freeeでは、受取手形・支払手形で決済した取引は、手形口座または「+更新」を用いて登録します。これは、freeeの「取引」では決済状況と勘定科目の組み合わせで「売掛金」等の債権・債務を自動計上し、決済方法の違いを直接反映しないためです。
振り出した手形が不渡りとならないよう支払期日の当座預金口座に資金を準備する、受け取った手形の呈示期間を把握しておくという点については、別途手形記入帳で管理する必要があります。
目次
- 事前準備:当座預金の口座を登録する
- 口座を作って処理する方法
- 受取手形の処理
- 支払手形の処理 - 「+更新」を用いて処理する方法
- 参考:手形を裏書譲渡した場合の処理
- 参考:受取手形記入帳・支払手形記入帳のテンプレート
事前準備:当座預金の口座を登録する
まずは、手形の支払いや現金化のために使用する当座預金を「口座」として登録します。
1. [口座]メニュー→[口座の一覧・登録]画面を開きます。
2. [銀行口座]タブが選択されていることを確認し、[銀行口座を登録する]ボタンをクリックします。
3. 通常の口座登録と同様に、金融機関名を検索して口座を登録します。
4. (任意)インターネットバンキングをご利用の場合は、ログイン情報を入力して同期設定を行います。
5. [設定]メニュー→[勘定科目の設定]画面を開きます。
6. 手順3で登録した口座名の勘定科目をクリックして編集画面を開き、「決算書表示名」を[当座預金]に変更します。
口座を作って処理する方法
受取手形の処理
1. [口座]→[口座の一覧・登録]画面を開き、[現金・その他]タブに切り替えます。
2. [資産の口座(小口現金・仮払金など)を登録する]ボタンをクリックして、現預金扱いの口座をいったん登録します。
3. 口座名を「受取手形口座」として[登録]ボタンをクリックします。
ここで設定した口座名は、勘定科目としても登録されます。
※ 標準で用意されている「受取手形」という勘定科目が用意されているため、口座名を「受取手形」とすることはできません。
4. この時点では決算書上は「現金・預金」として取り扱われるため、設定を変更する必要があります。
[設定]メニュー →[勘定科目の設定]から、「受取手形口座」の勘定科目のカテゴリーを「資産 > 流動資産 > 売上債権」、表示名を「受取手形」へ変更し、画面下部の[保存]ボタンをクリックします。
5. 手形売上があった際には、「決済:完了」「口座:受取手形口座」の収入取引を登録します。
6. 実際に受取手形が現金化されたタイミングで、口座振替(資金の移動)を登録します。
[取引]メニュー →[口座振替]より、 振替元「受取手形口座」、振替先を入金先口座として現金化された金額を登録します。
支払手形の処理
1.[口座]メニュー →[口座の一覧・登録]画面を開き、[現金・その他]タブをクリックします。
2. [負債の口座(支払手形・借入金など)を登録する]ボタンをクリックし、未払金扱いの口座をいったん登録します。
3. 口座名を「支払手形口座」として[登録]ボタンをクリックします。ここで設定した口座名は、勘定科目としても登録されます。
※ 標準で用意されている「支払手形」という勘定科目が用意されているため、口座名を「支払手形」とすることはできません。
4. この時点では決算書上は「未払金」として取り扱われるため、設定を変更する必要があります。
[設定]メニュー → [勘定科目の設定]から、「支払手形口座」の勘定科目のカテゴリーを「負債及び純資産 > 負債 > 仕入債務」、表示名を「支払手形」へ変更し、画面下部の[保存]ボタンをクリックします。
5. 手形仕入を行った際には、「決済:完了」「口座:支払手形口座」の支出取引を登録します。
※ 半金半手の決済条件の場合では、一度未決済の取引として登録したのち、手形での支払い部分について手形口座で決済登録をすることとなります。
6. 振り出した支払手形が期日を迎えたタイミングで、口座振替を登録します。
[取引]メニュー →[口座振替]より、 振替元を預金口座、振替先を「支払手形口座」として、支払った金額を登録します。
「+更新」を用いて処理する方法
「+更新」とは、一度入力した取引の仕訳について、借方・貸方のいずれかの勘定を更新する(振替える)機能です(ヘルプページはこちら)。「+更新」を用いた支払手形の処理手順は、次の通りです(半金半手の場合)。
1. 未決済取引を通常通り入力します。
「売上高」を未決済取引として入力すると、自動で「売掛金」が認識されます。
2. 債権・債務の認識を、「決済状況」の「+更新」から手形として更新します。
手順1で登録した取引の詳細を開き、「決済」欄の[+更新]ボタンを選択し、「売掛金」行の[+更新]ボタンをクリックします。
3. 更新内容を次のように入力し、ポップアップ画面右上の[保存]ボタンをクリックします。
- 更新日:手順1で登録した取引の「発生日」と同日
- 勘定科目:「受取手形」
- 金額:手順1で登録した取引の「金額」と同額
※ もし勘定科目が候補表示されない場合は、 「受取手形(口座)」が検索で表示されるよう、[設定]メニュー →[勘定科目の設定]から設定しておきます。
4. 手形が現金化されるタイミングで、取引を登録します。
受取手形が期日を迎えて入金された場合、「受取手形」勘定の決済済み収入を登録します。
直接減額法の場合、次のように処理いただけます。
■ 「受取手形口座」を用いて記帳している場合
手形仕入について、「受取手形口座」を口座として、決済済みとして支出を処理します。
■ 「+更新」を用いて記帳している場合
手形仕入について、「買掛金」(または未払金など)を更新する際に、「受取手形」勘定で更新します。
テンプレートをご用意しています。下記リンクよりダウンロード・コピーいただけます。
- Excel版
- Googleスプレッドシート版(コピーしてお使いください)