定科目」(ここではマイナスの収入未決済取引の相手勘定科目)に「売掛金」を割り当てることで、元の取引と赤伝取引の相手勘定科目を一致させ、適切な債権管理ができるようにします。
※ 以下の手順では【モデルケース】を例に、操作をご説明いたします。
- [マスタ・口座]メニュー →[勘定科目]をクリックします。
- [売上高]の行をクリックして、「勘定科目の編集」画面を開きます。
- [赤伝用の科目を表示]にチェックを入れます。
- 「支出取引相手勘定科目」項目から(ここでは、マイナスの未決済収入取引用の相手勘定科目として)[売掛金]を選択します。
※ もし、後から元の相手勘定科目に戻す可能性がある場合は、もともと設定されている相手勘定科目をお手元に控えておくことをオススメします。 - 「登録済みの未決済取引の変更」項目が表示されます。設定したい内容に合わせて次のいずれかを選択し[保存]ボタンをクリックします。
-
変更しない:
設定変更以後に登録する取引においてのみ、赤伝用相手勘定科目を使用する場合に選択します。過去に登録した取引に含まれる相手勘定科目には影響しません。 -
登録済みの取引も変更する:
設定変更以後に登録する取引の他、過去に登録した取引に含まれる相手勘定科目も手順4で選択した勘定科目に一括で置き換える場合に選択します。
※ 置き換えを行う取引件数によっては、一括処理に時間を要する場合があります。
-
変更しない:
【ご注意】「登録済みの取引も変更する」における一括置き換えの対象外について
月締めや年度締めを行っている期間の取引に対しては、一括置き換えの対象外となりますのでご注意ください。
月締めや年度締めを行っている期間の取引に対しても一括置き換えを適用したい場合は、各種締めを解除してから、もう一度操作をお試しください。
もし、有効化した赤伝用相手勘定科目を変更・無効化(元の設定に戻す)したい場合は、「未決済取引における赤伝用相手勘定科目の設定(設定を変更する・無効化する)」記載の操作を行います。
各種赤伝取引にまつわる挙動・操作について
このセクションでは、赤伝取引にまつわる挙動や操作について、各シーンごとにご説明いたします。
赤伝取引を登録する
赤伝取引は、次のいずれかの方法により登録することができます。
【「収入・支出形式(取引の一覧・登録)」画面の「詳細登録」から取引登録する】
[収入・支出形式(取引の一覧・登録)]画面の「詳細登録」から赤伝取引を登録する手順は次のとおりです。
- [取引入力]メニュー →[収入・支出形式(取引の一覧・登録)]をクリックします。
- [詳細登録]ボタンをクリックします。
- 通常行(「金額」列に「▲」が表示されていない行)がある場合は[削除]ボタンで取り除き、[+控除・マイナス行を追加]ボタンをクリックします。
- 手順3で追加した控除・マイナス行に対し、「勘定科目」「税区分」「金額」等を入力します。
この時、「勘定科目」の候補表示では登録したい勘定科目が表示されない可能性がありますので、その場合は直接入力します。また「金額」はマイナスを含めずに入力します。 - 「合計」欄がマイナス金額になっていることを確認し、画面左上の[登録]ボタンをクリックします。
【ご注意】「収入・支出形式(取引の一覧・登録)」画面における赤伝取引の登録について
赤伝取引のように「控除・マイナス行」を含んだ取引は、[収入・支出形式(取引の一覧・登録)]画面の[詳細登録]画面(上図のスクリーンショットの画面:手順2以降)でのみ行うことができます。
「かんたん取引登録」 欄([収入・支出形式(取引の一覧・登録)]画面の上部に表示された入力欄)からは登録することができませんのでご注意ください。
※ ただし、「かんたん取引登録」欄の「金額」項目にマイナス金額を入力し[詳細登録]ボタンをクリックすると、当該マイナス金額は「控除・マイナス行」として「詳細登録」画面に引き継ぐことができます。
【「連続取引登録」画面から取引登録する】
「連続取引登録」画面から赤伝取引を登録する手順は次のとおりです。
- [取引入力]メニュー →[連続取引登録]をクリックします。
- 画面上部の「記帳月」から登録する取引の年月を選択します。
