電子帳簿保存法とは、帳簿(仕訳帳など)や取引書類(請求書、領収書など)について、電子データによる保存を認めた法律です。
同法は2022年1月から電子保存がしやすい制度に改正され、これに伴いfreeeでは、全プランで電子帳簿保存ができる機能を提供しています(詳細については「電子帳簿保存法の概要・手続について」のヘルプページをご覧ください)。
このページでは、現状の制度において電子帳簿保存を始める際に、法令上求められている準備(社内ルールの整備等)について説明します。
電子保存を始める際に必要な準備
電子帳簿保存法(電帳法)は、事業において発生する書類を4類型に分けており、類型ごとに法令上の保存要件が異なります。
freeeのプロダクトが、それぞれの類型にどのように機能対応しているかについて、詳細は「電子帳簿保存法の概要・手続について」のヘルプページをご覧ください。
法令上の類型 | 具体例 | 適用される電帳法の要件 | |
---|---|---|---|
国税関係帳簿 |
取引全体の記録
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A. 電子帳簿保存制度 (電帳法第4条第1項) |
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国税関係書類 | 決算関係書類 |
決算のために作成した書類
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B. 決算書・自社発行取引書類の控え保存制度 (電帳法第4条第2項) |
取引関係書類 |
紙で 発行 した取引書類の控え
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紙で 受領 した取引書類
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C. スキャナ保存制度 (電帳法第4条第3項) |
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電子取引 |
紙を用いず電子で完結した取引のデータ
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D. 電子取引データ保存制度 (電帳法第7条) |
電子保存を開始するためには、4類型ごとに社内のルール整備などの準備をすることが法令上求められています。
freeeを利用し電子保存をする場合に必要な準備を下表にまとめました。
電帳法の類型 | 必要な準備 | 根拠法令 |
---|---|---|
A. 電子帳簿保存制度 |
① 操作説明書 ② 事務手続を明らかにした書類 |
規則第2条第2項第1号ハ・ニ (国税庁帳簿書類一問一答問8・問9) |
B. 決算書・自社発行取引書類の控え保存制度 |
① 操作説明書 ② 事務手続を明らかにした書類 |
規則第2条第3項 |
C. スキャナ保存制度 |
① 操作説明書 ② 事務手続を明らかにした書類 ③ 各事務の処理に関する規程 |
規則第2条第6項第1項ロ・第7号 (国税庁スキャナ保存一問一答問52) |
D. 電子取引データ保存制度 | ④ 電子取引の事務処理の規程 | 規則第4条第1項第4号 (国税庁電子取引一問一答問29) |
お客様の利用する電子帳簿書類の類型に応じて、必要な準備を行います。
上表①の操作説明書は、freeeでは ヘルプセンター が該当しますので、お客様にて特に準備は必要ありません。
上表② ~ ④の書類・規程は、社内ルールとして準備する必要があります。freeeでは共通して利用できる社内ルールのテンプレートを用意しました。
事業規模などに応じて各自定めることとされていますので、テンプレートファイルをダウンロードの上、内容をアレンジしてご利用ください(たとえば、スキャナ保存のみ行う場合は、「全体について」と「C. スキャナ保存について」の箇所を利用します)。
特にテンプレート内の [括弧書きの部分] は、ご自身の事業に合わせてアレンジしてください。
アレンジする必要がない場合には、テンプレート自体を社内ルールとして利用しても差し支えありません。
必要な準備 | 法令で求められている内容 | freeeを利用する場合 |
---|---|---|
① 操作説明書 |
利用するシステムの操作説明書 | freeeの ヘルプセンター が該当 |
② 事務手続を明らかにした書類 |
適切な電子保存をすることを目的として、責任者、作業の過程、順序および入力方法などの手続を明確に表現したもの | freeeが作成した社内ルールテンプレートを参考に、お客様にて社内ルール化 |
③ 各事務の処理に関する規程 | 業務サイクルに応じた入力事務を行うことによる改ざん防止を目的として、作業責任者、処理基準、判断基準等やワークフローなどの企業の方針を定めたもの | |
④ 電子取引の事務処理の規程 | 電子取引データの真実性を確保することを目的として、正当な理由がない訂正削除の防止に関する事務処理のルールを定めたもの | |
⑤ 表示・出力するデバイスの準備 |
事業所にパソコン、ディスプレイ、プリンタを用意し、電子保存した内容を「整然とした形式及び明瞭な状態」で表示・出力できるようにします。 ディスプレイ、プリンタの性能の目安は以下の通りです。 【ディスプレイ】
この性能のディスプレイで表示することができます。 【プリンタ】
この性能のプリンタで印刷することができます。 |
お客様にて必要なデバイスをご準備ください。 |
⑥スキャンするデバイスの準備(スキャナ保存のみ) |
事業所に紙の請求書や領収書を読み込み電子ファイルにするスキャナーを用意し、「整然とした形式及び明瞭な状態」で表示等できるような状態で読み込みを行います。 【スキャナーに求められる要件】
この性能のスキャナで読み込むことができます。
従業員等がスマートフォンなどで紙の請求書や領収書を撮影する場合
その他、JIS X6933又はISO12653-3準拠スキャナ評価用テストチャートの4ポイント文字を認識できることが求められます。要件を満たしたスキャナー等で読み込むことで上記の4ポイント文字を認識することができます。 |
お客様にて必要なデバイスをご準備ください。 |
社内ルール(上記② 〜 ④)テンプレートファイルのダウンロード
次の手順にてテンプレートファイルをダウンロードすることができます。
- 「電子帳簿保存法 特設サイト」へアクセスします。
- 特設ページ内の「さらに役立つコンテンツ」見出しに表示された、「税理士監修! 電子帳簿保存法社内規定テンプレート」の[ダウンロード]ボタンをクリックします。
- 必要な情報を入力の上、[ダウンロードする]ボタンをクリックすることでテンプレートファイルをダウンロードすることができます。
関連情報
ここでは電子帳簿保存法に関連する法令やヘルプページをご紹介します。
関連法令等
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電子帳簿保存法(法律):
-
電子帳簿保存法の政令:
- 電子帳簿保存法の財務省令(規則):
- 電子帳簿保存法一問一答: