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freee会計法人向けプランでは、未決済取引の相手勘定科目に部門を付与することができます。これにより、債権・債務の残高を部門別に管理することが可能です。
本ページでは、未決済取引における相手勘定科目への部門タグ付与についてご紹介します。
目次
本機能の概要
2021年4月までは、未決済取引における勘定科目(損益計算書科目)には部門タグを付与できましたが、その相手勘定科目(貸借対照表科目)には部門タグの付与ができませんでした。この場合、損益計算書科目からの部門別管理は行うことができましたが、貸借対照表科目からの部門別管理ができませんでした。
2021年5月からは、未決済取引における勘定科目(損益計算書科目)およびその相手勘定科目(貸借対照表科目)の双方に部門タグの付与ができるようになりました。
これにより、貸借対照表科目で部門別管理ができるようになりました。
本機能を利用した場合と利用しなかった場合の例
【モデルケース】
商品1,000,000円を売り上げ、代金は翌月末に受け取ることとした。売上金額の部門別の内訳は次のとおりである。
- A部門:100,000円
- B部門:200,000円
- C部門:300,000円
- D部門:400,000円
【2021年4月までの仕様】
「モデルケース」の取引を登録すると、下表の仕訳が作成されます。
「売上高」勘定に個別に部門を付与しても、その相手勘定科目である「売掛金」勘定は部門が付与されないため、金額が合算されます。
これにより、損益計算書側の勘定科目では部門別管理が可能であったのに対し、貸借対照表側の勘定科目では部門別管理ができませんでした。
借方 | 貸方 | ||||
---|---|---|---|---|---|
勘定科目 | 金額 | 部門 | 勘定科目 | 金額 | 部門 |
売掛金 | 1,000,000 | (なし) | 売上高 | 100,000 | A部門 |
売上高 | 200,000 | B部門 | |||
売上高 | 300,000 | C部門 | |||
売上高 | 400,000 | D部門 |
【2021年5月からの仕様】
「モデルケース」の取引を登録すると、下表の仕訳が作成されます。
「売上高」勘定に個別に部門を付与することで、その相手勘定科目である「売掛金」勘定にも同一の部門が付与され、「売掛金」勘定の金額を部門ごとに個別集計することが可能になります。
これにより、損益計算書側・貸借対照表側 双方の勘定科目において、部門別管理ができるようになります。
借方 | 貸方 | ||||
---|---|---|---|---|---|
勘定科目 | 金額 | 部門 | 勘定科目 | 金額 | 部門 |
売掛金 | 100,000 | A部門(※) | 売上高 | 100,000 | A部門 |
売掛金 | 200,000 | B部門(※) | 売上高 | 200,000 | B部門 |
売掛金 | 300,000 | C部門(※) | 売上高 | 300,000 | C部門 |
売掛金 | 400,000 | D部門(※) | 売上高 | 400,000 | D部門 |
※ 相手勘定科目側の部門は、それぞれ対応する勘定科目側の部門と同一のものが自動的に付与されます。
「未決済の相手方科目への部門の付与」機能の有効化 / 無効化
未決済取引において、勘定科目だけではなく、その相手勘定科目にも部門タグを付与したい場合、事前の設定が必要となります。事前設定の手順は次のとおりです。
- [設定]メニュー → [事業所の設定]をクリックします。
- [詳細設定]タブをクリックして切り替えます。
- 「取引関連設定」グループ内の「未決済の相手方科目への部門の付与」項目にて、[使用する]にチェックを入れ、[保存]ボタンをクリックします。
※ もし、本機能を無効化したい場合は、「使用しない」にチェックを入れ、[保存]ボタンをクリックします。
【ご注意】設定の有効 / 無効タイミングについて
「未決済の相手方科目への部門の付与」項目は、 設定時点以降から登録・編集する取引に対して 相手勘定科目への部門タグ付与が有効化(無効化)する点にご注意ください。
未決済取引の相手勘定科目に部門を付与する(取引の登録)
未決済取引の相手勘定科目へ部門タグを登録するには、次のいずれかの機能から取引登録します。
これらの機能において、勘定科目に部門タグを付与すると、その勘定科目に紐づく相手勘定科目に対しても同じ部門タグが付与されます。