- 「種類」から登録する取引の種類に合わせて「売掛金・未収金」 または 「買掛金・未払金」を選択します。
- 入力行に必要な情報を入力します。
このとき「収入金額」や「支出金額」項目にはマイナス金額を入力します。
【「取引インポート」を利用して取引登録する】
「取引インポート」から赤伝取引を登録するには、「取引」のCSVファイルが赤伝取引に沿った内容である必要があります。
【例】表計算ソフト等でCSVファイルを作成した場合の一例(必須項目のみ抜粋)
収支区分 | 発生日 | 勘定科目 | 税区分 | 金額 |
---|---|---|---|---|
収入 | 2021/4/15 | 売上高 | 課税売上10% | -10000 |
- 収支区分:「収入」または「支出」を明記します。
※ ここで指定した区分で赤伝取引が登録されます。 - 発生日:取引が発生した日付を入力します。
- 勘定科目:赤伝取引として登録したい勘定科目を入力します。
- 税区分:「勘定科目」に紐づく税区分を入力します。
- 金額:金額の先頭にマイナス(-)を付加し税込金額を入力します。
※ 上記の必須項目の他、関連する取引間の整合性を保持するため、必要に応じて「取引先」や「決済期日」などの項目を追加することをオススメします。
ただし、赤伝取引は未決済取引のみ登録可能であるため、決済済み取引として登録されてしまう項目(「決済日」「決済口座」「決済金額」)は追加しないようご注意ください。
その他に使用できるインポート項目や注意点等については「取引・口座振替のインポート(一括登録)」をご覧ください。
【「エクセルインポート」を利用して取引登録する】
「エクセルインポート」から赤伝取引を登録するには、「収入取引データ」または「支出取引データ」のエクセルファイルが赤伝取引に沿った内容である必要があります。
【例】エクセルでインポートデータを作成した場合の一例(必須項目のみ抜粋)
収支区分 | 発生日 | 勘定科目 | 税区分 | 金額 |
---|---|---|---|---|
収入 | 2021/4/15 | 売上高 | 課税売上10% | -10000 |
- 収支区分:「収入」または「支出」を明記します。
※ ここで指定した区分で赤伝取引が登録されます。また、インポート時に指定する「収入取引データ」または「支出取引データ」の別は、この収支区分と一致するものを選択します。 - 発生日:取引が発生した日付を入力します。
- 勘定科目:赤伝取引として登録したい勘定科目を入力します。
- 税区分:「勘定科目」に紐づく税区分を入力します。
- 金額:金額の先頭にマイナス(-)を付加し税込金額を入力します。
※ 上記の必須項目の他、関連する取引間の整合性を保持するため、必要に応じて「取引先」や「決済期日」などの項目を追加することをオススメします。
ただし、赤伝取引は未決済取引のみ登録可能であるため、決済済み取引として登録されてしまう項目(「決済日」「決済口座」「決済金額」)は追加しないようご注意ください。
その他に使用できるインポート項目や注意点等については「Excel・販売管理ソフトからデータを取り込む(エクセルインポート)」をご覧ください。
赤伝取引を含む一括振り込みファイルを作成する
「支払管理レポート」では、赤伝取引分の金額を減額処理した状態の一括振り込みファイルを作成することができます。
【モデルケース】返品が生じた掛仕入の代金を支払うための一括振り込みファイルを作成する
[取引の詳細]
- 4月1日:フリー株式会社から商品50,000円を仕入れ、代金は翌月末に支払うことにした(支出取引を登録)。
- 4月15日:4月1日に仕入れた商品の一部に、注文したものと異なる商品5,000円分が含まれていたことから返品した(支出をマイナスする赤伝取引を登録)。
- 5月25日:掛仕入代金の純額45,000円(50,000円 - 5,000円)を銀行振込で支払うために、これから一括振り込みファイルを作成する。
[作成する一括振り込みファイル]
今回は、 掛仕入代金の純額:45,000円 のみの一括振り込みファイルを作成します。
※ 以下の手順では【モデルケース】を例に、操作をご説明いたします。
