デビットカードは、クレジットカード等と同様に各種支払いに利用できるペイメントカードです。
デビットカードの特徴は、基本的に利用後すぐに銀行口座から代金が引き落とされ、銀行の残高を超えての利用ができないことです。
このページでは、デビットカードの利用にまつわる一連の流れを通して、どのようにfreeeに取引登録を行っていくかをご説明いたします。
目次
デビットカードにまつわる実取引とfreeeでの登録処理
デビットカードの概要
デビットカードは預金口座と紐付いた決済用のカードで、クレジットカードとは決済タイミングが異なります。デビットカードは、決済時点でリアルタイムに預金口座からの引き落としが発生する即時決済であるのに対し、クレジットカードは、一定期間の決済額をまとめて後日支払う後払い決済です。
デビットカードの実取引例
デビットカードを使用した際の取引例は、次のようなものがあります。
基本的にデビットカードは即時決済のため、一見、紐付けられた銀行口座の明細から直接取引を登録すれば良いと思われますが、必ずしも即時決済される訳ではなく、例2のようにタイムラグが生じることもあります。
例1:事務用品の購入(即時決済のケース)
つばめ文房具店で事務用品5,000円をデビットカードで購入し、代金はデビットカードに紐づけられた銀行口座から同日に引き落とされた。
例2:宿泊費の支払い(決済タイミングにズレが生じたケース)
今回、出張のため3月30日にフリーホテルを予約し、代金10,000円をデビットカードで決済したがこの時点では紐付けられた銀行口座からの引き落としは発生していなかった。その後、4月2日にデビットカードで決済した10,000円の引き落としが確認された。なお、当社の決算日は3月31日である。
freeeでの登録処理
基本的にデビットカードは即時決済されますが、「 デビットカードの実取引例 」の 例2 のように、決済時点と引き落とし時点との間にタイムラグが生じる場合があり、特に決算日等をまたぐ場合には、デビットカードの未決済額は「未払金」等として帳簿に記録する必要があります。
したがってデビットカードは、クレジットカードの登録処理に準じて、次のように登録処理を進めて行きます。各登録処理の詳細は、次以降のセクションをご覧ください。
- 【事前準備】デビットカードおよび引き落とし先銀行口座を登録する
入出金を管理するために、それぞれの「口座」を登録します。 - デビットカードの利用内容を取引登録する
デビットカードの利用履歴をもとに、支出取引を登録します。 - 引き落とし先銀行口座からデビットカードへ口座振替を登録する
引き落とし先銀行口座の引き落とし記録をもとに、口座振替を登録します。
1. 【事前準備】デビットカードおよび引き落とし先銀行口座を登録する
freee会計では、日々の取引で用いる入出金手段を「口座」として登録します(口座の詳細については、「 「口座」について 」をご覧ください)。
ここでは、デビットカード および 引き落とし先銀行口座をfreeeに登録します。
デビットカードの口座登録
まずは、登録しようとしているデビットカードが同期対応しているかどうかを確認します。
「 同期対応口座一覧 - クレジットカード 」の一覧にて、名称の一部に「デビット」が含まれる口座は同期が対応している口座です。
【同期対応しているデビットカードを登録する場合】
同期が対応しているデビットカードの場合、freeeであらかじめ用意されている口座をそのまま登録することができます。口座登録の詳細な手順については「 銀行やクレジットカードを登録する(口座を登録) - 口座の登録方法 」をご覧ください。
また、口座登録後、同期設定を行うことで、利用履歴等の明細をfreeeに取り込み、支出取引の登録作業を効率化することもできます。
【同期対応していないデビットカードを登録する場合】
同期が対応していないデビットカードの場合、独自の負債口座を登録することができます。口座登録の詳細な手順については、「 独自の口座を登録する(小口現金など) 」をご覧ください。
また、口座登録後、利用履歴等の明細をfreeeに手動で取り込むことによって、支出取引の登録作業を効率化することもできます。
引き落とし先銀行口座の口座登録
デビットカードに紐づく引き落とし先銀行口座は、freeeであらかじめ用意されている口座をそのまま登録することができます。口座登録の詳細な手順については「 銀行やクレジットカードを登録する(口座を登録) - 口座の登録方法 」をご覧ください。
また、口座登録後、同期設定を行うことで、入出金履歴等の明細をfreeeに取り込み、取引の登録作業を効率化することもできます。
2. デビットカードの利用内容を取引登録する
デビットカードの利用内容を取引登録する手順は、利用履歴(明細)が、freeeに取り込まれているかどうかによって異なります。
freeeにデビットカードの利用履歴が取り込まれていない場合