-
「取引」メニュー
- 取引の一覧・登録(かんたん取引登録 / 詳細登録)
- 取引インポート / エクセルインポート
- 連続取引登録
- 給与取引の登録
- 請求書
- 領収書
-
「申請」メニュー
- 経費精算
- 支払依頼
例:「取引の一覧・登録」画面の「詳細登録」から取引登録を行った場合
【モデルケース】
5月1日に商品1,000,000円を売り上げ、代金は翌月末に受け取ることとした。売上金額の部門別の内訳は次のとおりである。
- A部門:100,000円
- B部門:200,000円
- C部門:300,000円
- D部門:400,000円
【「詳細登録」画面における登録例】
[+行を追加]ボタンをクリックして入力行を4行用意し、それぞれ次のとおり入力します。
行番号 | 勘定科目 | 金額 | 部門タグ |
---|---|---|---|
1行目 | 売上高 | 100,000 | A部門 |
2行目 | 売上高 | 200,000 | B部門 |
3行目 | 売上高 | 300,000 | C部門 |
4行目 | 売上高 | 400,000 | D部門 |
【仕訳プレビューの表示イメージ】
[部門を付与して取引登録を行った場合の表示イメージ]
付与された部門タグの行ごとに、勘定科目とその相手勘定科目が個別表示されます。
発生日 | 借方 | 貸方 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
勘定科目 | 金額 | 税区分 | 勘定科目 | 金額 | 税区分 | |
2021-05-01 | 売掛金 | 100,000 | 対象外 | 売上高 | 100,000 | 課税売上10% |
売掛金 | 200,000 | 対象外 | 売上高 | 200,000 | 課税売上10% | |
売掛金 | 300,000 | 対象外 | 売上高 | 300,000 | 課税売上10% | |
売掛金 | 400,000 | 対象外 | 売上高 | 400,000 | 課税売上10% |
[部門を付与せず取引登録を行った場合の表示イメージ]
勘定科目は行ごとに個別表示されますが、その相手勘定科目は合算され1行で表示されます。
発生日 | 借方 | 貸方 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
勘定科目 | 金額 | 税区分 | 勘定科目 | 金額 | 税区分 | |
2021-05-01 | 売掛金 | 1,000,000 | 対象外 | 売上高 | 100,000 | 課税売上10% |
売上高 | 200,000 | 課税売上10% | ||||
売上高 | 300,000 | 課税売上10% | ||||
売上高 | 400,000 | 課税売上10% |
【ご注意】相手勘定科目に部門が付与される条件について
本機能により、勘定科目とその相手勘定科目の双方に部門タグが付与されるのは、 未決済取引として登録した場合のみ です。
登録済みの取引で、勘定科目とその相手勘定科目の双方で部門タグが付与されない場合は、当該取引の決済状況が「未決済」であることをご確認ください。
各種レポート上で部門ごとに表示する
「 未決済取引の相手勘定科目に部門を付与する(取引の登録) 」で登録した相手勘定科目(貸借対照表科目)の部門タグは、各種レポートでも絞り込み表示等をすることができます。
仕訳帳・総勘定元帳
勘定科目に付与した部門タグが、その相手勘定科目側にも同じ内容で付与されていることが確認できます。また、検索条件を指定することで、特定部門の取引を絞り込み表示することもできます。
※ いずれの画面においても、「表示オプション」項目で「部門」のチェックが入っていることで付与した部門が表示される仕様となっております。
【「仕訳帳」画面の表示例】
試算表・月次推移
「貸借対照表」に属する勘定科目(取引登録時に指定した「勘定科目」の相手勘定科目)においても、付与した部門タグごとに内訳を表示することができます。部門別の内訳を確認したい勘定科目を選択の上、「部門別」をクリックし内訳を確認します。
【「試算表」画面の表示例】
登録した取引の決済内容を変更する(+更新)
相手勘定科目(貸借対照表科目)に部門タグが付与された場合、それらの決済に対する「+更新」は部門タグごとに行うことができます(「+更新」機能についての詳細は「 貸倒損失の計上・経過勘定などの振替を行う(+更新) 」ページをご覧ください)。
