初期設定チェックリストをはじめてご利用の方は、チェックリストのまとめと使い方を確認してからのチェック開始をおすすめします。
この初期設定チェックリストでは、初期設定で間違いやすい設定を確認・修正できます。
確認内容は、1回目の給与計算に必要な項目が中心です。
また従業員数が1〜10名程度の事業所で、労務に慣れない方向けの内容となります。
チェック前編では、「締め日支払い日」「給与規定」「勤務・賃金」の間違いやすい項目を確認していきます。
チェック後編では、「従業員」「給与明細」を確認します。
この勤務・賃金②ページでは、勤務・賃金のStep1〜3をご案内します。
勤務・賃金①ページでは、締め日支払日と勤務・賃金のStep4〜7をご案内しています。
目次
勤務・賃金で間違いやすい設定
準備するもの
- 就業規則や労使協定、労働条件通知書等の働き方に関する書類
確認ステップ一覧
事業所や従業員の状況にあわせて、必要なステップの確認を進めます。
役員の場合
Step1を確認・修正します。
ステップ | 間違いやすさ | 必須確認 を推奨 |
---|---|---|
Step1. 基本情報(役員) | ★★★★★ 5.0 | ◯ |
従業員(役員以外)の場合
- ご状況に応じて、Step1〜7の必要なステップで確認・修正します。
- おすすめは「スタンダードチェック」コースです。(参考:チェックリストのまとめと使い方)
ステップ | 間違いやすさ | 必須確認 を推奨 |
ミニマム チェック |
スタン |
フル |
---|---|---|---|---|---|
Step1. 基本情報(従業員) | ★★★★★ 5.0 | ◯ | ✔ | ✔ | ✔ |
Step2. 休日 (※freeeで勤怠管理する場合のみ) |
★★ 2.0 | - | ✔ | ✔ | |
Step3. 出退勤時刻と労働時間 | ★★★★★ 5.0 | ◯ | ✔ | ✔ | ✔ |
Step4. 打刻まるめ設定 (※freeeで勤怠管理する場合のみ) |
★★ 2.5 | - | - | ✔ | |
★1.0 | - | - | ✔ | ||
Step6. 割増賃金 | ★★ 2.0 | - | - | ✔ | |
Step7. 勤務・賃金の登録漏れの確認 | ★1.0 | - | - | ✔ |
※コースに含まれないステップでも、不明点がある場合は適宜確認できます。
確認する画面の開き方
- [設定]メニューを開き、[勤務・賃金]をクリックします。
- 「勤務・賃金設定」画面が表示されたら、勤務・賃金設定のどれか一つをクリックします。
- 「勤務・賃金設定詳細」画面が表示されたら、[編集する]をクリックします。
- 勤務・賃金の編集画面が表示されたら、各ステップを確認していきましょう。
上記の確認ステップ一覧 から確認したいステップへ進みます。
Step4. 打刻まるめ設定の確認(freeeで勤怠管理する場合のみ)
※ 確認する対象:freeeで勤怠管理する場合かつ、打刻まるめを利用している場合のみ。
当てはまらない場合は、Step5. 記録と計算方法の確認 へ進みます。
- 「確認する画面の開き方」で画面が表示されたら少しスクロールし、
打刻まるめ設定の各項目を確認します。
「打刻まるめ設定」の間違いやすい項目- 所定の出勤時刻より前の打刻
- 所定の退勤時刻より後の打刻
- 打刻まるめの単位
- 所定の時刻でない時間に打刻した場合の勤務時間の取り扱いに関して、実現したい内容に沿った設定となっている
- 設定した上で[まるめ処理を確認]ボタンをクリックし、現在の設定の場合のまるめを確認できている
- 実現したい内容に沿った設定となっていない
- 労働時間の管理は1分単位が原則です。打刻まるめが本当に必要な場合、従業員にとって不利益にならない社内ルールを定め、ルールの周知を徹底した上で利用してください。
- 設定の確認は、「勤務・賃金設定を追加する - 打刻まるめ設定」と[まるめ処理を確認]を参照して行います。
- 「打刻まるめ設定」の間違いやすい項目を確認できました。
「打刻まるめ設定」ステップで確認した項目- 所定の出勤時刻より前の打刻
