従来続いていた明細の重複・取得漏れのリスク低減など安定した同期機能の提供のため、2023年11月下旬より順次、家族カードや従業員カードなど親子カードの明細の口座への取り込み方の仕様が変わります。本ページでは、仕様変更に伴う対応方法や留意点などについてご説明します。
目次
- 本ページの対象となる方
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仕様の変更点
- 1. 親カード明細と子カード明細がひとつの口座にまとめて取り込まれるように
- 2. どのカードの明細なのかは「カードラベル」で識別できるように -
仕様の変更に伴いできなくなる事
- 1. 取引画面で特定の親カード(または子カード)の決済分のみ表示する絞り込み
- 2. 各種レポート画面で「特定の親カード(または子カード)の残高のみ表示する」等の絞り込み
- 3. グループ管理機能で、特定の親カード(または子カード)のみの権限をもつこと
- 4. 勘定科目の内訳管理を、親カード・子カードでそれぞれ設定すること -
仕様変更リリース後のご利用状況別対応方法
- パターン1:親カードも子カードも両方同期している場合
- パターン2:親カードまたは子カードどちらか一方だけ同期している場合
- パターン3:親カードと、複数ある子カードのうち一部だけ同期している場合 - カードラベルの便利な機能
- よくあるご質問
- 参考:今回の仕様変更に伴うPublic APIの対応について
本ページの対象となる方
以下のクレジットカード口座に親子カードをfreee会計に同期していて、明細を取り込んでいるお客様が対象になります。
※親子カードとは家族カード・従業員カード・ETCカード等を指します。
※本ヘルプページ並びに以下に記載の対象クレジットカード口座は、2023年11月から仕様変更対象となるクレジットカード口座のご案内となります。(従来から、本ページでご案内する「親カードと子カード明細が同一口座に取り込まれる」仕様のクレジットカード口座もあります)
※クレジットカード口座全体の同期されるカード単位につきましては、「クレジットカード利用明細の連携機能まとめ - クレジットカード別の連携仕様の一覧表」をご覧ください。
- アメリカン・エキスプレス
※アメリカン・エキスプレス - ビジネス・カード(API)は対象ではありません。 - 出光カード
- 出光カード(API認証)
- セディナ(CFWebiew)
- セディナ(OMC Plus)
- ライフカード
- 楽天カード
- DCカード
- DCカード(コーポレートカード)
- freee MasterCard
- JACCSカード
- MUFGカード
- NICOSカード
- TOKYU CARD
- UCSカード
- VIEWカード
仕様の変更点
1. 親カード明細と子カード明細がひとつの口座にまとめて取り込まれるように
明細の重複・取得漏れのリスク低減など安定した同期機能の提供のため、2023年11月下旬以降順次、対象のカードにおいて紐づく親カード明細と子カード明細が、freee会計上の同じ「口座」にまとめて取り込まれるようになります。
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Before:
freee会計上に「口座」を作成してカードと同期するとき、「口座」にどの親カードまたは子カードの明細を取り込むのか、カードの選択ができました。 - After:freee会計上に「口座」を作成してカードと同期するとき、親カードと子カードの明細が同じひとつの「口座」に取り込まれます。
「親カード明細のみ、あるいは子カード明細のみ取り込んでいた」という場合は、これまで取り込んでいなかった親カード・子カード明細が取り込まれることになります。
この場合の対処方法など、詳細は次のセクション「仕様変更リリース後のご利用状況別対応方法 - パターン2:親カードまたは子カードどちらか一方だけ同期している場合」にてお伝えします。
2. どのカードの明細なのかは「カードラベル」で識別できるように
紐づく親カード明細と子カード明細が同一の「口座」にまとめて取り込まれることに伴い、どれが親カード明細または子カード明細なのかは、freee会計上で対象明細に新しく付与される「カードラベル」で識別が可能です。
※ただしカードラベルはクレジットカード会社側で指定された文字列となり、freee会計上で変更等はできません。その他カードラベルについての詳細は、「カードラベルを利用する」をご覧ください。
例:楽天カード
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親カードのカードラベル例
- 楽天カード(Visa) ****-****-****-9999
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子カードのカードラベル例
- 楽天カード(Visa) ****-****-****-8888 家族