例:売り上げた商品代金(売掛金)の一部を前受した金額で充当する場合
【モデルケース】
- 4月15日:A部門の売上金額に対する前受金として、50,000円を受領した。
- 5月1日:商品1,000,000円を売り上げ、代金は翌月末に受け取ることとした。売上金額の部門別の内訳は次のとおりである。
- A部門:100,000円
- B部門:200,000円
- C部門:300,000円
- D部門:400,000円
【「+更新」として登録する内容】
A部門の売掛金100,000円に対し、4月15日の前受金50,000円を充当する。
【「+更新」の登録例】
5月1日:商品売上の取引詳細を開き、「決済」欄の[+更新]ボタンをクリックし、部門Aの売掛金に該当する行を選択します。
「更新内容」欄内の項目を次のとおり入力します。
- 勘定科目:前受金
- 金額:50,000(円)
これにより、もともとの部門Aの売掛金100,000円のうち、50,000円がすでに受け取っていた前受金として充当されます(結果的に、部門Aの売掛金残額は50,000円となります)。
相手勘定科目に部門が付与された取引を消し込む
相手勘定科目に部門が付与された取引においても、通常の 「自動で経理」から未決済取引を消し込む方法 や 手動で決済を登録する方法 を利用することができます。
ただし、 1つの未決済取引に部門タグが複数行割り当てられている場合 かつ 部分決済を登録する場合には注意が必要 です。消し込む際の機能画面によって、消し込みの仕様や挙動が異なります。
「自動で経理」画面から部分決済を登録する場合
消し込みを行う勘定科目を選択して、個別に消し込み登録することができます。
【モデルケース】
- 5月1日:商品1,000,000円を売り上げ、代金は翌月末に受け取ることとした。売上金額の部門別の内訳 および 取引としての記録順は次のとおりである。
- A部門:100,000円
- B部門:200,000円
- C部門:300,000円
- D部門:400,000円
- 5月31日:売上先の会社から、商品代金を次のような分割払いでの支払いをしたいとの申し出があり、これを承諾した。
- 6月30日分のお支払い:500,000円(売掛金残額:500,000円)
- 7月31日分のお支払い:500,000円(売掛金残額:0円)
- 6月30日:1回目の商品代金500,000円を受領したため消込を登録する。なお、 この500,000円の消込対象はB部門およびC部門の売上金額 である。
下図のとおり明細詳細画面の「未決済取引の消込」タブにて、B部門およびC部門の売上金額に対し個別に消し込み登録することができます。
「自動で経理」画面以外から部分決済を登録する場合
複数回数による決済や部分決済の場合、 最も上に位置する取引行から順に消し込み が行われます。特定の行を選択しての消込はできかねますので、あらかじめご了承ください。
例:複数部門タグを含む未決済取引に部分決済を登録する場合
【モデルケース】
- 5月1日:商品1,000,000円を売り上げ、代金は翌月末に受け取ることとした。売上金額の部門別の内訳 および 取引としての記録順は次のとおりである。
- A部門:100,000円
- B部門:200,000円
- C部門:300,000円
- D部門:400,000円
- 5月31日:売上先の会社から、商品代金を次のような分割払いでの支払いをしたいとの申し出があり、これを承諾した。
- 6月30日分のお支払い:500,000円(売掛金残額:500,000円)
- 7月31日分のお支払い:500,000円(売掛金残額:0円)
- 6月30日:1回目の商品代金500,000円を受領したため、消込を登録する。
【消込として登録する内容】
6月30日:5月1日の未決済収入取引1,000,000円に対して、500,000円分の消込を登録する。
【消込の考え方と実際の処理】
本モデルケースでは、5月1日の売掛金(部門別の未決済収入取引)は、A部門〜D部門まで4行に渡り記録されています。
複数回にわたり売掛金の回収を行った場合「 A部門の売掛金から順に回収が行われた 」とみなし、消込処理が行われます(特定の取引行を選択して消込を行うことはできかねます)。
したがって、本ケースにおける売掛金の消込のされ方は次のとおりとなります。
-
A部門:100,000円:
- 6月30日:100,000円 全額が回収(6月30日に消込処理)
-
B部門:200,000円:
- 6月30日:200,000円 全額が回収(6月30日に消込処理)