- 一括振り込みファイルの作成にあたり、次の事前準備をすべて完了させます。
-
取引先「フリー株式会社」の口座設定・振込元口座の設定
一括振り込みファイルの作成には、支払先口座・支払元口座双方の設定が必要です。
詳しくは「インターネットバンキングに振込データを連携する - 1. 取引先の口座設定・振込元口座の設定を行う」のヘルプページをご覧ください。 -
取引先「フリー株式会社」を付与した2取引の登録
振込金額計算の基礎となる取引(4月1日分、4月15日分)を登録します。赤伝分の取引(4月15日分)の登録方法については、「赤伝取引を登録する」をご参考ください。
-
取引先「フリー株式会社」の口座設定・振込元口座の設定
- [発注・経費・支払]メニュー →[支払管理レポート]をクリックします。
- 一括振込ファイルの元となる取引(赤伝取引を含む)を選択し、[一括操作]ボタンから[一括振込ファイルを作成する]をクリックします。
- 「選択した取引先の確認」画面では、純額の掛仕入代金である45,000円(50,000円 - 5,000円)が自動計算で表示されます。
以降の操作は「インターネットバンキングに振込データを連携する - 3(b)一括振込ファイルを作成してインターネットバンキングに取り込む」を参考にご操作ください。
【ご注意】合計金額がマイナスとなる一括振込ファイルの作成について
一括振込ファイルの作成機能では、赤伝取引(マイナスの未決済支出取引)を含む一括振込ファイルの作成は可能ですが、合計金額がマイナスとなる場合はエラーが表示されます。
その場合は、選択している取引をご確認の上、適切な取引を選択し直してください。
未決済取引の消し込みを行う
赤伝を含む未決済取引は、次のいずれかの方法により消し込みすることができます。
【「自動で経理」画面の「未決済取引の消し込み」タブで消し込みを行う】
「自動で経理」画面では、赤伝を含む一連の未決済取引に同一の取引先タグや決済期日などが設定されている場合、freee会計が自動的に一連の未決済取引を推測し、決済を提案する場合があります。その場合は、推測内容に問題がないことを確認の上、消し込みを行います。
もし、推測結果が正しくない場合や、推測が行われなかった場合は、次の手順に沿って消し込みを登録します。
- 「自動で登録」画面上で消し込みを登録したい明細をクリックします。
- 「未決済取引の消込」タブをクリックします。
- 「未決済取引を探す」項目から、決済を登録したい未決済取引(赤伝取引含む)すべてにチェックを付け、「選択した未決済取引」項目に移動させます。
※ 一連の取引のうち一部が候補表示されない場合は、絞り込み条件を適宜変更してください。 - 「差額の調整」があれば必要事項を入力し[登録(Ctrl + Enter)]ボタンをクリックします。一連の未決済取引(赤伝取引を含む)において、各取引同士の整合性が高いほどfreee会計による推測の精度は向上します。
消し込み操作の手間を最小限に抑えるため、一連の取引には同一の取引先タグや決済期日情報などを付加しておくことをオススメします。
【「収入・支出形式(取引の一覧・登録)」画面の「決済」欄で決済を登録する】
[収入・支出形式(取引の一覧・登録)]画面から手動で未決済取引の消し込みを行う場合、一度の操作で消し込みを完了することはできかねます。
そのため、元の取引と赤伝取引の決済はそれぞれ個別に登録します。
【モデルケース】売上高の一部に値引きが生じた代金を現金で決済した場合
[取引の詳細]
- 4月1日:商品100,000円を売り上げ、代金は翌月末に受け取ることにした。
- 4月15日:4月1日に売り上げた商品の一部に不良品が含まれていたことから、10,000円の値引きを行った。
- 5月31日:掛売上代金の純額90,000円(100,000円 - 10,000円)を現金で受け取った。
[決済登録の考え方と方法]
実取引上は「5月31日に90,000円を現金で受け取った」という決済事実が1つに対して、「4月1日に100,000円を売り上げた」「4月15日に10,000円の値引きを行った」という未決済取引が2つ紐づいています。