- 楽天カード(Visa) ****-****-****-1234 ETC
例:NICOSカード
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親カードのカードラベル例
- 1234-****-****-**** NICOS VISAゴールドカード
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子カードのカードラベル例
- 2345-****-****-**** NICOS VISAゴールドカード freee太郎様
- 3456-****-****-**** NICOS VISAゴールドカード 2
「カードラベル」は、それぞれ以下の画面でもご利用可能です。
- 自動で経理画面での絞り込み
- 自動登録ルールの設定画面の絞り込み
- 自動登録ルールの設定画面での自動登録ルールの設定条件としての活用
【「自動で経理」画面での絞り込み】
【「自動登録ルールの設定」画面での絞り込み】
【「自動登録ルールの設定」画面での自動登録ルールの作成条件での利用】
仕様の変更に伴いできなくなる事
1. 取引画面で特定の親カード(または子カード)の決済分のみ表示する絞り込み
これまでは親カードと子カードで口座が分かれていたため、「取引の一覧・登録」画面の[条件を設定]から「決済口座:〇〇カード」を選択して、取引の絞り込みが可能でした。
仕様変更以降は、親カードと子カードで口座は分かれずまとめて同一の口座に明細が取り込まれるため、口座名単位を用いた親カードのみ(まはた子カードのみ)の絞り込みができなくなります。
※「カードラベル」は明細に付与される識別情報なので、明細を登録(記帳)したあとの取引が集約されている「取引の一覧・登録」画面では用いることができません。
代替案として明細を取引登録するときに、カードを識別できるような表記で「メモタグ」をご利用することで、取引の絞り込みが可能です。
代替案の具体例
どの親カードまたは子カードなのか識別がつく名称でメモタグを作成し、「カードラベル」に合わせてメモタグを付与して登録します。画像は例として、以下の組み合わせで設定しています。
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親カードのカードラベル「楽天カード(Visa) ****-****-****-9999」に対して
- メモタグ「楽天カード:親」を付与
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子カードのカードラベル「楽天カード(Visa) ****-****-****-8888 家族」に対して
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メモタグ「楽天カード:家族」を付与
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メモタグ「楽天カード:家族」を付与
自動登録ルールの設定で、以下のように「常にカードラベルに値するメモタグを付与する」という設定をすることで更に効率化も図ることもできます。画像は例として、以下の組み合わせで設定しています。
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「自動登録ルールを適用する条件」について
- カードラベル「楽天カード(Visa) ****-****-****-9999」を設定
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「上記の条件に一致したときに行う処理」について
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メモタグ「楽天カード:親」を設定
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メモタグ「楽天カード:親」を設定
具体的に手動で自動登録ルールの条件を作成する方法は、本ヘルプページ内「仕様変更前後の自動登録ルールの設定の違いは?」も合わせてご覧ください。
2. 各種レポート画面で「特定の親カード(または子カード)の残高のみ表示する」等の絞り込み
これまでは親カードと子カードが口座単位で分かれていたため、[レポート]メニュー配下の「月次推移」や「総勘定元帳」など各種レポートで、「勘定科目:〇〇カード」としての絞り込みや、「貸借対照表」の流動負債に口座単位でカード未払い金残高の確認等ができました。
仕様変更以降は、親カードと子カードで口座は分かれずまとめて同一の口座に取り込まれるため、口座名単位を用いた親カードのみ(まはた子カードのみ)の絞り込みや残高の確認ができなくなります。
3. グループ管理機能で、特定の親カード(または子カード)のみの権限をもつこと
これまでは[設定]メニュー →[グループ管理]より、freee会計にログインできる各アカウントに対して「利用(口座の閲覧や同期)を許可する口座」を指定することができました。