デビットカードで利用履歴が取り込まれていない場合であっても、 1つずつ手動で明細を登録する方法 または 一括で明細をアップロードする方法 のいずれかを用いることで、freeeに明細を取り込んだ場合と同じ状態をつくることができ、「自動で経理」機能による取引登録が可能となります。
利用明細の取り込みが完了したら「 freeeにデビットカードの利用履歴が取り込まれている場合 」へ進みます。
freeeにデビットカードの利用履歴が取り込まれている場合
取り込まれた明細は、「自動で経理」機能を利用することで、カンタンに取引登録することができます。「自動で経理」での取引登録の詳細は「 銀行などの明細から帳簿付けを行う(自動で経理) - 収入・支出を登録する 」をご覧ください。
例:事務用品(消耗品費)10,000円をデビットカードで決済した場合
取り込まれた出金明細から、決済済み支出取引を登録します。
3. 引き落とし先銀行口座からデビットカードへ口座振替を登録する
引き落とし先銀行口座の出金明細を登録する手順は、引き落とし先銀行口座の出金履歴(明細)が、freee取り込まれているかどうかによって異なります。
freeeに引き落とし先銀行口座の出金履歴が取り込まれていない場合
引き落とし先銀行口座で出金履歴が取り込まれていない場合であっても、 1つずつ手動で明細を登録する方法 または 一括で明細をアップロードする方法 のいずれかを用いることで、freeeに明細を取り込んだ場合と同じ状態をつくることができ、「自動で経理」機能による口座振替登録が可能となります。
出金明細の取り込みが完了したら「 freeeに引き落とし先銀行口座の出金履歴が取り込まれている場合 」へ進みます。
freeeに引き落とし先銀行口座の出金履歴が取り込まれている場合
取り込まれた明細は、「自動で経理」機能を利用することで、カンタンに口座振替登録することができます。「自動で経理」での口座振替登録の詳細は「 銀行などの明細から帳簿付けを行う(自動で経理) - 資金の移動を登録する 」をご覧ください。
例:デビットカードで決済した金額を銀行口座から振り替える場合
引き落とし先銀行口座に取り込まれた出金明細から、口座振替(銀行口座 → デビットカード)を登録します。
決算日等をまたぐ場合の処理
「デビットカードによる決済」および「決済された金額の引き落とし」のタイミングが決算日をまたぐ場合、未決済金額は「未払金」等として、貸借対照表に計上する必要があります。
しかし、本ページでご説明している「 1. 【事前準備】デビットカードおよび引き落とし先銀行口座を登録する 」から「 3. 引き落とし先銀行口座からデビットカードへ口座振替を登録する 」の手順が正しく行われている場合、未決済金額は「未払金」等として自動的に貸借対照表へ登録されますのでご安心ください。
ただし、引き落とし先銀行口座に取り込まれた出金明細から、直接利用内容にまつわる取引を登録していた場合(デビットカードの口座登録等を行っていないケース)は、決算日において追加の処理が必要となる場合があります。その場合は、「 振替伝票 」等を用いて、決算日の決算整理仕訳 および 翌期首の再振替仕訳を適宜ご登録ください。
参考情報
デビットカードの利用履歴や引き落とし先口座の出金履歴の登録を自動化する
freeeに取り込まれたデビットカードの利用履歴や、引き落とし口座の出金履歴の各明細に、ある程度共通した条件(明細の「取引内容」に「デビット」の表記が含まれる など)がある場合、「 自動登録ルール 」機能を用いることで登録内容の推測や自動登録することができます。本機能は、特に取り込まれる明細数が多い場合に最適です。
同期終了したデビットカードの取り扱いについて
一部のデビットカード口座については 同期機能の提供を終了 しておりますが、同期終了後も変わらず取引登録等を行うことができます。その場合、デビットカードの利用履歴は「 freeeにデビットカードの利用履歴が取り込まれていない場合 」に記載の方法にてご登録ください。
デビットカード口座を登録・同期せず、紐づく銀行口座のみで取引登録を行う場合
デビットカードは即時決済方式であることから、紐付く銀行口座の明細にはデビットカードとほぼ同内容の明細を含んでfreeeに取り込まれます。このことから、デビットカード口座を登録・同期せず、紐付く銀行口座のみで取引登録することも可能ではあります。
しかし、「 決算日等をまたぐ場合の処理 」に記載がある通り、ある一時点においてはデビットカードによる流動負債が発生する可能性があります。この方法は、当該流動負債が適切に処理できる場合にご利用いただき、それ以外の場合は、本ページ記載の「 1. 【事前準備】デビットカードおよび引き落とし先銀行口座を登録する 」から「 3. 引き落とし先銀行口座からデビットカードへ口座振替を登録する 」の手順に沿って登録処理等を行うことをオススメします。