-
C部門:300,000円:
- 6月30日:300,000円のうち200,000円が回収(6月30日に消込処理)
- 7月31日:300,000円のうち100,000円が回収(7月31日に消込処理)
-
D部門:400,000円:
- 7月31日:400,000円 全額が回収(7月31日に消込処理)
このように本モデルケースでは、 C部門の売掛金に部分決済が発生する ため、場合によっては一時的に各種レポート上で確認できる金額が、あたかもズレて見えたり、実際の取引に沿わない表示となる可能性があることに注意が必要です。
このような状況を回避するには、各部門ごとに未決済取引を作成することをオススメします。
注意事項
複数行の未決済取引を消し込む際の注意事項について
「 相手勘定科目に部門が付与された取引を消し込む 」にも記載がありますが、「自動で経理」機能以外において複数行の未決済取引を消し込む場合、 最も上に位置する取引行から決済が行われたとみなして消込処理 が行われます。
そのため、帳簿上の取引が実際の取引の実態に沿わない状況となる可能性があります。この場合は、各部門タグごとに未決済取引を分けて登録し、個別に消込を行うことをオススメします。
例:複数部門タグを含む未決済取引の切り離しについて
【モデルケース】
- 5月1日:商品1,000,000円を売り上げ、代金は翌月末に受け取ることとした。売上金額の部門別の内訳 および 取引としての記録順は次のとおりである。
- A部門:100,000円
- B部門:200,000円
- C部門:300,000円
- D部門:400,000円
【切り離さない場合の登録例:すべての部門を1つの未決済取引にまとめる場合】
1つの未決済取引内に、部門別に各行を設けて登録する場合は次のように登録します。この取引を消し込む場合、1行目の取引から順に決済されたとみなして 登録されます。
取引区分 | 行番号 | 勘定科目 | 金額 | 部門タグ |
---|---|---|---|---|
取引1つ目 | 1行目 | 売上高 | 100,000 | 部門A |
2行目 | 売上高 | 200,000 | 部門B | |
3行目 | 売上高 | 300,000 | 部門C | |
4行目 | 売上高 | 400,000 | 部門D |
【切り離す場合の登録例:すべての部門を1つずつの未決済取引に分割する場合】
部門タグごとに個別の未決済取引を登録する場合は次のように登録します。これらの未決済取引はそれぞれ独立しているため、任意の順番等で消込をすることができます。
取引区分 | 行番号 | 勘定科目 | 金額 | 部門タグ |
---|---|---|---|---|
取引1つ目 | 1行目 | 売上高 | 100,000 | 部門A |
取引2つ目 | 1行目 | 売上高 | 200,000 | 部門B |
取引3つ目 | 1行目 | 売上高 | 300,000 | 部門C |
取引4つ目 | 1行目 | 売上高 | 400,000 | 部門D |
よくある質問
未決済取引を消し込んだ場合、仕訳帳上では消し込みを行った仕訳側にも部門タグは付与されますか?
はい、消込を行った側の仕訳にも消込元の部門タグと同じ部門タグが付与されます。
例えば「売掛金(A部門) 100,000円 / 売上高(A部門) 100,000円」の仕訳を消し込んだ場合、「現金 100,000円 / 売掛金(A部門) 100,000円」として記録され、部門別の売掛金増減を確認できるようになります。
本機能を有効化後に特定の取引(の相手勘定科目)に部門タグを付与し、本機能を一旦無効化しました。この場合、すでに付与した相手勘定科目側の部門タグは削除されますか?
いいえ、一度付与した部門タグは本機能の有効 / 無効を問わず保持されます。再度、相手勘定科目への部門タグ付与や編集の必要がありましたら、「 「未決済の相手方科目への部門の付与」機能の有効化 / 無効化 」の手順に沿って、本機能を再度有効化してください。
一度決済済みとして登録した取引があります。その取引に対し、すべての「決済」を削除の上 部門を付与すれば、相手勘定科目への部門タグが付与されるようになりますか?
はい、相手勘定科目への部門タグは付与されます。
本機能は 未決済取引において勘定科目へ部門タグを付与する ことにより、相手勘定科目への部門タグが付与されます。そのため、本機能を有効化した上で、決済を全削除した未決済取引に対し、同操作を行っていただければ相手勘定科目側にも部門タグは付与されます。