- 所定の退勤時刻より後の打刻
- 打刻まるめの単位
- 「打刻まるめ設定」で間違った項目があれば修正します。
修正方法- 初期設定チェックリスト:修正(前編)- 勤務・賃金の打刻まるめ設定 を参照して修正します。
- 「打刻まるめ設定」の確認が完了しました。
次は、Step5. 記録と計算方法の確認 へ進みます(Step5はフルチェックの対象です)。
Step5. 記録と計算方法の確認(freeeで勤怠管理する場合のみ)
「記録と計算方法」ステップで確認する項目:計2項目
- 遅刻・早退時間
- 遅刻早退・欠勤控除(フレックスタイム制以外)
- 不足時間控除を自動計算する(フレックスタイム制のみ)
「確認する画面の開き方」で画面が表示されたら少しスクロールし、
「記録と計算方法」の間違いやすい項目を確認していきます。
※下図は「固定時間制」のものです。労働時間制度の設定に応じて表示項目が異なります。
以降は、労働時間制度の設定に応じて進みます。
Step5. 記録と計算方法の確認(裁量労働制の場合)
-
遅刻・早退時間の設定を確認します。
正しい状態- 「記録する」のチェック(✔)が外れた状態である
- 裁量労働制では、みなし労働時間で給与計算を行うため、遅刻・早退の概念はありません。
- 遅刻・早退の確認が必要な場合は、裁量労働制の適用が不適切であるため、別の労働時間制度を適用します。
- 「労働時間制度」の診断の利用や社労士への相談等をおすすめします。
-
遅刻早退・欠勤控除の設定を確認します。
正しい状態- 【欠勤控除を行い、自動計算したい場合】
- 「自動計算する」に✔が入っている
- 【欠勤控除を行わない、または行うが手動計算する場合】
- 「自動計算する」の✔が外れている
- 実現したい計算に対して、設定が合っていない
- 裁量労働制では、みなし労働時間で給与計算を行うため、遅刻・早退の概念はありません。
- 遅刻・早退の確認が必要な場合は、裁量労働制の適用が不適切であるため、別の労働時間制度を適用します。
- 「労働時間制度」の診断の利用や社労士への相談等をおすすめします。
- 欠勤控除の計算方法は、労基法等による定めがないため、あらかじめ就業規則等に定めて周知を徹底しておく必要があります。
- 【欠勤控除を行い、自動計算したい場合】
- 「記録と計算方法」の間違いやすい項目を確認できました。
「記録と計算方法」ステップで確認した項目(裁量労働制)- 遅刻・早退時間
- 遅刻早退・欠勤控除
- 「記録と計算方法」で間違った項目があれば修正します。
修正方法
- 初期設定チェックリスト:修正(前編)- 勤務・賃金の記録と計算方法 を参照して修正します。
- 「記録と計算方法」の確認が完了しました。
次は、Step6. 割増賃金の確認 へ進みます(Step6はフルチェックの対象です)。
Step5. 記録と計算方法の確認(フレックスタイム制の場合)
-
遅刻・早退時間の設定を確認します。
正しい状態- 遅刻・早退時間を記録だけしたい場合に、「記録する」に✔が入っている
- フレックスタイム制度を選択した場合、遅刻早退・欠勤控除は自動計算されません。
- 月の総労働時間に対する不足時間があった場合に、不足時間の控除が可能です。
- 人事考課等で「遅刻・早退時間」の記録が必要な場合は、✔を入れた状態にしておきます。
-
不足時間控除を自動計算するの設定を確認します。
正しい状態- 就業規則や労使協定、労働条件通知書に沿って不足時間を控除する、かつ自動計算したい場合に、「自動計算する」に✔が入っている
- 不足時間分を給与から控除しないが、「自動計算する」に✔を入れたままになっている
- 不足時間分を給与から手動で控除するが、「自動計算する」に✔を入れたままになっている
- フレックスタイム制では、月の総労働時間に対する不足時間があった場合、不足時間の控除が認められています。
- 清算期間が1ヶ月を超える場合の処理は、非対応となります(「不足時間控除の自動計算する」の✔を外しても、繰り越しされません)
- 「記録と計算方法」の間違いやすい項目を確認できました。
「記録と計算方法」ステップで確認した項目(フレックスタイム制)- 遅刻・早退時間