参考:メンバーが利用できる口座・部門を指定する(グループ管理)
仕様変更以降は親カードと子カードを口座単位で識別することができなくなるため、グループ管理機能を利用して「アカウントAさんは親カード口座のみ閲覧・同期できる」等の設定ができなくなります。
4. 勘定科目の内訳管理を、親カード・子カードでそれぞれ設定すること
これまでは[設定]メニュー →[勘定科目の設定]から、口座別に勘定科目の内訳管理をご利用可能でした。
参考:勘定科目の設定・追加を行う - 勘定科目の内訳管理用の取引先・品目(補助科目)を設定する
仕様変更以降は、親カードと子カードを口座単位で識別することができなくなるため、「親カード口座のみ予め特定の取引先タグを紐づけておく」等の設定ができなくなります。
仕様変更リリース後のご利用状況別対応方法
本ページの対象となる方は、2023年11月下旬以降順次、新仕様が適用されていきます。
このセクションでは、仕様変更前のお客様のカードご利用状況別に仕様変更に伴う必要な対応をご案内いたします。
パターン1:親カードも子カードも両方同期している場合
この場合は、10月1日以降、新仕様が適用されたら「会計帳簿上の口座の移行作業(残高移行)」を行う必要があります。
詳細な操作画面については、「【2024年10月実施予定】一部のクレジットカードにおける「親子カード明細」の同期仕様の変更について(p.12-14)」をご覧ください。
【操作手順】
- [自動で経理] 画面から、統合前のカード口座の未登録明細を全て登録します。
- [取引]メニュー →[口座振替]をクリックし、統合前のカード口座の残高を、統合後のカード口座へ、「口座振替」という操作方法で移動させます。
- 振替日:対応実施日
- 振替元口座:親カード口座
- 振替先口座:今まで利用していた子カード口座
- 金額:子カード口座の登録残高(ホーム画面左側に各口座の登録残高が表示されています)
- 統合前のカード口座の登録残高が0円になったら、その[口座の詳細]画面を開き、の右上の[口座を非表示にする]ボタンをクリックし、その口座を非表示にします(任意)。
統合後のカード口座には、統合前に設定していた自動登録ルールが自動で再設定されています。「明細の自動登録ルールを設定する」をご参照のうえ、自動登録ルールのメンテナンスを行ってください。
仕様変更前後の自動登録ルールの設定の違いは?
仕様変更以前は、口座単位で親カードと子カードを識別していたので、自動登録ルールを作成する際は「取引口座:子カード口座(または親カード口座)」を選択して作成していました。
仕様変更後は、口座は同一なので新たに追加された「カードラベル」で親カードと子カードを識別します。したがって、自動登録ルールを作成する際は「取引口座:親カード口座」と「カードラベル:子カードのラベル」を合わせた条件で作成する必要があります。
下記は、仕様変更以前・以後の「自動登録ルールを適用する条件」の設定事例です。
【仕様変更以前:楽天カードの子カード”末尾7777 家族”で、取引内容に”タクシー”が含まれていた場合の自動登録ルールを作る場合】
- 収支区分:支出
- 取引口座:楽天カード(家族)
取引内容:部分一致 タクシー
【仕様変更以後:上記と同じルールを作る場合】
- 収支区分:支出
- 取引口座:楽天カード
- 取引内容:部分一致 タクシー
カードラベル:楽天カード(Visa) ****-****-****-7777 家族
口座を非表示とは?
「口座を非表示」にすると、これまで取り込んだ明細や紐づく取引は削除されることなく、ホーム画面や口座の一覧・登録画面から表示がされなくなります。そのため、不要になった口座は非表示にすることで、情報がすっきりします。非表示にした口座は、再度表示することも可能です。
詳細はこちらのヘルプページもご覧ください。
口座を非表示にする・削除する - 口座を非表示にする
パターン2:親カードまたは子カードどちらか一方だけ同期している場合
【このセクションの読み方】
このセクションは「現在親子カードのうち、親カード明細のみfreee会計に同期して取り込んでいて、子カード明細は取り込んでいない」場合を用いてご説明いたします。
逆の「現在親子カードのうち、子カード明細のみfreee会計に同期して取り込んでいて、親カード明細は取り込んでいない」という場合は、以降の説明文の「親カード」と「子カード」を入れ替えてご覧ください。
この場合は、現在freee会計に取り込んでいない子カード明細が仕様変更に伴い取り込まれるようになりますので、「現在の親カード口座に子カードの明細が取り込まれるようにする設定」と「本来なら取り込みたくない子カード明細を表示させない設定」を行います。
今まで同期していなかったカードの利用明細は、10月1日以降は自動で新仕様のカードラベルを用いて「無視登録」の自動登録ルールが設定(新仕様に移行)されます。設定された自動登録ルールが正しいか確認し、必要に応じてメンテナンスを行ってください。
従来通り取り込みたくない明細を表示させないようにするには?