そのため、freee会計上で決済を登録する場合は、1つの決済事実を次のように分解してそれぞれの決済を登録します。
- 5月31日に商品代金100,000円を現金で受け取った
- 受け取った商品代金の中から値引分10,000円を直ちに返金した
※ 以下の手順では【モデルケース】を例に、操作をご説明いたします。なお、4月1日と4月15日の未決済取引はそれぞれが登録済みであることを前提としています。
赤伝取引の登録方法については「赤伝取引を登録する」をご参考ください。
- [取引入力]メニュー → [収入・支出形式(取引の一覧・登録)]をクリックします。
- 4月1日に登録した未決済取引をクリックし、取引の詳細を表示します。
- 「決済」欄の[+決済を登録]ボタンをクリックします。
- 「入金金額」に「100000」を入力し[登録]ボタンをクリックします。
※ ここでは一旦、値引前の売上金額:100,000円で決済を登録します。 - 4月15日に登録した赤伝未決済取引をクリックし、取引の詳細を表示します。
- 「決済」欄の[+決済を登録]ボタンをクリックします。
- 「出金金額」に「10000」を入力し[登録]ボタンをクリックします。
※ 「収入のマイナス」を決済するため、ここでは「出金金額」を入力します。 - 以上により、90,000円(手順4の100,000円 + 手順7の-10,000円)の決済登録が完了です。
各種レポート(試算表・月次推移など)での表示
赤伝取引を含む一連の未決済取引の金額は、各種レポート上ではプラス金額とマイナス金額が相殺された純額が表示されます。
【例】「月次推移」レポートにおける赤伝取引を含む未決済取引の表示
次の未決済取引が登録された場合、「月次推移」レポートにおける4月の売掛金は「90,000」円と表示されます。
- 4月1日:商品100,000円を売り上げ、代金は翌月末に受け取ることにした。
- 4月15日:4月1日に売り上げた商品の一部に不良品が含まれていたことから、10,000円の値引きを行った。
赤伝用相手勘定科目を含む取引テンプレートを作成する
取引テンプレート機能では、赤伝用相手勘定科目を含む取引テンプレートの作成にも対応しています。
取引テンプレートの新規作成画面にて、[+控除・マイナス行を追加]ボタンで控除行を挿入し、「金額」欄に任意のマイナス金額(マイナスは不要)を入力することで、赤伝用の取引テンプレートとして利用することができます。
※ ここでは赤伝の未決済取引テンプレートを作成するため、 「口座」の指定は行わないことに注意 が必要です。
未決済取引における赤伝用相手勘定科目の設定(設定を変更する・無効化する)
赤伝用相手勘定科目の設定の変更・無効化は、「勘定科目の設定」画面から行います。
- [マスタ・口座]メニュー →[勘定科目]をクリックします。
- 赤伝用相手勘定科目の変更 または 無効化したい勘定科目をクリックして、「勘定科目の編集」画面を開きます。
- 目的に合わせて、「収入取引相手勘定科目」「支出取引相手勘定科目」のどちらか または 双方に対し、次のいずれかの操作を行います。
※ 次のスクリーンショットは、両項目に設定された赤伝用相手勘定科目「売掛金」を「売掛金2」に変更している例です。-
赤伝用相手勘定科目の使用は継続するが、異なる相手勘定科目に変更したい場合:
「赤伝用の科目を表示」チェックボックスにチェックが入っていることを確認し、変更先となる赤伝用相手勘定科目を選択します。 -
赤伝用相手勘定科目の使用を取りやめたい場合:
勘定科目にそれぞれ割り当てられたデフォルトの相手勘定科目を選択します。
-
赤伝用相手勘定科目の使用は継続するが、異なる相手勘定科目に変更したい場合:
- 「登録済みの未決済取引の変更」項目が表示されます。設定したい内容に合わせて次のいずれかを選択し[保存]ボタンをクリックします。
-
変更しない:
設定変更以後に登録する取引においてのみ、変更した(赤伝用)相手勘定科目を使用する場合に選択します。過去に登録した取引に含まれる相手勘定科目には影響しません。 -
登録済みの取引も変更する:
設定変更以後に登録する取引の他、過去に登録した取引に含まれる相手勘定科目も手順3で選択した勘定科目に一括で置き換える場合に選択します。
※ 置き換えを行う取引件数によっては、一括処理に時間を要する場合があります。
-
変更しない:
【ご注意】「登録済みの取引も変更する」における一括置き換えの対象外について
月締めや年度締めを行っている期間の取引に対しては、一括置き換えの対象外となりますのでご注意ください。
月締めや年度締めを行っている期間の取引に対しても一括置き換えを適用したい場合は、各種締めを解除してから、もう一度操作をお試しください。
もし、無効化した赤伝用相手勘定科目を再度有効化したい場合は、「事前準備:未決済取引における赤伝用相手勘定科目の設定(有効化する)」記載の操作を行います。
注意事項
本機能のご利用に際しては、いくつかの注意事項がございます。
赤伝取引の取り扱いに関する注意点について
【赤伝取引として登録される条件について】
赤伝取引として登録されるのは、次の条件がすべて満たされる場合です。
- 未決済取引であること
- 取引登録時に指定した勘定科目に、赤伝用相手勘定科目が設定されていること
- マイナス金額として登録していること
決済済み取引 において、取引金額の合計がマイナスとなった場合は、これまでの仕様と同様、収支が逆転する 点にご注意ください。
【登録した赤伝取引の収支逆転について】
赤伝取引の詳細画面上で[収入に変更]または[支出に変更]ボタンをクリックした場合、収支とともに、仕訳の貸借が逆転することにご注意ください。
【例】売上高のマイナス(マイナスの収入未決済取引)を逆転した場合
[逆転前の取引内容]
- 収支の別:(マイナスの)収入
- 仕訳:売上高 10,000円 / 売掛金 10,000円
[逆転後の取引内容]
- 収支の別:(マイナスの)支出
- 仕訳:売掛金 10,000円 / 売上高 10,000円
赤伝取引の登録に対応していない機能・環境について
【対応していない機能】
2021年6月現在、次の機能において、本機能の一部 または 全部は対応しておりません。
-
[取引入力]メニュー
- 収入・支出形式(取引の一覧・登録):赤伝取引の登録には対応しておりません。
また、赤伝未決済取引は口座振替への変換は対応しておりません。 - ファイルボックス:赤伝取引の登録には対応しておりません。
- 給与取引の登録:赤伝取引の登録には対応しておりません。
- 収入・支出形式(取引の一覧・登録):赤伝取引の登録には対応しておりません。
-
[発注・経費・支払]メニュー
- 経費精算:赤伝取引の登録には対応しておりません。
- 支払依頼:赤伝取引の登録には対応しておりません。
- 各種申請:赤伝取引の登録には対応しておりません。
-
[入力効率化]メニュー
- 自動登録ルール:赤伝相手勘定科目を含むルールは作成できません。
-
[その他設定]メニュー
- 開始残高の設定:赤伝取引の登録には対応しておりません。
【対応していない環境】
2021年6月現在、iOS / Android版 freee会計からの赤伝取引登録は対応しておりません。
よくある質問
ケースごとに分けて、自由に赤伝用相手勘定科目を組み合わせて使用することはできますか?
いいえ、1つの勘定科目に設定できる赤伝用相手勘定科目は、収入 / 支出それぞれ一つずつです。
ケース別に赤伝用相手勘定科目を使用したい場合は、個別に勘定科目を新規登録し、それらの勘定科目に対して赤伝用相手勘定科目をご設定ください。
どんな勘定科目が赤伝用相手勘定科目として使用できますか?
「勘定科目の編集」画面で選択できる相手勘定科目の他、勘定科目の決算書表示名が「売掛金」または「買掛金」となっている勘定科目が使用できます(独自に作成した勘定科目も含む)。
赤伝用相手勘定科目を有効にしていますが、「収入・支出形式(取引の一覧・登録)」画面から赤伝取引の登録ができません。
[収入・支出形式(取引の一覧・登録)]画面では、「かんたん取引登録」欄ではなく、「詳細登録」画面の控除行を使用して赤伝取引を登録します。詳しい操作方法は「収入・支出形式(取引の一覧・登録)」画面の「詳細登録」から取引登録する 」をご覧ください。