- 不足時間控除を自動計算する
- 「記録と計算方法」で間違った項目があれば修正します。
修正方法
- 初期設定チェックリスト:修正(前編)- 勤務・賃金の記録と計算方法 を参照して修正します。
- 「記録と計算方法」の確認が完了しました。
次は、Step6. 割増賃金の確認 へ進みます(Step6はフルチェックの対象です)。
Step5. 記録と計算方法の確認(裁量労働制・フレックスタイム制以外の場合)
-
遅刻・早退時間の設定を確認します。
正しい状態- 【遅刻早退控除を行う場合】
- 「記録する」に✔が入っている
- 【遅刻早退控除を行わない場合】
- 記録だけしておきたい場合に、「記録する」に✔が入っている
- 遅刻早退の記録・集計が必要だが、「記録する」に✔が入っていない
- 【遅刻早退控除を行う場合】
-
遅刻早退・欠勤控除の設定を確認します。
正しい状態- 【遅刻早退・欠勤控除を行い、自動計算したい場合】
- 「自動計算する」に✔が入っている
- 【遅刻早退・欠勤控除を行わない、または行うが手動計算する場合】
- 「自動計算する」の✔が外れている
- 実現したい計算に対して、設定が合っていない
- 遅刻早退や欠勤の控除の計算方法は、労基法等による定めがないため、あらかじめ就業規則等に定めて周知を徹底しておく必要があります。
- 【遅刻早退・欠勤控除を行い、自動計算したい場合】
- 「記録と計算方法」の間違いやすい項目を確認できました。
「記録と計算方法」ステップで確認した項目(裁量労働制・フレックスタイム制以外)- 遅刻・早退時間
- 遅刻早退・欠勤控除
- 「記録と計算方法」で間違った項目があれば修正します。
修正方法
- 初期設定チェックリスト:修正(前編)- 勤務・賃金の記録と計算方法 を参照して修正します。
- 「記録と計算方法」の確認が完了しました。
次は、Step6. 割増賃金の確認 へ進みます(Step6はフルチェックの対象です)。
Step6. 割増賃金の確認
「割増賃金」ステップで確認する項目:計5項目
- 法定内残業の割増率(裁量労働制の場合、所定休日内の同項目)
- 時間外労働の割増率(裁量労働制の場合、所定休日内の同項目)
- 休日労働の割増率
- 深夜労働の割増率
- 60時間超の時間外労働に加算される割増率(裁量労働制の場合、所定休日内の同項目)
- 「確認する画面の開き方」で画面が表示されたら少しスクロールし、
「割増賃金」の間違いやすい項目を確認していきます。
-
法定内残業の割増率の設定を確認します。
※ 裁量労働制の場合、所定休日内の法定内残業の割増率を確認します。
正しい状態- 0.00%以上となっている
- 法定内残業に対して割増賃金を支払うかは、事業所に委ねられており、就業規則などで定めた割増率を設定します。
- 一方、割増のない所定内労働と同じ単価の賃金は支払う必要があります。
法定内残業とは?
- 法定内残業とは、所定労働時間が法定労働時間に満たない場合に、法定労働時間の範囲内で行う残業を指します。詳細は、以下のとおりです。
- 固定時間制の場合
- 所定労働時間を超えたが、法定労働時間(1日8時間・週40時間※)に収まる労働(※ 特例措置対象事業場は週44時間)
- フレックスタイム制の場合
- 清算期間に設定した総労働時間が法定労働時間を下回る場合に、総労働時間を超えて法定労働時間までの労働。
- 裁量労働制の場合
- 所定休日の労働の労働で、所定休日の労働 + 週のみなし労働時間が40時間以下となる場合の労働。
- 平日(所定労働日)の労働はみなし時間で計算されるため、他の労働時間制度でいう法定内残業は発生しません。
- 変形労働時間制の場合
- 次の補足をご参照ください。
-
時間外労働の割増率の設定を確認します。
※ 裁量労働制の場合、所定休日内の「時間外労働の割増率」を確認します。
正しい状態- 25.00%以上となっている
- 25.00%未満となっている
- 時間外労働の割増率は、25%以上とする必要があります。
- 時間外労働分の賃金は【125% = 100%(通常) + 25%(時間外)】と計算されます。
時間外労働とは?