親子カードのうち、元々freee会計に同期していなかった方のカード明細は、今回の仕様変更に伴い取り込まれるようになります。また、取り込ま れないように設定することはできません。
そのため「不要な明細として無視登録」をすることで対応をします。無視登録をすることで、「自動で経理」画面に表示されなくなり、取引登録(記帳)の対象外明細となります。
このとき、「このカードラベルが付与されているときは、常に無視登録をする」という自動登録ルールを作成することで、日頃意識することなく仕様変更前とほぼ変わらない体験でご利用可能です。(②の作業で「『無視する取引を登録する』の自動登録ルールを一括追加」のチェックボックスにチェックを入れた場合は、freeeが自動で以下でご説明している自動登録ルールを作成します)
【作成する自動登録ルールイメージ】
楽天カードの子カード明細(カードラベル:楽天カード(Visa) ****-****-****-7777 家族)を表示させたくない場合を例にすると、以下の条件で自動登録ルールを作成します。
- 収支区分:支出・収入(それぞれ別で作成)
- カードラベル:楽天カード(Visa) ****-****-****-7777 家族
- 取引内容:指定なし
- 上記の条件に一致したとき行う処理:無視する取引を登録する
パターン3:親カードと、複数ある子カードのうち一部だけ同期している場合
例えば親カードに対して3枚の子カードが紐づいていて、子カード1と3はfreee会計に同期していなかったとします。
-
【同期済み】親カード
- 【同期済み】子カード2
- 【同期していない】子カード1
- 【同期していない】子カード3
この場合は、「子カード2の明細を親カード口座に取り込む対応」と「今まで同期せず取り込んでいなかった子カード1・3明細を表示させない対応」と2つの対応が必要になります。
したがって、大セクション「仕様変更リリース後のご利用状況別対応方法」でご案内しているパターン1とパターン2の対応がどちらも必要となります。上述のヘルプページを参考にご対応ください。
カードラベルの便利な機能
カードラベルは、自動登録ルールでカードを識別するために利用できます。以下の方法でもカードラベルをfreeeに登録することができます。
自動登録ルールの「CSVインポート」機能
自動登録ルールはfreee会計上でひとつひとつ手動作成する方法以外に、ご自身でCSVファイルを作成してfreee会計にインポートすることで、一括でルールを作成することができます。
詳細は「自動登録ルールを一括で作成・変更する(CSVインポート) 」をご覧ください。
明細アップロード機能
同期で取り込むことができなかった明細などは、「明細アップロード」機能を用いて、クレジットカード会社側でダウンロードした明細一覧のcsvファイルを手動でアップロードすることで対応ができます。
詳細は下記のヘルプページをご覧ください。
よくあるご質問
意図的に同期をしていなかった明細が同期されました。どう対応したらいいですか?
この場合は、意図的に同期をしていなかった明細を取り込まない設定はできないため、不要な明細として「無視登録」を実施し、明細を表示させない対応が必要となります。
自動登録ルールの移行にチェックを入れたのに、カードラベルを利用した自動登録ルールが作成されていません
この場合の原因として以下が考えられます。原因に当てはまる場合はお手数ですが、ご自身でカードラベルを利用し、自動登録ルールを新たに設定してください。
- 該当の親子カードにおいて、移行作業前の2023年5月以降から2023年11月までの間に同期していない
- もともと自動登録ルールを作成していない
参考:今回の仕様変更に伴うPublic APIの対応について
今回の仕様変更に伴うデータ型の大きな変更点として「カードラベル」が新たに作成されますが、PublicAPIの口座明細"Wallet txns"のリクエストパラメーターおよびレスポンスの定義変更は行わないため、以下のエンドポイントでのカードラベルの情報取得およびカードラベルを指定した明細作成には対応していません。
- 口座明細一覧の取得(GET:/api/1/wallet_txns)
- 口座明細の作成(GET:/api/1/wallet_txns/{id})
- 口座明細の作成(POST:/api/1/wallet_txns)
よって上記PublicAPI経由で作成した明細は、カードラベルを指定した自動登録ルールを適用できないので、ご注意ください。