- 時間外労働とは、法定労働時間を超えた労働を指します。詳細は、以下のとおりです。
- 固定時間制の場合
- 1日8時間・週40時間(※ 特例措置対象事業場は週44時間)を超える労働
- フレックスタイム制の場合
- 清算期間の法定労働時間の総枠を超える労働
- 裁量労働制の場合
- 用語の補足 をご参照ください。
- なお裁量労働制の場合、平日(所定労働日)の時間外労働の割増賃金は、freeeでは自動計算されません。あらかじめ「その他手当」で付与しておく必要があります。
- 変形労働時間制の場合
- 次の補足をご参照ください。
-
休日労働の割増率の設定を確認します。
正しい状態- 35.00%以上となっている
- 35.00%未満となっている
- 休日労働の割増率は、35%以上とする必要があります。
- 休日労働分の賃金は【135% = 100%(通常) + 35%(休日) 】と計算されます。
- 休日労働とは、法定休日(週1日または4週に4日の休日)における労働を指します。
-
深夜労働の割増率の設定を確認します。
正しい状態- 25.00%以上となっている
- 25.00%未満となっている
- 深夜労働の割増率は、25%以上とする必要があります。
- 深夜労働とは、22時〜翌日5時の労働を指します。
-
60時間超の時間外労働に加算される割増率の設定を確認します。
※ 裁量労働制の場合、所定休日内の「60時間超の時間外労働に加算される割増率」を確認します。
正しい状態- 【A. 時間外労働の割増率+ B. 60時間超の時間外労働に加算される割増率】が50%以上となるよう、B. 60時間超の時間外労働に加算される割増率 を設定できている
- 【A. 時間外労働の割増率+ B. 60時間超の時間外労働に加算される割増率】の合計が、50%未満となっている
- 60時間超の時間外労働の割増率は、労基法上で50%以上である必要があります。
- freee人事労務の設定では【A. 時間外労働の割増率+ B. 60時間超の時間外労働に加算される割増率】の2項目の合計が50%以上となるように設定します。
- 時間外労働の割増率の初期値:25%
- 60時間超の時間外労働に加算される割増率の初期値:25%
- (→合計で50%となります)
例:60時間超の時間外労働の賃金の計算(36協定締結前提)
- 時間外労働の割増率:25% で設定し、
- 60時間超の時間外労働に加算される割増率:25% で設定した状態で、
- 固定時間制(定時を固定した働き方)で残業63時間が発生した場合、残業63時間分の賃金は次のように計算されます。
- 60時間分:125% = 100%(通常) + 25%(時間外)
- 3時間分:150% = 100%(通常) + 25%(時間外) + 25%(60時間超)
- 「割増賃金」の間違いやすい項目を確認できました。
「割増賃金」ステップで確認した項目- 法定内残業の割増率(裁量労働制の場合、所定休日内の同項目)
- 時間外労働の割増率(裁量労働制の場合、所定休日内の同項目)
- 休日労働の割増率
- 深夜労働の割増率
- 60時間超の時間外労働に加算される割増率(裁量労働制の場合、所定休日内の同項目)
- 「割増賃金」で間違った項目があれば修正します。
修正方法
- 初期設定チェックリスト:修正(前編)- 勤務・賃金の割増賃金 を参照して修正します。
- 「記録と計算方法」の確認が完了しました。そして1勤務・賃金の確認が完了しました。
勤務・賃金が複数ある場合は、Step1〜Step6を繰り返します。
すべての勤務・賃金の確認・修正後、次は Step7. 勤務・賃金の登録漏れの確認 へ進みます。- Step7はフルチェックの対象です。
Step7. 勤務・賃金の登録漏れの確認
- [設定]メニューを開き、[勤務・賃金]をクリックします。
- 勤務・賃金設定の一覧画面で、勤務・賃金の登録漏れがないか を確認します。
正しい状態- 事業所内で必要なパターンが登録されている
- 複数の従業員に共通する勤務・賃金のパターンで登録漏れがあった
- 労働時間制度・雇用形態(・所定労働時間)などをかけ合わせ、勤怠管理に必要な勤務・賃金設定のパターンを登録します。
- たとえば、役員、正社員(固定時間制)、正社員(フレックスタイム制)、アルバイト(時給)など、必要なパターンを登録しておきます。
- 同じ雇用形態(正社員/アルバイト等)・同じ労働時間制度でも、所定の労働時間や出退勤時刻が異なる場合は、勤務・賃金をわけて作成しておきます。
- 例:同じ固定時間制の正社員でも、営業部は10時〜19時、総務部は9時〜17時、開発部は11時〜20時、等と部署によって所定の出退勤時刻や所定労働時間が異なる場合
- 法定内残業・時間外労働などの正しい記録や効率的な管理の観点から、同じ勤務・賃金を適用した従業員毎に個別で項目を変更するよりも、勤務・賃金をわけて作成することをおすすめしています。
- 勤務・賃金の登録漏れがあれば修正します。
修正方法- 下記を参照しながら、必要な勤務・賃金を追加で登録します。
- これで、勤務・賃金の確認が完了しました。次のステップを確認します。
次のステップ(チェック後編)- スタンダードチェック または ミニマムチェック
- 従業員 - 従業員情報で間違いやすい設定 へ進みます。
- フルチェック
- 従業員 - 入社状況で間違いやすい設定 へ進みます。
- スタンダードチェック または ミニマムチェック